唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
JAL再建計画に信憑性なし
郷秋<Gauche>が云ったのでも書いたのでもない。昨日手元に届いた『日経ビジネス』の記事のタイトルである。大見出しの下には「体裁優先で、効果的な経営体制は二の次か。再建計画も実は形式的な内容で、再生は怪しい。2次破綻も視界に入ってきた。」と、手厳しい。
ところで、高コスト体質の象徴として悪者とされてしまった気の毒なJALの747ジャンボジェット。全37機がすべて売却されると報道されているが、会社更生法適用申請から一夜開けた20日、最初の1機が日本を離れてんんんンyyんいったようである。しかしこの747、元はJALの旅客機として使われていたものが貨物機に改造され、ほんの一ヶ月前にJLAがあらためて受領したばかりの機体のようである。こんな一つを見てもこれまでのJALがいかに高コスト体質であったのかがわかろうというものだ。
ちなみにN742CKと云う登録記号をつけて成田を飛び立った真っ白い元JALの747-446(BCF)のJAL在籍当時の登録記号はJA8072。1989年に製造され、1990年1月26日にJAL機として登録され、どうやらアメリカの航空貨物専門のエアライン、Kalitta Airに売却された模様である。登録記号がわかるとその機体の生い立ちなど色々なことがわかってしまうから面白い。
今日の一枚は、747と共に経費削減の為に早晩姿を消すことになるMD-90。JASから移籍してきた機材だが、当時でさえも同クラスの737-400が有り、運行乗務員のライセンスや整備コストを考えた時、早期にリタイヤの必要な機材であった事は素人にもわかる。こういった機体を10年も使い続けてきたのもまた高コスト体質の一端である(航空機ファンとしてバラエティに富んだフリートであって欲しいと願うのとはまったく次元の違う問題)。なお、MD-90が担ってきた路線は737-800あるいは更に小さなエンブラエル170、CRJ200、DHC-8-Q400などが受け持つ事になるのだろうが、特にエンブラエルとCRJ200は、これから登場するMRJも絡めての機材の統合が進むことになるんだろうな。
ところで、高コスト体質の象徴として悪者とされてしまった気の毒なJALの747ジャンボジェット。全37機がすべて売却されると報道されているが、会社更生法適用申請から一夜開けた20日、最初の1機が日本を離れてんんんンyyんいったようである。しかしこの747、元はJALの旅客機として使われていたものが貨物機に改造され、ほんの一ヶ月前にJLAがあらためて受領したばかりの機体のようである。こんな一つを見てもこれまでのJALがいかに高コスト体質であったのかがわかろうというものだ。
ちなみにN742CKと云う登録記号をつけて成田を飛び立った真っ白い元JALの747-446(BCF)のJAL在籍当時の登録記号はJA8072。1989年に製造され、1990年1月26日にJAL機として登録され、どうやらアメリカの航空貨物専門のエアライン、Kalitta Airに売却された模様である。登録記号がわかるとその機体の生い立ちなど色々なことがわかってしまうから面白い。
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今日の一枚は、747と共に経費削減の為に早晩姿を消すことになるMD-90。JASから移籍してきた機材だが、当時でさえも同クラスの737-400が有り、運行乗務員のライセンスや整備コストを考えた時、早期にリタイヤの必要な機材であった事は素人にもわかる。こういった機体を10年も使い続けてきたのもまた高コスト体質の一端である(航空機ファンとしてバラエティに富んだフリートであって欲しいと願うのとはまったく次元の違う問題)。なお、MD-90が担ってきた路線は737-800あるいは更に小さなエンブラエル170、CRJ200、DHC-8-Q400などが受け持つ事になるのだろうが、特にエンブラエルとCRJ200は、これから登場するMRJも絡めての機材の統合が進むことになるんだろうな。
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JALは、飛び続けます。か?
今朝の新聞各紙に「JALは、飛び続けます。」と云う一面広告が掲載された。ご存知の通り経営破綻し企業再生機構の支援を受けての再生が決定したJALからの、取引先と利用客に対して「安心して、これまで通りお取引・ご利用ください」と云うメッセージである。
しかしだ、「飛び続けます。」じゃ困る。巨額の公的資金を投入しての再生である。いつまでも「ふわふわ」されては困る。一日も早く高コスト体質から脱却し3年後には再建を果たして「着地」してもらわなければならないのだ。
ところで、昨年も3月末に出かけたが今年も同じ頃に博多に出かけることになるかも知れない。出かけるとなるとJAL関係者と同行となるので、郷秋<Gauche>は何もせずとも航空券もホテルも予約してもらえるので楽なのはいいのだが、「JAL+ホテル日航」となる事は必至。
この際、多少遠回りにはなるけれど、スターフライヤーのA320で北九州空港に飛んで、泊まりは天神辺りかキャナルシティのハイアットにして欲しいぞ。ダメモトで頼んでみよっかな。と思って調べたら北九州空港から天神までって2時間以上かかるんですね(^^;。
これは羽田の整備工場に掲げられたJALの看板。レンズは18-200VR(旧)だが、こう云う絵柄だと歪曲収差が大きいのが目立つなぁ・・・。
しかしだ、「飛び続けます。」じゃ困る。巨額の公的資金を投入しての再生である。いつまでも「ふわふわ」されては困る。一日も早く高コスト体質から脱却し3年後には再建を果たして「着地」してもらわなければならないのだ。
ところで、昨年も3月末に出かけたが今年も同じ頃に博多に出かけることになるかも知れない。出かけるとなるとJAL関係者と同行となるので、郷秋<Gauche>は何もせずとも航空券もホテルも予約してもらえるので楽なのはいいのだが、「JAL+ホテル日航」となる事は必至。
この際、多少遠回りにはなるけれど、スターフライヤーのA320で北九州空港に飛んで、泊まりは天神辺りかキャナルシティのハイアットにして欲しいぞ。ダメモトで頼んでみよっかな。と思って調べたら北九州空港から天神までって2時間以上かかるんですね(^^;。
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これは羽田の整備工場に掲げられたJALの看板。レンズは18-200VR(旧)だが、こう云う絵柄だと歪曲収差が大きいのが目立つなぁ・・・。
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JALのジャンボ、全機退役
新聞等の報道によれば、企業再生機構の支援を受けて再建するJALが保有するジャンボ機(ボーイング747型機)全37機を2010年度末までに28機に減らし、2014年度までに全機退役させるのだと云う。全37機? 郷秋<Gauche>の手元の資料(2009年9月現在)では747-400/28機、400D/8機、400F/2機、400BCF/6機、合計44機となっているが、4ヶ月の間に7機が退役していたと云うことか。
注:400Fは貨物専用機。フレイターの「F」。BCFは旅客機から貨物専用機への改修されたもの。
報道されているのはジャンボ機を退役させ中・小型機を中心とし運行コストを引き下がるというもので、ジャンボ機以外の今後の機材構成については不明であるが、JASから引き継いだA300もすべて退役させてフリートをボーイングに統一。中型機の767も燃費のいい787にリプレイスして運行経費の更なる引き下げることになるだろうか。
郷秋<Gauche>は既に何度書いたが、小型機ではボンバルディアとエンブラエルの並存も整理対象となるだろう。まっ、税金が投入されるわけだからボンバルディアとエンブラエルを一掃して、日本企業が総力を注ぐ日の丸ジェット旅客機、MRJへの全面変更をあり得るかな。というより、税金を投入するんだから国産導入は当然だろう。
今日の一枚は、記事内容に無理やり合わせて撮った、郷秋<Gauche>の自宅上空を飛ぶJAL機。郷秋<Gauche>の自宅のある横浜市青葉区は羽田空港を飛び立った旅客機の通り道で、時間帯によっては3分に1機が上空を通過する。JAL機は赤い尾翼ですぐに判るが、ANA機は尾翼のトリトンブルーが空のブルーに溶け込んで白一色にしか見えない。その点ではJAL機のカラーリングは優れていると云えるか。ちなみに上のJAL機は777-200に見えるけれど、どうだろうか。
注:400Fは貨物専用機。フレイターの「F」。BCFは旅客機から貨物専用機への改修されたもの。
