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平安夢柔話

いらっしゃいませ(^^)
管理人えりかの趣味のページ。歴史・平安文学・旅行記・音楽、日常などについて書いています。

ドラマ「大化の改新」

2005-01-04 00:08:15 | 歴史雑記帳
 ついに、待ちに待ったこの日がやってきました!!

 某平安サイトで、「NHKが大化の改新のドラマを制作するらしいよ。」という情報を得てから約2年、1月3日の夜、ついに放映されました。今日はそのドラマ「大化の改新」について少し書いてみますね。

 感想を述べる前に、まずつっこませて頂きます。

 蘇我入鹿と中臣鎌足が幼なじみで仲のいい親友だったという設定は、間違いなくフィクションなのでしょうね。「大臣の息子と、下っ端役人の息子が身分制の厳しいこの時代に、こんなに親しくつきあえるわけがない。」と、一緒に観ていただんなさんはこの設定にびっくりしていました。当然、与志古娘を挟んでの三角関係もフィクションだと思います。ただ、この設定がドラマ全体のカギとなっていましたので、このことについてつっこむのはこのくらいで辞めておきます。

 それから、第二部の初めなのですが……、「中大兄皇子なるぞ!」ではなく、「葛城皇子なるぞ!」と言って欲しかったです。山背大兄王が殺害された時点では、彼はまだ皇太子の称号である「大兄」の称号は得ていないと思うのですが、どうなのでしょうか。

 先日放映されたNHKの、「その時歴史が動いた」では、大化の改新の黒幕は軽皇子となっていましたので、ドラマでもこの説が採用され、軽皇子は悪役になっているのかなと思いましたが、そうではなかったですね。かなりつかみ所のない人物に描かれてはいましたが…。もっともだんなさんは、「名前の通りの軽い皇子」になっているみたいで何となく寂しいなと言っていました。でもそれよりも、悪役は蘇我蝦夷でしたね。
 つかみ所がないと言えば、宝皇女(皇極女帝)もかなりつかみ所のない人物に描かれているような気がしました。まあ、この方は実際つかみ所がない人なのですが…。
建築に夢中になって民をかえりみなかったようですが、彼女の孫の建皇子の死に際しては、涙して歌を詠むようなところもあります。また、乙巳の変にも関わっていたとか、関わっていなかったとか……、皇位についたのはただの中継ぎだったとか……、いや、権力欲があったとか、色々言われています。

 中大兄皇子(ドラマでこうなっていたのでこの名で通します。)と、鎌足の「入鹿暗殺計画」に至るまでの経緯や、二人で作戦を練っている場面ももう少しあったら良かったのになと思いました。でも、こればかりは時間制限もありますし、無理だったのかもしれません。金曜時代劇で6回シリーズくらいで放映されていたら、このあたりを描く余裕もあったかもしれませんが。ちょっと残念でした。

 つっこみ所はこのくらいにして、感想を書きますね。

 最初に書いた、「入鹿と鎌足が仲の良い親友だった」という設定は、視聴者に、「え、それなのにどうして鎌足は入鹿を殺害してしまうの?」と疑問をもたせ、ストーリーの展開に期待を抱かせるという点でうまいなと思いました。私もそんな視聴者の一人でした。
 入鹿と鎌足が違う方向に向かっていく決定的なきっかけは、山背大兄王暗殺だったのかなと思いました。あの頃から入鹿は突然、変わってしまいましたよね。
 でも、与志古娘と二人で話をしているシーンを観て、「入鹿は入鹿なりに苦しんでいたのだな。」と思いました。世の中、そう理想通りには行きませんし。朝廷の中枢にいた入鹿と、朝廷から遠く離れていた鎌足の、ものの考え方の違いなのでしょうね。
鎌足があのように理想を追い求めていた人物だったのか、また本当に中大兄皇子が聖徳太子をあのように信奉していたのかは疑問ですが、私はこのドラマでの入鹿はかなり実像に近いのではないかと思いました。
なぜか入鹿に惹かれてしまったえりかです。
 でも、仲の良かった友人同士が、年月や周りの状況によって徐々に離れていき、最後には決定的に対立してしまう……、観ていて切なかったです。こういう事って、現代でも起こりえることですものね。ただ、入鹿と鎌足の場合は、国の政治がからんできているので、いっそう複雑になってしまったのでしょう。

