辺野古移設反対派に感動と勇気を与えた安倍政権の暫定案和解






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沖縄県民は翁長知事に騙されている
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辺野古移設反対派に感動と勇気を与えた安倍政権の暫定案和解

 安倍政権が暫定和解案に応じたのは裁判で政府が負ける可能性があり、それを避けるためであっただろうという考えが世間には広まっている。それは当然である。安倍政権は辺野古の工事を中止することは絶対にしないと主張し続けてきた。ところが暫定案は工事を中止することが前提になっている。安倍政権が暫定案を受け入れることはあり得ないことであった。しかし、受け入れたのである。暫定案で和解した原因を普通に考えれば安倍政権が裁判に負けることを避けたからということになる。裁判に負けると辺野古移設ができなくなる。だから安倍政権は代執行訴訟の裁判を避けて、県が受け入れるといっている暫定案を受け入れて、協議で県を説得しようとしていると考えるのが普通である。
安倍首相は暫定案を受け入れた時に、「辺野古移設が唯一である」と発言した。安倍首相の発言は、なにがなんでも辺野古に移設したい安倍政権が裁判で負けて辺野古移設を断念するのを避けるために県に有利な暫定案で和解したと考えるのは当然であり、世間はそのように考えるだろう。
 暫定案和解は、仲井真知事が承認した埋め立て申請には瑕疵があるというために翁長知事が私的な諮問諮問委員会をつくり、諮問委員会が瑕疵があるとの報告を根拠に翁長知事は埋立承認取り消しをしたが、それは明らかな違法行為であった。しかし、代執行訴訟を取り下げれば裁判所が違法であるかないかの判決を下すことはできないから、承認取り消しは違法ではなくなる。しかも、辺野古の工事を中止にしたことで承認取り消しが合法であるイメージになった。
 代執行訴訟を取り下げた安倍政権は翁長知事の違法行為を合法行為であるようなイメージをつくったのである。法治国家を強調してきた安倍政権であるのに、違法な承認取り消しを違法ではないと容認したことになる。
安倍政権が暫定案和解をしても辺野古移設は確実であるが、暫定案和解に感動し、勇気が湧いたのがキャンプ・シュワブの移設反対派である。3月4日は三線の日である。反対派はキャンプ・シュワブゲートで三線を引き、歌い踊った。


工事5、6車両がやって来た。シュワブ内に入れなくて停車している。長い渋滞ができた。


警察のバスがやってきて、警官が下りると、山城議長はじめ多くの反対派が、「三線は沖縄の文化だ。お前たちは沖縄の文化も弾圧するか」と抗議する。


警察は沖縄の文化を弾圧しているのではない。ゲートに座り込みをして車両を止めている反対派を移動して車両を入れるのが警察の目的だ。しかし、反対派は三線の日に歌を歌って踊る文化活動を弾圧しているといって警察を非難する。
文化活動なら公民館や文化会館などでやればいい。キャンプ・シュワブのゲート前で座り込みをするのは政治活動である。文化活動ではない。彼らは沖縄文化を政治活動に利用しているのである。彼らは沖縄文化を悪用している。
警察の排除活動に怒った反対派は国道を占拠した。ゲート前に寝そべり、プラカードを掲げて国道を歩き、車が通行できない状態にしたのである。沖縄の文化活動が弾圧されたからというのが国道を占拠した理由であるが、それが沖縄文化を利用した政治活動であるのは見え見えである。



  彼らはこの違法行為を表現の自由だといって正当化している。
県労連の嶺間信一事務局長(62)は「業務外という公務員の立場を離れた時に、自分の信条に基づいた行動ができないのはおかしい」と、北部国道事務所の労組委員長がキャンプ・シュワブの移設反対運動に参加したことを正当化したが、年休を取ればこのように国道を占拠しても表現の自由だからいいと北部国道事務所の労組委員長が国道で違法行為するのを正当化しているのが県労連の嶺間信一事務局長である。

