翁長知事は県民を騙している



第1章 日本・沖縄の米軍基地はアジアの民主主義国家の平和に貢献している 第2章 戦後沖縄の非合法共産党・米民政府 第3章 辺野古移設の真実 第4章 辺野古埋め立ての真実 第5章 辺野古の真実を捻じ曲げた者たち 第6章 辺野古の真実を捻じ曲げた沖縄タイムス・琉球新報 第7章 辺野古の真実を捻じ曲げた翁長知事 第8章 辺野古の真実を捻じ曲げた落合恵子 第9章 辺野古の真実を捻じ曲げた宮崎駿 第10章 自民党県連批判 

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翁長知事は県民を騙している

沖縄の知事選挙は翁長雄志氏が圧勝したが、翁長氏の選挙公約と圧勝に沖縄政治の前近代的なお粗末さを感じる。
翁長氏は選挙公約を辺野古移設反対にした。辺野古移設は辺野古移設そのものが目的ではない。普天間飛行場の危険性除去が目的である。普天間飛行場の危険性を除去する方法として、閉鎖・撤去、グアム移設、県外移設があったが、三つの方法は実現の可能性がなかった。普天間飛行場の移設は唯一辺野古しかないということで政府は辺野古移設を目指して県、名護市、辺野古を説得し、2010年に政府と3者の合意で辺野古移設は決まった。そして、2013年に埋め立て申請を県は承認した。埋め立て申請を承認した後は知事の権限で埋め立てを阻止することは法的に不可能である。承認したので辺野古移設を阻止するのはますます不可能になった。翁長候補は辺野古移設阻止は不可能であったのに、移設阻止が可能であると県民が思ってしまうような辺野古移設反対を選挙公約にしたのである。県民には当選すれば辺野古移設は阻止できると豪語した。
実現できない選挙公約をしたのが翁長候補であった。それだけではない。翁長候補は辺野古移設反対を選挙公約にした瞬間に普天間飛行場問題を放棄したのである。
翁長知事は日米安保容認であり普天間飛行場の県外移設を主張していた。他方革新は日米安保反対で普天間飛行場の閉鎖・撤去を主張していた。翁長知事は主張が根本から違う革新と県知事選挙では手を組んだのである。
県外移設・閉鎖撤去のイデオロギーは腹六分に押さえ、沖縄アイデンティティーを名目に一緒になったので翁長知事は県外移設、革新は閉鎖・撤去のままひとつに統一することもなく選挙戦を闘った。選挙公約は県外移設でもなく閉鎖撤去でもなかった。辺野古移設反対であった。翁長知事と革新は辺野古移設反対は共通するが普天間飛行場の問題では県外移設と閉鎖・撤去で対立するから翁長知事と革新が選挙共闘した瞬間に普天間飛行場の解決方法はないことになる。翁長知事が革新と手を組むということは普天間飛行場問題を放棄することになるのである。
辺野古移設は普天間飛行場の危険性を排除するのが目的であった。ところが翁長知事は普天間飛行場の危険性を除去するための辺野古移設に反対すると同時に普天間飛行場の県外移設も放棄したのである。現実を無視したひどい選挙公約であったのだ。

