2013年9月京都一泊旅行 前編
翌日、目覚めたとき思ったことは、「そうだ、今、承香殿にいるんだ~」ということでした。そして、承香殿を賜っていた后妃についてしばし妄想。
まず思い浮かんだのは村上天皇女御の徽子女王さま。幼いときに伊勢の斎王をつとめたことから、「斎宮女御」とも呼ばれていた方です。
後年、娘の規子内親王がかつての自分と同じく斎王として伊勢に下るとき、母親が娘の斎王に付き添って伊勢に下るという先例がないにもかかわらず、娘とともに伊勢に下向しました。思い入れが強すぎて未だに彼女の人物伝を書けないでいる私です。
次に思い浮かんだのが一条天皇女御の藤原元子さま。一条天皇と死別後、父の顕光さんの反対を押し切って源頼定さんの妻となった情熱的な女性です。
そして宇多天皇女御の藤原胤子さま。私がこの3月に書いた小説風人物伝のヒロイン、宮道列子さんの娘さん。あまり史料のない人ですが、摂関家との血縁が薄いのにもかかわらず自分の子を皇太子に立てたのだからきっと、権謀実数にたけた人だったのだろうなと想像し、そのように描いてみました。
現在私は、かつて彼女たちが生活していた場所と同じ所にいるのだと思うとわくわくします。
さて、起き上がって着替えをし、7時半からNHKBSプレミアムで放映された連続テレビ小説「あまちゃん」の最終回をみんなで見ました。そして流れてきた「潮騒のメモリー」をみんなで思わず合唱。「あまちゃん」からはたくさん元気をもらいました。ありがとうございました。
朝食は、友人が持ってきて下さったお米に赤米を混ぜて炊いたご飯と味噌汁、それにふぐのあぶり焼きとちりめんじゃこをおいしく頂きました。
朝食後は内裏跡散策に出かけました。
かつて承香殿があった跡に建っている町屋ゲストハウス、東対と西対を全体から見るとこんな感じ。

私はやはり、天皇の私的な居場所、清涼殿と、后妃たちが生活していた後宮の殿舎の位置に興味があったのでわくわく。清涼殿と承香殿はかなり近いのに驚きました。これなら、承香殿で徽子女王が琴を弾いていたら清涼殿にいらした村上天皇にはしっかり聞こえたでしょうね。そしてこんなに近くで2人は歌の贈答をしたのか…と、意外にも思えましたが。
清涼殿と近い後宮の殿舎でまっさきに思い出すのが弘徽殿。こちらは「源氏物語」の世界でも実世界でも、後見のしっかりした后妃が入った殿舎です。歩いてみるとほんの目と鼻の先。うん、納得。
それに対して、後見のない后妃が入ったのが桐壺。清涼殿から歩いてみるとかなり遠い。それに色々な殿舎の前を通らなければならないし。「源氏物語」の桐壺更衣は大変だっただろうなと肌で感じることが出来ました。
さらに、登花殿の跡では定子さまや清少納言を想い、梨壺のあとでは清原元輔(清少納言の父)や源順(徽子女王と親交があった)などの「梨壺の五人」を想い、楽しかったです。
そんなこんなで承香殿に戻り荷物をまとめてチェックアウト。内裏跡で楽しい一夜を過ごすことが出来て幸せでした。
次はタクシーで京都アスニーに向かいます。私は初めて訪れる場所です。一度来てみたかったので楽しみ。
こちらでは企画展「平安時代の舞と音楽ー雅楽の世界ー」を鑑賞。琵琶や笛などの雅楽器、舞装束などが展示されていました。ガラスケースに入っていましたが、比較的近い位置に展示されていたので、視力の弱い私も充分楽しむことが出来ました。
展示を見終わったあと、私、「ここって平安京の模型が展示されているのよね。見てみたい」と友人たちにおねだり。早速見に行くことになりました。
平安京模型は、平安京を1000分の1に縮小した模型で、この模型の中で平安時代400年分がぎゅうっと凝縮されています。
まず平安京のメインストリート、朱雀大路を南側から見てみました。もう、大感激。