プラカードに「CLOSE ALL  BASES」と書いているように、彼らの目的は沖縄の米軍基地を全て撤去するのが目的である。彼らは反米軍主義者であり、反米主義者である。辺野古移設反対は反米主義だからである。キャンプ・シュワブの運動は市民運動でも大衆運動でもない。反米政治運動である。だから、彼らは平気で違法行為をするし、警察や機動隊を法を守る存在ではなく、正当な運動をしている自分たちを弾圧する悪とみなしているのだ。彼らの警察や機動隊への侮蔑は尋常ではない。

 午後になり、国と県が暫定案で和解し、辺野古の工事を中止するとNHKで放送される。そのことを演説をしている照屋寛徳議員が伝える。最初は信じられない表情をしていたが、照屋議員が繰り返しマイクで言うと、みんな喜びに湧きバンザイをする。



 山城議長は感動し大泣きして、照屋寛徳議員を強く抱きしめた。二人の顔を見れば、安倍政権の和解がどれほど彼らを喜ばせたかが分かる。その瞬間の映像を取った三上智恵さんの文章がそれを如実に語っている。


「3月4日の昼過ぎ、キャンプ・シュワブのゲート前に予想もしていなかった大ニュースが飛び込んできた。「埋め立て工事を中止して双方が協議」。「和解が成立」。ニュースの字面を見るだけでもクラクラする。「中断」でも「一時停止」でもなく、裁判所が和解勧告に盛り込んだ文言は「中止」なのだ。私は混乱した。よく考えてみる。「中止」は「止める」という意味だ。遠足“延期”、はいつか行くけど遠足“中止”、は二度と行かない。中止という言葉を、辺野古基地建設に関してこの耳で聞く日が来るとは、まさに青天の霹靂だった。

 海上で本格的な作業に入った2004年から数えても、12年間、惜しげもなく巨額の税金を投じて進められてきた辺野古基地建設の日々。身体を張り、声を枯らして、止めても止めても入っていくトラック。海に落とされるブロック。市民投票も衆院選も、市長選挙も県知事選挙も、どんなに反対の民意を示しても止まらなかった工事。何度も何度も怒りの拳を挙げた県民大会、いずれも無視して進められてきた工事。普天間基地を封鎖しても、ゲート前の道路に身を投げ出しても、何百というブロックを積み上げても、止むことがなかった建設工事。それが、裁判所の和解勧告で、国がそれ応じたことで「止まった」のだ。

 このコトの大きさがわかるだろうか。夢にまで見た瞬間だ。いや、悲観的な私は夢に見ることさえできなかった。そんなことが起きるのか? 信じられないことに、実際に、本当に、工事は「止まった」。

 まずはヒイヒイ声を上げて泣くヒロジさんの姿を見て欲しい。私だって現場で大空に手を挙げて泣き崩れたかった。この辺野古の大地での、地を這うような抵抗の日々がなかったら、たどり着けなかった地平に今私たちはいる。この瞬間を夢見て現場を去っていったおじい、おばあ! 見ていますか? 止めましたよ! とりあえず、明日から工事しないんですよ! 海保はもう私たちを羽交い締めにしないし、警察にも笑って挨拶できるんですよ! もう強行はしないんですって! 少なくとも当分は!

 島の未来のために必死で基地建設を止めようとしてきたたくさんの方々の顔が走馬燈のように浮かぶ。移設先が辺野古と決まり、この海が暗雲に覆われていった1997年から19年、取材当初からずっとこのことで心が晴れたことがなかった。19年分の涙が、溢れて止まらない。思いもよらなかった「中止」という言葉の約束する世界は、まさに悲願の、誰にもこの海を奪われない解放と平穏。その先に、守り抜いた青い海が広がっている光景である。

