唐松林の中に小屋を建て、晴れた日には畑を耕し雨の日にはセロを弾いて暮したい、そんな郷秋<Gauche>の気ままな独り言。
郷秋<Gauche>の独り言
ミヒャエルがトップタイム!
一か月の夏休みを経て、F1 2011年シリーズが再開された。再開第1戦は名代の高速かつドラーバーズサーキット、スパ・フランコルシャン。ここで速い者こそが真に速いドライバーと云われ、数々の名勝負の舞台ともなった、F1きっての名コースである。
そのスパ・フランコルシャンでのフリー走行1回目のトップタイムが、路面状況によるものとは云え、何とミヒャル・シューマッハ。
スパ・フランコルシャンは1991年、若きミヒャエルのF1デビューのサーキット。決勝こそ0周リタイヤとなったが、予選7位のデビューは鮮烈であった。駆ったマシンがJORDAN 191。7Upと我がFUJI FILMをスポンサーにして、両社共通のコーポレートカラーであるグリーンをまとった姿は、F1史上最も美しいマシンである。
そのJORDAN 191でF1デビューを果たしたミヒャエルはすぐさまベネトンに移籍し、その後の活躍はご存じの通りだが、そのスパで、21年後にフリー走行とは云え、トップタイムをたたき出すとは何ともはや。
それにしてもだ、当時のドライバーはと云えば、ミヒャエルを除いては全て過去の人。今だに走っているミヒャエルはまさに超人と云って良いだろう。そのミヒャエルも1991年のスパでは、資金が無くてマネージャーと二人でユースホステルに宿泊したとは、まったく笑える話である、
例によって記事本文とは何お関係もない今日の一枚は、仙人草(せんにんそう)の花。名前の由来は、花が終わり実をつけた時の白い髭から。またその季節にご覧いただければ頷いていただけることだろう。
一番喜んだのはベッテル
2011年のF1第11戦、ハンガリーGPが終わった。結果はご存じの通り、マクラーレンのジェンソン・バトンが今季2勝目をあげ、開きつつあったチームメイト、ルイス・ハミルトンとのポイント差を11ポイントまで詰めることに成功。これにより2011年のチャンピョンシップ2位争いに踏みとどまることが出来た格好である。この人のレースマネジメント能力の高さを思いださせたレースではあったが、トップ争いではなく2位争いであるところが何度も淋しい。
多くのメディアは第11戦のハンガリーGPが終わったところで「前半終了」と云い・書いているが、2011年は全19戦だから、全戦、ドイツGPが中間地点でハンガリーGPは既に後半戦に入っている。まっ、ハンガリーの後に4週間の夏休みがあるからそう云いたい気持ちはわかるけれど、数の上からはハンガリーGPが後半戦のスタートであることは紛れもない事実である。
さて、その後半戦第2戦を終えて、トップは6勝のベッテル、未勝利ながら手堅くポイントを重ねたウェバー(と云うかそういう走りしかできていない)、2勝のハミルトン、1勝のアロンソ、2勝のバトンと続いている。残り8戦で2位のウェバーとは85ポイント差と、イギリスGP以降失速したとは云え、断然ベッテルが断然有利であることに変わりはない。ベッテルは、優勝できなかったレースでも、ドイツGPの4位を除けは、他のレースではすべて2位、18ポイントを獲得しているのである。
ハンガリーGPでも手堅く2位18ポイントを積み上げる結果となったが、ベッテルとしては、18ポイントを獲得したことよりも何よりも、バトンが優勝したことが嬉しかったに違いない。だってそうだろう。もし優勝したのがウェバーであったら70ポイント、ハミルトンであったら75ポイント、アロンソだったら79ポイント差まで詰め寄られることになった訳だからな。
次戦、高速サーキットのスパ・フランコルシャンで、あるいはレッドブルが息を吹き返すかも知れないが、もし地震が優勝できなくても、バトンが優勝、アロンソが2位なら、2番手争いをする4人がポイントを分け合ってくれることで自分とのポイント差がつまらない訳だから、それはそれで嬉しいベッテルだろう。