報道されているのはジャンボ機を退役させ中・小型機を中心とし運行コストを引き下がるというもので、ジャンボ機以外の今後の機材構成については不明であるが、JASから引き継いだA300もすべて退役させてフリートをボーイングに統一。中型機の767も燃費のいい787にリプレイスして運行経費の更なる引き下げることになるだろうか。
郷秋<Gauche>は既に何度書いたが、小型機ではボンバルディアとエンブラエルの並存も整理対象となるだろう。まっ、税金が投入されるわけだからボンバルディアとエンブラエルを一掃して、日本企業が総力を注ぐ日の丸ジェット旅客機、MRJへの全面変更をあり得るかな。というより、税金を投入するんだから国産導入は当然だろう。
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今日の一枚は、記事内容に無理やり合わせて撮った、郷秋<Gauche>の自宅上空を飛ぶJAL機。郷秋<Gauche>の自宅のある横浜市青葉区は羽田空港を飛び立った旅客機の通り道で、時間帯によっては3分に1機が上空を通過する。JAL機は赤い尾翼ですぐに判るが、ANA機は尾翼のトリトンブルーが空のブルーに溶け込んで白一色にしか見えない。その点ではJAL機のカラーリングは優れていると云えるか。ちなみに上のJAL機は777-200に見えるけれど、どうだろうか。
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格安エアライン専用旅客機
タクシーには、クラウン・コンフォート(トヨタ)やクルー(日産。何と、左側後ろのドアが右側のドアよりも5cm大きい)と云ったタクシー専用車がある。またトラックでは、クロネコヤマトの依頼により開発された宅配便専用車種クイックデリバリー(トヨタ)もある。いずれも既存の車種を元にそれぞれの用途に最適化した派生車種であるが、遠からず格安エアライン専用の旅客機が登場するかも知れないというお話しである。
昨日付け(1月6日)の日経夕刊によれば、カンタス航空の子会社で格安便を運行するジェットスターとマレーシアの格安エアライン、エア・アジアが提携し、差し当たりは共に運行するエアバス機の機体整備施設の共有化や補修部品の共同購入のようだが、遠からずボーイング、エアバス両社に対して、機内設備の簡素化や頻繁な発着のためにランディングギアなどを強化した格安航空向けの中小型機の開発を求めていくのだと云う。
ジェットスターとエア・アジアは現在エアバス社のA320等を運行しているが、ジェットスターは既に787を発注済。日本国内ではANA、JAL両社も787を発注し納入待ちとなっているが、ジェットスターとエア・アジアのリクエストによる機体がローンチするとなると、ANAやJALも国内線専用に同仕様の787を導入する可能性もあるだろうな。ボーイングは日本向けに747SR(Shot range)、747-400D(Domestic)を供給した実績があるから、格安エアライン向けにカスタマイズした機体の登場は大いにあり得るんじゃないかな。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、かつらの森の雑木林。このすぐ手前に傾斜地で宅地の造成が始まっています。残念ですがここで写真を撮ることが出来るのはこの冬が最後になりそうです。
昨日付け(1月6日)の日経夕刊によれば、カンタス航空の子会社で格安便を運行するジェットスターとマレーシアの格安エアライン、エア・アジアが提携し、差し当たりは共に運行するエアバス機の機体整備施設の共有化や補修部品の共同購入のようだが、遠からずボーイング、エアバス両社に対して、機内設備の簡素化や頻繁な発着のためにランディングギアなどを強化した格安航空向けの中小型機の開発を求めていくのだと云う。
ジェットスターとエア・アジアは現在エアバス社のA320等を運行しているが、ジェットスターは既に787を発注済。日本国内ではANA、JAL両社も787を発注し納入待ちとなっているが、ジェットスターとエア・アジアのリクエストによる機体がローンチするとなると、ANAやJALも国内線専用に同仕様の787を導入する可能性もあるだろうな。ボーイングは日本向けに747SR(Shot range)、747-400D(Domestic)を供給した実績があるから、格安エアライン向けにカスタマイズした機体の登場は大いにあり得るんじゃないかな。
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、かつらの森の雑木林。このすぐ手前に傾斜地で宅地の造成が始まっています。残念ですがここで写真を撮ることが出来るのはこの冬が最後になりそうです。
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飛行機は一年中夏タイヤ?
飛行機は空を飛ぶものだけれど、離着陸の為に地上を滑走する必要があるから当然タイヤが必要になる(ヘリコプターのように垂直に離着陸できる飛行機(回転翼機)には車輪はない。また雪上で離着陸する飛行機にはタイヤに代わってスキーが、水上で離着陸する飛行機にはタイヤに代わってフロートが装着されるが、例外的と考えていい)。
大型の旅客機などにはクルマと同じようにタイヤだけではなくサスペンションやステアリング機構が備わり、それた全体をランディングギア(Landing gear)と云うが、今日問題にしたいのはランディングギアのうち最も重要なタイヤについてだ。
昨日(2日)21時半頃、新千歳空港に着陸した羽田発のJAL545便(777-300型)が着陸後に滑走路から誘導路へのカーブを曲がりきれずに前輪を脱輪させ積雪に突っ込む事故があった。乗員乗客に怪我はなかったようだが事故機は現場から動けなくなり、乗客は着陸から1時間半以上経った午後11時過ぎにバスに乗り換えターミナルビルに向かったとのこと。さぞかし疲れたことだろう。
事故当時、新千歳空港には積雪があり、滑走路や誘導路には凍結防止剤が撒かれていたようだが、一部は凍結していたことが想像できる。だとすると、タイヤが滑って脱輪したことになるのだろうか。冬の間、北国・雪国のクルマはスタッドレスタイヤを装着するのは常識だが、どうやら飛行機用タイヤにはスタッドレスはないらしい。
日本国内の事故ではなかったような気がするが、以前に空港ターミナルに旅客機が突っ込んだ事故があった。これもまた駐機場が凍結していて止まりきれなかったことが原因らしい(マーシャルは無事だったのだろうか)。大型旅客機のタイヤは特に着陸時の負荷が大きい為にかなり頻繁に交換していると聞いたことがある。ならば冬の間はスタッドレスタイヤを装着してはどうかと郷秋<Gauche>は思うのだが、素人の浅知恵?
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日に続いてあかねの森の民家の飼い猫。この頃森を歩いているとやけに猫が目に付く。どうしてだろうか。
大型の旅客機などにはクルマと同じようにタイヤだけではなくサスペンションやステアリング機構が備わり、それた全体をランディングギア(Landing gear)と云うが、今日問題にしたいのはランディングギアのうち最も重要なタイヤについてだ。
昨日(2日)21時半頃、新千歳空港に着陸した羽田発のJAL545便(777-300型)が着陸後に滑走路から誘導路へのカーブを曲がりきれずに前輪を脱輪させ積雪に突っ込む事故があった。乗員乗客に怪我はなかったようだが事故機は現場から動けなくなり、乗客は着陸から1時間半以上経った午後11時過ぎにバスに乗り換えターミナルビルに向かったとのこと。さぞかし疲れたことだろう。
事故当時、新千歳空港には積雪があり、滑走路や誘導路には凍結防止剤が撒かれていたようだが、一部は凍結していたことが想像できる。だとすると、タイヤが滑って脱輪したことになるのだろうか。冬の間、北国・雪国のクルマはスタッドレスタイヤを装着するのは常識だが、どうやら飛行機用タイヤにはスタッドレスはないらしい。
日本国内の事故ではなかったような気がするが、以前に空港ターミナルに旅客機が突っ込んだ事故があった。これもまた駐機場が凍結していて止まりきれなかったことが原因らしい(マーシャルは無事だったのだろうか)。大型旅客機のタイヤは特に着陸時の負荷が大きい為にかなり頻繁に交換していると聞いたことがある。ならば冬の間はスタッドレスタイヤを装着してはどうかと郷秋<Gauche>は思うのだが、素人の浅知恵?
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日に続いてあかねの森の民家の飼い猫。この頃森を歩いているとやけに猫が目に付く。どうしてだろうか。
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フラッグ・キャリアの座はANAに?