「沖縄の自治は神話である」といったキャラウェイ高等弁務官を翁長知事は非難しているが、翁長知事のキャラウェイ批判は見当外れである。キャラウェイ高等弁務官が「沖縄の自治は神話である」と言ったのは沖縄に自治権を与えないと言ったのではない。沖縄はまだ自治能力がない、自治能力のない沖縄にとって自治は神話であると言ったのである。自治能力があれば自治権を与えるという考えがあったが、当時の沖縄の政治家や公務員の質は低く、自治能力がなかった。そして、自治権を求めるが自治能力を高める努力はしなかった。だからキャラウェイ高等弁務官は「沖縄の自治は神話である」と言ったのである。歴代の高等弁務官の中で沖縄の自治能力を高めるために奮闘したのはキャラウェイ高等弁務官であった。
キャラウェイ高等弁務官は優秀な人物で沖縄の自治を高めるために派遣された高等弁務官だった。
沖縄の自治能力を高めるために厳しい指導をしたために民主主義社会における自治のあり方も知らない沖縄の政治家や公務員はキャラウェイ高等弁務官に反発した。既得権に益固執する保守政治家もキャラウェイ高等弁務官を嫌った。
50年前のキャラウェイ高等弁務官の指摘は現在でも残念なことに今の沖縄の政治に通用する。
「沖縄の自治は神話である」と非難されたキャラウェイ高等弁務官講演からの引用である。
「もし、ある人間が新聞で読むものや住民の代弁者だと自称する人々の言葉をそのまま信じるならば、自治の真の意味は著しく誤解されるであろう。あるいは、この用語が故意に人を惑わす意図のもとに使われているのである。
政治とは実際的な問題を処理していくことであって空想的な計画を作ったり、圧力団体がスローガンを叫ぶことではないのである」
翁長知事の辺野古移設反対、県外移設は現実的ではなくキャラウェイ高等弁務官の指摘する「空想的な計画」である。政治ではないのである。翁長知事は自治能力のない政治家である。
普天間飛行場の危険性除去を放棄した翁長知事は、普天間飛行場問題については解決の提案を出すことはできないで別の話に転換してうやむやにしていく。
「辺野古の埋め立てを認めないということは、普天間を日本国全体でどうしてほしいという思いか」という質問に翁長知事は、
「普天間飛行場の原点は戦後、県民が収容所に入れられている間に強制接収されたものであります」
と、辺野古移設とはかけ離れた話に転換する。辺野古埋め立ては普天間飛行場の原点とはかけ離れた問題である。普天間飛行場がつくられたのは戦争中であり、米軍が九州に上陸した時に九州を攻撃する目的で普天間飛行場はつくられた。戦後につくられたものではない。県民が収容所に入れられている間に強制接収されたというのは嘘である。戦後に普天間飛行場をつくったのは嘘か本当かの問題は置いたとしても、辺野古移設は普天間飛行場の危険性を除去することがきっかけであり、70年前の強制接収の問題とは別である。すでに存在している普天間飛行場の危険性を除去するにはどうればいいのかという現実の問題なのだ。70前の話をしても解決できるような問題ではない。
 ところが翁長知事は強制接収の話を拡大する。
「それ以外の基地もすべて強制接収されたわけで、沖縄県民自ら差し出した基地は一つもありませんよという話をさせていただいています」
 沖縄は戦争に負けたのである。「沖縄県民自ら差し出した基地は一つもありません」と言うのは戦争に負けたことへの厳しさや自覚が足りないから言えるのである。戦争に負けたのだから強制接収に応じなければならないし、米軍は接収することを事前に通告しているし、接収する住民の代替地も準備していた。それにほとんどの住民は米軍の接収を了承している。立ち退きを拒否したのは共産党の影響が強かった伊佐浜と伊江島の2カ所だけである。普天間飛行場の問題から離れ、嘘の土地接収問題へとどんどん話をずらしていく翁長知事である。
「まず一義的には普天間の危険性除去をする時に、辺野古に移すということは、自分で土地を奪っておきながら、代わりのものを沖縄に差し出せというような理不尽な話が通るかというのが一つ大きなものがあります。もう一つは辺野古という、大浦湾という美しいサンゴ礁の海、ジュゴン、ウミガメがいるようなところをこうも簡単に埋めていいのかということも含めて国民の皆さん方にご理解いただきたいなと思っています」
翁長知事は普天間飛行場の危険性除去についての提案をしていない。辺野古に移さなければどこに移すのかそれとも固定化せざるを得ないのかという問題がのしかかってくるが、翁長知事は肝心な問題を避けて政府が「代わりのものを沖縄に差し出せ」というのが理不尽であると主張するのである。
 キャンプシュワブは米軍基地である。辺野古飛行場は米軍基地内につくるから新しい土地を接収する必要がない。だから政府は辺野古に移設することを選んだのである。政府は一度も土地を差し出せとは言っていない。辺野古移設を提案し、辺野古区民と話したり名護市長など北部の色々な人と話したのである。政府は県に土地を差し出せと言わないで自分の足で移設できる場所を探したのである。仲井真知事時代に沖縄側も辺野古移設に賛成した。
実は辺野古崎の沿岸部の埋め立ては政府ではなく沖縄側の要求である。小泉首相は海を避け陸地につくることにこだわった。海を埋めると自然環境を破壊するというので基地反対運動が盛んになる恐れがあったからだ。小泉首相は自然環境保護団体を一番恐れていた。ところが沖縄の業者が陸上案に反対した。莫大な利益を生む埋め立て工事ができないからだ。政府の陸上案と沖縄の業者の海上案との折衷案が現在の辺野古飛行場建設案である。
 「代わりのものを沖縄に差し出せ」という話を政府が言っているというのは翁長知事の作り話である。政府はそんなことを言っていない。なぜ、翁長知事はなぜ政府が「代わりのものを沖縄に差し出せ」と県に要求したという嘘をつくのか。それには翁長知事の不都合な真実があった。
翁長知事は普天間飛行場問題を放棄した。しかし、放棄したことを県民には知られたくない。そのために普天間飛行場問題を「沖縄県民自ら差し出した基地は一つもありません」とか「自分で土地を奪っておきながら、代わりのものを沖縄に差し出せというような理不尽な話」に転換していくのである。そして、普天間飛行場をどうするかという話題から離れて「もう一つは辺野古という、大浦湾という美しいサンゴ礁の海、ジュゴン、ウミガメがいるようなところをこうも簡単に埋めていいのか」と辺野古埋め立てに反対する理由を述べるのである。大浦湾は埋めないし、ジュゴンやウミガメの被害もない。それは翁長知事のでっちあげである。それだけではない。普天間飛行場問題を放棄した翁長知事は別の問題に転換させて政府を非難する。