 結論……、ドラマとしては充分楽しめました。これを機に、古代史や平安時代のドラマがたくさん作られることを願っています。

 最後に、乙巳の変が失敗していたらどうなったかを、私なりに考えてみました。失敗する確率だって強かったはずですから…。
 まず、中大兄皇子と鎌足は打ち首になっているでしょうね。そうなると、天智天皇と藤原氏は存在しなくなるわけで、日本史は大きく変わっていたと思います。
平安京は存在せず、飛鳥での蘇我氏政権が続いたことでしょう。それと、武士の世が意外に早くやってきたような気がします。
 でも、平安京が存在しないということは、私の大好きな平安時代は永久にやってこない、「源氏物語」も誕生していない……、そんなの絶対に嫌です!
入鹿さんには申し訳ありませんが、乙巳の変は成功していて良かったのかもしれません。そんなことを少し考えてしまいました。
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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ランラン)
2005-01-04 01:06:30
えりかさん こんばんは。

見ましたよ。大化の改新♪

わが家では、隣で時代考証をする人がうるさいのなんのって(笑)

宝皇女が、藤木古墳から出た冠をかぶっていたのがすごかった。
返信する
大化の改新 (えりか)
2005-01-04 01:49:19
 ランランさん、今晩は♪



 一瞬、「初めまして」と書いてしまうところでした(笑)。なるほど……、確かに「ラン」が二つですものね。



 「大化の改新」、ランランさんも御覧になっていたのですね。でも、お隣に専門的な解説をして下さる方がいらっしゃるなんて、とってもうらやましいです。我が家では、この時代は主人より私の方が詳しいので、私が主人に時代背景を解説していました。超古代と戦国・幕末は主人の方が詳しいのですが…。



 それから、「あの冠は藤木古墳から出たものだとぱっとわかってしまうとは、さすがランランさん。」と主人が言っていました。



 では、また遊びに来て下さいね。
返信する
見ました♪ (ぱいん)
2005-01-04 21:20:13
えりか様。

メール受取りました♪

いつも、丁寧な感想ありがとうございます!

とってもうれしかったです☆



それから、ぱいんも見ましたよ、大化改新~(^_-)-☆

確かに、いろいろ突っ込みどころ満載のドラマでしたけど、入鹿ファンのぱいんは、ただただ、渡部篤郎さんのカッコ良さに見蕩れておりました~(ミーハー)



古代史を舞台にしたドラマは、滅多に放映されないだけに、内容はともかく、その映像を見ているだけでもワクワクしますよね~

また、テレビの世界でも古代史にスポットを当てて欲しいですね~!
返信する
宝皇女の冠 (なぎ)
2005-01-04 22:00:24
えりかさん みなさま

あけましておめでとうございます!!

「大化の改新」を録画したビデオを前編まで見たところです。(後編はまだ見ていません。)

私もぶつぶつツッコミ入れながら見ていました。



>ランランさん

ランランさんのお隣で時代考証をなさった方(笑)がどんなことをおっしゃっていたのか、私もそばで拝聴したかったです。



宝皇女の冠は藤木古墳出土のものなのですねー!!



