現在、歯科衛生士専門学校の2名の学生さんが実習に来ていますので、私のパートとして特に予防歯科の分野について簡単な講義をしています。
当院のモットーのひとつとしても挙げていますが、予防歯科に重点を置いていますので、むし歯予防でのフッ素の使用は不可欠ですし、その効果や使い方に関する私達の知識も当然必要です。
学生さんがまだ知らないのは当然なのですが、実は同業者でもあまり小児を診ていない歯科医や歯科衛生士は、小児の患者さんにフッ素塗布はしていても意外とその効果の程は知らないと思うことがあります。
フッ素の使用による予防効果は、使用しなかった場合とむし歯の増え方を比較して%で表します。例えば使用しなくて2本むし歯が出来たのに対して、使用して1本むし歯ができたら半分しか増えていないので50%という具合です。フッ素のむし歯予防効果については今まで様々な臨床的調査がされていますが、平均するとフッ素入り歯ミガキの使用は25~30%、フッ素入り水溶液で毎日うがいするフッ素洗口法は50%、アメリカのように非常に薄いフッ素を水道水に入れる水道水フッ素化でも50%、歯科医で年3回~4回くらい塗る高濃度のフッ素は、35%~40%ほどです。これらの効果は複数行った場合、単純なる%の加算というふうにうまい具合にはなりません。
フッ素洗口は日本でも可能で歯科医院で処方できますし、幼稚園や小学校で集団で行っているところもあります。効果はあるのですが、家庭での場合長続きしないことが多いですね。歯科医院でのフッ素効果はベストではないのですが、少ない回数の割には効果的ですから、基本的にはいちばん当てになるでしょう。
もうひとつ、フッ素入り歯ミガキと同等のフッ素濃度なのですが、家庭用フッ素ジェルは歯ブラシで塗った後しばらくうがいをしないようにしますので、結構効果が期待できると思います。上記の写真は当院のHPの予防歯科のページ( http://www3.coara.or.jp/~futam/sub6.html )をご覧下さい。