そのあと東側に移動、九条通を東側から見てみました。そうそう、平安京を入ったところに平盛国さんの邸宅があって、そこで清盛さんが亡くなったのよね。その西隣は九条兼実さんの邸宅♪と色々妄想。ちなみに私のHN「九条えりか」の苗字「九条」は九条兼実さんから頂いたものです。
こうして平安京模型をぐるっと1周しました。伊勢の斎宮に斎宮の10分の1模型があるように、京都にも平安京の10分の1模型ができないかなあ。でも、広い土地が必要か…。それなら内裏だけでも10分の1模型を作って欲しい…なんて思ってしまいました。
模型を見ているうちにちょうどお昼の時間になったので、アスニーの食堂でランチを頂きました。私は月見とろろそばを注文。そばは手打ちらしく、歯ごたえがあっておいしかったです。味もちょうど良かったです。ごちそうさまでした♪
食事が終わると一端京都駅に出てコインロッカーに荷物を預け(何しろみんな、荷物がものすごく多くなってしまったものですから)、バスに乗って西本願寺の斜め向かいの井筒南店ビルの5階にある風俗博物館へ。
こちらは、「源氏物語」のシーンが4分の1模型で再現されていて、実物大展示室では平安時代の装束、袿や狩衣を着ることが出来る素敵なところです。
今回(2013年7月~2013年11月までの展示内容は次の通り(風俗博物館さんのホームページより)
『源氏の栄華を彩った三人の御子』
①冷泉帝 ~六條院行幸~『源氏物語』「藤裏葉」
②明石姫君と夕霧 ~雛あそび~『源氏物語』「蛍」
③明石女御 ~皇子立坊と紫上の重厄~『源氏物語』「若菜下」
④源氏の子孫 ~匂宮と薫~『源氏物語』「横笛」
⑤局 ~女房の日常 伏籠と裁縫~
⑥夕霧 ~源氏四十賀~『源氏物語』「若菜上」
⑦四季のかさね色目に見る平安王朝の美意識
私はこちらを訪れるのは3年ぶりですが、その間に改装工事があり、レイアウトが変わっていて驚きました。それに、展示が少し上の方になってしまい、少し見にくくなってしまって残念でした。
それと、これが一番の原因なのですが、私、展示内容を予習してくるのを忘れていました。ほんと、これは致命的でした。今度こちらを訪れるときはしっかり予習してこなくては。それでも雰囲気だけは味わうことが出来て良かったです。幼い薫がかわいらしかったなあ。それと女房の髪が長くて素敵でした。
展示を見たあとは実物大展示室へ。友人たちと袿を羽織り、昨夜と同じくお姫さまごっこをしました。楽しかったです。ただ、御帳台がなくなってしまっていたことが残念でしたが…。
私は、3時56分京都発の新幹線で帰途につくことになっていたので、風俗博物館から駅に直行。友人に手伝ってもらっておみやげと夕食に食べるようにと幕の内弁当を買いました。喉が渇いていたので新幹線の中で飲むようにと、お茶も買ってきて頂きました。ありがとうございました。
こうして友人たちに見送られて無事に帰途についた私です。
少しずつ暮れていく秋の空を見ながら大好きな音楽に耳を傾け、色々なことを考えました。この2日間、とっても幸せでした。そして、色々な方々にお世話になりました。結婚していた頃はだんなさんを頼りにし、支えてもらっていましたが、今は色々な方々に少しずつ、支えて頂いているような気がしました。
この2日間、京都はとても暑く、半袖でも充分だったのですが、名古屋あたりで急に寒くなり、あわてて上着を羽織りました。確実に日常生活に戻されているような気がしました。こうして行きと同じように静岡で普通電車に乗り換え、夜7時頃無事に帰宅。
おなかが空いていたのでまず、京都駅で買ったお弁当を頂きました。3種類のご飯と煮物、天ぷら、魚、肉団子、卵などが少しずつ入っていて、とてもおいしかったです。いつも思うのですが、京都駅のお弁当ってなぜこんなにおいしいのでしょう?
