平安夢柔話

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「源氏物語 まんがで読む古典」再放送決定 そこでちょっと思い出したこと

2015-02-16 10:20:19 | 歴史雑記帳
 昨日の午後に知ったのですが、25年ほど前にNHKで放映された「源氏物語 まんがで読む古典」が、今週土曜日、午後4時からEテレで再放送されます。

参考ページはこちら

 再放送、しかも地上波のEテレでなんて嬉しすぎる~。((o(^-^)o))

 この「源氏物語 まんがで読む古典」は、25年ほど前に5回シリーズで放映されたもので、光源氏が若い頃に関わった5人の女性を取り上げ、まんが仕立てで物語風に解説されていました。取り上げられた女性は、夕顔、六条御息所、紫の上、末摘花、朧月夜の5人。

 今回はその中から夕顔と朧月夜の回が再放送されるのだそうです。私の記憶では確か、第1回目と最終回だったと思います。他の回も見てみたかったのですが、これだけでもすごく楽しみ。絶対に忘れないようにしなくては。

 ところで昨日はなぜか、「源氏物語」と縁のあった日だったような…。

 私が初めて「源氏物語」に興味を持ったのは、中学1年か2年の時に、図書館で紫式部の伝記を借りて読んだときだったと思います。
 その本は小学校上級から中学生向きに、紫式部の生涯をわかりやすく、物語風に書いた本だったと記憶しています。子供向きながら300ページくらいある、読み応えのあるものでした。しかもすごく面白かったです。

 その伝記の中に紫式部が中宮彰子に向かって、「源氏物語」の内容を語る場面がありました。彰子は紫の上が好きで、彼女が亡くなってしまうと聞いたときにすごく残念がっていた…というシーンもあったのを思い出します。それで、「源氏物語」も読んでみたいなあと何となく興味を惹かれたのでした。

 それから間もなく図書館で「源氏物語」を見つけ、読み始めてみました。こちらも子供向けの縮約版でしたが、何かよくわからなくて途中で挫折してしまいました。「女御」とか「更衣」という言葉で最初からつまずいてしまったのですよね…。私が「源氏物語」をしっかり読了したのは、それから約10年後のことです。

 で、どうしてこんな事を書いたかと言いますと、昨日の明け方の夢に、なぜかこの、中学の図書館にあった「源氏物語」を読んでいる夢を見たからなのです。

 それでこの本、どういう本だったのか気になって、色々ネット検索してみました。
 どうやらこの本は、偕成社から発行されていた世界少女文学全集の中の1冊だったようです。1971年発行の本なので、現在はもちろん絶版です。でも、どのように縮約されていたのか、すごく気になります。

 ちなみに、それより少し前に読んだと思われる紫式部の伝記は、同じく偕成社から発行されていた世界偉人伝の中の1冊「紫式部 王朝文化の光」のようです。こちらももう一度読んでみたいなあ。まだ、中学の図書館にあるのかしら。

 というわけで、なつかしい日当たりの良い中学の図書館と、「源氏物語」に思いをはせた1日でした。

 そして、夢の中に「源氏物語」が出てきた日に、「源氏物語 まんがで読む古典」の再放送の情報を知ることになるなんて、やっぱり何かの縁なのかなあと思ったりします。

☆追記(2015年3月8日)
 「源氏物語 まんがで読む古典」は2月21日に放送され、無事に見ることが出来まし
た。
 番組を見ながらtwitterで感想を少しつぶやいてみました。

えりか(@erika_heian)/2015年02月21日 - Twilog

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ぬけまいる

2015-02-10 10:02:10 | 図書室3
今回は、先日読み終わった時代小説を紹介します。

☆ぬけまいる
 著者=朝井まかて 発行=講談社
価格=1620円(単行本) 832円(講談社文庫)

[要旨]
 一膳飯屋の娘・お以乃。御家人の妻・お志花。小間物屋の女主人・お蝶。若い頃は「馬喰町の猪鹿蝶」と呼ばれ、界隈で知らぬ者の無かった江戸娘三人組も早や三十路前。それぞれに事情と鬱屈を抱えた三人は、突如、仕事も家庭も放り出し、お伊勢詣りに繰り出した。てんやわんやの、まかて版東海道中膝栗毛!

 江戸に住む女3人が伊勢神宮へ旅をする道中を描いた時代小説です。

 時は黒船が現れる10年ほど前…。

 一膳飯屋の娘、お以乃は独身で、様々な奉公先を転々としたあと、今は母の店を手伝っている身。
 この先どう生きていったらいいかわからないまま戯作を書き、弟が奉公する版元に持ち込みますが、原稿を読んだ弟から、「才能がない、やめた方がいい」と一蹴され悶々とした気分に。
 そこへやってきたのが幼なじみのお蝶。彼女もまた、家庭の中で疎外感を感じ、恋人に浮気され、鬱憤を晴らすためにお以乃の所に来た様子。
 更にもう一人の幼なじみ、お志花もどうやら複雑な事情を抱えている様子でお以乃を訪ねてきます。

 そこで、「3人で旅にでも出ようか」という話になり、伊勢に抜け詣りしようということになって即出発。

 こうして始まった伊勢旅行はまさに珍道中。
 出発した早々、巡礼を騙った小娘一行にだまされ、全財産を巻き上げられてしまいます。
 途方にくれた3人ですが、小田原でふとしたことから知り合った団子屋老夫婦のもとで旅人たちのための足裏マッサージ稼業をやってお金を稼ぐことになります。

 こうして少しお金を貯め、再び旅に出た3にんですが、抜け詣りのため手形がなく、箱根の関所を通ることができません。そんな3人を助けてくれたのは、宿でたまたま隣同士の部屋になった駿河国の商人を名乗る長五郎という、彼女たちより少し年下の男でした。

 さらには、江戸に行った店主の留守番替わりに店を任されたり、たまたま泊まった宿屋のごたごたに巻き込まれたり…と、色々なことが起こります。

 読み進むうちに、2つの謎が気になってきます。

 一つはお志花の抱えている事情。他の2人の事情は語られるのに、なぜかお志花についてはラスト近くまで謎のままです。
 もう一つは箱根で3人を助けた長五郎の素性。彼は3人の道中の所々にちょこちょこ顔を出すのですが、どうやら堅気ではないということが次第にわかってきます。実は彼は歴史上の有名人物なのですが、それがわかったときはびっくりしたと同時にやっぱり…という感じでした。

 そんな謎のほか、3人が出会う人たちがみんな魅力的。そんな魅力的な人たちとの心温まる人情エピソードにはほろりとさせられます。
 また、主人公の3人が個性的で、それぞれ感情移入できました。3人とも、女のたくましさが感じられてすがすがしかったですし。そして、一緒に旅をしている気分になって楽しく、上で書いた謎も気になって、2日間で読了してしまいました。

 この小説は江戸時代が舞台ですが、完全なフィクションですので誰でも楽しく読むことの出来る1冊だと思います。特に、時代劇の好きな方と旅の好きな方には絶対にお薦め☆です。

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