フラッグ・キャリア(Flag Carrier)とは、一国を代表する航空会社のことである(National Flag Carrierと呼ぶ場合もある)。国を代表するエアラインだから、時に利益を無視してでも地球の裏側、たとえ遠距離であったとしても重要だと思われ都市には航路を開設する。そのためにボーイングやエアバスは地球裏側まで飛べる大型機を造る。
例えば日本からなら南米にも北米東海岸にもヨーロッパにも飛ばす。アメリカからならヨーロッパにも日本にも飛ばす。ヨーロッパからなら日本にもオーストラリアにも飛ばす。利益が上がらなくても意地でも飛ばすから当然赤字となり企業全体の利益の脚を引っ張ることになる。それでも飛ばすという悪循環に陥る。
だからフラッグ・キャリアはどこも大きな赤字を抱えることになる。その結果、アメリカのフラッグ・キャリア、いや、世界を代表するエアラインであったパンアメリカン航空(Pan American Airways、通称パンナムPan Am)は1991年12月に破産、運行停止し、それ以来アメリカ合衆国にはフラッグ・キャリアは存在しないとされている。
スイスのラッグ・キャリア、スイス航空(Swissair)もまた経営破綻し、今はドイツのフラッグ・キャリア、ルフトハンザドイツ航空(Deutsche Lufthansa AG / Lufthansa)の傘下に入っている。イタリアのフラッグ・キャリア、アリタリア(Alitalia)もまた経営悪化により分割さらアリタリア-イタリア航空(Alitalia Linee Aeree Italiane)として経営再建中である。
で、問題は我が日本のラッグ・キャリアたる(完全民営化以降は日本にフラッグ・キャリアではないと云う見方もあるが、JALが事実上のラッグ・キャリアであることに変わりはない)経営再建中の日本航空(JAL)の行方だが、ここに来て重荷になっている国際線を切り離して再建しようと云う案が浮上してきているようである。これに呼応する形で全日空(ANA)がその引き受けの検討を開始していると云う。
国際線定期便への進出を制限していた「45-47体制」が崩壊し、ANAが国際線定期便に進出したのは1986年であった。最初の路線はグアム線だったと記憶しているがその年の内にアメリカLA線とワシントンDC線を開設している。ANA念願の国際線定期便進出に際して、郷秋<Gauche>は当時仕事上の関係のあったANAのCA採用担当者宛に祝電を打ったことを覚えている。
前置きが長くなったが、郷秋<Gauche>が何を言いたいのかと云えば、盛者必衰というのか、驕れるもの久しからずと云うのか、放漫経営の成れの果てはこう云うことになるんだなぁと云うことかな。と同時に、品行方正な市民として郷秋<Gauche>が納めた税金を、こんな企業の為に使って欲しくはないなと云うことである。
例によって記事本文とは何の関係もない今年最初の一枚は、春を待つ辛夷(こぶし)。
例えば日本からなら南米にも北米東海岸にもヨーロッパにも飛ばす。アメリカからならヨーロッパにも日本にも飛ばす。ヨーロッパからなら日本にもオーストラリアにも飛ばす。利益が上がらなくても意地でも飛ばすから当然赤字となり企業全体の利益の脚を引っ張ることになる。それでも飛ばすという悪循環に陥る。
だからフラッグ・キャリアはどこも大きな赤字を抱えることになる。その結果、アメリカのフラッグ・キャリア、いや、世界を代表するエアラインであったパンアメリカン航空(Pan American Airways、通称パンナムPan Am)は1991年12月に破産、運行停止し、それ以来アメリカ合衆国にはフラッグ・キャリアは存在しないとされている。
スイスのラッグ・キャリア、スイス航空(Swissair)もまた経営破綻し、今はドイツのフラッグ・キャリア、ルフトハンザドイツ航空(Deutsche Lufthansa AG / Lufthansa)の傘下に入っている。イタリアのフラッグ・キャリア、アリタリア(Alitalia)もまた経営悪化により分割さらアリタリア-イタリア航空(Alitalia Linee Aeree Italiane)として経営再建中である。
で、問題は我が日本のラッグ・キャリアたる(完全民営化以降は日本にフラッグ・キャリアではないと云う見方もあるが、JALが事実上のラッグ・キャリアであることに変わりはない)経営再建中の日本航空(JAL)の行方だが、ここに来て重荷になっている国際線を切り離して再建しようと云う案が浮上してきているようである。これに呼応する形で全日空(ANA)がその引き受けの検討を開始していると云う。
国際線定期便への進出を制限していた「45-47体制」が崩壊し、ANAが国際線定期便に進出したのは1986年であった。最初の路線はグアム線だったと記憶しているがその年の内にアメリカLA線とワシントンDC線を開設している。ANA念願の国際線定期便進出に際して、郷秋<Gauche>は当時仕事上の関係のあったANAのCA採用担当者宛に祝電を打ったことを覚えている。
前置きが長くなったが、郷秋<Gauche>が何を言いたいのかと云えば、盛者必衰というのか、驕れるもの久しからずと云うのか、放漫経営の成れの果てはこう云うことになるんだなぁと云うことかな。と同時に、品行方正な市民として郷秋<Gauche>が納めた税金を、こんな企業の為に使って欲しくはないなと云うことである。
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例によって記事本文とは何の関係もない今年最初の一枚は、春を待つ辛夷(こぶし)。
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JALのフリートカレンダーをゲット
このところ、JALやANAの関係者と仕事をすることがある郷秋<Gauche>。今年9月に突如登場したヒコーキ写真は、実はその仕事の関係で羽田空港に隣接するJALの客室乗務員の訓練施設や整備工場を訪問した時に撮影したもの。非常訓練施設は747のモックアップ(2階席への階段が螺旋状で機体前方にあったからクラシック・ジャンボのものだ)からシューターで脱出する訓練や、着水したときの訓練に使うプールなどがありなかなか興味深かった。
特に空気で膨らませて使う脱出用のシューター(滑り台)を機体から切り離すとそのまま救命ボードになるのは初めて知った。また、そのボートの形状も搭載している機種によって異なり、また切り離し方も何種類もあるとのことで、パイロットだけではなく客室乗務員も搭乗する機種分の訓練が必要とのこと。説明してくれたトレーナーがCAはサービス係り以前に保安担当者なのだと言っていたのが印象的であったなぁ。
サービスの訓練施設はビルの上階に客席が並んだ状態のモックアップが、エコノミー、ビジネス、ファーストと三種類あり、郷秋<Gauche>が訪れたときにはエコノミーでは新人の、ビジネスではチーフパーサークラスのブラシュアップ訓練が行われ、そしてファーストではなんと女性自衛官がJALのトレーナーによる訓練を受けていた。何故自衛官がと訝る方がおられるかも知れないが答えは簡単。
日本の政府専用機(ボーイング747-400、ジャンボジェットだ)が、実は航空自衛隊の「特殊輸送機」だからである。自衛隊機だから操縦するのは自衛官、機内でサービスするのも自衛官なのである。ただし、サービスのプロは自衛隊にはいないことからその道のプロであるJALの施設とトレーナーによる訓練を実施していたというわけである。
そんなこんなで今年JALから頂いたカレンダーは「ワールド・ビューティ」と「JALフリート」の二種類だった(いずれも壁掛け用の大判と卓上用がある)。昨年までは自社のCAをモデルにしたものがあったのだが、2010年版から廃止されたことが新聞でも報じらせていた。理由は勿論経費削減である。ANAからも頂きましたが、こちらはANA便が就航している国の「建物と空」をテーマにしたもので、残念ながら郷秋<Gauche>的には今年は不採用と云うことに相成りました。
1月から順に767-300/新千歳、Embraer170/名古屋、737-400/中部国際、747-400/成田、777-300ER/成田、767-300F/成田、Saab340B/出雲、777-200ER/成田、MD-90/広島、737-800/宮崎、A300/旭川、737-800 Cockpit/フライトシミュレーターとなっています。
blogに掲載の写真はOLYMPUS(オリンパス)E-P2+M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm 1:3.5-5.6で撮影したものです。
特に空気で膨らませて使う脱出用のシューター(滑り台)を機体から切り離すとそのまま救命ボードになるのは初めて知った。また、そのボートの形状も搭載している機種によって異なり、また切り離し方も何種類もあるとのことで、パイロットだけではなく客室乗務員も搭乗する機種分の訓練が必要とのこと。説明してくれたトレーナーがCAはサービス係り以前に保安担当者なのだと言っていたのが印象的であったなぁ。
サービスの訓練施設はビルの上階に客席が並んだ状態のモックアップが、エコノミー、ビジネス、ファーストと三種類あり、郷秋<Gauche>が訪れたときにはエコノミーでは新人の、ビジネスではチーフパーサークラスのブラシュアップ訓練が行われ、そしてファーストではなんと女性自衛官がJALのトレーナーによる訓練を受けていた。何故自衛官がと訝る方がおられるかも知れないが答えは簡単。
日本の政府専用機(ボーイング747-400、ジャンボジェットだ)が、実は航空自衛隊の「特殊輸送機」だからである。自衛隊機だから操縦するのは自衛官、機内でサービスするのも自衛官なのである。ただし、サービスのプロは自衛隊にはいないことからその道のプロであるJALの施設とトレーナーによる訓練を実施していたというわけである。
