福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

リステリンは効くか?

2008-05-02 | 歯周病の話

ドラッグストアに行くと、口臭予防や歯周病予防に効果的と書かれた洗口液が置いてありますね。
歯科医院専用というのもあるのですが、市販品は成分にCPC(塩化セチルピリジニウム)やグルコン酸クロルヘキシジンまたは塩酸クロルヘキシジンが含まれているものであれば歯周病予防には程ほど効果的です。
グルコン酸クロルヘキシジンは歯周病菌、むし歯菌の増加を抑制する薬として諸外国では効果的に用いられているのですが、日本では薬事法の関係で一定濃度以上は使用できないため、製品の効果はやや不充分と考えられます。
ところで市販品の洗口液で「リステリン」をご存知ですか? この使用の歴史は100年以上あり、1879年にイギリスの外科医、LISTERが手術部位の消毒薬として開発したのが始まりだそうです。その後20世紀になってからマウスウォッシュとして販売されるようになったようですが、しばらくは口臭予防の製品として売られていました。
20世紀終わりにはLISTERINEは歯肉炎に効果的という研究結果などが出され、再認識されました。私も過去にいちばんベーシックな黄色っぽい液のリステリンを使用した経験はあるのですが、味がかなり刺激的でした。
さらに最近の研究では、歯周病菌やむし歯菌が繁殖する歯の表面のバイオフィルムへの浸透度が良いということも明らかになり、その殺菌効果が再評価されています。当初は口臭予防くらいの製品が、調べてみると意外と他の効果もあったというわけです。
他の歯科医院専用の製品などもあって、当院でどの程度患者さんに勧めるかは検討中ですが、手軽にドラッグストアなどで購入できる製品のなかでは研究に裏付けされていますので、味の刺激はありますが、歯みがき+フロスに加えて使用されると良いでしょう。


これはフレッシュミントリステリンでやはり味は刺激的。低刺激性のものもありますが、小児学童期の子ども達には難しそうです。

 

ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/
                             http://www.futatsuki-dental.com/ 

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