マグネシウム合金

 近頃、マグネシウム合金がやたらにもてはやされているようだ。
 マグネシウムは比重がアルミニウムの2/3、鉄の1/4と大変軽い。プラスチックよりは重いが、強度が高いので同じ強度の部品を作製すると結果としてプラスチックよりも軽いものが出来上がる。最近ではクルマの部品にも積極的に利用されているのでその名前を耳にすることも多くなってきている。

 カメラ(高級一眼レフ)の筐体は、昔は真鍮(しんちゅう)で作られていたが、その後はアルミ合金を経てマグネシウム合金でそれを作るのが一般的になっている。高価ではあるが、先に書いたように軽く、強度がある上に、電磁波遮蔽性能が高く、放熱特性にも優れているのがその理由である。カメラに使用するのと同様理由で、最近では携帯電話やノート型PCなどにも使われだしている。

 ほとんど万能ともいえそうなこのマグネシウム合金も、かつては非常に高価でありながら腐食し易いなどの理由からその利用はごく限られていたようだ。1967年に登場したトヨタ2000GTのロード・ホイールにはアルミニウムではなくこのマグネシウムが用いられ話題になったものだが、耐腐食処理が十分ではなく維持が大変だったとは有名な話である。現在は耐腐食性に優れた合金が開発されたことからもその利用範囲が広がっているようだ。

 マグネシウムは鉄やアルミニウムなとど同様に鉱石から精錬するが、実は海水から精製することも出来る。海水1リットルあたりの含有量が1.3グラム(ナトリウムの1/10)と、かなり多いので海に囲まれた日本にとっては貴重な無尽蔵の資源とも言えるだろう。また一度精錬してしまえば、融点が600度程度と低いのでリサイクル性にも富んでおりこれからますますその利用範囲が広がることだろう。

 突然、何故マグネシウム合金のことなどを書き出したかというと、郷秋<Gauche>が12月16日の発売を首を長くして待っているNikonD200のボディーにこのマグネシウム合金が採用されているからなのでありました。


今日の1枚は、ドングリの殻斗(かくと)。殻斗はドングリが被っている「帽子」のことで、これは実の丸いクヌギのもの。

 今日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますのでぜひご覧ください。
恩田Now 
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