51,000人減

 厚生労働省が昨年末に発表したところによると2008年の日本の人口は前年に比べ51,000人減少(自然減)し、本格的な人口減少の時代に突入した模様。

 いつまでも人口の増大と共に経済成長を期待するのではなく、小さな社会に向けての施策を真剣に考えないとならない状況だ。つい最近までは人口減少に伴う労働力不足を外国人労働者で補うなどと云った場当たり的かつ無責任な方針が打ち出されていたが、ここに来ての急激な経済減退にそんな話はどこへやら。日本人の働く場所さえなくなり、外国人は帰国を余儀なくされている。

 陸続きで他国民・他人種の流入が当たり前であったヨーロッパ各国でさえも外国人問題に頭を痛めていると云うのに、外国人との混住の経験がほとんどない日本でどれ程の問題が起こるのかを考えもせずに目先の労働力不足を外国人で補うと云う安易な主張は、その正否を問う前に経済・労働環境の悪化と共に頓挫することになろう。

 元へ。郷秋<Gauche>は外国人を排斥せよと主張しているのではない。フィンランドを筆頭にした北欧諸国のように少人口で成り立ちえる社会のシステムを確立するべきだと云いたいのである。人口大国かつ経済大国ではなく、人口“中”国かつ経済“中”国を、規模は“中”でも中身の濃い“中”を目指すのである。

 その過程においては随分と困難なことも予想されるだろうが日本の人口は今の半分、6000万人程度(昭和初年頃と同数)がちょうどいいんじゃないだろうかと云うのはまったく郷秋<Gauche>の独断だが、とにかく今の日本の人口が多過ぎることは確かだ。

 日本の人口がいよいよ減少に転じたことを報ずる記事に接したことから大言壮語してしまった郷秋<Gauche>であるが、平地の少ない日本だから現状では止むを得ないとも云えるけれど、自然の一構成員であるはずの人間が自然の地形を破壊してまで住む場所を確保しなければならないのは異常なんじゃないかと、思えてならないな。


 例によって記事本体とは何の関係もない今日の一枚は、都内を流れる目黒川慕情。
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