最後に、今回の京都旅行でお世話になった皆様に心よりお礼申し上げます。私は障害があるので色々と面倒をかけることが多いですが、皆様本当に優しくして下さり、仲間として受け入れてもらっていて感謝の気持ちでいっぱいです。またぜひご一緒いたしましょう。
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翌日、目覚めたとき思ったことは、「そうだ、今、承香殿にいるんだ~」ということでした。そして、承香殿を賜っていた后妃についてしばし妄想。
まず思い浮かんだのは村上天皇女御の徽子女王さま。幼いときに伊勢の斎王をつとめたことから、「斎宮女御」とも呼ばれていた方です。
後年、娘の規子内親王がかつての自分と同じく斎王として伊勢に下るとき、母親が娘の斎王に付き添って伊勢に下るという先例がないにもかかわらず、娘とともに伊勢に下向しました。思い入れが強すぎて未だに彼女の人物伝を書けないでいる私です。
次に思い浮かんだのが一条天皇女御の藤原元子さま。一条天皇と死別後、父の顕光さんの反対を押し切って源頼定さんの妻となった情熱的な女性です。
そして宇多天皇女御の藤原胤子さま。私がこの3月に書いた小説風人物伝のヒロイン、宮道列子さんの娘さん。あまり史料のない人ですが、摂関家との血縁が薄いのにもかかわらず自分の子を皇太子に立てたのだからきっと、権謀実数にたけた人だったのだろうなと想像し、そのように描いてみました。
現在私は、かつて彼女たちが生活していた場所と同じ所にいるのだと思うとわくわくします。
さて、起き上がって着替えをし、7時半からNHKBSプレミアムで放映された連続テレビ小説「あまちゃん」の最終回をみんなで見ました。そして流れてきた「潮騒のメモリー」をみんなで思わず合唱。「あまちゃん」からはたくさん元気をもらいました。ありがとうございました。
朝食は、友人が持ってきて下さったお米に赤米を混ぜて炊いたご飯と味噌汁、それにふぐのあぶり焼きとちりめんじゃこをおいしく頂きました。
朝食後は内裏跡散策に出かけました。
かつて承香殿があった跡に建っている町屋ゲストハウス、東対と西対を全体から見るとこんな感じ。

私はやはり、天皇の私的な居場所、清涼殿と、后妃たちが生活していた後宮の殿舎の位置に興味があったのでわくわく。清涼殿と承香殿はかなり近いのに驚きました。これなら、承香殿で徽子女王が琴を弾いていたら清涼殿にいらした村上天皇にはしっかり聞こえたでしょうね。そしてこんなに近くで2人は歌の贈答をしたのか…と、意外にも思えましたが。
清涼殿と近い後宮の殿舎でまっさきに思い出すのが弘徽殿。こちらは「源氏物語」の世界でも実世界でも、後見のしっかりした后妃が入った殿舎です。歩いてみるとほんの目と鼻の先。うん、納得。
それに対して、後見のない后妃が入ったのが桐壺。清涼殿から歩いてみるとかなり遠い。それに色々な殿舎の前を通らなければならないし。「源氏物語」の桐壺更衣は大変だっただろうなと肌で感じることが出来ました。
さらに、登花殿の跡では定子さまや清少納言を想い、梨壺のあとでは清原元輔(清少納言の父)や源順(徽子女王と親交があった)などの「梨壺の五人」を想い、楽しかったです。
そんなこんなで承香殿に戻り荷物をまとめてチェックアウト。内裏跡で楽しい一夜を過ごすことが出来て幸せでした。
次はタクシーで京都アスニーに向かいます。私は初めて訪れる場所です。一度来てみたかったので楽しみ。
こちらでは企画展「平安時代の舞と音楽ー雅楽の世界ー」を鑑賞。琵琶や笛などの雅楽器、舞装束などが展示されていました。ガラスケースに入っていましたが、比較的近い位置に展示されていたので、視力の弱い私も充分楽しむことが出来ました。
展示を見終わったあと、私、「ここって平安京の模型が展示されているのよね。見てみたい」と友人たちにおねだり。早速見に行くことになりました。
平安京模型は、平安京を1000分の1に縮小した模型で、この模型の中で平安時代400年分がぎゅうっと凝縮されています。
まず平安京のメインストリート、朱雀大路を南側から見てみました。もう、大感激。