そんなこんなで今年JALから頂いたカレンダーは「ワールド・ビューティ」と「JALフリート」の二種類だった(いずれも壁掛け用の大判と卓上用がある)。昨年までは自社のCAをモデルにしたものがあったのだが、2010年版から廃止されたことが新聞でも報じらせていた。理由は勿論経費削減である。ANAからも頂きましたが、こちらはANA便が就航している国の「建物と空」をテーマにしたもので、残念ながら郷秋<Gauche>的には今年は不採用と云うことに相成りました。
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1月から順に767-300/新千歳、Embraer170/名古屋、737-400/中部国際、747-400/成田、777-300ER/成田、767-300F/成田、Saab340B/出雲、777-200ER/成田、MD-90/広島、737-800/宮崎、A300/旭川、737-800 Cockpit/フライトシミュレーターとなっています。
blogに掲載の写真はOLYMPUS(オリンパス)E-P2+M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm 1:3.5-5.6で撮影したものです。
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737-800は救世主か
JALは云うに及ばず、やはり業績不振に陥っているANAを尻目に、新規参入組み(と云ってももう11年目)のスカイマークが、今日の日経の報道によれば2009年4~9月期の最終損益が19億円の黒字となったとのこと。その立役者がボーイング737-800型なのだという。
スカイマークは参入以来767-300ERで羽田-福岡便を手初めてして路線を拡大してきたが、2005年10月以降はボーイング737-800型を順次導入し今年9月には最後の1機となっていた767を引退させ、10月からは機材が全て737-800(177席)に統一されることとなった。
スカイマークの今期黒字の主因は機材を737-800に統一したことによると云うのが日経の記事の趣旨である。リース機材の返却前整備にかかっていた費用がなくなり、整備費は前年同期費半減の27億円。1機当たりのリース料が767の約半額で1席当たりの燃費も6~7%改善され、燃料の原価下落と合わせた燃料費は30億円に半減、更には搭乗率76%とANA、JALの60%(いずれも国内線)を大きく上回っている(数字等は本日付け『日経』による)。
今年9月には自前で737のフライトシミュレーターを導入したようだが、これも機材が737-800に統一されたことで、すべてのパイロットがこのシミュレーターで訓練できることわけでその分当然経費も節減できることになる。
対するJALは同クラスの機材として737-800(国内線仕様12機、国際線仕様9機)の他にJASから受け継いだMD-81(150席、16機)、MD-90(163席、13機)の他、737-400(145~167席、16機)を持ち、単一機材のスカイマークに比し当然コストが嵩むことになる。同様なことは767-200(261席)、777-200(375席)に近い290席のA300を22機も保有している事にも云える。
さらにはJ-AIR用に50席のCRJ200を9機導入しておきながら同クラスのエンブラエル170(76席)の導入を開始するなど、高コスト体質を自ら作る過ち繰り返しており、こんな企業に公的資金を投入するなどもってのほかと云う状況なのである。
実は同じような状況はANAにもある。それは小型機における737ファミリーとエアバス320の並存である。エンジンは共にCFMインターナショナル社製だが仔細な型式は異なるし、パイロットのライセンスも当然別種であるはず。これもまた経費の増大を招く結果となり、ANAの赤字転落の要因の一つになっているはずである。
ヒコーキファンとしては、当然色々な機種が飛び回っている方が楽しいのだが、運行会社のコスト、生産性を考えれば当然統一メーカー、同一機種で統一するに越したことはない。税金が投入されたりするのでなければ、色々なメーカーの色々な機種をどんどん導入して飛ばしてもらいたいところだが現状を見る限り、そうは行かないだろうな。
今日の一枚は例によって記事本文とは何の関係もない、あかねの森の畑の端で咲いていた「皇帝ダリア」。とてもダリアには見えない草丈、花姿は、なるほど「皇帝」の名が相応しいように思えます。
スカイマークは参入以来767-300ERで羽田-福岡便を手初めてして路線を拡大してきたが、2005年10月以降はボーイング737-800型を順次導入し今年9月には最後の1機となっていた767を引退させ、10月からは機材が全て737-800(177席)に統一されることとなった。
スカイマークの今期黒字の主因は機材を737-800に統一したことによると云うのが日経の記事の趣旨である。リース機材の返却前整備にかかっていた費用がなくなり、整備費は前年同期費半減の27億円。1機当たりのリース料が767の約半額で1席当たりの燃費も6~7%改善され、燃料の原価下落と合わせた燃料費は30億円に半減、更には搭乗率76%とANA、JALの60%(いずれも国内線)を大きく上回っている(数字等は本日付け『日経』による)。
今年9月には自前で737のフライトシミュレーターを導入したようだが、これも機材が737-800に統一されたことで、すべてのパイロットがこのシミュレーターで訓練できることわけでその分当然経費も節減できることになる。
対するJALは同クラスの機材として737-800(国内線仕様12機、国際線仕様9機)の他にJASから受け継いだMD-81(150席、16機)、MD-90(163席、13機)の他、737-400(145~167席、16機)を持ち、単一機材のスカイマークに比し当然コストが嵩むことになる。同様なことは767-200(261席)、777-200(375席)に近い290席のA300を22機も保有している事にも云える。
さらにはJ-AIR用に50席のCRJ200を9機導入しておきながら同クラスのエンブラエル170(76席)の導入を開始するなど、高コスト体質を自ら作る過ち繰り返しており、こんな企業に公的資金を投入するなどもってのほかと云う状況なのである。
実は同じような状況はANAにもある。それは小型機における737ファミリーとエアバス320の並存である。エンジンは共にCFMインターナショナル社製だが仔細な型式は異なるし、パイロットのライセンスも当然別種であるはず。これもまた経費の増大を招く結果となり、ANAの赤字転落の要因の一つになっているはずである。
ヒコーキファンとしては、当然色々な機種が飛び回っている方が楽しいのだが、運行会社のコスト、生産性を考えれば当然統一メーカー、同一機種で統一するに越したことはない。税金が投入されたりするのでなければ、色々なメーカーの色々な機種をどんどん導入して飛ばしてもらいたいところだが現状を見る限り、そうは行かないだろうな。
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今日の一枚は例によって記事本文とは何の関係もない、あかねの森の畑の端で咲いていた「皇帝ダリア」。とてもダリアには見えない草丈、花姿は、なるほど「皇帝」の名が相応しいように思えます。
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全日空のモヒカンジェット復活
モヒカンジェットをご存知ない方のために少し説明。モヒカンとは1969年から20年間、ANAの機材に描かれていた塗装のこと。機体上面、コックピット上部から垂直尾翼までと機体側面、コックピットのサイドウインドゥから客席ウインドゥさらに水平尾翼下部まで青いラインが引かれ、垂直尾翼にレオナルド・ダ・ヴィンチ考案のヘリコプターのマークが書かれたANAの塗装。この塗装が最初に施されたのがボーイング737-200だったので「モヒカンジェット」と云うわけだ。
注:ヘリコプターのマークは、1958年に極東航空と合併しANAの基礎を築いた日本ヘリコプター輸送の社章でANAに引き継がれたものである。
何故「モヒカン」と呼ばれるのかと云えば、コックピット上部辺りに描かれたラインがアメリカ先住民族のモヒカン族(調べてみると、正しくは「モホーク族)のようである」の頭部の左右を、弓を射る時に邪魔にならないように刈り上げ中央部の髪だけを残す髪形に似ているかららしい。郷秋<Gauche>には、そう云われればそう見えないこともない程度にしか思えないが、そのネーミングにはインパクトがあり一度聞いたら忘れない名前ではある。
その、使われなくなって久しいモヒカンジェット再就航と聞いて、そんなに古い機材を一体どこから引っ張り出して来たのかと思ったら何のことはない、現用のボーイング767-200に当時の塗装を再現した特別塗装機なのである。低迷する需要喚起の為に1機導入し羽田-宮崎、羽田-鹿児島線に投入されるとのこと。
モヒカンジェットが現役であった頃、これに乗って宮崎にハネムゥ~ンに出かけた世代を呼び込むためのツアーが沢山企画されているようである。しかしなぁ、1機しかないということは、点検の時には飛ばないし、悪天候で欠航でもしようものならたちまち機材繰りが行き詰まり、代打で通常塗装の767が飛ぶことも多くなることだろう。
ANAからは2013年まで就航とアナウンスされているから、そんなに長く飛ばすのならせめてもう1機モヒカン塗装の767を用意しておいた方がいいんじゃないかな。そうそう、昔の塗装を復活させるならば、ANAよりもJALの方が先だろうと郷秋<Gauche>は思うんだ。だって鶴丸から現行塗装にチェンジしてから急降下のJAL。鶴丸に戻せば昔の勢いも戻って来る、訳はないよね。
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例によって記事本文とはなんの関係もない今日の一枚は、3日から続いている「建物の表情」の7作目。建築物の魅力には色々あるけれどこれまでご覧頂いたものと同様、建物のグラフィカルな面白さだけを切り取った写真です。そろそろ飽きてきたでしょうか。残念ながらと云うのか、ご期待に応えてと云うのか、まだまだ続きます(^^;
