平安夢柔話

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百人一首の作者たち

2007-10-30 14:28:11 | 図書室2
 今回は、百人一首関連の本の紹介です。

百人一首の作者たち(角川ソフィア文庫)
 著者=目崎徳衞 価格=700円 発行=角川学芸出版

内容
激情型の小野篁、女好きな在原業平、何ごとにも秀でた大納言公任、単純な陽成院…。王朝時代を彩る百人一首の作者たちは百人百様だ。王朝和歌の碩学が、『古今集』『後撰集』『大鏡』などに描かれる人間模様や史実、説話を読み解きながら、作者の新たな魅力を紹介。歌だけではうかがい知れない、百人一首の雅な世界へと誘う。作者の心に触れ、百人一首をより深く味わうエッセイ。

[目次]
 序章 王朝文化の系譜―百人一首とはいかなるものか
 1章 万葉歌人の変貌―人間化と神化と
 2章 敗北の帝王―陽成院・三条院・崇徳院
 3章 賜姓王氏の運命―良岑父子と在原兄弟
 4章 古代氏族の没落―小野氏と紀氏と
 5章 藤氏栄華のかげに―夭折の貴公子たち
 6章 訴嘆の歌と機智の歌―文人と女房の明暗
 7章 遁世者の数奇―能因より西行へ
 終章 定家と後鳥羽院―百人一首の成立


 この本は、著者の目崎先生のお言葉を借りると、「百人一首」の解説書ではなく、百人一首の作者たちの人間模様と、400年にわたる文化史を描いたものです。なので、特に奈良・平安時代の歴史に興味のある方は楽しく読める本だと思います。私も興味深く、楽しく読ませていただきました。

 特に私が興味を引かれたのは、2章と5章です。

 2章では、タイトルの通り陽成天皇、三条天皇、崇徳天皇について述べられていますが、もっとも紙数が裂かれているのは陽成天皇です。

 陽成天皇は藤原氏の謀略によって退位させられたこと、陽成天皇と宇多天皇の対立、更には陽成天皇の皇子元良親王の破天荒な生き方にも触れられています。元良親王と、宇多天皇の出家後の寵姫である藤原芳子(藤原時平女)の密通の話も興味深いです。

 5章では、文字通り藤原氏の人たちについて触れられています。

 「百人一首」の作者の藤原氏の人たちのうち、政界に君臨したのは藤原師輔と藤原忠通だけだという記述はなるほどと思いました。藤原伊尹も摂政になっていますが、2年足らずで世を去ってしまった上、子孫が不遇だったために数には入れなかったのだそうです。

 このように、藤原氏の百人一首の歌人には、不遇な人たちが多いとのこと。そしてその中で、左近衛中将という将来を期待された官職に昇りながらも、突然陸奥守に左遷されてしまった藤原実方の伝説に彩られた生涯について詳しく紹介されていました。

 この他にも、天智天皇が百人一首の冒頭におかれた理由、在原行平・業平兄弟のこと、記氏や大江氏などの古代豪族の末裔歌人のこと、僧侶や女房たち、後鳥羽院と定家の関係と百人一首の成立事情など、興味深い論考が収められています。特に女房たちに関して、平安中期の女房たちの歌は生活の中で詠まれたもの、それに対して院政期の女房たちの歌は歌合わせで詠まれたものという記述は、その時代時代の女房たちの立場がわかって興味深く感じました。

 このようにこの本は、百人一首に興味のある方はもちろん、最初の方でも書きましたが奈良・平安時代の歴史に興味のある方にもお薦めの1冊だと思います。ご興味を持たれた方はぜひ手に取ってみて下さい。

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病院診察と健康講座、そして…

2007-10-22 18:43:37 | えりかの平安な日々 04~09
 遅くなりましたが、先週の土曜日の日記を…。

 私が応援している中日ドラゴンズが、セリーグの2位ながらクライマックスシリーズを征し、日本シリーズへの出場を決めた20日は、掲示板にも書きましたように1日中あちらこちらを動き回っていたような1日でした。では、その時のことを時間を追って書いてみますね。