「もし10年間、あれは10年間でできると言ってますけれども、10年間できるまで普天間をそのままにしておくこと自体が固定化ではあるんですよね。とんでもない話なんです。あそこに順調に造った場合には普天間の危険性は除去しているというような話でありますが、そうではなくて普通にいっても10年間は固定化するという話。これを防ぐという意味では、5年間の運用停止を前知事に約束をして5年間で空を飛ぶものがないようなものの状態にするということが普天間の危険性の除去ということだと思いますので、それすらもアメリカ政府から反対されて、なおかついま一歩も動かないということからしますと、この多くの国民や県民の皆さんにご理解頂きたいのは、10年間そのままにするというのは固定化でないのかどうかですね、これもよく考えて頂きたい。
万が一、15年に延びたら15年間固定化であります」

辺野古移設ができなかったら15年どころか何10年も固定化してしまうのである。それこそ避けなければならないことであるが、辺野古飛行場建設が15年も掛かったら大変なことになると主張しておきながら、翁長知事は巧妙に話を辺野古飛行場の問題にすり替える。次の文章は前の文章の続きである。

「それができるようなことがあれば、200年間沖縄に国有地として、私たちの手の及ばないところで縦横無尽に161ヘクタールを中心としたキャンプ・シュワブの基地が永久的に沖縄に国の権限として出てくるようなところがあるわけですから、普天間の固定化を避けるというのも重要な意味がありますけれども、もう一つ向こうに200年に渡って県民の意思とは関係なくそこに大きな基地が出来上がってきて、自由自在に使われるようになる」
普天間飛行場が200年間続くという話と思いきや急に辺野古飛行場の話に転嫁しているのである。普天間飛行場が15年間固定化するのは大変なことであるのなら、もし、辺野古移設ができなかったら200年も普天間が固定化することになる。そして、県民の意思とは関係なく普天間に大きな基地があり続け、自由自在に使われるようになるということになる。それこそが絶対に避けるべきである。普天間飛行場問題を放棄した翁長知事は普天間飛行場問題をごまかすのに必死である。