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MRJ用のエンジンを国内生産
YS-11以来の国産旅客機、MRJについては何度も書いてきている郷秋<Gauche>だが、実は今月初めに報道された、アメリカのリージョナル専門のエアライン2社を保有するトランス・ステーツ・ホールディングス社(TSH)から100機(確定50機、オプション50機)のMRJを受注した事を書きそびれていた。
景気低迷に伴う航空需要減少の時期となり受注に苦戦していたMRJだが、ようやく大口のカスタマーを獲得したことで弾みをつけたいところである。既にANAから25機受注していることからTSHの100機を加えて125機。他に政府専用機として10機が導入することが決まっているから(民主党政権になってキャンセルされなければ良いのだが)、これで135機。採算ラインと云われる300機の半分まであと一息というところまで来たことになる。
さて、今日の本題。MRJのエンジンは既にP&W(プラット&ホイットニー。GE、ロールス・ロイスと共に世界中の旅客機にジェットエンジンを供給する御三家のうちの一社)のPW1000Gに決まっていたが、このPW1000Gを三菱重工が国内で生産することになった。これで機体もエンジンも国産の旅客機がまもなくテイクオフすることになるわけだが、残念ながらPW1000Gの生産は限りなくライセンス生産に近いもの。
そうは云ってもPW1000Gの生産を通して得られるジェットエンジンの製造ノウハウは吸収の意義は大きく、いずれ登場するであろう完全国産ジェットエンジンに向けての良い経験になる。旅客機であっても機体もエンジンも完全な国産機が作れるようになれば、次ぎのステップは国産戦闘機である。
他国に頼らず自らの手で自らの国を守る戦闘機を作ってこそ完全なる独立国だと郷秋<Gauche>は考えている(これが出来る国は意外と少なく、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、スウェーデンくらいか)。戦争を肯定しているわけではないが、独立国たる日本が、他国の脅威から自らの手で自国を守らなければならないのは自明である。
さて、MRJ。2013年から月産2機のペースで生産を開始し、段階的に5~6機引き上げることが予定されていると云うが、そのためには更に百機単位での受注が必要なことは云うまでもない。現在、ボンバルディア(カナダ)及びエンブラエル(ブラジル)のリージョナルジェットを運行しているJALにもいずれMRJにスイッチしてもらわなければならないだろう。
結果として税金を投入して再建されることになるJALが、官民挙げて取り組むMRJに背を向けることは許されない。導入時期の早かったCRJ(ボンバルディア)はともかく、既に「見えていた」MRJに背を向けてERJ(エンブラエル)導入を決めたJAL経営陣の責任は厳しく糾弾されなければならないだろうな。
例によって記事本文とはなんの関係もない今日の一枚は、気が付けば既に(文字通り)花盛りとなって山茶花(さざんか)。毎年書いていることだが、椿と混同され冬から早春の花と思われがちな山茶花であるが、実は山茶花は晩秋の花なのである。
景気低迷に伴う航空需要減少の時期となり受注に苦戦していたMRJだが、ようやく大口のカスタマーを獲得したことで弾みをつけたいところである。既にANAから25機受注していることからTSHの100機を加えて125機。他に政府専用機として10機が導入することが決まっているから(民主党政権になってキャンセルされなければ良いのだが)、これで135機。採算ラインと云われる300機の半分まであと一息というところまで来たことになる。
さて、今日の本題。MRJのエンジンは既にP&W(プラット&ホイットニー。GE、ロールス・ロイスと共に世界中の旅客機にジェットエンジンを供給する御三家のうちの一社)のPW1000Gに決まっていたが、このPW1000Gを三菱重工が国内で生産することになった。これで機体もエンジンも国産の旅客機がまもなくテイクオフすることになるわけだが、残念ながらPW1000Gの生産は限りなくライセンス生産に近いもの。
そうは云ってもPW1000Gの生産を通して得られるジェットエンジンの製造ノウハウは吸収の意義は大きく、いずれ登場するであろう完全国産ジェットエンジンに向けての良い経験になる。旅客機であっても機体もエンジンも完全な国産機が作れるようになれば、次ぎのステップは国産戦闘機である。
他国に頼らず自らの手で自らの国を守る戦闘機を作ってこそ完全なる独立国だと郷秋<Gauche>は考えている(これが出来る国は意外と少なく、アメリカ、ロシア、イギリス、フランス、スウェーデンくらいか)。戦争を肯定しているわけではないが、独立国たる日本が、他国の脅威から自らの手で自国を守らなければならないのは自明である。
さて、MRJ。2013年から月産2機のペースで生産を開始し、段階的に5~6機引き上げることが予定されていると云うが、そのためには更に百機単位での受注が必要なことは云うまでもない。現在、ボンバルディア(カナダ)及びエンブラエル(ブラジル)のリージョナルジェットを運行しているJALにもいずれMRJにスイッチしてもらわなければならないだろう。
結果として税金を投入して再建されることになるJALが、官民挙げて取り組むMRJに背を向けることは許されない。導入時期の早かったCRJ(ボンバルディア)はともかく、既に「見えていた」MRJに背を向けてERJ(エンブラエル)導入を決めたJAL経営陣の責任は厳しく糾弾されなければならないだろうな。
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例によって記事本文とはなんの関係もない今日の一枚は、気が付けば既に(文字通り)花盛りとなって山茶花(さざんか)。毎年書いていることだが、椿と混同され冬から早春の花と思われがちな山茶花であるが、実は山茶花は晩秋の花なのである。
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成田空港B滑走路が2500mに延長
2002年に供用が開始された成田空港待望の2本目の滑走路、B滑走路は2180mと短いために、これまで中型による国内線と近距離国際線のみの運行となっていた。そのB滑走路がようやく2500mへの延長工事が終了し、昨日から供用が開始された。
新聞各紙、各Webニュースの論調は「大型機の発着が可能になった」であるが、確かに2500mの滑走路があればボーイング747の離着陸が可能だが、それは747-400D型(DはDomesticの頭文字。つまり国内線用だ)のことであり、航続距離13,000kmの標準型-400(「ダッシュヨンヒャク」と読む)だと3500mの滑走路が必要になる。燃料を満載すると1000m余計に滑走しないと飛び上がれないということなのだ。
そういう意味では2500mの滑走路と云うのは実に中途半端。まっ、ないよりはいいし、国内の主要空港との連絡便や韓国・台湾など近距離国際線には活用できるだろうけれど、韓国・台湾便など飛行時間2時間程度のために成田まで出かけていくのは、やはりどうかと思うぞ。それと、今回の滑走路延長に伴って曲がりくねっていた誘導路が少しはまっすぐになるのかと思っていたけれど、それはそのままというから747や777のパイロットはさぞかし苦労するんだろうな。
政権が変わった途端に羽田の全面国際化が打ち出されたりで劣勢が伝えられている成田空港だけれど、B滑走路の延長はその中では明るいニュースとは云えるだろう。成田と羽田の間に海底&大深度トンネルを掘ってリニアモーターカーを走らせれば15分で連絡できるはず。そうなれば地図上ではちょっと離れていても一つの空港として運用が出来るはずだ。郷秋<Gauche>としてはこれが一番いいんじゃないかと思うけれど、郷秋<Gauche>は国交大臣じゃないしなぁ・・・。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、なるせの森の稲刈り後の田んぼ。
新聞各紙、各Webニュースの論調は「大型機の発着が可能になった」であるが、確かに2500mの滑走路があればボーイング747の離着陸が可能だが、それは747-400D型(DはDomesticの頭文字。つまり国内線用だ)のことであり、航続距離13,000kmの標準型-400(「ダッシュヨンヒャク」と読む)だと3500mの滑走路が必要になる。燃料を満載すると1000m余計に滑走しないと飛び上がれないということなのだ。
そういう意味では2500mの滑走路と云うのは実に中途半端。まっ、ないよりはいいし、国内の主要空港との連絡便や韓国・台湾など近距離国際線には活用できるだろうけれど、韓国・台湾便など飛行時間2時間程度のために成田まで出かけていくのは、やはりどうかと思うぞ。それと、今回の滑走路延長に伴って曲がりくねっていた誘導路が少しはまっすぐになるのかと思っていたけれど、それはそのままというから747や777のパイロットはさぞかし苦労するんだろうな。
政権が変わった途端に羽田の全面国際化が打ち出されたりで劣勢が伝えられている成田空港だけれど、B滑走路の延長はその中では明るいニュースとは云えるだろう。成田と羽田の間に海底&大深度トンネルを掘ってリニアモーターカーを走らせれば15分で連絡できるはず。そうなれば地図上ではちょっと離れていても一つの空港として運用が出来るはずだ。郷秋<Gauche>としてはこれが一番いいんじゃないかと思うけれど、郷秋<Gauche>は国交大臣じゃないしなぁ・・・。
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、なるせの森の稲刈り後の田んぼ。
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JALがジャンボジェットを大量売却?
