唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
村上春樹氏、原発を語る
昨日の神奈川新聞に、作家の村上春樹氏が「カタルーニャ国際賞」の授賞式においてのスピーチが記事になっていた。記事によれば、氏はスピーチのほとんどを3.11大震災及びそれを起因とする原発事故に費やしていたようである。氏曰く、
今回の原発事故は日本人が体験する2度目の大きな核の被害だが、今回は爆弾を落とされたわけではない。自らの手で過ちを犯した。
(今回の原発事故は)日本人の倫理と規範の敗北でもある。われわれは自らも(加害者として)告発しなければならない。(以上、一部を郷秋 が抜粋)
今やその発言は世界的にも大きな影響力を持つ村上氏の今回の発言は日本においてよりも、今後、海外における原発に関する世論形成に少なくない影響を及ぼすものと思われる。氏は、日本では単なる「流行作家」であるが、どうやら海外ではそうではないらしい。
ところで、このたび村上氏が受賞した「カタルーニャ国際賞」は、1989年に創設され「文化、科学、人文科学分野の価値発展のため(の)、意欲的・創作的活動が評価された人物」に授与されるらしい。これまで、アウン・サン・スーチー氏、ジミー・カーター氏らが受賞しているとのこと。村上氏は彼らに並ぶ存在であると評されたと云うことになるわけであるが、日本よりも海外で、氏のノーベル賞受賞への期待が高まる理由がわかる気がするぞ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、恩田の森でも咲き始めた紫陽花。
6/13追記:地下鉄サリン事件の後に村上氏は異色の作品を世に出している。と云う事は、今回も入念な取材の後に震災・原発事故をテーマ(もしくはモチーフ)とした作品が登場する可能性があると考えても良いだろう。数年後を楽しみにしたい。
ケンコーとトキナーが合併
もう10日も前の事となってしまったが、カメラレンズ用のフィルターを主力とする株式会社ケンコーと、交換レンズ専業、所謂サードパーティーの株式会社トキナーが6月1日に合併し、株式会社ケンコー・トキナーとなった。
しかしだ、レンズとフィルターの関係を考えた時、あくまでもレンズが主であって、そのレンズの前玉を守ったり特殊効果を演出するフィルターが従だと考えるのが普通だと思うのだが、ケンコーとトキナーの関係は逆のようである。
合併して資本金1億円、売上102億円の中小企業だが、あくまでもケンコーが親会社でトキナーは子会社と云う位置づけのようである。となると、旧ケンコー時代からの子会社であった三脚の「スリック」をどうして合併吸収せずに子会社のまま残したのかが理解できないが、それはそれなりの事情があったのだろうな。
ちなみに郷秋<Gauche>は、フィルターはもっぱらケンコーのPRO1やZetaと云った「薄枠」シリーズ(全部で20枚近くはあるか?)、三脚や一脚はスリックの製品を愛用している(三脚2本、1脚1本)。特に薄枠のサーキュラーPLなどはなかなか使い勝手も良く、ニコン純正などはまったく出番がない程である。
と云うわけで、間抜けも甚だしい今頃にケンコー・トキナーの合併の話題をお許しいただきたい。
追記:今年のCP+会場でもらってきた「写真映像用品年鑑」を見ると、ざっと180ほどある掲載会社のうち、ケンコーが最も多くのページを費やしており、ついでハクバ、エツミ、浅沼商会となっている。売上102億円とは云え、ケンコー・トキナーはそれなりに存在感がある写真用品会社であると云う事になる訳だな。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、虫取り撫子(むしとりなでしこ)の蜜を吸う蜂。
悪くないNEX-C3
郷秋<Gauche>の事だから、例によって「見た目の問題」から(のみ)だが、「悪くない」。シルバーと赤はダメ。良いのはブラックで16mmパンケーキ付の場合のみ。富士フイルムのX100が嫌らしいほどのレトロ感を(無理やり)作っているけれど、ブラックのNEX-C3は、新しい形の中にそこはかとないレトロ感を滲ませているのが良い。Good designである。
がしかし、16mmパンケーキを付けた時には抜群であったアピアランスは、標準ズームたるSEL1855を付けた途端に一気に崩れる。誰が見たってバランス悪すぎ。もちろんソニーには素晴らしいデザイナーがたくさんいて、デザインに一家言ある役員もいて、それらのチェックを経て市場に登場しているのだからソニーとしては「OK」と云う事なのだろうが、郷秋<Gauche>的にはまったく「NG」。ソニーに云わせれば「郷秋<Gauche>のセンス、悪すぎ」と云う事なのだろ。まっ、これは個人のセンスの問題だからね。
それにしてもパンケーキの16mm単焦点レンズ。これを4/3に付けるのなら35mm換算で32mmとなり、スナップには絶好の焦点距離となるが、NEXはAPS-Cイメージセンサーだから×1.5でなんと24mmである。これまでにも幾度か書いているが、24mmの画角を使いこなせるNEXユーザーっているの? と思ってしまう郷秋<Gauche>なのである。24mmと云うのはそれほどの広角なのである。だってそうだろう、GR DIGITALでさえ28mmなんだから。
しかしNEXとセットでしか買えないと云う吉田カバンオリジナルの2WAYバッグがカッコイイ。郷秋<Gauche>の場合、E-P2を持ち出す時にも最適のバッグじゃないか。でも「本バッグは対象機種本体とのセット購入でのみお求めになれます。」と明記されている。入手不能とし知るとますます欲しくなる。NEX-C3はいらないけど、このバッグだけ欲しいぞ!
