![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/01/5d6993bfd8aaebdde7dde228fe341c05.jpg)
上掲の図は、"Fachwerk in der Schweiz" に載っていた、近世初頭までのスイスの木造家屋の「材料の収集から『刻み(加工)』『建て方』に至る過程」の図解。
左上から下に行き、次の段に移り上から下へ・・最後に右下へ、と見てください。
材料を収集し、製材した後、「原寸場」をつくり、原寸図を描いて部材を刻み、地上で組立ててみて確認し、分解、現場であらためて組む、という手順が分かる。
日本でも、小屋組の場合、材を刻んだ後、一旦小屋を地上で組んで確かめたようである。もっとも、関西だか関東だかは忘れたが、地上で一旦組んでみるなんて腕の悪い証拠・・、と言って一発勝負に出る大工さんもいたらしい。
また、鎌倉時代のある時期には、地上で段取りをする技術がなく(言ってみれば、「図学」の知識がなく)、まったくの現場合せで小屋組をつくった頃があったようで、その際に小屋束の倒れ留めに「筋かい」が使われた、という話は以前触れた。
「設計図」というのは、原寸場で原寸図を描く代りに、紙の上に縮小して描くことだ、と私は理解してきたが、どうも最近の設計図は、実施設計図と銘打つ図面でも、そうではないらしい。