平安夢柔話

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2013年9月京都一泊旅行 後編

2013-10-21 10:37:12 | えりかの平安な日々 10~18
 2013年9月京都一泊旅行 前編

 翌日、目覚めたとき思ったことは、「そうだ、今、承香殿にいるんだ~」ということでした。そして、承香殿を賜っていた后妃についてしばし妄想。

 まず思い浮かんだのは村上天皇女御の徽子女王さま。幼いときに伊勢の斎王をつとめたことから、「斎宮女御」とも呼ばれていた方です。
 後年、娘の規子内親王がかつての自分と同じく斎王として伊勢に下るとき、母親が娘の斎王に付き添って伊勢に下るという先例がないにもかかわらず、娘とともに伊勢に下向しました。思い入れが強すぎて未だに彼女の人物伝を書けないでいる私です。

 次に思い浮かんだのが一条天皇女御の藤原元子さま。一条天皇と死別後、父の顕光さんの反対を押し切って源頼定さんの妻となった情熱的な女性です。

 そして宇多天皇女御の藤原胤子さま。私がこの3月に書いた小説風人物伝のヒロイン、宮道列子さんの娘さん。あまり史料のない人ですが、摂関家との血縁が薄いのにもかかわらず自分の子を皇太子に立てたのだからきっと、権謀実数にたけた人だったのだろうなと想像し、そのように描いてみました。
 現在私は、かつて彼女たちが生活していた場所と同じ所にいるのだと思うとわくわくします。

 さて、起き上がって着替えをし、7時半からNHKBSプレミアムで放映された連続テレビ小説「あまちゃん」の最終回をみんなで見ました。そして流れてきた「潮騒のメモリー」をみんなで思わず合唱。「あまちゃん」からはたくさん元気をもらいました。ありがとうございました。

 朝食は、友人が持ってきて下さったお米に赤米を混ぜて炊いたご飯と味噌汁、それにふぐのあぶり焼きとちりめんじゃこをおいしく頂きました。

 朝食後は内裏跡散策に出かけました。

 かつて承香殿があった跡に建っている町屋ゲストハウス、東対と西対を全体から見るとこんな感じ。

    

 私はやはり、天皇の私的な居場所、清涼殿と、后妃たちが生活していた後宮の殿舎の位置に興味があったのでわくわく。清涼殿と承香殿はかなり近いのに驚きました。これなら、承香殿で徽子女王が琴を弾いていたら清涼殿にいらした村上天皇にはしっかり聞こえたでしょうね。そしてこんなに近くで2人は歌の贈答をしたのか…と、意外にも思えましたが。

 清涼殿と近い後宮の殿舎でまっさきに思い出すのが弘徽殿。こちらは「源氏物語」の世界でも実世界でも、後見のしっかりした后妃が入った殿舎です。歩いてみるとほんの目と鼻の先。うん、納得。

 それに対して、後見のない后妃が入ったのが桐壺。清涼殿から歩いてみるとかなり遠い。それに色々な殿舎の前を通らなければならないし。「源氏物語」の桐壺更衣は大変だっただろうなと肌で感じることが出来ました。

 さらに、登花殿の跡では定子さまや清少納言を想い、梨壺のあとでは清原元輔(清少納言の父)や源順(徽子女王と親交があった)などの「梨壺の五人」を想い、楽しかったです。

 そんなこんなで承香殿に戻り荷物をまとめてチェックアウト。内裏跡で楽しい一夜を過ごすことが出来て幸せでした。

 次はタクシーで京都アスニーに向かいます。私は初めて訪れる場所です。一度来てみたかったので楽しみ。

 こちらでは企画展「平安時代の舞と音楽ー雅楽の世界ー」を鑑賞。琵琶や笛などの雅楽器、舞装束などが展示されていました。ガラスケースに入っていましたが、比較的近い位置に展示されていたので、視力の弱い私も充分楽しむことが出来ました。

 展示を見終わったあと、私、「ここって平安京の模型が展示されているのよね。見てみたい」と友人たちにおねだり。早速見に行くことになりました。

 平安京模型は、平安京を1000分の1に縮小した模型で、この模型の中で平安時代400年分がぎゅうっと凝縮されています。
 まず平安京のメインストリート、朱雀大路を南側から見てみました。もう、大感激。
そのあと東側に移動、九条通を東側から見てみました。そうそう、平安京を入ったところに平盛国さんの邸宅があって、そこで清盛さんが亡くなったのよね。その西隣は九条兼実さんの邸宅♪と色々妄想。ちなみに私のHN「九条えりか」の苗字「九条」は九条兼実さんから頂いたものです。
 こうして平安京模型をぐるっと1周しました。伊勢の斎宮に斎宮の10分の1模型があるように、京都にも平安京の10分の1模型ができないかなあ。でも、広い土地が必要か…。それなら内裏だけでも10分の1模型を作って欲しい…なんて思ってしまいました。