しかしハンガロリンク、エンジンが目いっぱい回るのがメインストレートだけだから、エンジン音の冴えないことったらなかったぞ。ミスファイヤでも起こしているかのような冴えないエグゾーストノートじゃぁ、Formula Oneの名が廃ると云うものだぜ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、すみよしの森の畑の隅で咲き始めたミソハギ。漢字で書くと禊萩となる。(旧)盆の仏花として使われることから盆花(ぼんばな)、精霊花(しょうりょうばな)の別名も。調べてみると、萩に似て禊(みそぎ)につかったことからの命名とのことだが、花は全然萩には似ていないと思う。湿地や田んぼの畔などに生えるとあるが、この花は丘の南斜面、乾燥した畑の隅で咲いていた。
小林可夢偉、ザウバー残留
ザウバーのエースドライバー、小林可夢偉が2012年も同チームで走ることが発表された。小林は日本人初のエースドライバーとしてザウバーF1チームを牽引し、大手自動車メーカーの後ろ盾がない中で、ロータス・ルノーGPに次ぐポイントランキング6位獲得に大きな貢献をしている。
非力なマシンながらもトップチームのマシンを時にオーバーテイクするそのファイトと、沈着なレース運びが高く評価され、トップチームのドライバー候補リストの上位にランクされているとも云われている。
レッドブルのマーク・ウェバー、フェラーリのフェリッペ・マッサのパフォーマンスが満足できるものではないことから、それぞれのチームから放出されるのではないかとの噂もあったが、どうやら噂通りにはなりそうにない状況を考えると、今よりも良いマシンを持つチームへの移籍は絶望的となっており、ザウバー残留は限られた選択肢の中では止むを得ないところだろ。
小林の活躍により国際映像への露出が増えると共にスポンサー(つまり資金)も少しずつ増えてきているようで、それに伴いマシンも速くなり更に露出が増えると云う「良循環」の入口まで来ているのが今のザウバーチーム。ドライバーを含めチームの体制に大きな変更がないと云うことは2012年も更なる前進が期待できると云う事だ。
既に後半戦に入った今年のF1だが、2012年への助走の意味でも小林の更なる活躍を大いに期待したい。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、夏の到来を告げる花、凌霄花(のうぜんかずら)。
レッドブル、失速
2011年 F1GP第10戦、ドイツGPが終了した。結果は周知の通りマクラーレン、ルイス・ハミルトンが優勝、2位はフェラーリ、フェルナンド・アロンソ、3位に辛うじてレッドブル、マーク・ウェバーが入ったが、セバスチャン・ベッテルは4位と、今シーズン初めて表彰台を逃した。
それでもポイントランキングではトップのベッテルが216ポイント、次いで同僚ウェバーが139ポイント、3位ハミルトンが134ポイント、4位アロンソが130ポイントと、ベッテルが圧倒的に優位であることに変わりはない。
しかしだ、ニュルブルクリンクで見せたレッドブルの失速は、またチャンピョンシップが決定した訳では無いことを、マクラーレン、フェラーリ、そしてアロンソ、ハミルトンらには改めて思いださせたことは間違いのない事実である。異例とも云えるシーズン途中でのレギュレーション変更が「功を奏した」結果である。
先週末のドイツGPが今シーズンの折り返し地点。80ポイントの差は小さくないが、同時に残りレースの9と云う数字もまた小さくはない。退屈なーズン後半かとは、まったくの早合点であったようである。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、百合シリーズの第三弾、鹿の子百合(かのこゆり)。上品で色で、郷秋の好きな百合である。三種類百合をご覧いただいたが、そこいらで見ることできるのは、あとは鉄砲百合くらいのものかな。と云う訳で百合シリーズは今日でおしまい。
イギリスGPを忘れていた