「辺野古が唯一の選択肢で何としても進めなければならない」と述べたことに記者がどう思うか質問しても。
「沖縄問題は大変、言葉遣いに気をつかうところでありまして、一昨年の前知事の承認についても口を枯らして話をするようなものも大変、はばかられるものがございます。島尻安伊子参院議員が今回、沖縄担当大臣になりましたけども、県民にとってもいろんな思いがあろうかと思います」と答えにならない返事をしている。記者は島尻沖縄担当大臣が「辺野古が唯一の選択肢で何としても進めなければならない」と発言したことへの感想を聞いたのに、それへの感想は島尻沖縄担当大臣への反論しかないはずなのに反論をしない。そして、普天間問題からも辺野古問題からも離れて、抽象的で意味不明な話を展開していく。

「沖縄県は、ある意味で基地問題も含めできるだけ多くの方々を包含(ほうがん)してよく私たちは日本政府と対立していると言われるんですが、意見を言うことそのものが対立と見られるところに、日本の民主主義の貧弱さがあると思いますね」
翁長知事は選挙の時、沖縄アイデンティティを結集して政府と対決することを県民に訴えていた。当選した後の翁長知事はあらゆる方法を使って辺野古移設を阻止すると言い、辺野古移設阻止に全力を注いだ。政府の話を一切受け入れないで自分の要求だけに徹していって対立をしたのは翁長知事である。翁長知事が行政の長として議会制民主主義を重んじるならば辺野古移設が政治的に結着したこと、県が埋め立て申請を承認したことを受け入れなければならない。日本の民主主義が貧弱なのではない。翁長知事が議会制民主主義を理解していないのだ。
 翁長知事が議会制民主主義を認識していなかったことを自らの口から語る。それはアイデンティティ論である。

「私が去年の選挙でオール沖縄、イデオロギーよりもアイデンティティということで、より多くの人が100%自分の考え方を主張するというよりも、一定の水準と言いますか一つの目的と言いますか、そういうもので心を一つにしてやっていこうというようなものが今日の翁長県政のベースになっているわけでありますけども、そういうことからしましても、政府のやることに対して、私も色んな思いはございます。思いますが、就任された中から改めて沖縄の将来を目指して、一つ一つ頑張っていくということで多くの県民、国民にも理解を得ていきたいと思っています」
もし、翁長知事のアイデンティティ論がなかった場合は革新と連携することはなかった。革新も知事選に立候補を出し、選挙は仲井真候補、翁長候補、革新候補の三つ巴戦になっていた。

仲井真候補・・・辺野古移設・・・日米安保容認
翁長候補 ・・・県外移設 ・・・日米安保容認
革新候補 ・・・閉鎖・撤去・・・日米安保廃棄

三つ巴戦では自民党県連から脱退した翁長候補は不利だった。自民党県連支持者の多くは仲井真候補に投票するだろうし、革新支持者は革新候補に投票する。翁長候補が知事選に勝つためには革新の票が必要だった。そのためには革新と連携する必要があった。しかし、日米安保容認の県外移設と日米安保廃棄の閉鎖・撤去の公約では連携することはできなかった。だからといって公約を県外移設か閉鎖・撤去に統一することもできなかった。実はオール沖縄の建白書には閉鎖・撤去の文言があり県外移設はない。もし、オール沖縄の主張を選挙公約にするなら閉鎖・撤去であったが、翁長知事は建白書に書かれている閉鎖・撤去を主張したことはない。保守としての自負がある翁長知事は日米安保廃棄イデオロギーによる閉鎖・撤去を嫌っている。だから建白書の閉鎖撤去ではなく県外移設を主張していた。
しかし、革新の票がほしい翁長知事は県外移設、閉鎖・撤去の主張を固定したまま連携する方法を考え出したのである。それがアイデンティティである。普天間飛行場問題の解決方法が違うのだから翁長知事と革新は連携することができないが、イデオロギーを腹六分に押さえた沖縄アイデンティティならば団結できるというのが翁長知事の理屈であった。共産党は全国組織であり沖縄アイデンティティがあるはずがない。しかし、翁長知事のアイデンティティ論に賛同し共産党は翁長候補支持をきめた。他の革新政党も翁長候補支持にまわった。
沖縄アイデンティティで中央政府と対決するのだと翁長知事は言ったが、辺野古移設が決まる前だったら中央政府と対決をし、移設に反対して辺野古移設を阻止することができた。実際、県が反対している間は辺野古移設は決まらなかった。県が賛成したから辺野古移設が決まった。県知事、名護市長、辺野古区長が移設に賛成し、辺野古移設が政治的に結着し、埋め立て申請を県が承認してからは県知事が辺野古移設反対で政府と対決することはできない。
県議会や市民が県の承認に疑問を持ち、申請書を調査し、瑕疵があれば訴訟を起こすことはできるが行政の長である県知事は県の審査を尊重し、調査をし直すことは法律上できない。ところが翁長候補は知事になるためには革新の票が必要であり、革新の票を得るために県外移設でもなく閉鎖・撤去でもない辺野古移設反対を選挙公約にして革新と連携したのである。
根本的な問題は普天間飛行場の危険性除去である。県外移設を公約にして辺野古移設反対を主張するならおかしくはないが、普天間飛行場問題の解決策を掲げないで辺野古移設反対だけを選挙公約にするのはおかしい。それは政治ではなく人気取りである。翁長知事は政治を捨て人気を取ることによって県知事になったのである。

