福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

指しゃぶりが長引いた場合 その2

2006-11-22 | 歯並び、矯正の話

この患者さんは小学校高学年まで指しゃぶりが続いていて、最近やっと止めることができたそうです。指しゃぶりの歯に対する力の加わり方にもいくつかパターンがあるようです。この例では上の前歯は出っ張っていませんが、上の歯並びの幅が小さくなって(狭くなって)上下のバランスが悪くなった結果、下顎を(本人からみて)左にずらして噛む状態になっています。上下の真ん中が結構ずれた状態ですよね。
なぜ上の歯並びが狭くなるかというと、指をしゃぶる時に力が入る唇周囲の口輪筋の力によるものです。このようなかみ合わせの場合、かみ合わせの良い右側で噛むのかというと、ずれた側の左側で噛む癖(偏咀嚼といいます)がおこりやすいようです。
中学、高校と思春期発育の時期に顎の発育が進み出来上がっていきますので、そのまましておくと下顎の形も非対称になりますし、偏咀嚼を続けると、片側の顎関節に負担がかかりすぎて、将来的に関節部の痛みが出てくる「顎関節症」の可能性も危惧されます。
この患者さんはもう少しで乳歯から永久歯に全て生え変わりますので、それを待って早めに、上の歯並びの幅を拡大する矯正治療を始める予定です。一般的に言えることは、かみ合わせのズレはあまり長く放っておかない方が良いと言うことです。


当院で使用している上顎の拡大装置の1例です。奥のほうに2個のコイル状のスプリングがありますので、Bi-helix と呼ばれています。奥歯に矯正用バンドを取り付け、ワイヤーを歯の裏側に沿わせて内側から広げる力を加えるものです。通常数か月~半年でかみ合わせは改善されます。

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