いやいや、勿論見ましたよ、それは。でも、イギリスGPについて書くのをすっかり忘れていました。って云うか、アロンソが今季の初勝をものにしたことを除くと、書きたい気分にならないレースだったなぁ。今更だけれど、せっかくだから思いだしたついでにちょっとだけ書いておこうかな。
一番酷かったのはミヒャエル・シューマッハ。小林可夢偉に追突した理由って、あれ、なんなの。昨日や今日レースを始めた新人じゃあるまいし「レースで初めてDRS(可変リヤウィング)を使ったために、ブレーキの効く度合いを間違えてしまったんだ」はないだろう。素直に非を認める謙虚さが評価されるのは新人だけだ。「あれは僕のミスだ」とだけ云えば良いものを、ミヒャエル程のドライバーが「ブレーキの効く度合いを間違えた」って、なんなの、そのコメント。
被害者の小林可夢偉もチームのミスによりピットアウトのタイミングを間違い隣のピットのエアガン用のホースを壊した挙句にエンジントラブルでリタイヤ。ミヒャエルの追突の際に疫病神に憑りつかれてしまったかのような運の悪さである。
運が悪いと云えばせっかくの母国GPをホイルナットの締め忘れでリタイヤせざるを得なかったジェンソン・バトンも同様。どちらも上げてはならないロリポップを上げてしまったロリポップマンのミスである。時として起こるこう云うミスが、F1がチームスポーツであることを思いださせてくれる。そう云う意味でたまに起こるのは悪い事ではないかも知れないが、ただ一人の日本人F1ドライバーには起きて欲しくないものである。
第9戦にしてようやくアロンソが表彰台の一番高いところに立つことが出来たが、獲得ポイントはベッテルの半分。それでもマッサの倍のポイントを獲得していることを考えればアロンソがどれ程優れたドライバーであるかが解ろうと云うもの。シリーズチャンピョンには手が届かないとしても、シーズンの残り半分をアロンソが大いに盛り立ててくれることは間違いないだろう。次戦、ホッケンハイムが待ち遠しいぞ。
ウィリアムズ・ルノー!
2012年からウィリアムズがルノーエンジンを搭載するとの報道。低迷を続けているウィリアムズが起死回生をかけてルノーエンジンを搭載するのだ。
ウィリアムズ・ルノーと云えばFW14Bでマンちゃんが悲願のワールド・チャンピョンを獲得したっけ。この年のモナコGPにおけるセナとのドッグファイトを思い出すと今でもドキドキする程の、郷秋<Gauche>的にはF1最高のレースだったな。
ところでいまのウィリアムズのドライバーって誰だっけ? あっ、バリチェロね。もう一人は、マルドナード? 知らないな、そんなドライバー。そう云えば、セナが事故死したものウィリアムズ・ルノーだった。もう17年前のことかぁ・・・
野村證券がF1チームを買収?!
郷秋<Gauche>としては珍しく「週刊誌チック」なタイトルを付けてしまったものだが、野村證券がHRT(ヒスパニアレーシング)を買収すると云うニュースは、今日の早い時間においては決して「とんでも」な記事やタイトルではなかった。
その後、野村證券が直接HRTを買収するのではなく、野村證券が出資するスペインの投資会社テサン・キャピタルがHRTを買収するとの、比較的信頼がおけそうな情報に変化してWebを賑わせて今に至っている。これならわかる。
買収後もしばらくはいままで通りのチーム名での参戦のようだし、野村證券がHRTに対して直接的な影響力を行使するとは思いにくいけれど、そうは云っても今週末のシルバーストーンではHRTのマシンに”NOMURA SECURITIES”なんてステッカーが貼ってあったりして。
そうそう、HRTとテールレンダーを争うもう一方の「雄」、ヴァージン・レーシングはHRTへの野村證券資金の投入に対抗してかどうかはわからないけれど、マクラーレンとテクニカル・パートナーシップを締結したことを発表。
チームの生き残りをかけてHRTもヴァージンもそれぞれに手を打ってきている訳だが、こうなるとチーム・ロータスだけが「置いてけ堀」を食らうことになるってこと?