古代史を舞台にしたドラマは少ないですので、また古代にスポットを当てたドラマを見たいですよね♪
返信する
こんばんは~ (持田新右ヱ門)
2005-01-04 22:57:06
こんばんは~。

ツッコんでらっしゃいますね~(^_^;)

本当にツッコミがいのあるドラマでした。



ただ高島女帝は色っぽかったですよね~。

実際に吐息を吹きかけられたら、

メロメロになりそうですね(^▽^;)



でもここはとりあえず絶賛しておいて、

NH●には古代史大河の実現!さらには

『源氏物語』を大河ドラマにして

欲しいですよね!!
返信する
ぱいんさんへ♪ (えりか)
2005-01-05 09:16:15
 ぱいんさん、こんにちは♪



 メール、読んで下さってありがとうございます。お忙しい毎日に戻られたぱいんさんにちょっと長いメールを送った上にまた例によってぐちを言ってしまって……、ちょっと反省。



 「大化の改新」、つっこみ所はあっても古代史を取り上げてもらえたことに私も満足しています。

 そうでしたね、ぱいんさんは入鹿さんのファンですものね。私も、このドラマを観る限りでは鎌足さんより入鹿さんの方が魅力的に思えました。普段、ほとんどドラマを観ない私は、渡部篤郎さんのこともほとんど知らなかったのですけれど、いい役者さんですね。今年注目かも。では、また遊びに来て下さいね。
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なぎさんへ♪ (えりか)
2005-01-05 09:24:50
 なぎさん、こんにちは♪



 こちらでは、今年初めてですよね。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いしますね。



 なぎさんも、「大化の改新」、つっこみながら御覧になっていらっしゃったのですね。まだ前編しか観てないようですが、後編の入鹿さん、だんだん変わっていってしまうのですが素敵です。つっこみ所もたくさんありますけれどね…。私も、ランランさんのお隣で時代考証をしていた方のお話をぜひお聞きしたいです。では、では、また遊びに来て下さいね。
返信する
持田新右ヱ門さんへ♪ (えりか)
2005-01-05 09:32:13
 持田新右ヱ門さん、こんにちは♪



 「大化の改新」、たくさんつっこませて頂きました(笑)。

 持田さんの日記も拝見しましたよ。私も、「どうして古人大兄皇子が出てこないのかなあ。」と思っていましたが、書くのを忘れてしまいました。「韓人が入鹿を殺した!」という有名なせりふも無視されていましたものね。



 でも、古代史を取り上げてもらえたことには感謝です。ぜひ、大河ドラマでも古代史や平安時代をやってもらいたいですよね。「源氏物語」も観てみたいです♪では、また遊びに来て下さいね。
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ようやく見ています (日光山)
2005-01-06 20:19:37
えりかさん、こんばんは。

「大化の改新」今録画したものを見ています。

中臣鎌足って、神官の出だったのですね。

仏教は他国からの伝来ですから。

物部と蘇我の争いで決着がついた仏教と神教の争い、まだ残っていたようですね。

う~む、これから仏教が力を持ち、其の影響力を恐れ平安京に移る。

完全に力を失った神教は、こののち江戸時代末期に力を取り戻し、明治以降は廃仏稀釈により、国家神教となり、以降狂信的な××教に入る。

おかしなものですね。

××は不敬罪に当たるかもしれないので、敢えて伏字にしました。

返信する
古代史と宗教 (えりか)
2005-01-06 22:05:49
 日光山さん、今晩は♪



 「大化の改新」、ビデオに撮られたのですね。もう見終わった頃でしょうか。



 鎌足の父、中臣御食子は蘇我蝦夷の側近だったのだそうです。それなのに神官だったとは何か不思議ですよね。

 もっとも鎌足の中臣氏は、蘇我馬子と争った物部の同盟者の中臣氏とは全く別系だったという説もあるようです。また、ドラマでは常陸国出身になっていましたが、「実は渡来系の人だった」という説まであります。日本の古代史は謎が多すぎますよね。



 そして、もっと謎なのが宗教ですよね。神道・仏教と歴史の関係は研究してみると奥が深そうですが謎も多そうです。そして、これほど多くの宗教が君臨した日本という国も不思議ですよね。



 では、では、また遊びに来て下さいね。
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