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日の赤花夕化粧に続いて月見草と同類の「昼咲き桃色月見草」。ちょっと前にも紹介したけれど、夜に白い花を咲かせる本物の月見草と違い、昼間に桃色の花を咲かせる。中米・北米南部原産の外来種だが、余程日本の気候が気に入ったようで、今どき(関東以西の)道端や街路樹の足元、畑の端等いたるところで見ることが出来る。
いつからニヤケた?
ニコンSLRの赤いアクセントはジウジアーロがデザインしたF3からの伝統である。フィルム時代にはグリップの内側部分に縦に入っていたアクセントだが、デジタル時代に入るとグリップの上部、シャッターボタンのすぐ下に赤い逆三角形(郷秋は「矢じり」と勝手に呼んでいるが)となり、D1から最新のD7000まで受け継がれている、と書いたが・・・。
クールなニコンSLRには全然相応しくないぞ!と云ってはみたものの、DXフォーマット(APS-Cサイズのイメージセンサー搭載のシリーズ)でも上級のD7000やD300sではなく、女性が多いと思われる、コンパクトタイプを卒業したユーザーの受け皿となるこのクラスには、クールよりもラブリー、つまり親しみやすいイメージを導入したいと云うニコンの考えの表れなのだろうか。
ちなみに上の写真の手前がニコン最新のDSLRで赤いアクセントが「ニヤケた」D5100、奥は伝統的な「矢じり」のD7000。
注:デジタル時代に入ってから登場したF6はDSLRと同様「矢じり」となった。
震災ボランティアで単位?
今日の神奈川新聞に「学生の震災ボランティア、単位認定広がらず、文科省把握はわずか6校」との記事が掲載されていた。記事本文にも「文科省がこの度の大震災でのボランティア活動を単位として認めることが可能であるとの通知を大学に出しているが、単位認定の動きが広がらない」との記載もあるから、神奈川新聞は文科省同様、震災ボランティアを単位として認めるのが良いと考えているようだが、文科省も神奈川新聞も、それは違うだろうと、郷秋は声を大にして云いたい。
だいたいがだ、ボランティアとはいったい何なのだ。郷秋思うに、利益を目的とせず人のために尽くすこと・尽くす人、少し言い換えれば、無償の奉仕活動をすること・する人、だろう。結果としてではあったとしても報酬を受け取れば、その瞬間にそれはボランティアではなく単なる作業になる。大学生にとっての「単位」は実は金銭に換算できる報酬なのである。だってそうだろう。
ごく大雑把に云うと大学は4年の間に124単位を修得すれば卒業できることになっている(はずだ)。4年間の授業料合計を400万円と仮定すると1単位当たり32,000円。件の記事によると4つの大学がボランティア活動を2単位として認定することになっている。5日間のボランティアで2単位になる(岩手大学)と云う事は、5日間で64,000円、1日12,000円のアルバイトと同じではないか。裏を返せば、単位欲しさにボランティア、いや、アルバイトをする学生だって出かねないのである。
若い時にボランティアを経験する意義を否定するつもりは毛頭ないが、ボイランティアで単位がもらえるのだとしたら、報酬を受け取るのと同じだからそんなものは本当の意味でのボランティアではない。そんなことを文科省が「まじめに」奨励し、そんな勧めにまんまと乗のった大学がある訳だからまったく情けない。大学は、そのことが自らの品格を大いに低める結果になっていることに気付いていないのだろうか。あるいは「ここは文科省の云う通りにしておいて」と今後の許認可に手心を加えてもらおうと云う下心でもあるのか。