先週末のモータースポーツ雑感
佐藤琢磨がIndyでポールポジションを取りました。日本人初の快挙です。でも、決勝レースでは案の定と云うべきか、マシンをウォールにヒットさせてクラッシュ、リタイヤ。やっぱりな。レースで勝つためには、フィニッシュすることが最低限の条件なんです。いくら一周の速さがあっても、フィニッシュできなければ、このスポーツでは何の意味も無いのです。このスポーツにはクレバーさが必要なのです。
F1ヨーロッパGP、小林可夢偉は周回遅れの16位フィニッシュ。連続入賞は途切れました。マシンにまったく速さがありませんでした。スポーツ走行ではありませんので、周回遅れになるようでは、ただ周回を重ねても、無事にチェッカードフラッグを受けても、速さがなければ、このスポーツでは何の意味も無いのです。可夢偉にいま必要なのは、戦闘力のあるマシなのです。このスポーツには速いマシンが必要なのです。
追記:今週の郷秋<Gauche>はとっても忙しいんです。でもね、そう云う時にこそ、ほっとできる時間が必要なんです。ほら、忙中閑有りって云うでしょう。
フェラーリがバトン獲得を画策?!
フェラーリがジェンソン・バトン獲得を画策しているとの報道。かと思えば、マクラーレンは(ワールドチャンピョンの割には)安サラリーでそれでいて良い仕事をするバトン引き止めのため、長期高給契約を持ちかけている模様。
止めなさい、フェラーリ。止めなさい、マクラーレン。バトンの数十分の一のサラリーで遜色ないレースをするドライバーがいるでしょう。バトンを取ったり引き止めたりするより、はるかに安いサラリーでしっかり仕事をするドライバーがいるでしょう。ほら、日いずる国のドラーバーが。
そういうドライバーを廉価に獲得できるのはいまだけですよ。来シーズンンになって欲しいと思った時には今年の何十倍もの資金が必要になる。ドライバー市場と云うのはそう云うものです、そんなことはドメニカリもウィットマーシュも知らないはずはないのにね。これってやっぱり、情報操作って奴ですか?
フェラーリの矛盾した言い訳
Yahoo!のスポーツニュースの中で、フェラーリのチーム代表であるステファノ・ドメニカリが『Die Welt』に次のように語ったと報じられていた。
「レッドブルが素晴らしいクルマを造ってきたことも事実だ。あまりにも優れたクルマなので、勝利するとドライバー以上にクルマが勝者としてたたえられる。われわれが圧倒的な強さを見せていたころ、常にミハエル・シューマッハ(現メルセデスGP)が前面に出て、そしてフェラーリだった。今は、まずレッドブルがあり、そしてセバスチャン・ベッテルになっている」
フェラーリは、前段ではレッドブルのRB7が150°Italiaよりも優れたマシンであることを認め、なおかつ、優れたマシンに乗れば(少なくともF1ドライバーと呼ばれる人ならば)誰でも速く走ることが出来ると主張している。
中段ではミヒャエル・シューマッハを擁し常勝チームであった当時、我々は陰でその走りを支えていたと主張し、そして後段ではレッドブルが優れたマシンを用意し、それに乗るセバスチャン・ベッテルと好成績を収めているのだと主張している。
この主張に今のフェラーリを当てはめれば、フェルナンド・アロンソはドライバーとしては超一流であるが、マシンが「ヘボ」なので、さすがに速く走ることが出来ない。ルノーチームはアロンソの素晴らしい才能を陰で支え二度のワールドチャンピョン獲得の黒子となったが、今のフェラーリには荷が重い。いかにアロンソと云えども今の150°Italiaではチャンピョンシップ5位が精いっぱいである(それでももう一人のフェラーリドライバー、フェリペ・マッサの倍以上の69ポイントを稼ぎ出している)、と云う事になるかな。