共産党はなぜ翁長知事と連携したのか。それには共産党や革新の低迷が原因している。知事選に独自の革新候補を立てても当選する確率は低かった。独自の候補を立てて落選するよりも翁長候補と連携して、翁長候補を当選させたほうが革新にとってメリットがあると考えたのである。共産党は自分の損得で翁長知事と連携したのであって沖縄アイデンティティは関係がない。
自民党から脱退した翁長氏と連携して翁長知事を誕生させたことに自民党いじめが最上の喜びである志位共産党委員長はご満悦になり、今度は沖縄での成功を国会でも目論んでいる。安全保障関連法廃止を目指す野党連立政権「国民連合政府」構想を描いて民主党など野党結集を働きかけているのだ。「国民連合政府」樹立のためには「日米安全保障条約の廃棄」「自衛隊の解消」などについて党の方針を「凍結」させるとも言っている。党の根本的な方針を凍結させるというのは大きな方針転換である。共産党はこれまで他党との選挙協力とは距離を置く独自路線だった。だから全選挙区に独自の立候補を立てた。他の野党も社会主義革命を目指している共産党とは距離を置いていた。
その共産党が「国民連合政府」構想を描き、安全保障関連の廃止で認識を共有する野党間の選挙協力を進めるという方針を立てたのである。
共産党の小池晃副委員長は20日のNHK番組で意見の違いを脇に置いて、戦争法廃止の一点で大同団結すべき時だ」と訴え、「国会で戦争法廃止の議決を行い(暫定的な)『国民連合政権』を樹立しようと呼びかけた。
このような戦略の始まりが沖縄県知事選だったのである。国会では「安保関連法案の廃止」の一点を目的に『国民連合政権』をつくろうとしている共産党は沖縄知事選では辺野古移設阻止の一点だけで翁長知事と手を組んだのである。

サミユル・ペケットの戯曲「勝負の終わり」に「終わりははじめの中にある」というセリフがある。翁長氏が知事選に勝って知事になった時、このセリフが私の頭に浮かんだ。翁長知事の敗北は確実であり、その原因は選挙公約にある。辺野古移設反対の選挙公約で仲井真候補に大勝したが、その選挙公約が翁長知事の身を亡ぼすのである。
翁長知事は、
「法廷闘争についても、政府を相手にするわけですからそう簡単でないということだけはよく分かります。そしてある意味で、工事を再開して埋め立てを場合によってはどういう状況で進めるかどうか分かりませんが、そういうことがあったとしても新辺野古基地は造れないだろうと私は思っています」
と言っているが、裁判は翁長知事が提訴しなければならない状況になってきた。提訴した翁長知事が裁判で敗北すれば知事の座を去らなければならないだろう。裁判で敗北するのは翁長知事自身も予感している。だから翁長知事は現実から逃げる。