震災ボランティアを単位認定している大学は岩手大の他に、山形大、滋賀大、明治大、文教大、大分大。多くは「~実習・体験」などの科目で認定していることがせめてもの救いか。しかしだ、現地でホントに(例えば5日間)活動したのかどうか、どうやって確認するんだろう。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、月見草と同類の赤花夕化粧。月見草は夜咲くがこれは昼間に咲く。夕化粧と云う名には反する開花だが、その名前は何とも奥ゆかしく好ましい。
マップカメラはマニアック
カメラの売れ行きに関する統計はいくつかの調査会社が発表しているが、その代表格で実際の市場の状況を比較的正確に反映していると思われるBCNランキングによる直近のデータは次のようになっている。
デジタル一眼カメラ(DSLRと所謂ミラーレス)部門
1位:ニコンD3100ダブルズームキット
2位:キヤノンEOS Kiss X5ダブルズームキット
3位:キヤノンEOS Kiss X4ダブルズームキット
4位:ニコンD5100ダブルズームキット
5位:ニコンD3100レンズキット
コンパクトタイプデジタル一眼カメラ(所謂コンデジ)部門
1位:カシオEXILIM EX-ZR100ホワイト
2位:パナソニックLUMIX FH5ピンクゴールド
3位:カシオEXILIM EX-H15ゴールド
4位:カシオEXILIM EX-Z2300ゴールド
5位:パナソニックLUMIX FX77リリーホワイト
と云った具合で両分野とも入門機が名前を連ねている。つまり、デジタルカメラの市場の中心は廉価なものによって占められていると云う事である。
が、Digital Camera.jpに掲載されていたマップカメラの売れ筋はと云うと、こんな感じとなっている(こちらはSLR、コンパクトの区別がない)
1位:ニコンD7000
2位:ニコンD700
3位:ペンタックスK-5
4位:リコーGR DIGITAL III
5位:キヤノンEOS 5D Mark II
となっている。更に8位には富士フイルムFinePix X100、9位にはSIGMA DP2sがランクイン。SLRではD3100、Kiss X4, 5と云った入門機ではなくAPS-Cのハイスペック機、サイズ機が上位を占め、コンパクトタイプも高価かつマニアックな機種がトップテン入りしていると云った具合で、BCNランキングの調査結果とは随分と違っている。
しかしだ、例えて云うなれば新宿伊勢丹とユニクロの売れ筋を比較するような話なので、その結果の差をあれこれ云っても仕方がないのだが、郷秋としてはBCNの一番部門ランキングの上位4位までがダブルズームキットで占められているのに驚いた。廉価な割にはメーカー純正で大きな破綻の無い性能のレンズが「2本も」付いている値ごろ感がある故なのだろうが、郷秋はダブルズームキットはお勧めない。
何故なら、2本のズームレンズを持っていても、結局は億劫でレンズの交換をしないからである。仮にお子さんの運動会の折りに450mm(35mm換算。以下同様)までのズームレンズを使ったとしても手持ちの450mmでは(手振れ補正機構が付いていたとしても)半分以上の写真がブレているかピンボケかのどちらかになるからである。
郷秋は、メーカー純正であればちょっと高価になるが28-300mmの高倍率ズームか、望遠側がちょっと物足りなく思うかもしれないが、ニコンで云えば16-85(換算24-128)mmのような素晴らしい光学性能のレンズを、ボディ単体と併せて購入することをお勧めする。大体がだ、もっぱら撮影にために出かけるのならいざ知らず、旅行や散歩のついでに2本もレンズをもて行くのは億劫なものなのだ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、恩田の森の梅雨の晴れ間の畑仕事。
西日本の酒が売れていないって、本当ですか?