しかしフェラーリ、云っていることに随分矛盾があることに自分で気が付いているか。ドライバーに不足はない。でもマシンが「ダメ」なんだと、もっと判り易く、正直に、ストレートに云えばいいのに。どうしてこういう回りくどい、判りにくい、素直じゃない云い方をするんだろうな。「ドライバーに問題はないのに、俺たちが速いマシンを作ることが出来なだけなんだ。頑張るよ」と、どうしてもっと簡単に、判り易く、素直に云えないのだろうか。もっとも、これこそが「F1は魑魅魍魎の世界」と云われる所以なんだろうな。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、先週末に恩田の森で撮ったものではなく、今日の昼時、ちょっと時間があったので例の東京都下某所をぶらついて撮った、ハナショウブの原種、ノハナショウブ。何と云う事もない一枚だが、そこそこ「見られる」とすれば、それは使ったレンズ(AF-S Nikkor 28-70mm F2.8D)の描写性能、取り分け美しい「ボケ」のお陰。「弘法筆を選ばず」と云う言葉があるが、郷秋は「弘法に非ずんば筆を選ぶべし」と云いたい。
熾烈な第三勢力、6~11位の争い
残念ながらカナダGPを最後まで見ることが出来なかった。赤旗中断後1時間が過ぎたところで郷秋<Gauche>はドロップアウトしてしまったからである。もっとも2時間の中断後更に1時間半近く続いたであろうレースをフジテレビが最後まで中継をしたとは思えないのだが、事実はどうであったのか、郷秋<Gauche>は知らない。
今朝6時に目を覚ましてPCで確認した時点では所謂F1情報サイトのどこにもレース結果は掲載されておらず、レースが終了したばかりであることを思わせた。唯一sportsnavi.comのF1レース速報で結果を知ることが出来たのだが、25周終了時点での赤旗中断のまま、つまり小林可夢偉が2位のままレースは打ち切り終了、可夢偉が歴代日本人F1ドライバー中最上位の2位となり、ハーフポイントを獲得することになるだろうとの「ドロップアウト」前の郷秋<Gauche>の予想は見事に裏切られ、結果は読者諸兄諸氏の知る通りである。
近年まれにみる、長時間の中断を挟む荒れたレースは終わったが、その結果のシリーズランキング争いはますます面白くなってきた。
現時点でのポイントランキングからは、今年のF1は「4カテゴリ混走レース」と見ることが出来る。トップカテゴリエントリのマシン・ドライバーはただ一台・一人、161ポイントでトップを独走するセバスチャン・ベッテル(レッドブル)。その下のカテゴリがマクラーレンの2台とウェバーとアロンソ。そして最も熾烈な戦いを繰り広げているのが第三のカテゴリで、このカテゴリにいるのがフェラーリのマッサ、ロータス・ルノーの2台とメルセデスGPの2台、そしてザウバーのエースドライバー、我らが小林可夢偉である。
この第三のカテゴリの争いがどれ程激しいかと云えば、ポイントランキング6位のマッサ32ポイントから11位で25ポインの可夢偉まで、わずか7ポイントの間に6人のドライバーがひしめいているのである。これを熾烈と云わずなんと云おう。7ポイントの差など、次のバレンシア市街地コースでのレース結果次第でその順番はガラリと入れ替わってします程の僅かな差なのである。
しかしだ、まさに第三カテゴリのチームであるロータス・ルノーとメルセデスGPの各2台は良いとしても、第二カテゴリのはずが下位のカテゴリに飲み込まれているフェラーリのマッサが何とも情けないのに対して、フェラーリ、ロータス・ルノーとメルセデスGPの3チームのマシンに比して明らかに戦闘能力の劣るC30を駆り第三カテゴリで善戦する可夢偉のなんと光ることか。ペーター・ザウバーよ、レッドブルもしくはフェラーリから多額の移籍金をせしめるためにも一日も早く可夢偉との契約を更新しておいた方がいいんじゃないか?
