福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

歯科健診~奥歯のむし歯

2006-07-10 | むし歯予防の話

当院の地域には市立および私立の小中学校がいくつかあるのですが、地域歯科医師会のメンバーで分担して5月に歯科検診に出かけました。私はある中学校の担当で、多分100名弱検診したと思います。全般的には、最近はむし歯が減っているという印象は受けるのですが、私が予測していた通りの特徴がありました。

それは12歳前後に出てくる前から7番目の歯、一番奥歯(親知らずはもうひとつ後ろです)の初期むし歯が少なくないということです。ひとつ前の6歳臼歯は、シーラントされてむし歯は発生していない状況だったりします。

むし歯数の統計に使う数字でDMFTというものがあります。これは一人当たりの永久歯のむし歯数+抜かれている歯数+治療されている歯数です。国際比較ではよく12歳児のDMFTが出てきます。日本はかつて他の先進国と比べて圧倒的にこのDMFTが多かったのですが、21世紀になってDMFTが3未満になって来て、やっと先進国の隅っこに仲間入りでしょうか。実はこの数字のほとんどは6歳臼歯のむし歯なので、12歳頃まではこの予防がポイントなわけです。

次の山は12歳臼歯のむし歯さらに引き続きいて10代半ばの歯間のむし歯発生です。子どもが小学校の頃までは健診や予防で歯科医院に連れて行っても、その後はだんだん疎遠になるのでしょうか? ところがその後のいわゆるティーンエイジャーが一番重要な時期ですので、この時期を押さえておかないと「それまでの予防は何だったの」ということになります。子どもも親から自立していき、学校その他も忙しい時期ではありますが、何らかの形でむし歯予防、そして近未来の歯周病予防のサイクルを保ってもらいたいものです。

出始めの右下6歳臼歯にフッ素入りセメントで予防処置をしたものです。出始めの時期は歯みがきもしにくく、上下の歯がかみ合っていないので汚れやすい状況です。歯科でのちょっとしたヘルプでかなりむし歯は予防できます。12歳臼歯も同じ方針でOKです。

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