JALの再建策を検討している国交相直属のチームが、大型機つまりボーイング747(ジャンボジェット)数十機を売却することを検討しているとの報道。現在JALが保有する747は旅客機が36機、貨物専用機が8機の計44機だから、「数十機」ということは少なくとも半数、下手をすればほとんど全部の747を売却処分すると云うことを意味している。
JALは世界有数のジャンボ王国を築き上げて来たが、空席だらけの747を飛ばし続けた結果採算が悪化。ならば大型機を処分して機材を中・小型機中心として運行コストを抑え、しかも利益の上がる高需要路線だけに限定しという考え方だ。
まっ、間違ってはいないけれど、中・小型機ばかりになってしまったのではスカイマークやエア・ドゥと同じ。そうなればかつてのナショナル・ブラッグも見る影も無い状況になる。いっそのこと「日本航空」などという大そうな名前も変えた方がいいんじゃないかな。例えば「日本小型空輸」とか。
JALは1970年に最初の747を受領しているから、747の運行を始めてもう40年になろうとしている。生まれた子供が成人、結婚して自分の子供を持ち、その子が高校生になろうと云うほどの年月だ。親子二代で新婚旅行の際にお世話になったという方も少なくないはずだ。
一口に747と云っても、初期型の100型、短距離(国内線)用の100SR(Sort Range)型、100型の飛行距離を伸ばした200B型、二階席を拡張したSUD(Stretched Upper Deck)と呼ばれる300型、その国内線用300SR型、1990年から導入が始まった航空機関士なしの2メン運航が可能となった400型、その国内線用400D(Domestic)型、そして各型の貨物専用機であるF型など多彩である。
JALは航空旅客、航空貨物の増大に合わせて68機の747を次々に導入し、最盛期となった1988年には65機もの747が在籍するという、諸外国のエアラインを見渡しても例の無い一大ジャンボ王国を築き上げたのだったが、結局は拡大することだけに腐心し需要の減少に気づかず、あるいは気づいていながらも拡大路線を突っ走った結果が今日の経営破綻である。
ブラジル、アメリカ東海岸、ヨーロッパといった長大路線に就航してこそのナショナル・フラッグであると郷秋<Gauche>は思うのだが、もはやそのような時代は過ぎ、高需要路線のみに中・小型機を飛ばす「日本小型空輸」にならざるを得ないということなのだろうな。寂しい話である。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日に続いて幾何学模様。
☆☆☆
昨日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
恩田Now
JALは世界有数のジャンボ王国を築き上げて来たが、空席だらけの747を飛ばし続けた結果採算が悪化。ならば大型機を処分して機材を中・小型機中心として運行コストを抑え、しかも利益の上がる高需要路線だけに限定しという考え方だ。
まっ、間違ってはいないけれど、中・小型機ばかりになってしまったのではスカイマークやエア・ドゥと同じ。そうなればかつてのナショナル・ブラッグも見る影も無い状況になる。いっそのこと「日本航空」などという大そうな名前も変えた方がいいんじゃないかな。例えば「日本小型空輸」とか。
JALは1970年に最初の747を受領しているから、747の運行を始めてもう40年になろうとしている。生まれた子供が成人、結婚して自分の子供を持ち、その子が高校生になろうと云うほどの年月だ。親子二代で新婚旅行の際にお世話になったという方も少なくないはずだ。
一口に747と云っても、初期型の100型、短距離(国内線)用の100SR(Sort Range)型、100型の飛行距離を伸ばした200B型、二階席を拡張したSUD(Stretched Upper Deck)と呼ばれる300型、その国内線用300SR型、1990年から導入が始まった航空機関士なしの2メン運航が可能となった400型、その国内線用400D(Domestic)型、そして各型の貨物専用機であるF型など多彩である。
JALは航空旅客、航空貨物の増大に合わせて68機の747を次々に導入し、最盛期となった1988年には65機もの747が在籍するという、諸外国のエアラインを見渡しても例の無い一大ジャンボ王国を築き上げたのだったが、結局は拡大することだけに腐心し需要の減少に気づかず、あるいは気づいていながらも拡大路線を突っ走った結果が今日の経営破綻である。
ブラジル、アメリカ東海岸、ヨーロッパといった長大路線に就航してこそのナショナル・フラッグであると郷秋<Gauche>は思うのだが、もはやそのような時代は過ぎ、高需要路線のみに中・小型機を飛ばす「日本小型空輸」にならざるを得ないということなのだろうな。寂しい話である。
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例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、昨日に続いて幾何学模様。
昨日、恩田の森で撮影した写真をこちらに掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
恩田Now

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MRJ、仕様を一部変更
たまたま昨日CRJ、MRJ、ERJなどのリージョナルジェット(短距離の地域間航路を受け持つ小型のジェット旅客機)について書いたが、折り良くというべきなのか、今日、MRJの開発主体である三菱重工からMRJの仕様の一部を変更すること、それに伴い初号機納入時期が相当予定の2013年から2014年第一四半期にずれ込むとの発表がなされた。
仕様の一部を変更と云うことだが、その内容は客室高及び客室内手荷物収納スペース拡大のために当初計画よりも胴体の縦径を2.5inch拡大すること、主翼への利用を検討していた複合材料では補強材により重量過多となることから金属製に変更すること、さらに当初計画していた70席型(MRJ-70)及び90席型(MRJ-90)の他に、ヨーロッパのエアラインからのリクエストが多い100席型も同時に開発することである。これらの変更により初号機のANAへの納入が3ヶ月程度遅れることになるが、同社は「競合する他社の小型と比較して燃費などの優位性があり、販売計画に影響はない」としている。
シート拡幅による居住性向上のための横径拡大ならわかるが、バゲッジスペースのために胴体の縦径を拡大するとは思い切ったものである。確かに郷秋<Gauche>がJ-AirのCRJ-200に搭乗した経験から云えば、この手のリージョナルジェットのバゲッジスペースは極小であり、ワイドボディ機はおろかMD90や737辺りと比べても極端に小さく、通常我々が理解している機内持ち込みサイズのバッグされも頭上には収まらないのである。そんなこんなを考えると、この設計変更は長い目で見れば「吉」と出ることだろうな。
参考:CRJ、MRJ、ERJについてはこれまでに沢山の記事を書いているので、右側の検索窓からblog内検索をかけて、あるいは同じく右側のカテゴリから「飛行機」をクリックしてご覧いただければ幸いです。そうそう、CRJ LinksなどというWebPageを作っていた事を思い出し、いま確認しましたが何と3年半もメンテナンスせず放置したままでありました。なんともはや(^^;。
ヒコーキものの記事にはヒコーキの写真。昨日に続いて郷秋<Gauche>のblogにしては珍しい記事写真合一である。が、残念ながら写っている機体は、羽田空港のJALの整備工場前に駐機する、リージョナルジェットと呼ぶには大きすぎるMD-90(166席)。ただし、リアマウントエンジンやT字尾翼と云った特徴はリージョナルジェットの典型であり、CRJと酷似している。リージョナルジェットとしては低翼の下にエンジンをぶら下げたE170のような形状の方がむしろ異例なのである。
仕様の一部を変更と云うことだが、その内容は客室高及び客室内手荷物収納スペース拡大のために当初計画よりも胴体の縦径を2.5inch拡大すること、主翼への利用を検討していた複合材料では補強材により重量過多となることから金属製に変更すること、さらに当初計画していた70席型(MRJ-70)及び90席型(MRJ-90)の他に、ヨーロッパのエアラインからのリクエストが多い100席型も同時に開発することである。これらの変更により初号機のANAへの納入が3ヶ月程度遅れることになるが、同社は「競合する他社の小型と比較して燃費などの優位性があり、販売計画に影響はない」としている。