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、美容柳(びようやなぎ)の蕊(しべ)これほどまでに蕊だけが目立ち、花弁が額でもあるかのように目立たない花は珍しいかも知れない。
可夢偉の来季は
モンテカルロ市街地コースにおいて、歴代日本人F1ドライバー最高位でレースを終えた小林可夢偉の周辺が俄かに喧しくなっているようだ。
それはそうだろ。メルセデスGPのMGP W02を駆るミヒャエル・シューマッハの14ポイント、ランキング11位に対して、MGP W02に比し明らかに戦闘力の劣るザウバーC30を駆る可夢偉は19ポイントを獲得しランキング10位と、かつて皇帝を呼ばれた男の前に立っているのである。
ペーター・ザウバーは可夢偉とペレスのドライバーに満足しているとして来季もドライバーを替えるつもりはないとコメントしているが、いまだ正式な契約には至っていないようである。郷秋<Gauche>が思うに、ペーター・ザウバーは、特に可夢偉との契約は急いだ方が良い。なぜなら、レッドブルやフェラーリが可夢偉に食指を伸ばす可能性が大ありだからである。
もちろん、契約さえあればドライバーを引き抜かれる心配は無い、などと云う事は無い。F1の世界はそんなに判り易い秩序によって出来上がっている世界ではないのだ。時に契約書は何の意味も無い「ただの紙切れ」になってしまうこともある。そう云うことも起こり得る世界なのだが、勿論「タダ」では起きない。当然のこととして大きなカネが動くのである。もしペーター・ザウバーが、小林可夢偉を2012年のドライバーとする契約を結んでいれば、何の見返りもなく可夢偉を他のチームに引き抜かれることはないのだ。
例えばレッドブルがウェバーの後釜として、あるいはフェラーリがマッサの後任として可夢偉が欲しいと思ったとすると、クリスチャン・ホーナーあるいはステファノ・ドメニカリはペーター・ザウバーの前に、可夢偉との契約を買い取るための数十億円分の札束を積み上げなければならないのである。
ザウバーはこの数十億円をC30あるいはC31の開発のために注ぎ込むことが出来るようになり、それはコンストラクターズ・ランキングにおいてメルセデスGPの前のポジションを確かなものとするために大いに役に立つことだろ。可夢偉が去った後のドライバーについてもまったく心配はない。日本には可夢偉しかいない「世界クラス」も、ヨーロッパには世界中から集まった「世界クラス」がウジャウジャいるのである。
可夢偉はペーター・ザウバーの祝福を受けつつ「恩義あるザウバーとの契約は全うしたかったのですが・・・」などとコメントしながらレッドブルあるいはフェラーリに移籍する。ザウバーチームは可夢偉が残してくれた資金でより速く強いマシン作り、新しいドライバーと共にメルセデスGP、ロータス・ルノーGPを上回るポジションを確実なものとする。万事めでたしのシナリオである。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、梅雨入り直後の雨に濡れる、すみよしの森のトトロの切り通しに続く小径。
アロンソ、大いに張り切る、が、しかし・・・
まっ、今のフェラーリのマシンポテンシャルを考えれば、アロンソの結果5位は致し方のないところ。そうは云っても地元の熱狂的な後押しにより素晴らしいロケットスタートを決め、2度目のタイヤ交換まではラップリーダーであったのはアロンソだからこそできたパフォーマンスであることは、マッサのスローペース(結果マシントラブルによりリタイヤ)を見ればお分かりの通り。アロンソのファステストラップタイムが小林可夢偉のそれより1秒以上遅かったことを考えると尚更アロンソと云うドライバーが一発の速さだけではない「強さ」を併せ持ったドライバーであるかが理解できると云うものである。
しかしだ、そのアロンソまでをも周回遅れにしてしまうレッドブルの速さは驚異的であるが、そのレッドブルを追い回すことが出来るまでの速さを付けてきたマクラーレンも大したものだと云うべきだろうな。
フリー走行から調子が良かったミヒャエル・シューマッハは予選・本選共に終始ニコの前を走ることが出来てニコニコのようであったが、ラップタイムは小林可夢偉のそれより2秒近く遅かったから次戦モナコでは「通せんぼ爺」になる可能性大いにありだな。
しかしだ、才能ある若いドライバーの邪魔をしてまで再度の現役を続ける意味があるとは郷秋<Gauche>には思えないのだが、ご本人としてはせめて3位でも表彰台に上がるまではと云う思いがおありなのだろうか。残念ながらそれは無理だろうと、郷秋<Gauche>は思うぞ。
