2009年型マシンもそれほど悪くない

 勿論F1マシンのことだ。ボディのありとあらゆる所から生えていた醜い空力付加物がなくなるのは良いとしても、幅が狭く背の高いリアウイングが余りにも醜いのではないかと心配していたが、今日フェラーリが先陣を切って発表した2009年を戦うマシン、F60を見る限り「それ程悪くない」というのが郷秋<Gauche>の第一印象である。

 全体としては醜い空力付加物がなくなりボディ全体がすっきりし好印象である。心配したリアウイングも、横から見た限りでは90年代初頭からのマシン(郷秋<Gauche>が、F1が最も美しかったと思う時代だ)とそれ程変わった印象がないが、幅が狭いことからその高さがことさらに強調されているようである。

 90年代初頭のマシンは今よりもトレッドが広く、リアウイングの幅はリアタイヤの内側ぎりぎりまで許されていたのに対して、2009年のレギュレーションではかなり内側に寄せた、つまり幅の狭いものとされている。そのために必要以上に背が高く見えているわけである。

 さて、フロントウイングはと云えばこちらはフロントタイヤの外側まで寸法が許されているようで、F60はこれまでボディ各所で得ていたダウンフォースをフロントウイングだけで稼ごうとするために許容範囲ぎりぎりの大きなウイングとなっている。

 これもまたF1がもっとも美しかった1990年代と比べると幅が広すぎる。当時はリアウイングと同様、タイヤの内側がその許容範囲であったようである。リア、フロント共にウイングの最も美しい幅はタイヤの内側ぎりぎりと云うのがF1における「黄金率」と云えるのかも知れないな。

 さて、フェラーリが2009年を戦うマシンになぜF2009ではなくF60という名前を与え中についても少々説明が必要だが、それ程難しい理由があるわけではなくフェラーリのF1ワールドチャンピョンシップ参戦60年を記念してのことであり、来年はF2010と命名されるものと思われる。

 問題は、Fnnいう名称がこれまでF40、F50と云うようにフェラーリのロードカーのうちでも飛び切りのマシン(ここは「クルマ」ではなく「マシン」と呼びたい)に付けられて来た名前であるということ。F40、F50の次は「エンツォ」であったが、この系譜のニューマシンはF60だろうと思っていただけに意外だったし、それじゃ「エンツォ」の次はどうなるんだ?という疑問が沸いて来たぞ。


 例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は「霜の朝」(しものあした)。
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