S2000、生産終了

 F1からの撤退、次期NSXの開発中止、鈴鹿8時間耐久レースへのワークスチーム不参戦に続いて今度はS2000の生産が6月末をもって終了するとの報道。スーパースポーツたるNSXに遅れること10年、ホンダ流オープンスポーツとして1999年に登場したS2000だが、10年目にして生産中止。これでホンダスポーツの系譜が途絶えることになる。

 それまで二輪専業であったホンダが、「腕時計のように精密」なDOHCエンジンを搭載したS500で四輪市場に参入したのが1963年。S500はすぐにS600となりさらにS800へと進化する。そのS800が生産を終了したのが1970年。排気ガス対策のための長い暗黒の時を経て、光明が見え始めたのがCR-XにDOHCエンジンが搭載された1984年だ。

 自ら「モータースポーツはホンダのDNA」と言い切るホンダのことだから、幾年かの後にはサーキットに戻ってくることだろ。ただ、その時のマシンは石化燃料で走るものではないかも知れないが。同様に魅力的なロードゴーイングスポーツも戻ってくることだろう。が、これもまた石化燃料だけで走るものではないのだろうな。

 高らかに歌うエグゾーストノートが聞こえなくても、オイルの焼ける芳しい匂いがなくても、走る喜び、操る喜びを与えてくれるものならば、僕たちはそれを受け入れなければならないだろ。楽しみのためだけに石化燃料を消費し排気ガスを撒き散らすことが許されない時代となったのだから。出来ることならば、美しい姿であって欲しいしけれど。


 例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、春を告げる小さな花、仏の座(ほとけのざ)。春の七草の一つのホトケノザとは別物です。
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