本日は、先日読んだこの本を紹介します。
☆アマテラス 最高神の知られざる秘史
著者=斎藤英喜 発行=学研パブリッシング・学研新書088 価格=842円
商品の内容[要旨]
天皇家の祖神アマテラスとはいかなる神なのか?古代神話が語る「戦う女神」「岩戸ごもりの太陽神」は、やがて「天皇を祟る神」となり、ついには仏と合体して秘儀のための「蛇体本尊」にまで姿を変じていく―最高神の知られざる秘史を読み解く。
[目次]
プロローグ アマテラスの「秘史」へ
第1章 伊勢神宮創建の深層
第2章 祟りなすアマテラス
第3章 内侍所神鏡という謎
第4章 本地垂迹から蛇体の神へ
第5章 江戸と明治のアマテラス
エピローグ 「パワースポット」の彼方へ
当ブログのリンク先の一つ、「京と陰陽道楽」の管理人さん、くたくたさん@斎藤ようこさんのだんな様で仏教大学歴史学部教授の斎藤英喜先生のご著書。2011年に出版されたものなのですが遅ればせながら拝読しました。
私は神道についての知識はほとんどないので難しい箇所もありましたが、わりと興味深く読むことが出来ました。新しいことを知るって楽しいことですね。(^^)
紹介文にもありますようにこの本は、日本神話にも登場し伊勢神宮に祀られているアマテラス(天照大神)がどのように信仰されてきたか、どのように変貌してきたのかを正確な史料に基づいて古代から現代までの歴史を論じたものです。
まず私が興味を引かれたのは、岩屋に籠もったアマテラスの前に集まった神たちが、後に祭司を司ることになる神祇官系の氏族の始祖神であったことでした。
その次に述べられている伊勢神宮の創建についても興味深かったですが、平安文学好きの私にとって最も興味を引かれたのが、「更級日記」の著者・菅原孝標女がアマテラスを信仰していたという記述でした。
孝標女の夢にアマテラスが登場したことは私も印象深く覚えていたのですが、実はそれはその後の彼女の人生にとってとても意味深いことであったこと、私は読み流してしまったようで記憶がなかったのですが、彼女は宮仕えをしていたとき、宮中の内侍所に祀られているアマテラスにお参りしていたのですね。そして内侍所に仕えていた老女官からアマテラスについての話を聞いているようなのです。
後年、彼女はあちらこちらに物詣でをするのですが、これもアマテラス信仰に基づいたものであったということ。決して単なる「受領の妻の旅行」ではなかったのですよね。
その他にも、戦国時代には伊勢神宮の内宮と外宮で戦闘が行われたとか、興味深いことがたくさん書かれていたのですが、印象深かったのはやはり「アマテラスという神の変貌ぶりでしょうか。シャーマンになったり戦う女神になったり、たたりをなす神になったり太陽神になったりすると思えば、蛇となって夢に現れたり全国各地に飛来したり、これはすごい神様だと思いました。
でも現在は、エピローグの章の斎藤先生の文章によると、「国家神、皇祖神といった単一の神格へと封じ込められ、今は家内安全や無事を感謝するといった世俗の神と成り下がった」のだそうです。
そんなアマテラスの変化に富んだ歴史をたどってみるのも意味のあることではないでしょうか。専門的な内容ですがかなり読みやすく、短期間で読了することが出来ました。お薦めです。
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☆アマテラス 最高神の知られざる秘史
著者=斎藤英喜 発行=学研パブリッシング・学研新書088 価格=842円
商品の内容[要旨]
天皇家の祖神アマテラスとはいかなる神なのか?古代神話が語る「戦う女神」「岩戸ごもりの太陽神」は、やがて「天皇を祟る神」となり、ついには仏と合体して秘儀のための「蛇体本尊」にまで姿を変じていく―最高神の知られざる秘史を読み解く。
[目次]
プロローグ アマテラスの「秘史」へ
第1章 伊勢神宮創建の深層
第2章 祟りなすアマテラス
第3章 内侍所神鏡という謎
第4章 本地垂迹から蛇体の神へ
第5章 江戸と明治のアマテラス
エピローグ 「パワースポット」の彼方へ
当ブログのリンク先の一つ、「京と陰陽道楽」の管理人さん、くたくたさん@斎藤ようこさんのだんな様で仏教大学歴史学部教授の斎藤英喜先生のご著書。2011年に出版されたものなのですが遅ればせながら拝読しました。
私は神道についての知識はほとんどないので難しい箇所もありましたが、わりと興味深く読むことが出来ました。新しいことを知るって楽しいことですね。(^^)
紹介文にもありますようにこの本は、日本神話にも登場し伊勢神宮に祀られているアマテラス(天照大神)がどのように信仰されてきたか、どのように変貌してきたのかを正確な史料に基づいて古代から現代までの歴史を論じたものです。
まず私が興味を引かれたのは、岩屋に籠もったアマテラスの前に集まった神たちが、後に祭司を司ることになる神祇官系の氏族の始祖神であったことでした。
その次に述べられている伊勢神宮の創建についても興味深かったですが、平安文学好きの私にとって最も興味を引かれたのが、「更級日記」の著者・菅原孝標女がアマテラスを信仰していたという記述でした。
孝標女の夢にアマテラスが登場したことは私も印象深く覚えていたのですが、実はそれはその後の彼女の人生にとってとても意味深いことであったこと、私は読み流してしまったようで記憶がなかったのですが、彼女は宮仕えをしていたとき、宮中の内侍所に祀られているアマテラスにお参りしていたのですね。そして内侍所に仕えていた老女官からアマテラスについての話を聞いているようなのです。
後年、彼女はあちらこちらに物詣でをするのですが、これもアマテラス信仰に基づいたものであったということ。決して単なる「受領の妻の旅行」ではなかったのですよね。
その他にも、戦国時代には伊勢神宮の内宮と外宮で戦闘が行われたとか、興味深いことがたくさん書かれていたのですが、印象深かったのはやはり「アマテラスという神の変貌ぶりでしょうか。シャーマンになったり戦う女神になったり、たたりをなす神になったり太陽神になったりすると思えば、蛇となって夢に現れたり全国各地に飛来したり、これはすごい神様だと思いました。
でも現在は、エピローグの章の斎藤先生の文章によると、「国家神、皇祖神といった単一の神格へと封じ込められ、今は家内安全や無事を感謝するといった世俗の神と成り下がった」のだそうです。
そんなアマテラスの変化に富んだ歴史をたどってみるのも意味のあることではないでしょうか。専門的な内容ですがかなり読みやすく、短期間で読了することが出来ました。お薦めです。
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