東北の酒を飲んで被災地を応援しよう!と、随分書いて来た郷秋<Gauche>だが、つい最近「東北の酒ばかりが売れて、西日本の酒が全然売れないんだって」と云う話を聞いたが本当なのだろうか。被災地を応援いただけるのは嬉しいけれど、そのために被災地以外の、例えば秋田や新潟、例えば信州や灘の酒が売れなくなっているのだとすると、それはそれで誠に申し訳のないことである。
これまで秋田や新潟や、信州や灘の酒を飲んでおられた皆さんには、それはそれで今まで同様愛飲頂き、その上で、更に、もう一杯は東北の酒を飲んでいただくと云うのはどうだろうか。肴は「笹かま」とか「鰊の山椒漬」とか、これは山形のものだけれど「だし」とか、どうだろうね。あるいは福島のきゅうりに会津の味噌をつけてとか。東北の酒には東北の肴が良く合いますよ、きっと。
注:「鰊の山椒漬」は福島県会津地方の隠れたる名産品。会津本郷焼の「鰊鉢」に身欠き鰊、山椒の葉、身欠き鰊、山椒の葉、身欠き鰊、山椒の葉。これを数段重ね家伝の醤油ベース(ちょっと酸味も)のタレを入れて重石を乗せる。カチカチだった身欠き鰊にこのタレが滲みて程よく柔らかくなったところを食す。山国でありながら甲州名物となっている「鮑の煮貝」同様、山国であるが故の魚料理である。会津以外ではなかなか手に入りにくい名産品だが、Webで検索していただくと通販できる店がいくつかヒットするのでお試しくだされ。ついでと云ってはなんだが、ビールやウイスキーのつまみには「塩トマト」(甘辛く仕上げたトマトの甘納豆)が絶品。「鰊の山椒漬」と一緒に入手できる店もあるので、ぜひお試しあれ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、ジャガイモの花。取り分け美しいと云う程ではないけれど、個性があって、ジャガイモ畑の脇を通ると撮らずに通り過ぎることが出来ない花ですね。
Nikon D4, D4x, D400, D400x, D800, D800x, D9000 Specs
すぐにご紹介しようと思いながら遅くなってしまったが、元ネタは勿論Nikon Rumorsである。いやはや、いったい誰がこういうものを思いついて書いたのか知らないが、まっ、大したものであ。ただし、D800の発表が”3rd quarter of 2012” と云うのどんなものだろうね。今年は2011年だったよなって、カレンダーで確かめちゃいましたよ。
注:Nikon Rumorsの記事のタイトルの頭には”Reality or fiction:”と書かれていたことを付記しておきます。この頃ニコンDSLRの話題が少ないので「お楽しみ」ということで(^^)
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、歌にもなっている初夏の花の代表、卯の花(正確にはウツギの花)。ただし、香りは無いように思うのですが・・・。
梅雨晴れ間
ここ暫く6月とも思えない肌寒い日が続いていたが、ようやく昨日辺りから平年並みの気温になったようである。梅雨のさなかとは云え薄日も差す今日、郷秋<Gauche>は法事で都内に出かけて来た。福島生まれ育ちの郷秋<Gauche>としては、お寺さんや法事と聞くと更に田舎に出かけて行くイメージなのだが、考えてみれば当たり前の話ではあるが当然都会にもお寺さんはある。
今日、出かけたお寺さんは地下鉄日比谷線の神谷町駅からほど近いところで(住居表示としては「虎ノ門」になるらしい)、墓地から南側を見上げるとほんの300m程先には東京タワーがそびえていると云う場所。うぅ・・・ん、やっぱり違和感があるのだがこれが東京だし、それに馴染めない郷秋<Gauche>はやっぱり福島人なんだなと、思った今日の郷秋<Gauche>であったぞ。
そんな今日の一枚は、梅雨晴れ間、都会の廃屋と緑滴る街路樹。
国民不在、被災者不在の茶番劇
ジョン・ウィクリフの言葉に倣えば、「政治家の政治家による政治家のための茶番劇」。国民のために仕事を為すべき政治家に有るまじき下劣な行状には怒りを通り越し唯々厭きれんばかり。議員であることは確かかもしれぬが、政治家と呼ぶには余りにも恥ずかしい有象無象故、「似非政治家の似非政治家による似非政治家の為の茶番劇」であるな。しかし、その有象無象を選んだのが己であることを思うと何ともはや忸怩たる思いである。
可夢偉の来季は
