我部流大教授にかみつく






我部氏の述べたように、2001年の米同時テロ後のアフガン侵攻の時から嘉手納飛行場の爆音はひどくなった。普通の人は爆音といえばジェット戦闘機の離着陸の騒音が一番ひどいと思うだろうが、本当にひどいのは出撃から帰ってきたジェット戦闘機のエンジン調整だ。エンジン調整はジェット機が離陸するときと同じ大きさの爆音が長時間続く。アフガン戦争が始まった頃はエンジン調整の爆音がびとかった。
しかし、暫くすると、嘉手納飛行場からアフガンに飛び立つジェット戦闘機はなくなり、爆音も少なくなった。
次にひどくなったのは、北朝鮮がミサイルを飛ばしたときだった。
最近では韓国との共同演習が始まったときにジェット戦闘機の離着陸が激しくなった。
北朝鮮が怪しい動きをしたときには、すぐにでかいアンテナを乗っけた偵察機がやってくる。そして、最新鋭機の戦闘機がやってくる。アメリカ軍は中国や北朝鮮の動きに予想以上に敏感に対応する。

私はアメリカ軍の敏感な行動が中国や北朝鮮の動きを封じ込めていると思う。

しかし、我部氏は、「『安全のためには、金を払ってでも日本に米軍がいなければならぬ』という考えから脱却しない限り、騒音防止協定に実効性を持たせることは不可能だ」と延べ、「本当に米軍基地が必要なのか、コストが適切なのか」と沖縄にアメリカ軍が駐留することに暗に反対している。

アメリカ軍の根本的な問題はアジアに駐留しているアメリカ軍に抑止力があるかないかである。沖縄に駐留しているアメリカ軍と他のアジアに駐留しているアメリカ軍はひとつのチームであり、アジアのアメリカ軍に抑止力があると思うなら、アメリカ軍の沖縄駐留を認めるべきである。在沖海兵隊には抑止力がないというのは抑止力の論点をずらしている。ヘリコプター基地は抑止力がないというのも論点をずらしている。私はアメリカ軍には抑止力があると思う。だからねアメリカ軍の沖縄駐留を認めている。

コストの面で考えた場合、アメリカ兵士の給料や戦闘機などの軍事関係の機器はアメリカが負担するから、自衛隊だけで、中国や北朝鮮への抑止力を維持するよりは負担が少なくて済む。それに、自衛隊だけで国境を守った場合は、尖閣諸島の領海は日本だけで守るのは困難だっただろうし、北朝鮮の侵入も防げなかっただろう。

戦後65年間、沖縄・日本が平和であったのはアメリカ軍の抑止力があったことを素直に認めるべきである。認めたうえで、沖縄に駐留しているアメリカ軍の規模が適正かどうかについて考え、必要でない基地は撤去させる交渉をやるべきだ。

アメリカ・日本との貿易で経済成長してきた中国が、日本やアメリカと戦争を起こす可能性は限りなくゼロに近くなってきている。領海線での小競り合いはあったとしても、経済悪化になってしまうような事態は中国は避けるだろう。経済悪化は共産党一党独裁への反発となり、市民革命が起こる可能性がある。中国共産党が最も恐れているのは日本やアメリカではなく、国内の民主活動が活発になることである。

戦争を前提として存在する嘉手納飛行場の代わりは原子力空母ができるから、普天間飛行場より嘉手納飛行場のほうが必要性は低くなっている。
嘉手納飛行場の規模を小さくして普天間飛行場を嘉手納飛行場に移設するほうがいい。そして、中国との経済交流がもっと進化し、北朝鮮問題が終了した時、沖縄にアメリカ軍駐留は必要なくなる。











私の家にも、第3次嘉手納基地爆音差止訴訟へ勧誘するチラシがきた。なにか胡散臭い感じがしたので私は参加しなかった。

「午後七時から午前七時までの軍用機の飛行を止める」訴訟は大賛成である。裁判闘争をするともに政府に圧をかけることができるように訴訟団の市民運動が広がればいいが、巨大原告団の団長が新川秀清氏では広がるかどうか疑問である。新川秀清は元沖縄市長とはいえ社民党所属の政治家である。
社民党は反米主義であり、沖縄のアメリカ軍基地すべてを撤去することを主張してきた。訴訟団は「午後七時から午前七時までの軍用機の飛行を止める」のを目的にしている。ということは嘉手納飛行場の存在を渋々ではあっても認めているということになる。社民党の主張と訴訟団の主張は違っている。
訴訟団の団長が主張の違う社民党所属の政治家というのは訴訟団が政治に中立な市民団体とはいえない。

他の政党からは社民党の票集め目的の団体と看做され、純粋な市民活動はできない可能性がある。国会への訴えも効果が薄れる可能性がある。爆音差止訴訟団はC型肝炎訴訟のように特定の政党とは結びつかない団体であるべきだ。最初から訴訟団の団長が社民党所属の政治家であるのはうさんくさい。


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