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可夢偉の来季は

 モンテカルロ市街地コースにおいて、歴代日本人F1ドライバー最高位でレースを終えた小林可夢偉の周辺が俄かに喧しくなっているようだ。

 

 それはそうだろ。メルセデスGPMGP W02を駆るミヒャエル・シューマッハの14ポイント、ランキング11位に対して、MGP W02に比し明らかに戦闘力の劣るザウバーC30を駆る可夢偉は19ポイントを獲得しランキング10位と、かつて皇帝を呼ばれた男の前に立っているのである。

 

 ペーター・ザウバーは可夢偉とペレスのドライバーに満足しているとして来季もドライバーを替えるつもりはないとコメントしているが、いまだ正式な契約には至っていないようである。郷秋<Gauche>が思うに、ペーター・ザウバーは、特に可夢偉との契約は急いだ方が良い。なぜなら、レッドブルやフェラーリが可夢偉に食指を伸ばす可能性が大ありだからである。

 

 もちろん、契約さえあればドライバーを引き抜かれる心配は無い、などと云う事は無い。F1の世界はそんなに判り易い秩序によって出来上がっている世界ではないのだ。時に契約書は何の意味も無い「ただの紙切れ」になってしまうこともある。そう云うことも起こり得る世界なのだが、勿論「タダ」では起きない。当然のこととして大きなカネが動くのである。もしペーター・ザウバーが、小林可夢偉を2012年のドライバーとする契約を結んでいれば、何の見返りもなく可夢偉を他のチームに引き抜かれることはないのだ。

 

 例えばレッドブルがウェバーの後釜として、あるいはフェラーリがマッサの後任として可夢偉が欲しいと思ったとすると、クリスチャン・ホーナーあるいはステファノ・ドメニカリはペーター・ザウバーの前に、可夢偉との契約を買い取るための数十億円分の札束を積み上げなければならないのである。

 

 ザウバーはこの数十億円をC30あるいはC31の開発のために注ぎ込むことが出来るようになり、それはコンストラクターズ・ランキングにおいてメルセデスGPの前のポジションを確かなものとするために大いに役に立つことだろ。可夢偉が去った後のドライバーについてもまったく心配はない。日本には可夢偉しかいない「世界クラス」も、ヨーロッパには世界中から集まった「世界クラス」がウジャウジャいるのである。

 

 可夢偉はペーター・ザウバーの祝福を受けつつ「恩義あるザウバーとの契約は全うしたかったのですが・・・」などとコメントしながらレッドブルあるいはフェラーリに移籍する。ザウバーチームは可夢偉が残してくれた資金でより速く強いマシン作り、新しいドライバーと共にメルセデスGP、ロータス・ルノーGPを上回るポジションを確実なものとする。万事めでたしのシナリオである。

 

 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、梅雨入り直後の雨に濡れる、すみよしの森トトロの切り通しに続く小径。

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