 この日は朝8時起床。かなり遅い起床ですが、前の晩、寝たのが夜中の1時。しかもあまり良く眠れませんでした。起床したあとエリカに朝食をあげたり布団をたたんだりして、そのあと私たちの朝食。朝食後は出かける支度です。化粧水が目に入ってしまうというハプニングがありどきっとしましたが、10時前にだんなさんと一緒に家を出て静岡に向かいました。私の病院診察の日で、しかも先日の血液検査の結果も出るので少しどきどきです。

 さて、血液検査の結果は…、先生のお言葉を借りると、「非常に良いです」とのこと。3ヶ月前はかなり悪かったコレステロールと中性脂肪、それと問題の肝臓の値も正常範囲になっているということでした。ほっとしました~。

 ところが先生は、「それでは、いつものようにお薬を3種類出しておきますね。」と言ったのです。それで私、「やっぱりお薬は減らないのですね?」と聞いてみたのです。すると先生は私のカルテをじっと見て、「中性脂肪とコレステロールは正常範囲ですね…。では、高脂血症の薬を中止して様子を見てみましょうか?」と言って下さったのでした。

 …というわけで、今度の病院診察は4週間後、その時に4回目の血液検査を行うことになりました。あとで私の血液検査の詳しい結果を書いた書類を見て、コレステロール・中性脂肪ともにかなり高い方の正常値だったので、薬を中止してもらったことをちょっと後悔しましたが…。それでも、薬なしでどのくらいの値になるか見てみるのもいいことかもしれませんよね。前向きに考えることにします。

 ところで、今日の病院診察はそれだけでは終わりませんでした。
 実は私とだんなさん、インフルエンザの予防接種の予約をこちらの病院に入れていました。注射を行う時期は11月…ということになっていたのですが…、「せっかくなので今日やっていこう」ということになってしまったのでした。そこで私も、約10年ぶりくらいに注射を打たれました。今度の診察の時に2回目の予防接種を受けることになっています(2回受けた方が効き目がよいと聞きましたので)。そうすると次の診察の日は血を取られた上、注射まで打たれるってことですよね?え~って感じですが…。

 病院診察が終わると静岡駅に戻り、駅構内のレストランに入ってランチを食べました。私は魚介類のトマトソースのパスタ、だんなさんはなすの入ったミートソースのパスタを食べました。サラダとドリンクもついていておいしかったです。おいしい物を食べるとやっぱり幸せ♪

 ランチのあとは再びさっきの道を戻り、病院と同じ建物にあるだんなさんの勤務先の学校へ。今日は午後2時から健康講座があるので受講することになっていました。講師は私の主治医の先生と、やはり学校併設の接骨院の先生です。場所は学校の3階にある講堂。実はこの講堂にも入ってみたかったのですよね。

 私の主治医の先生の講義は「メタボリックシンドロームについて」、何か、私のことを言われているような感じでしたが…。肥満・高血圧・高脂血症・糖尿病のうちの二つが当てはまるとメタボリックシンドロームなのだそうです。私は高脂血症は改善されつつありますが、まだしっかり肥満で高血圧です。特に血圧は、薬を飲んでいても140~150くらいありますので油断はできませんよね。先生は、食事療法や運動療法のことまで色々お話しして下さいましたのでとても参考になりました。とにかく本当に病気にならないように毎日の生活に気を配らなくては。

 接骨院の先生の講義は腰痛と膝痛について。腰痛体操も教えて下さったのでこちらもとても参考になりました。簡単な体操なのでこれからやっていこうと思っています。

 …というわけで、1時間あまりの講座を追えて島田に帰り着いたのが午後4時過ぎ。でもまだ家には帰らず、タクシーで5分くらいの所にある中型スーパーに買い物に行きました。魚が欲しかったものですから…。

