HMV渋谷店閉店

 渋谷のHMVが8月で閉店するらしい。一つの時代が終わったんだなぁと、思う。

 新聞等の報道によると渋谷店はHMVの日本進出1号店として1990年に開店したようだが、郷秋<Gauche>が知っているのはセンター街にある現店舗に移転した1998年からだからそれでももう12年かな。もっとも最近はCDを買うこと自体が少なくなっているし、必要なときにはネット通販で購入するので、センター街の店に最後に行ったのがいつなのか思い出せないくらい行っていない。

 郷秋<Gauche>がチェリストの長谷川陽子さんのオフィシャルホームページを立ち上げたのが1997年。HMV渋谷店がセンター街に移転した1998年にクラシックのフロアーでミニコンサートとサイン会を開催するというので、詳細はHMVのWebsiteを見れば判るだろうと思ってアクセスを試みたがWebsiteそのものがなかったのでびっくり驚いた記憶がある。1998年の春先の事だったように記憶している。

 1987年は、ちょうどガスパール・カサドに興味を持って楽譜やらCDを集め始めた時期でもあったので、都内に出た帰りには必ずと云って良いほどセンター街のHMVに寄ったものだが、どうしてもあの通りが好きになれずにいつも西武の方から遠回りしていた。郷秋<Gauche>のような古いタイプの人間には不評でも、あの場所は若い世代にとっては最適だったということなのだろうけれど、それもまもなく幕が引かれることになる訳だ。

 わずか10年間でCDの売上げが5239億円から2460円に激減したことを伝えるグラフを見たが、iPadの登場により今度はただでさえ縮小している書籍市場が更に小さくなるのではないかと心配でならない郷秋<Gauche>である。音楽の場合には演奏を聴く事が最大の目的であり、ジャケットやライナーノーツの楽しみはある意味副次的とも云えたが、本の場合には手にとってその装丁とその重みを感じつつ読むところにも多くの楽しみが潜んでいると思う郷秋<Gauche>はやはり古いタイプの人間なんだろうな。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、咲き始めた栗の花。桜を美しい花の代表とすれば、栗の花は美しくない花の代表と云えるかも知れませんが、この花が咲かないことにはあの美味しい栗を味わうこともできない訳です。
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