記者の「あらゆる手段を使って造らせないという思いと、法廷闘争の限界をどう考えているか」という質問に、
知事 法廷闘争についても、政府を相手にするわけですからそう簡単でないということだけはよく分かります。そしてある意味で、工事を再開して埋め立てを場合によってはどういう状況で進めるかどうか分かりませんが、そういうことがあったとしても新辺野古基地は造れないだろうと私は思っています。
  今回、国連でも訴えをさせていただきましたけども、世界のメディアも注目していただくような状況になっているわけです。国内で10ポイント程度、基地を造っちゃいかんという考え方に変わってきたところがありますが、これからはあそこの現場は本当に戦争を体験したといいますか、それに近い世代があんな遠いところに不自由なところに毎日、1年以上も通っているわけですから、そういったところで理不尽な工事をすることの難しさは大変だと思います。

 埋め立てを進めれば飛行場は確実に建設されると考えるのが普通である。「建設が進んでも新辺野古基地は造れないだろうと私は思っています」と翁長知事は言っているが、それはあまりにも現実離れしている。現実から逃避し頭が少々おかしくなければそんなことは言わないだろう。

 頭のたがが外れ気味の翁長知事と記者との滑稽なインタビューもある。記者が、
「知事が移設を阻止するための手段を講じると、必ずと東京では移設が進まなくなる、固定化だ、翁長知事に責任がある、と喧伝される。責任論や責任の所在についてどう考えるか」
という質問をすると翁長知事は、
「私はまさしくそれが日本の政治の堕落だと言っているんですよね」
と答えている。翁長知事が移設を阻止する手段を講じても移設工事の少々の遅れはあっても固定化といえるほどの工事の遅れはない。翁長知事にそれだけの権力はない。それなのに翁長知事の権力を信じている記者は翁長知事が工事の固定化をさせると思っている。翁長知事もそのつもりになって「それが日本の政治の堕落だ」と言っている。笑えるやり取りである。堕落しているのは政府ではない。翁長知事である。記者は行政の世界を知らない。
 翁長知事は普天間飛行場問題を放棄したことをごまかすために弁解できない弁解をする。

「私に外交権があるわけじゃあるまいしね、沖縄県知事は当選したら内政といいますか、教育や福祉や環境は捨てておいて年中上京して、他の市町村や知事に、頼むから受けてちょうだいよ、沖縄は大変なんだよと言って歩くのが沖縄県知事の責務になるのかどうかですね。こういったことを踏まえて考えますと、日本政府からこういう話をするのは、まさしく日本の政治の堕落である上になおかつ自分の意思で日本の政治を動かしているかどうかことさえ日本政府には試される」
自民党の小泉首相も民主党の鳩山首相も県外移設場所を探すことができなかった。それでも県外移設を主張するならば翁長知事が探すしか方法はない。県外移設場所を探すのに外交権は必要がない。移設場所を見つけたら政府に報告すればいい。「私に外交権があるわけじゃあるまいしね」と言ったのも頭のたがが外れているせいだろう。
 県外移設場所を探すなら県庁内に移設場所を探すチームをつくればいいのであって翁長知事が他の市町村を回って交渉する必要はない。県外移設場所がないのを知っていて探す気がないから自分が回らなければならないような言い訳をするのである。
「教育や福祉や環境は捨てておいて」には笑ってしまう。あらゆる方法を使って辺野古移設を阻止するて公言している翁長知事は阻止行動に全力を注いで「教育や福祉や環境は捨てておいて」いる状態である。翁長知事は自分が知事失格であると言っているようなものである。
 頭のたがが外れた知事失格者はなんと日本国家のあるべき姿まで述べるのである。
「日米地位協定、日米安保も含めて、基地の提供について日本政府が自主的に物事を判断しながらアジアのリーダーになろうとしているのか、世界のリーダーになろうとしているのか。あるいは日米安保というものが、自由と平等と人権と民主主義というものを共通してもっている国々が連帯するような、そういったものを作り上げようとしているわけですから、自国の県民にさえそういったことさえできないような政府が、私は日米安保、もっと品格のあるものにしてもらいたいと思っているので、大変残念なことであります」