 模型を見ているうちにちょうどお昼の時間になったので、アスニーの食堂でランチを頂きました。私は月見とろろそばを注文。そばは手打ちらしく、歯ごたえがあっておいしかったです。味もちょうど良かったです。ごちそうさまでした♪

 食事が終わると一端京都駅に出てコインロッカーに荷物を預け(何しろみんな、荷物がものすごく多くなってしまったものですから)、バスに乗って西本願寺の斜め向かいの井筒南店ビルの5階にある風俗博物館へ。
 こちらは、「源氏物語」のシーンが4分の1模型で再現されていて、実物大展示室では平安時代の装束、袿や狩衣を着ることが出来る素敵なところです。

 今回(2013年7月~2013年11月までの展示内容は次の通り(風俗博物館さんのホームページより)

『源氏の栄華を彩った三人の御子』
①冷泉帝 ~六條院行幸~『源氏物語』「藤裏葉」
②明石姫君と夕霧 ~雛あそび~『源氏物語』「蛍」
③明石女御 ~皇子立坊と紫上の重厄~『源氏物語』「若菜下」
④源氏の子孫 ~匂宮と薫~『源氏物語』「横笛」
⑤局 ~女房の日常 伏籠と裁縫~
⑥夕霧 ~源氏四十賀~『源氏物語』「若菜上」
⑦四季のかさね色目に見る平安王朝の美意識

 私はこちらを訪れるのは3年ぶりですが、その間に改装工事があり、レイアウトが変わっていて驚きました。それに、展示が少し上の方になってしまい、少し見にくくなってしまって残念でした。
 それと、これが一番の原因なのですが、私、展示内容を予習してくるのを忘れていました。ほんと、これは致命的でした。今度こちらを訪れるときはしっかり予習してこなくては。それでも雰囲気だけは味わうことが出来て良かったです。幼い薫がかわいらしかったなあ。それと女房の髪が長くて素敵でした。

 展示を見たあとは実物大展示室へ。友人たちと袿を羽織り、昨夜と同じくお姫さまごっこをしました。楽しかったです。ただ、御帳台がなくなってしまっていたことが残念でしたが…。

 私は、3時56分京都発の新幹線で帰途につくことになっていたので、風俗博物館から駅に直行。友人に手伝ってもらっておみやげと夕食に食べるようにと幕の内弁当を買いました。喉が渇いていたので新幹線の中で飲むようにと、お茶も買ってきて頂きました。ありがとうございました。

 こうして友人たちに見送られて無事に帰途についた私です。
 少しずつ暮れていく秋の空を見ながら大好きな音楽に耳を傾け、色々なことを考えました。この2日間、とっても幸せでした。そして、色々な方々にお世話になりました。結婚していた頃はだんなさんを頼りにし、支えてもらっていましたが、今は色々な方々に少しずつ、支えて頂いているような気がしました。

 この2日間、京都はとても暑く、半袖でも充分だったのですが、名古屋あたりで急に寒くなり、あわてて上着を羽織りました。確実に日常生活に戻されているような気がしました。こうして行きと同じように静岡で普通電車に乗り換え、夜7時頃無事に帰宅。
 おなかが空いていたのでまず、京都駅で買ったお弁当を頂きました。3種類のご飯と煮物、天ぷら、魚、肉団子、卵などが少しずつ入っていて、とてもおいしかったです。いつも思うのですが、京都駅のお弁当ってなぜこんなにおいしいのでしょう?

