会津の温泉に避難?

 この計画は「会津よもやの故郷プロジェクト」と云うそうだ。
首都圏を大規模地震が襲った場合、数十万~百万棟の建物が全壊もしくは焼失するとの試算があるが、それだけの建物に被害があれば、当然数百万人が住まいを失うことになる。その家を失った方に一時的な避難先として会津の温泉旅館を斡旋しようと云うのが「会津よもやの故郷プロジェクト」である。

 具体的には年間5千円の登録料を支払い万一に際に利用する避難先(旅館)を選ぶ。避難が必要になった時には1ヶ月5万円程度(から。食事なし)の料金で最長6ヵ月間、先に選んだ旅館に滞在する事が出来る。一年間災害がなければ3千円相当の会津の特産品がプレゼントされると云うから、登録料は実質2千円ということになる。

 郷秋<Gauche>の場合は、もしもの事が福島の実家に避難する事が出来るが、首都圏以外に避難先を確保できない方にとっては心強いシステムになりそうだが、実は会津の温泉側としてもメリットとなりそうなシステムなのである。つまりだ、登録した方が地震がなくても会津の温泉を訪れてくれるのではないかと云う「Visit会津」効果を期待しているのである。

 このプロジェクトの受け入れを決めたのは芦ノ牧温泉(会津若松市)、湯野上温泉(下郷町)、熱塩(あつしお)温泉(喜多方市)、新鶴(にいつる)温泉(会津美里町)の4ヶ所。はっきりいっていずれも観光(宿泊)客の減少に頭を痛めている温泉町である。郷秋<Gauche>は一昨年の8月に湯野上温泉に、昨年の5月に芦ノ牧温泉に泊まったが、取り分け芦ノ牧温泉の衰退振りには驚いた。

 芦ノ牧温泉で賑わっていたのは710名収容と、地区最大のホテルだけで、稼ぎ時の連休だと云うのに他のホテル・旅館の駐車場にクルマはまばら。10件ほどのホテル・旅館が営業しているようだが、目に付くのはその数倍はありそうな、廃墟と化した「元」ホテル・旅館、看板は出ているものの人気のない土産物屋や遊技場、怪しげなショーを見せる(らしい)「劇場」。そんな温泉街が果たして「会津よもやの故郷プロジェクト」くらいで再生できるとは思わないけれど、それでも手をこまねいているよりは前向きだと評価すべきなんだろな。


 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、恩田の森の白山谷戸の田んぼ。補植も済ませて安堵の思いで田んぼを眺める二人は何を話しているのでしょうか。
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