南北で両極端

 静岡空港が開港した。狭い日本に98番目の空港が誕生したことになる。
 今日の日本経済新聞には「100空港時代 開けぬ視界」と題する半10段の大きな記事が掲載されていたい。その記事の中で、乗降客数を縦軸に、収支を横軸にした地方空港の経営状況を表した散布図が載っていたが、郷秋<Gauche>はこの散布図に興味をひかれじっくりと眺めて見た。なかなか興味深い情報を読み取ることが出来た。

 一般に経営が厳しいと云われる地方空港だが、すべての空港が厳しいわけではなく、乗降客数、収支状況共に大きな差があることがわかった。もっとも経営状況が良いのが鹿児島空港で年間の乗降客数約550万人で約10億円の黒字(以下同順で記載)。沖縄とは違い鉄道での移動ももちろん可能だが、本州まで出かけようとすれば、それが大阪であろうと東京であろうと、所要時間と費用を考えれば飛行機を使うのが一般的な地理条件である。

 ならば北の端、釧路空港の経営状態も良いのかと思えば然に非ず。100万人と乗降客数は福島、花巻両空港の倍程の規模だが収支は10億円の赤字と、全国屈指の低空飛行。東京、大阪どころか札幌や釧路などへも飛行機を利用することもある地理条件だが、鹿児島と比べ住んでいる人の数が違うということか。でも観光客は北海道・道東の方が鹿児島よりも多そうな気がするのは郷秋<Gauche>の思い込みか。

 一般的には乗降客数が多ければ収支は黒字、少なければ赤いとなるが、60万人程度の帯広空港、110万人程度の女満別空港の赤字は共に1億円程度と、釧路空港と比較するとその赤字額は小さい。また、110~130万人程度の秋田・旭川両空港は収支トントン、140万人の岡山は1億円、120万人の富山は2億円の黒字。この差はどこから出てくるものなのか。

 ただし、現在は黒字経営であっても将来的には不安材料を抱えた空港も少なくない。その代表が富山空港だろう。北陸新幹線が開通すれば乗降客は大幅に減少し赤字転落もまず間違いないだろう。青森空港も新幹線伸張後は赤字幅拡大必至、更に新幹線が津軽海峡を渡れば(くぐれば)函館空港にも影響が出るだろう。

 郷秋<Gauche>的には50万人、6億の赤字を出している、地元福島空港の行く末が心配だぞ。大した必要性も無い中で、首都移転絡みで無理やり造った感の強い福島空港だけに、もはや重荷以外の何者でもないと云った感じだな。
 

 例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、多分、花菖蒲(はなしょうぶ)。似た花にあやめ、かきつばたがある。慣れれば一目瞭とも云われているが、乾いた場所で育つあやめは判ってもかきつばたと花菖蒲の区別が郷秋<Gauche>にはいまだに判らない。ちなみにこれは、浜離宮恩賜庭園で撮ったもの。
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