 感慨に浸っている私たちに向かって、お願いだから簡単に、訳知り顔に「油断してはいけないよ」「選挙対策だ」「政府はきっと強行する」「ポーズだけで和解をする気なんてない」「これで終わると思ったら大間違いだ」などという言葉をすぐ投げかけないでもらいたい。国の作戦が失敗し、「中止」を含む和解にまで応じさせるほど、私たちは政府を追い込んだのだ。
 本土メディアどころか県内メディアもほとんど辺野古の抵抗を取り上げなかった時期もあった。それでも地道にずっとずっと抵抗してきたあの日々があったから、オール沖縄の闘いまで発展して国の横暴を止めさせているのだ。そんな力を沖縄県民とそれを支える全国のみなさんが持ち得たのだということをまずは祝福したい。嚙み締めたい。みんなと乾杯したい。ハグしたい。私が会社を辞めてまで止めたかったこと。アナウンサー人生もなげうってでも絶対に守らなければいけないと覚悟したこと。それはこの埋め立てなのだから。
 ジュゴンを追いかけて撮影し、アオサンゴを見つけて世に出し、歩くサンゴの特ダネに期待して奔走した私の大浦湾に対する尽きることのない張り詰めた想いは「埋め立て中止」と聞いただけでもう本当に瓦解するほどだ。いつか「白紙撤回」という言葉を勝ち取った時には、そのままあの世に行って先に行ったみんなに報告してしまうかもしれない。ずっとこの問題に向き合ってきた人にとっては、3月4日はそんな日になった。まずは読者のみなさんにも、現場と共に狂喜乱舞を味わって欲しい」(三上智恵の沖縄撮影日記)
勝てる見込みのない権力と闘うことは厳しい。それなのに闘うということは死にもの狂いにならなければならない。そして、死にもの狂いになって闘っても負ける可能性が高い。三上智恵さんはそのような闘いをしている。

安倍政権は県外移設を公約にしている国会議員に辺野古移設を容認しないと自民党を除籍するといい、沖縄の自民党国会議員に冷酷な宣告をした。辺野古移設反対の翁長候補が圧勝し、衆議院小選挙区でも辺野古移設反対の候補全員が当選したにも拘わらず、安倍政権は辺野古移設工事を淡々と進めてきた。
キャンプ・シュワブゲートで工事車両を阻止しよう激しい運動をしても、海上でボーリング調査を阻止しようとしてもデモ隊は排除されて辺野古工事は進んでいった。工事を停めることのできない虚しさが山城議長、三上智恵さん等、キャンプ・シュワブの運動家の心を覆っていたはずである。

 翁長知事の埋立承認取り消しは違法行為であると安倍政権が代執行訴訟を起こしたのは辺野古移設反対派の心臓を射抜くほどの強烈な訴訟であった。翁長知事が選挙で勝利し、衆議院選挙でも勝利した時には辺野古移設を止めることができると信じたのに、一年後にはボーリング調査は終盤を迎え、飛行場建設工事は進んでいった。それに加えて翁長知事が違法行為で訴えられたのである。代執行訴訟で国が勝てば翁長知事が違法行為をしたことが県民に知れ渡る。違法行為をした翁長知事への県民の信頼は下がっていく。宜野湾市長選で辺野古移設反対の志村候補が大敗したのも彼らを失望させるものであった。辺野古移設反対派に絶望がひしひしと押し寄せていたのだ。
 ところがこのような情況で予想外の安倍政権の辺野古工事を中止しての暫定案和解である。それは辺野古移設反対派にとって絶望の中の希望の光である。三上さんは、「埋め立て中止」を聞いた瞬間に瓦解してしまうほどの感動をしたし、それが「白紙撤回」への夢につながったのである。安倍政権の県との和解はキャンプ・シュワブの反対派を狂喜乱舞させたのである。
 暫定案和解は辺野古移設反対派に感動と勇気を与え狂喜乱舞させたものであった。彼らに元気をもたらしたのが和解であった。

 辺野古工事が再開した時、元気を取り戻した辺野古移設反対派は「白紙撤回」を目指してますます激しい運動を展開していくだろう。安倍政権は暫定案で和解するべきではなかった。根本案で和解するべきであった。

2016/03/04 に公開
平成28年3月3日木曜日に放送された『沖縄の声』。本日は、キャスターの又吉康隆が­「佐喜真宜野湾市長に失望」、コラムコーナー”又吉康隆のこれだけは言いたい”では前­回に引き続き「二大政党は共産党が参加する野党連合より大阪維新の会のほうが可能性あ­り」のテーマについて解説いただきます。
※ネット生放送配信:平成28年月3月3日、19:00~
出演:
  又吉 康隆(沖縄支局担当キャスター)

チャンネル桜

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