 最後に、今回の京都旅行でお世話になった皆様に心よりお礼申し上げます。私は障害があるので色々と面倒をかけることが多いですが、皆様本当に優しくして下さり、仲間として受け入れてもらっていて感謝の気持ちでいっぱいです。またぜひご一緒いたしましょう。

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2013年9月京都一泊旅行 前編

2013-10-14 11:24:20 | えりかの平安な日々 10~18
 すっかり遅くなってしまいましたが、2013年9月の京都旅行のご報告を2回に分けて書いてみたいと思います。例によってまた長文になってしまうと思いますが、どうかおつき合いの程を…。
なお、今回は史跡巡りをほとんどしていないので日記でご容赦下さいませ。

 関東おきに台風が来ていて心配だったのですが、幸い私の住んでいるところをそれてくれて一安心、出発の日は気持ちよく晴れていました。旅行の時にお決まりの出発前のアクシデントもなく、母に車で送ってもらって無事に最寄りの駅に到着。さあ、今から一人で京都に向けて出発です。一人で京都に行くのはお恥ずかしながら生まれて初めてなのです。

 本当は三島か新富士から新幹線に乗ると近いのですが、節約のために静岡から乗ることにしていたので、まず普通電車で約50分かけて移動。電車内ではtwitterやFBに書き込みをしたりしてあっという間に静岡に到着。一端途中下車をし、売店に寄って本日お会いする友人たちにと安倍川餅を購入。少し重かったですが、うん、大丈夫大丈夫。

 目の調子があまり良くなかったので、新幹線のホームまで誘導を頼むことにしました。それに、新幹線の自分の席までちゃんと行けるか自信なかったし。駅員さん、親切に誘導して下さいました。本当に助かりました。

 やがて私の乗る新幹線がホームに入ってきました。でも、誘導された席は3人がけの真ん中。あれ?こんな席、取ってないのになあ…と思ったとき、車掌さんが、「すみません、間違えました」と言って誘導し直して下さいました。そうしたら私の席に人が座っていたので、車掌さんが対処して下さいました。こんなところも助かりました。

 こうして無事に2人がけの窓側の席に落ち着いた私、安倍川餅を網棚に上げ、他の荷物を下ろして席についてすぐ、新幹線が静岡を出発しました。さあ、いよいよ…、もう、とっても幸せでした。

 まずインターネットに返信がないかチェックし、少し書き込みをして携帯電話を閉じて視覚障害者用のデジタル読書機を取り出した私。このデジタル読書機、録音図書を聞くことが出来るだけでなく、MP3形式でSDカードに入れた音楽も聞くことが出来るという優れものなのです。
 それで新幹線の中では最近、私をいやして下さる濱田金吾さんを聞いていこうとずっと思っていました。大好きな御方の曲を聞きながら大好きな京都に行けるなんて夢のようです。耳元から「Rodeo Road again」の軽快なメロディーが流れてきたときは最高に幸せで、思わず手を合わせ、「幸せだ~」と口から漏れてしまいました。隣に座っていた方には、かなり怪しい人に見えたかも。

 そして約1時間半、わくわくした時間を過ごし、ちょうど琵琶湖にさしかかったくらいで音楽を止め、荷物をまとめました。気がつくとトンネルに入っていました。そうだ、このトンネルを抜けると山科、そうです、いよいよ京都府に入るのです。
 思えば1年前、だんなさんとお別れしたときは、あと2~3年は京都に行けないと思っていました。だからこんなに早く来ることが出来るなんて思わなかった。そうしたら何かすごくありがたい気持ちになりました。私は思わず目をつぶって手を合わせ、だんなさんにむかって、「京都に来させてくれてありがとう」と口に出していってしまいました。ここでも、かなり怪しい人に見えたかも…。

 京都駅の新幹線ホームには、友人2人が迎えに来て下さっていました。1人は5年ぶり、一人は初めてお会いする友人です。でも、ネットで頻繁にやりとりしているので久しぶりとか初めてという気がしないのですよね。

 私たちは八条口からタクシーに乗りました。タクシーは堀川通りを上がっていきます。堀川通り沿いやその近くには清和源氏の邸を始め堀河院、高陽院、検非違使庁跡などがあり、すごくおいしい通りなのです。友人たちとタクシーの中でそんな話をたくさんしました。運転手さんには、かなりマニアックな人たちに見えたでしょうね。(^^)

 こうして到着したところは西陣の鳥岩楼さん。夜は鶏の水炊きのお店なのですが、ランチには親子丼が800円で食べられるのです。
 私は友人のホームページで親子丼の写真を見たことがあり、「おいしそう~、食べてみたい♪」とずっと思っていましたので楽しみです。