シート拡幅による居住性向上のための横径拡大ならわかるが、バゲッジスペースのために胴体の縦径を拡大するとは思い切ったものである。確かに郷秋<Gauche>がJ-AirのCRJ-200に搭乗した経験から云えば、この手のリージョナルジェットのバゲッジスペースは極小であり、ワイドボディ機はおろかMD90や737辺りと比べても極端に小さく、通常我々が理解している機内持ち込みサイズのバッグされも頭上には収まらないのである。そんなこんなを考えると、この設計変更は長い目で見れば「吉」と出ることだろうな。
参考:CRJ、MRJ、ERJについてはこれまでに沢山の記事を書いているので、右側の検索窓からblog内検索をかけて、あるいは同じく右側のカテゴリから「飛行機」をクリックしてご覧いただければ幸いです。そうそう、CRJ LinksなどというWebPageを作っていた事を思い出し、いま確認しましたが何と3年半もメンテナンスせず放置したままでありました。なんともはや(^^;。
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ヒコーキものの記事にはヒコーキの写真。昨日に続いて郷秋<Gauche>のblogにしては珍しい記事写真合一である。が、残念ながら写っている機体は、羽田空港のJALの整備工場前に駐機する、リージョナルジェットと呼ぶには大きすぎるMD-90(166席)。ただし、リアマウントエンジンやT字尾翼と云った特徴はリージョナルジェットの典型であり、CRJと酷似している。リージョナルジェットとしては低翼の下にエンジンをぶら下げたE170のような形状の方がむしろ異例なのである。
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どうするJ-Air、どうするCRJ
昨日の日経に「日航、国内線で倍増 ―座席数半分の小型ジェット―」と云う記事。記事本文によれば、現在JALが運行しているMD81(JAL仕様163席)、MD90(同166席)に比し半分の座席数で「燃料の使用量も大幅に少ない」(記事のまま)エンブラエル社のE170(同76席、現在3機運行)を本年12月までに6機に増やし、MD81、90を退役させることで年間10億から20億円の収支改善効果を見込むとのことである(JALは2007年2月にE170を確定10機、オプション5機を発注しているが、いずれも子会社のJ-Airが運行する)から上記の記事はそのスケジュールを粛々と実行している事実を告げただけであった、取り立てて目新しいものではない)。
どうやらJALは本気でMD81、90をE170にリプレイスしていくようだが、問題はJ-Airが現在が運行しているボンバルディアCRJ-200との関係、そしてYS-11以来の国策(国産)旅客機MRJ(70~96席)との関係である。
一つ目の問題、ボンバルディアCRJ-200との関係は、同じクラスの旅客機であるボンバルディアとエンブラエルの2機種を導入し、今後もこの異なる機体のメンテナンスを続けていくのかと云うことである。現在J-Airが運行しているボンバルディアCRJ-200は50席とE170より小さいがCRJ-200の長胴型として70席のCRJ-700、90席のCRJ-900が存在している。メンテナンス及び運行乗務員のライセンスの事を考えれば、当然CRJシリーズを選択する方が効率が良いわけだが、何故かJALはエンブラエルを選択した。
件の記事に「燃料の使用量も大幅に少ない」とあったが、166席のMD-90と70席のE170を比較すればE170の燃料使用量が大幅に少ない当然のこと。比較すべきはMD-90ではなくボンバルディアCRJ-700なのである。運行乗務員のライセンスの点でもCRJ-200と700あるいは900であれば最小の訓練で2機種あるいは3機種の乗務が可能のはず。また、メンテナンスも同様である。だから郷秋<Gauche>にはJALがエンブラエルを選択した理由がよくわからない。あえてE170のメリットを上げれば、このクラスで唯一、ボーディングブリッジを使っての乗降が可能なことくらいである(胴体幅が17cm広く極わずかだが、横方向の余裕がある)。
エンブラエルを導入することの二つ目に問題は、YS-11以来の国策(国産)旅客機であるMRJを、旧国策会社であるJALが導入しなくて良いのかと云うことである。MRJについては郷秋<Gauche>も幾度も書いているが、今、日本が国の総力をあげ、名だたる企業多数が参画して推進する世紀のビッグプロジェクトである。一大国家プロジェクトとして誕生するMRJについてはANAが25機(オプション10機)、政府が10機を導入すべく既に発注済みとなっているが、ローンチ(生産開始)には100機程度が必要と思われるからANAと政府専用機の合計35(45)機だけではまだまだ足らない。
さて、先の衆議院議員選挙の結果、民主党が大勝利し与野党逆転となったわけだが、自民党政権の中で推進されてきたMRJ計画を民主党政権が継続するのか。政府専用機として10機発注されたMRJの運命は。果たして航空行政がどうなるのかは今しばらくの様子見が必要となるだろう。航空行政絡みでは、富士重工業が、自衛隊が60機導入予定であった戦闘ヘリコプター「AH64D」(アパッチロングボウ)の調達を10機で打ち切ったことによる損失(既に支払ったライセンス料など数百億円)の支払いを求め争う姿勢のようだが、自民党政権時代のツケを民主党政権がどう処理するのかも見ものである。
国策云々と書いてはみたが、企業には企業の都合があることもよくわかる。「国民総動員」では「あの時代」に戻ってしまうようで怖くもある。がしかし、それはおいておくとしても、ヒコーキファンとしては機種数が少なくなり面白みが欠けつつある日本の空に少しでも多くの種類のヒコーキに飛んでいてもらいたい、CRJ、ERJそしてMRJ、その短胴型、長胴型など幾つものヒコーキに乗れる楽しみがあって欲しいと思うわけである。
参考:CRJ、MRJ、ERJについてはこれまでに沢山の記事を書いているので、右側の検索窓からblog内検索をかけて、あるいは同じく右側のカテゴリから「飛行機」をクリックしてご覧いただければ幸いです。
珍しく記事内容に沿った写真を掲載することが出来た。残念ながら実物はまだ見たことも無いが、たまたまE170の大きなスケールモデルを撮った写真が手元にあったので掲載する。因みにバックは優に2mはあろうかという747-400。
どうやらJALは本気でMD81、90をE170にリプレイスしていくようだが、問題はJ-Airが現在が運行しているボンバルディアCRJ-200との関係、そしてYS-11以来の国策(国産)旅客機MRJ(70~96席)との関係である。
一つ目の問題、ボンバルディアCRJ-200との関係は、同じクラスの旅客機であるボンバルディアとエンブラエルの2機種を導入し、今後もこの異なる機体のメンテナンスを続けていくのかと云うことである。現在J-Airが運行しているボンバルディアCRJ-200は50席とE170より小さいがCRJ-200の長胴型として70席のCRJ-700、90席のCRJ-900が存在している。メンテナンス及び運行乗務員のライセンスの事を考えれば、当然CRJシリーズを選択する方が効率が良いわけだが、何故かJALはエンブラエルを選択した。
件の記事に「燃料の使用量も大幅に少ない」とあったが、166席のMD-90と70席のE170を比較すればE170の燃料使用量が大幅に少ない当然のこと。比較すべきはMD-90ではなくボンバルディアCRJ-700なのである。運行乗務員のライセンスの点でもCRJ-200と700あるいは900であれば最小の訓練で2機種あるいは3機種の乗務が可能のはず。また、メンテナンスも同様である。だから郷秋<Gauche>にはJALがエンブラエルを選択した理由がよくわからない。あえてE170のメリットを上げれば、このクラスで唯一、ボーディングブリッジを使っての乗降が可能なことくらいである(胴体幅が17cm広く極わずかだが、横方向の余裕がある)。
エンブラエルを導入することの二つ目に問題は、YS-11以来の国策(国産)旅客機であるMRJを、旧国策会社であるJALが導入しなくて良いのかと云うことである。MRJについては郷秋<Gauche>も幾度も書いているが、今、日本が国の総力をあげ、名だたる企業多数が参画して推進する世紀のビッグプロジェクトである。一大国家プロジェクトとして誕生するMRJについてはANAが25機(オプション10機)、政府が10機を導入すべく既に発注済みとなっているが、ローンチ(生産開始)には100機程度が必要と思われるからANAと政府専用機の合計35(45)機だけではまだまだ足らない。
さて、先の衆議院議員選挙の結果、民主党が大勝利し与野党逆転となったわけだが、自民党政権の中で推進されてきたMRJ計画を民主党政権が継続するのか。政府専用機として10機発注されたMRJの運命は。果たして航空行政がどうなるのかは今しばらくの様子見が必要となるだろう。航空行政絡みでは、富士重工業が、自衛隊が60機導入予定であった戦闘ヘリコプター「AH64D」(アパッチロングボウ)の調達を10機で打ち切ったことによる損失(既に支払ったライセンス料など数百億円)の支払いを求め争う姿勢のようだが、自民党政権時代のツケを民主党政権がどう処理するのかも見ものである。
