感想・・・・続々・素晴らしい論理

2011-07-20 19:31:13 | 専門家のありよう
今月いっぱいに何とか恰好をつけたい設計、暑さと湿気の中で、まさに追い込みの最中。
そんなわけで、「『形』の謂れ-6」の編集、遅滞しています。
ことによると、月末まで、できない・・・。

下図は、いずれ紹介させていただくつもりでいる DAVID MACAULAY 著 “CITY’に載っている古代ローマの木造橋建造の様子。



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[追録追加 21日 6.17、24日 9.59]]

今日(20日)の毎日新聞に、経団連の会長とのインタビュー記事が載っていました。

会長曰く(要約です)、
  脱原発が進み、おまけに、再生エネルギー買取り法案などが通れば、
  電力が不足し、電気料金は上がり、企業は海外に出ざるを得なくなり、
  日本の産業が国際競争力を失う。
  そんなことを進めたら、「国敗れてソーラーあり」という世の中になる・・・・。

これは、最近の経済産業省の大臣の発言:日本の産業が空洞化する、だから、原発を・・・という素晴らしい論理と、軌を一にしています。
   私は、海外に出て行きたいなら、勝手にどうぞ、と思っています。
   それでは国内の仕事が減り、「国民」が困るぞ、などというのは、勝手。
   国内にいたくないのなら、どうぞ。
   その国外だって、いつまでも廉い電力が得られるとは限らない。
   そしてまた、廉い国へ出てゆく・・・のですね。
   そうして、「根無し」になる・・・。それでいいのでしょう。
   「その先」がない。これは論理的必然。

こういうことを言う人たちには、福島原発事故で居住地からの避難を余儀なくされている方がたの姿が目に見えないのでしょう。

同じような事故が起きたら(起きないという保証は、これまでの《安全神話》のように、「起きないと思い込む」以外、まったくない)、
「国敗れて、原発(のみ)あり」ということ。人が居ないのです。居られなくなるのです。
「国敗れてソーラーあり」ならば、人が居ます。居られます。
この違いが分っていない。
「分る」のは、どれだけ「儲け」が出るか、だけの《計算》。

もしかしたら、人の住めなくなった一帯の地価が安くなるはずだから、買い占めて、放射線量の減った将来、工業用地にしよう・・・、などと考えているのでは、と思いたくなります。《安全な原発》を新設して・・・。
だけど、そこで、誰が働くのでしょうね?
廉い労働力を、安全だからと説いて、支援・協力という《大義》で、海外から人寄せする?

私にはよく分らないのが、最近の大方の「企業」の、「生産」に必要なものは、自前ではなく、他に廉く求めて、「利」を得る、という発想。簡単に言えば、楽して儲けるという策。
例えば、工業用地。主要な設備が整っている用地を求める。整っていなければ、地域の自治体に、その整備を望む。してくれなければ、立地をやめる。・・・
いつから、こうなってしまったのだろうか。

それについて思い出すのは、明治の企業人の考え方。
たとえば、足尾鉱山の経営と小坂鉱山の経営の違い、そのあたりに「起源」があるのかもしれない、そう思えます。

片や汚染水垂れ流し、指摘されても直さない。どこか、東電に似ていますね・・・。
片や、最初から汚染防止の策を講じた・・・。こういう企業、今、あるのかなァ?

発電機、発電所、いろいろな機械、建材(煉瓦など)、水道、住宅、病院、学校・・・こういった必要なもの一切を自前でつくったのが小坂。
これについては、下記で書きました。
「公害」・・・・足尾鉱山と小坂鉱山

同じことは、鉄道建設の変遷にも現れているように思います。
現在、「儲からない」鉄道路線は(もちろんバス路線も)直ちに廃止する、それが当然と思われています。
しかし、ある時代までは違いました。
これについては、下記を。
鉄道敷設の意味:その変遷-1
鉄道敷設の意味:その変遷-2
鉄道敷設の意味:その変遷-3

喜多方の煉瓦蔵がどうして生まれたか、それも、往時の人びとの考え方の結果。
「実業家」たちの仕事-1
「実業家」たちの仕事-2

「近江商人」の考え方も、現代の大方の「商」の考え方とは、雲泥の差。
これについても以前に触れました。
近江商人の理念

明治維新が目指した「いわゆる《近代》」とは、「今」のような「世界」「社会」になることが「本望」だったのでしょうか?


経団連の会長さんや、東京電力・九州電力の会長・社長さん、もちろん、偉い大臣たちに、「お幾つになられました?」と訊きたくなります。
なぜなら、「理」の通らない「素晴らしい論理」で、平然として、あたりまえの顔をして、いろいろと語っていらっしゃる。
いい歳をして・・・・!

それとも、こういう私が時代錯誤なのでしょうか?

追録 [21日 6.17] 
  註 以下のリンク先は、削除されたようです。[10月29日 11.20追記]
毎日JPに、「どうする電力総連:経営者と一体で原発推進の果てに・・・誰が命を護るのか」という特集記事が載っています。
東電の労働組合も傘下にある「電力総連」の原発事故に対する「対応」について、書かれています。
「電力総連」支援で当選の参議院議員の素晴らしく怖ろしい発言には、心底驚きます。

追録-2 素晴らしい発想 [24日 9.59] 
「誰が原発の天井に穴をあけるのか・・・」

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