お店の前でもう一人の友人と落ちあい、4人で入店、お店は思ったより込んでいてちょっとびっくり。最近はこのお店、ガイドブックに載るようになったようなのですよね。

 待合室で20分ほど待ち、ようやくお食事どころに案内していただけました。京風の和風の廊下を歩き、階段を12段上ったところに畳敷きのお食事どころがありました。さすが京都です。

 運ばれてきた親子丼はこんな感じ。

    

 これに、鶏ガラスープとおつけ物がついていました。

 親子丼は鶏肉がすごく柔らかくてジューシー、卵もふわっとしていて味付けもほどよく、とってもおいしかったです。(^^)

 ランチを終えると歩いて京都市考古資料館に向かいました。9月末だというのに日差しがものすごく強く、とても暑かったです。朝、家を出るとき涼しかったので私は半袖のTシャツの上に上着を羽織っていたのですが、我慢できなくなってついに脱いでしまいました。

 そんなこんなで京都市考古資料館に到着。こちらでは特別展示「平安貴族の住まいと暮らし」が開かれていたので観賞。右京三条の斎宮の邸宅跡と推定される地域から見つかった土器などが展示されていました。こちらから見つかった木管に「斎宮」と書いてあったところから、こちらが斎宮となった皇女の住んでいた邸宅跡と推定される根拠となっているようです。

 それにしても考古資料館も暑かったです。暑さにすっかりばてた私たちは、早めに史跡巡りを切り上げ、タクシーに乗って平安時代に内裏のあった場所に移動することにしました。

こうして平安宮内裏綾綺殿跡に建つ、山中油店さんの経営する町家ショップ&カフェ「綾綺殿」に到着しました。

 綾綺殿とは平安京内裏の殿舎の一つで、仁寿殿の東,温明殿の西にあり,天皇の入浴,斎服の着用などに使用された所だそうです。カフェ綾綺殿は、かつて綾綺殿があったところに建っているのです。色々妄想できそうです。

 入ってみるととてもしゃれたカフェでわくわく。私は「すごいバニラアイス」を注文。バニラのアイスクリームの上に脂がのっているのです。でも決してくどくなく、とてもやさしい味でした。カフェでは平安時代のお話からユルキャラのお話まで、話がはずんで楽しかったです。

 そうそう、綾綺殿で元服した天皇さまもいらっしゃったっけなあと、ちょっと妄想。確か村上天皇だと思ったけれど記憶があやふやでした。で、帰宅して調べてみたところ、やっぱり村上天皇でした。

 そして次はいよいよ本日の宿泊場所、やはり山中油店さんの経営する平安宮内裏承香殿跡に建つ町家ゲストハウスへ。こちらは平安宮内裏の殿舎の一つで天皇の后妃たちの住まいとなっていた承香殿跡に建っていて、町屋を1軒借り切って宿泊できるのです。
山中油店さんの町屋ゲストハウスのホームページ

 ゲストハウス承香殿は東対と西対の2軒があるのですが、私たちが宿泊するのは西対

    

 平安時代、承香殿を賜っていた后妃は斎宮女御徽子女王(村上天皇女御)を始め、心惹かれる方々がたくさんいます。ここでも妄想できそうです。(^^)詳しくは後編で記述しますね。

 この日集まったのは総勢8人、年齢も住んでいるところも違いますが、共通点は京都、歴史、平安時代。まず、友人の一人が持ってきて下さった蘇蜜を頂きました。蘇蜜は藤原道長も好んで食べたという、平安時代のチーズのようなもの。食べてみると少し甘いチーズのような感じでとってもおいしかったです。(^^)

 そのあと、あらかじめ予約していただいていたお弁当を上七軒の仕出し屋さんから届けて頂きました。おつくり、天ぷら、煮物、魚や肉などがたくさん入った豪華なお弁当で、こちらもとってもおいしかったです。おいしい物を食べるとやっぱり幸せ♪

 夕食後は友人の一人が持ってきて下さった平安装束、袿と単を着せて頂きました。

    

 気分はすっかり平安の姫さま♪平安宮内裏跡でこんな素敵な体験をさせていただきましてありがとうございました。

 本日の宿泊メンバーは5名。12時過ぎまでおしゃべり。私も日頃の愚痴をたくさん聞いて頂きました。でも、あの素敵な出来事がなかったらもっと愚痴っぽかったと思うし、元気もなかったかも。元気になって京都に来ることが出来たことに感謝です。とっても幸せな夜を過ごすことが出来ました。

 そんなわけで1日目終了。楽しい時間をありがとうございました。

後編に続く

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