国策云々と書いてはみたが、企業には企業の都合があることもよくわかる。「国民総動員」では「あの時代」に戻ってしまうようで怖くもある。がしかし、それはおいておくとしても、ヒコーキファンとしては機種数が少なくなり面白みが欠けつつある日本の空に少しでも多くの種類のヒコーキに飛んでいてもらいたい、CRJ、ERJそしてMRJ、その短胴型、長胴型など幾つものヒコーキに乗れる楽しみがあって欲しいと思うわけである。
参考:CRJ、MRJ、ERJについてはこれまでに沢山の記事を書いているので、右側の検索窓からblog内検索をかけて、あるいは同じく右側のカテゴリから「飛行機」をクリックしてご覧いただければ幸いです。
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珍しく記事内容に沿った写真を掲載することが出来た。残念ながら実物はまだ見たことも無いが、たまたまE170の大きなスケールモデルを撮った写真が手元にあったので掲載する。因みにバックは優に2mはあろうかという747-400。
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100空港時代 ―弟子屈飛行場廃止―
6月4日に「南北で両極端」と題した小文を書いた。静岡空港開港を報じる日本経済新聞に掲載された「100空港時代 開けぬ視界」と云う記事に触発されて書いたものだが、件の記事には静岡空港が日本で98番目の空港であると書かれていたのであった。
そのわずか一ヵ月後に今度は「空港、初の廃止」の記事。北海道の弟子屈町立弟子屈飛行場が9月24日で廃止になるのだと云う。静岡空港開港で98になった空港の数か97に戻ることになる。もっとも2010年年3月には茨城空港が開港予定だからまた98となるが、果たして日経の記事タイトル通り100港になるかどうかは怪しいところである。
弟子屈飛行場は1970年にオープンした、摩周湖や釧路湿原の上空を巡る遊覧飛行のための飛行場であるが2007年度の利用客数は170人と少なく、テロ対策の為に2億円もの投資が必要な金属探知機やゲート設置を求められたことが廃止の決め手となったものである。しかしだ、この狭い日本に98もの空港があったとはまったくの驚きである。
と、ここまで読まれて「空港」と「飛行場」という言葉の違いは何なのだ?と思われた方がおいでだとすれば、その方は素晴らしい方である。飛行場か空港、どちらかに統一せよと思われたかも知れないし、飛行場と空港はどこが違うのかと思われたかも知れない。
この飛行場と空港、実は違うものとも云えるし同じものとも云えて、実はなかなか難しい問題なのである。
飛行場とは航空機、つまり飛行機が離着陸する場所の事を云う。ICAO(国際民間航空機関)の定義では、「旅客、貨物などの輸送に使われ、港のような役割を持つ公共用の飛行場を特に空港と呼ぶ」とされているが、日本の航空法においては航空機の離発着の用に供する施設を飛行場と表記している。
さらには空港整備法では空港を国際空港路線に必要な第一種空港、主要な国内航空路線に必要な第二種空港、地方的な航空運輸を確保するために必要な飛行場を第三種空港の三種に分けているが、上記三種のどれにも属さない「空港的な飛行場」も存在している。
「空港的飛行場」の代表が小松空港である。小松空港はジャンボジェット(ボーイング747)も就航する2700mの滑走路を持つ立派な空港であるが、既述の空港整備法が規定する三種の分類に属さないため「その他の飛行場」とされている。法律上の分類では飛行場なのに、空港と詐称しているとも云えるな。
同様に「その他の飛行場」に分類される空港には丘珠空港、米子空港、徳島空港、三沢空港があるが、いずれも航空自衛隊あるいは米軍との共用の飛行場である。またこれらの空港よりも短い800mの滑走路であるにも関わらず、奥尻、新島、神津島、小値賀、上五島の各空港は第三種空港に分類される立派な空港である。
ここまで書くとますます混乱してしまうのだが、法律上の明確な規定が無いから仕方の無いことなのである。最も判りやすい言い方としては、飛行場が空港を含む大きな概念であり、その中で民間航空機の定期便が運航されている比較的大きな飛行場を「空港」と呼び、空港以外の定期便が運行されていない規模小さなものが飛行場と理解すれば「ほぼ」間違いないだろうと云うのが郷秋<Gauche>の結論である。
このような議論は不毛だと思われる方もいるここと思うが、だとすれば、卑しくも日経は「空港、初の廃止」「国土交通省は10日、北海道の弟子屈飛行場を9月24日で廃止すると発表した」などと、用語の説明なしにやれ空港だ、やれ飛行場だと書いたことが非難されてしかるべきである。って、まっ、郷秋<Gauche>としては人の揚げ足を取って楽しむ言葉のお遊びみたいなものなんだけどね(^^;。
梅雨が明けて一気に暑い夏がやって来た今日の一枚は、例によって記事本文とは何の関係もない、先週金曜日に撮影した箱根山中(GP-1が取得したデータによれば、標高611m)の清流。多少なりとも涼やかな風を感じていただければ嬉しいです。
そのわずか一ヵ月後に今度は「空港、初の廃止」の記事。北海道の弟子屈町立弟子屈飛行場が9月24日で廃止になるのだと云う。静岡空港開港で98になった空港の数か97に戻ることになる。もっとも2010年年3月には茨城空港が開港予定だからまた98となるが、果たして日経の記事タイトル通り100港になるかどうかは怪しいところである。
弟子屈飛行場は1970年にオープンした、摩周湖や釧路湿原の上空を巡る遊覧飛行のための飛行場であるが2007年度の利用客数は170人と少なく、テロ対策の為に2億円もの投資が必要な金属探知機やゲート設置を求められたことが廃止の決め手となったものである。しかしだ、この狭い日本に98もの空港があったとはまったくの驚きである。
と、ここまで読まれて「空港」と「飛行場」という言葉の違いは何なのだ?と思われた方がおいでだとすれば、その方は素晴らしい方である。飛行場か空港、どちらかに統一せよと思われたかも知れないし、飛行場と空港はどこが違うのかと思われたかも知れない。
この飛行場と空港、実は違うものとも云えるし同じものとも云えて、実はなかなか難しい問題なのである。
飛行場とは航空機、つまり飛行機が離着陸する場所の事を云う。ICAO(国際民間航空機関)の定義では、「旅客、貨物などの輸送に使われ、港のような役割を持つ公共用の飛行場を特に空港と呼ぶ」とされているが、日本の航空法においては航空機の離発着の用に供する施設を飛行場と表記している。
さらには空港整備法では空港を国際空港路線に必要な第一種空港、主要な国内航空路線に必要な第二種空港、地方的な航空運輸を確保するために必要な飛行場を第三種空港の三種に分けているが、上記三種のどれにも属さない「空港的な飛行場」も存在している。
「空港的飛行場」の代表が小松空港である。小松空港はジャンボジェット(ボーイング747)も就航する2700mの滑走路を持つ立派な空港であるが、既述の空港整備法が規定する三種の分類に属さないため「その他の飛行場」とされている。法律上の分類では飛行場なのに、空港と詐称しているとも云えるな。
同様に「その他の飛行場」に分類される空港には丘珠空港、米子空港、徳島空港、三沢空港があるが、いずれも航空自衛隊あるいは米軍との共用の飛行場である。またこれらの空港よりも短い800mの滑走路であるにも関わらず、奥尻、新島、神津島、小値賀、上五島の各空港は第三種空港に分類される立派な空港である。
ここまで書くとますます混乱してしまうのだが、法律上の明確な規定が無いから仕方の無いことなのである。最も判りやすい言い方としては、飛行場が空港を含む大きな概念であり、その中で民間航空機の定期便が運航されている比較的大きな飛行場を「空港」と呼び、空港以外の定期便が運行されていない規模小さなものが飛行場と理解すれば「ほぼ」間違いないだろうと云うのが郷秋<Gauche>の結論である。
このような議論は不毛だと思われる方もいるここと思うが、だとすれば、卑しくも日経は「空港、初の廃止」「国土交通省は10日、北海道の弟子屈飛行場を9月24日で廃止すると発表した」などと、用語の説明なしにやれ空港だ、やれ飛行場だと書いたことが非難されてしかるべきである。って、まっ、郷秋<Gauche>としては人の揚げ足を取って楽しむ言葉のお遊びみたいなものなんだけどね(^^;。
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梅雨が明けて一気に暑い夏がやって来た今日の一枚は、例によって記事本文とは何の関係もない、先週金曜日に撮影した箱根山中(GP-1が取得したデータによれば、標高611m)の清流。多少なりとも涼やかな風を感じていただければ嬉しいです。
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