モンテカルロ市街地コースにおいて、歴代日本人F1ドライバー最高位でレースを終えた小林可夢偉の周辺が俄かに喧しくなっているようだ。
それはそうだろ。メルセデスGPのMGP W02を駆るミヒャエル・シューマッハの14ポイント、ランキング11位に対して、MGP W02に比し明らかに戦闘力の劣るザウバーC30を駆る可夢偉は19ポイントを獲得しランキング10位と、かつて皇帝を呼ばれた男の前に立っているのである。
ペーター・ザウバーは可夢偉とペレスのドライバーに満足しているとして来季もドライバーを替えるつもりはないとコメントしているが、いまだ正式な契約には至っていないようである。郷秋<Gauche>が思うに、ペーター・ザウバーは、特に可夢偉との契約は急いだ方が良い。なぜなら、レッドブルやフェラーリが可夢偉に食指を伸ばす可能性が大ありだからである。
もちろん、契約さえあればドライバーを引き抜かれる心配は無い、などと云う事は無い。F1の世界はそんなに判り易い秩序によって出来上がっている世界ではないのだ。時に契約書は何の意味も無い「ただの紙切れ」になってしまうこともある。そう云うことも起こり得る世界なのだが、勿論「タダ」では起きない。当然のこととして大きなカネが動くのである。もしペーター・ザウバーが、小林可夢偉を2012年のドライバーとする契約を結んでいれば、何の見返りもなく可夢偉を他のチームに引き抜かれることはないのだ。
例えばレッドブルがウェバーの後釜として、あるいはフェラーリがマッサの後任として可夢偉が欲しいと思ったとすると、クリスチャン・ホーナーあるいはステファノ・ドメニカリはペーター・ザウバーの前に、可夢偉との契約を買い取るための数十億円分の札束を積み上げなければならないのである。
ザウバーはこの数十億円をC30あるいはC31の開発のために注ぎ込むことが出来るようになり、それはコンストラクターズ・ランキングにおいてメルセデスGPの前のポジションを確かなものとするために大いに役に立つことだろ。可夢偉が去った後のドライバーについてもまったく心配はない。日本には可夢偉しかいない「世界クラス」も、ヨーロッパには世界中から集まった「世界クラス」がウジャウジャいるのである。
可夢偉はペーター・ザウバーの祝福を受けつつ「恩義あるザウバーとの契約は全うしたかったのですが・・・」などとコメントしながらレッドブルあるいはフェラーリに移籍する。ザウバーチームは可夢偉が残してくれた資金でより速く強いマシン作り、新しいドライバーと共にメルセデスGP、ロータス・ルノーGPを上回るポジションを確実なものとする。万事めでたしのシナリオである。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、梅雨入り直後の雨に濡れる、すみよしの森のトトロの切り通しに続く小径。
郷秋<Gauche>、お茶に親しむ(その五、最終回)
わすか1時間半の「お稽古」ではあったが、たった一服のお茶を頂くために実の多くの手順とお作法があり、いったい何度「おじぎ」をしたことか。礼に始まり例に終わるとはまさに茶の道の事であるな。今の郷秋<Gauche>の生活ペースに果たして合っているかどうかは別にして、いつか、たっぷりと時間がある、あるいは時間の流れに悠然と身を任すことが出来るようになった時にでも取り組んでみたいものである。
と郷秋<Gauche>が云ったら、教えてくれた義妹曰く、「私もそう思っていたが、季節、道具、場所、人数によって数多くの所作・作法があり、歳をとってからでは覚え切れない。」なるほど、そうかも知れない。
八畳の茶室の隣には水屋がある。この水屋の造りについても向き(方位)は勿論のこと、流しの下部は銅板を張り上部は杉板、道具を掛けは竹釘など、細かな決まりがあるらしい。この写真でお気づきになられた方がおられるかも知れないが、郷秋<Gauche>がお茶を頂いた茶室は伝統的な日本家屋ではなく、実は北欧製の輸入住宅の中に作られた茶室である。営業担当も設計担当も単に畳が何枚か入った和室は作ったことはあっても炉がきられ、水屋のある本格的な茶室を作るは初めてと云うことで、茶道に関する何冊もの本を読んでもらって設計をお願いしたとのこと。輸入住宅とは云え分厚い天然木を使った窓などは、なかなかどうして茶室の雰囲気に上手く溶け込んでいるように郷秋<Gauche>には思えるけどね。
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