そのあと東側に移動、九条通を東側から見てみました。そうそう、平安京を入ったところに平盛国さんの邸宅があって、そこで清盛さんが亡くなったのよね。その西隣は九条兼実さんの邸宅♪と色々妄想。ちなみに私のHN「九条えりか」の苗字「九条」は九条兼実さんから頂いたものです。
こうして平安京模型をぐるっと1周しました。伊勢の斎宮に斎宮の10分の1模型があるように、京都にも平安京の10分の1模型ができないかなあ。でも、広い土地が必要か…。それなら内裏だけでも10分の1模型を作って欲しい…なんて思ってしまいました。
模型を見ているうちにちょうどお昼の時間になったので、アスニーの食堂でランチを頂きました。私は月見とろろそばを注文。そばは手打ちらしく、歯ごたえがあっておいしかったです。味もちょうど良かったです。ごちそうさまでした♪
食事が終わると一端京都駅に出てコインロッカーに荷物を預け(何しろみんな、荷物がものすごく多くなってしまったものですから)、バスに乗って西本願寺の斜め向かいの井筒南店ビルの5階にある風俗博物館へ。
こちらは、「源氏物語」のシーンが4分の1模型で再現されていて、実物大展示室では平安時代の装束、袿や狩衣を着ることが出来る素敵なところです。
今回(2013年7月~2013年11月までの展示内容は次の通り(風俗博物館さんのホームページより)
『源氏の栄華を彩った三人の御子』
①冷泉帝 ~六條院行幸~『源氏物語』「藤裏葉」
②明石姫君と夕霧 ~雛あそび~『源氏物語』「蛍」
③明石女御 ~皇子立坊と紫上の重厄~『源氏物語』「若菜下」
④源氏の子孫 ~匂宮と薫~『源氏物語』「横笛」
⑤局 ~女房の日常 伏籠と裁縫~
⑥夕霧 ~源氏四十賀~『源氏物語』「若菜上」
⑦四季のかさね色目に見る平安王朝の美意識
私はこちらを訪れるのは3年ぶりですが、その間に改装工事があり、レイアウトが変わっていて驚きました。それに、展示が少し上の方になってしまい、少し見にくくなってしまって残念でした。
それと、これが一番の原因なのですが、私、展示内容を予習してくるのを忘れていました。ほんと、これは致命的でした。今度こちらを訪れるときはしっかり予習してこなくては。それでも雰囲気だけは味わうことが出来て良かったです。幼い薫がかわいらしかったなあ。それと女房の髪が長くて素敵でした。
展示を見たあとは実物大展示室へ。友人たちと袿を羽織り、昨夜と同じくお姫さまごっこをしました。楽しかったです。ただ、御帳台がなくなってしまっていたことが残念でしたが…。
私は、3時56分京都発の新幹線で帰途につくことになっていたので、風俗博物館から駅に直行。友人に手伝ってもらっておみやげと夕食に食べるようにと幕の内弁当を買いました。喉が渇いていたので新幹線の中で飲むようにと、お茶も買ってきて頂きました。ありがとうございました。
こうして友人たちに見送られて無事に帰途についた私です。
少しずつ暮れていく秋の空を見ながら大好きな音楽に耳を傾け、色々なことを考えました。この2日間、とっても幸せでした。そして、色々な方々にお世話になりました。結婚していた頃はだんなさんを頼りにし、支えてもらっていましたが、今は色々な方々に少しずつ、支えて頂いているような気がしました。
この2日間、京都はとても暑く、半袖でも充分だったのですが、名古屋あたりで急に寒くなり、あわてて上着を羽織りました。確実に日常生活に戻されているような気がしました。こうして行きと同じように静岡で普通電車に乗り換え、夜7時頃無事に帰宅。
おなかが空いていたのでまず、京都駅で買ったお弁当を頂きました。3種類のご飯と煮物、天ぷら、魚、肉団子、卵などが少しずつ入っていて、とてもおいしかったです。いつも思うのですが、京都駅のお弁当ってなぜこんなにおいしいのでしょう?
最後に、今回の京都旅行でお世話になった皆様に心よりお礼申し上げます。私は障害があるので色々と面倒をかけることが多いですが、皆様本当に優しくして下さり、仲間として受け入れてもらっていて感謝の気持ちでいっぱいです。またぜひご一緒いたしましょう。
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