 日米安保は日本と米国の安全保障条約である。他の国々と連帯することとは関係ない。連帯するようなものをつくり上げる条約であったならすでに日米両政府は動いていたはずである。しかし、日米安保は日米の条約であってそれ以上のものではないから他の国々と連帯するものを作り上げることはしなかった。
 沖縄県は日本国家の地方自治体である。日本国家が保証している自由と平等と人権と民主主義は他の都道府県と同じように持っている。沖縄県民は日本国家の定める自由と平等と人権と民主主義は保証されている。県知事も県知事としての権利は法律で保証されている。現に翁長知事はその法律を使って政府と対抗しているではないか。政府は翁長知事の知事としての越権行為を認めていないのであり、合法行為は認めて紳士的に対応している。
 日本の民主主義は世界に誇れるほどに充実しているし品格もある。品格がなく違法行為をしているのは翁長知事である。

「私も日本国民の一人として、その意味からすると品格のある民主主義国家として成熟した日本になって初めて、アジア、世界に日本が飛び出て行ける、沖縄の役割も日本とアジアの架け橋としてアジアの中心にある沖縄の特性を生かして、平和の緩衝地帯というようなことも数十年後には考えながら沖縄の未来を語りたいにも関わらず、ただの領土として、基地の要塞としてしか見ないようなものの中でアジアの展開があるのかどうか、日本の展開があるのかどうかということは今のような沖縄がこれを邪魔するからできないんだというような姑息な、あれだけの権力を持って姑息な言葉を流すというのは、やはり日本の政治の堕落だと言わざるを得ないと思っています」
沖縄の観光客はどんどん増えている。それは日本政府のお陰である。
 沖縄は島国であり、昔は毎年水不足に悩まされた。雨が降らなくなるとすぐ断水した。断水がよくあるので各家庭は天井に水タンクを設置した。復帰すると日本政府はすぐに水対策のため福地ダムを建設した。その後も次々とダムを建設して水不足を解消した。ダムがなくホテルが断水する日が多ければ観光客は来なくなる。観光客を増やせるのは政府のダム建設のお陰である。国道を広げ、多くの道路を建設したのも政府である。美ら海水族館建設など沖縄の観光を大きく発展させたのは政府であり、政府の観光への貢献に比べれば県の貢献は小さい。特に革新は観光産業に全然貢献していない。
 本部町にUSJを誘致したのは政府であるし、政府はUSJ誘致に合わせて本部町に観光大型船が寄港できるように港を拡張する計画も発表した。那覇・南部に観光経済が集中しているのを北部にも観光産業を発展させるためである。「平和の緩衝地帯というようなことも数十年後には考えながら沖縄の未来を語りたい」と話す翁長知事に比べて政府は復帰した40年前から沖縄の発展に力をいれているし現在も力を入れている。そんなことも知らないで「ただの領土として、基地の要塞としてしか見ないようなものの中でアジアの展開があるのかどうか」と疑問を話すのが翁長知事である。現実を見ないからそのような疑問を平気で話すのである。

 沖縄の米兵は4万人足らずである。それに比べて県民の人口は140万人である。140万人の県民より4万人足らずの米兵の米軍基地を問題にしている翁長知事。政府は沖縄を領土として基地の要塞として見てはいないことは沖縄の経済発展や観光発展を見れば分かる。沖縄を基地の要塞と見ているのは翁長知事であって政府ではない。
全国の23%しかない米軍基地を73%もあると嘘をつくのが翁長知事である。翁長知事は沖縄は基地の要塞であると県民に思わせたいのである。