そうそう、既に幾度か触れてはいるが、レース開始早々に最下位まで落ちながらもポイント圏内まで這い上がった小林可夢偉の走りはなかなかどうして、立派なものだったぞ。レース中の速さと戦略にまったく問題がないだけに、可夢偉とザウバーにとっての最大の課題はやはり「予選」と云う事になるな。特に木曜日に始まるモナコはスターティンググリッドが何よりも大切である。何としてもシングルグリッド目指して頑張って欲しいものである。
注:「通せんぼ爺」とは、今ではもっともらしい顔をしてニュース解説などしている古舘伊知郎氏がほとんどプロレス中継のノリでF1中継をしていた当時、F1ドライバーとしては最晩年であったフランスの名(迷)ドライバー、ルネ・アルヌーを評して云った「迷言」である。フェラーリにも在籍しPP 17回、優勝7回(調べてみる気にもならないが、ひょっとするとフランス人F1ドライバーとしてはかのアラン・プロスト教授に次ぐ戦績かも知れない)と云う過去の栄光を引きずりながら非力なリジェのマシンを駆り、終始執拗かつ不必要なブロック走行をしたことから名付けられたもの。デビュー当時の中嶋悟氏もその被害にあったことがある。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、農作業の合間の木陰の語らい。
予選結果は如何に
スペインGPでは間違いなくアロンソが大活躍することになる訳だけけれど、フリー3では9位とちょっと苦戦の模様。もっともフリー走行はタイムを競う訳では無く、マシンの挙動を確認したり、300kmを走りきるためのシミュレーションだったりするから重い状態で走っていることもあるからね。問題はまもなく始まる予選だ。
案の定スペインGPでも速いのはレッドブル。ベッテルとウェバーのギャップはコンマ084と僅かなものだけけれど、ウェバーとミヒャエルとのギャップは1.266秒もある。これじゃレッドブルだけが別カテゴリ。レッドブルの2台と、その後と最後の6台(ロータス、ヒスパニア、ヴァージンのことだ)、つまり3カテゴリ混走と云うのが今年(去年もか)のF1だな。
しかしミヒャエル、フリー走行とは云え久々に同僚ニコを上回るタイムを出して今頃はご満悦のことと思うが、予選では、本選では果たしてどうだろうな。契約とは関係なく今シーズン最終戦を待たずに2度目の引退ではないかと囁かれているミヒャエルだが、もしスペインGPの予選・本選でニコを上回ることが出来ればモナコ以降に弾みが付くことになるが、残念ながらこの古い時代のドライバーは、KARSやDRSと云った最新のデバイスに、付いていけていないのではないかと、郷秋<Gauche>は思うがどうだろうか。まずは予選に注目である。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、小判草(こばんそう)。道端で見かけるイネ科の「雑草」だが、調べてみると明治期に観賞用として移入されたとのこと。鑑賞に値するかどうかは個人の価値観によるかも知れないが、細い茎の先に垂れた穂は極弱い風でも良く揺れて、実に撮りにくい植物であることは間違いのない事実である。
スペインGP開幕
前戦、トルコGPからヨーロッパラウンド開幕と報じるメディアもあったが、郷秋はトルコGPをヨーロッパラウンドとする見方には与できない。トルコGPはアジア・太平洋ラウンドの最終戦であり、今日開幕したスペインGPこそがヨーロッパラウンド開幕戦である。
さて、そのスペインGPの勝者を予想するサイトでは、常勝ベッテルはともかくとして、地元の声援を後押しにしてアロンソが優勝する(して欲し)と云う予想が圧倒的である模様。そうなのだ。地元GPでは、エンジンパワーで80hp、タイムでコンマ7秒は確実に早くなると云うのは、中嶋悟のデビューシーズン以降、日本GPを欠かさず(TVで)見てきた郷秋の、まず間違いのない予想である。
上記を前提に考えれば、これまで圧倒的な強さも発揮してきたレッドブル、ベッテルと云えどもアロンソンの前を走ることとできる時間はそう多くはない。少なくともファイナルラップでアロンソの前を走ることは出来ないだろうと云う、多数の意見(希望)に対して、郷秋は大きく首を縦に振るぞ。
と云う訳で(と云う順説の接続詞は大した意味がないのだが)、フリー1ではウェバー、ベッテル、ロズベルクに次ぐ4番手あったアロンソだが、フリー2の現時点(JST21:15)ではトップタイムをマークしているではないか。もっともフリー走行でいくら好タイムをたたき出しても、問題は予選本番と、本選の結果である。地元の熱烈応援がどこまでタイプアップにつながるのか、明日の予選が楽しみだぞ。
例によって記事本文とは何の関係もない今日の一枚は、先週土曜の恩田の森の代掻きの様子。教えてもらったところでは、代掻き直後は土が動いてしまうので田植えが出来ないとのこと。そうなると土が落ち着いた明日辺りが田植えか?
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