SACO合意にもとずく土地の返還
 普天間飛行場・安波訓練場・キンバル訓練場・読谷飛行場
一部返還
 北部訓練場・瀬名波通信施設・牧港補給施設

返還施設の総面積は全体の21% 50,00千㎡
全国比で23%のうち21%が返還されるから沖縄の米軍基地は18%になる。それに加えて嘉手納飛行場以南の米軍基地を返還するから18%以下になる。
米海兵隊9000人をグアムに移動するから沖縄の米兵は1万人程度になる。沖縄の米兵削減も確実実行される。

読谷飛行場、楚辺通信所、瀬名波通信施設、恩納通信所、ギンバル訓練場は安波訓練場は返還された。国は現実に基地返還を進めているのである。



地図で分かるように、人口が密集している浦添市、那覇市南部には米軍基地はほとんどない。米軍基地で一番大きいのは北部の訓練場である。その次に大きいのが金武町恩納村のキャンプシュワブ・キャンプハンセンである。

翁長知事の主張は0、6%の沖縄に73%の米軍基地があるという嘘を根拠にしている。その嘘が崩れたら翁長知事の主張は崩れる。県民が事実を分かれば簡単に解決することである。しかし、今の沖縄は、沖縄二紙、革新系の政治家、知識人、活動家によって県民が事実を知ることが遮断されている。このことが沖縄の政治的不幸である。
だが、彼らの活動の効果が通用しない存在がある。法である。翁長知事は行政の長であり法を順守しなければならない立場にある。政府は辺野古移設の決定から埋め立て申請の承認まで法に従ってやってきた。法的な瑕疵はない。翁長知事が法で対決すれば確実に敗北する。現在、法で対決しているが翁長知事は敗北の連続である。追い詰められた翁長知事は最後に裁判闘争をしなければならなくなるが、裁判闘争が始まった瞬間に県民は中立的な立場に立ち裁判を見守るだろう。革新の活動家は翁長知事を熱烈に応援するだろうが、熱烈な応援が裁判を有利にすることはない。裁判で翁長知事が敗北すれば多くの県民は辺野古移設を容認するようになるだろう。
裁判中も辺野古の建設工事は進む。埋め立て工事が始まれば、辺野古移設を阻止するのは困難であることを県民は感じるようになるだろう。裁判と埋め立て工事の進行が翁長知事の野望を打ち砕くのは確実である。
翁長知事が埋め立て工事を阻止するには翁長知事支持者を増やし、県民の圧倒的多数の支持のもとに革新と連携してゼネストをやり沖縄の政治・経済を麻痺させることである。そこまで反対運動を高揚させない限り辺野古移設を阻止することはできない。
学生の頃、B52重爆撃機が嘉手納飛行場で墜落炎上したのをきっかけに反米軍基地運動が高まり、ゼネストまで高まった。あの頃に比べると平穏である。辺野古問題でゼネストをするのは夢のまた夢である。

法以外に翁長知事の強烈な敵が登場した。「埋め立て承認取り消しは違法」だといって翁長知事を提訴した12人の宜野湾市民の団体である。、市民団体は翁長雄志知事による移設先の埋め立て承認取り消しで同飛行場が固定化し、周辺住民の生存権が侵害されるのを提訴の理由にしている。辺野古移設問題は突き詰めれば、普天間飛行場の周辺住民の生存権の問題である。米軍基地問題ではない。生存権のために立ち上がった市民に翁長知事の米軍基地云々の理屈は通用しない。それに宜野湾市という限られた場所での運動になるから、口コミなどの広がりが大きな力を持つ。それは沖縄二紙の宣伝力よりも強いだろう。
原告は最終的に100人以上に増える見通しという。100人が周囲の人に裁判のことを話すだろう。聞いた人は他の宜野湾市民に話す。このようにして裁判の噂は多くの宜野湾市民に広がる。辺野古移設は宜野湾市民の生存の権利を守るためであることが裁判の話を通じて宜野湾市民に広がっていく。そうなれば翁長知事への支持が宜野湾市では激減し、1月の市長選で保守の佐喜真淳市長が勝利するだろう。翁長知事提訴は宜野湾市長選勝利に大きく貢献する。そういう意味で12人の宜野湾市民が立ち上がったのは大きな意義がある。
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