 2年前のこちらの記事に書いたのですが、家の近くのスーパーの魚の物が悪くなり、それからは魚屋で魚を買っていた私です。
 ところが、この魚屋はとても小さいのであまり種類がない上、夕方にはほとんど売り切れてしまっているのです。そこで最近は、こちらの中型スーパーで魚を買っています。わりとしっかりした、物の良い魚を売ってくれているので助かっています。

 …というわけで、サンマやさば、さけ・たらなどを買いました。スーパーを出たのは5時過ぎ、すでに薄暗く、風が冷たかったのには驚きました。この日の私の服装は少し厚めの七分袖のブラウスと長袖のカーディガン、それにスカートでしたが、昼間はものすごく暑かったです。静岡の町中を歩きながら「暑い、「暑い」としきりに言う私にだんなさんは、「おまえは脂肪が多いから暑く感じるんだ。」と言っていましたが…。夕方になるとこんなに寒くなってしまうとは驚きです。今の時期は1日の寒暖の差が激しいのですよね。こういうときに風邪をひくので気をつけなくては。

 スーパーから家まで歩いたので、帰宅したのは5時半頃でした。帰宅後すぐに夕食の支度に取りかかります。3ヶ月前は、寝不足でこれだけ動き回った日は帰宅後はぐったりと疲れてしまい、夕食の支度などできなかったので、こうしてわりと元気に料理を作れることに感謝。何だかんだ言っても確実に良くなっているのだと思います。

 しかし…、夕食後はどっと浸かれと眠気が…。でも、クライマックスシリーズ第3戦はしっかり見ました。ちょっと冷や冷やしたけれど、とにかく中日ドラゴンズが勝って良かった。5連勝で日本シリーズ出場なんて夢のようです。こうなったら53年ぶりの日本1を目指して欲しいです。…こうして色々あった1日が終わりました。たまにはこういう日もいいですよね。

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第69代 後朱雀天皇

2007-10-16 15:14:44 | 系譜から見た平安時代の天皇
☆生没年  1009~1045
☆在位期間 1036~1045
父・一条天皇 母・藤原彰子(藤原道長女)

☆略歴
 名は敦良。一条天皇の第三皇子。

 寛仁二年(1017)、敦明親王の東宮辞退によって兄後一条天皇の東宮となり、長元九年(1036)、兄の後を受けて即位します。

 後朱雀天皇は英明な性格な上、兄に比べると厳格で、天皇の責を果たそうとつとめていたようです。しかし、おじに当たる関白頼通の権威が大きく、天皇の意のままにならないことが多々あり、苦悩も多かったようです。また、当時不穏であった天台僧徒とのことに関しても心をいためていたようです。

 後宮は、東宮時代の妃藤原嬉子(道長女)を始め、中宮藤原(女原)子(頼通養女)、皇后禎子内親王(三条天皇皇女)、藤原生子(教通女)、藤原延子(頼宗女)と華やかでしたが、外戚の思惑も強く、そこも天皇にとっては苦悩の種だったかもしれません。

 寛徳二年(1045)に37歳で崩御します。陵は現在の京都市右京区竜安寺朱山にある円乗寺陵。

 和歌にも優れ、『後拾遺』『新古今』『新千載集』等の勅撰歌集に作が見えるそうです。「自分は天皇の器ではないかもしれない」と苦悩するかたわら、和歌に楽しみを見いだしていたのかもしれませんね。


☆父方の親族

祖父・円融天皇 祖母・藤原詮子(藤原兼家女)

*後朱雀天皇の父である一条天皇には兄弟姉妹がいませんので、後朱雀天皇にはおじ・おば・いとこはいません。


☆母方の親族

祖父・藤原道長 祖母・源 倫子(源 雅信女)

おじ
 藤原頼通 藤原教通 藤原頼宗 藤原顕信 藤原能信 藤原長家

おば
 藤原妍子 藤原威子 藤原嬉子 藤原寛子 藤原尊子

主ないとこ
 藤原通房 橘 俊綱(橘 俊遠養子) 藤原師実 藤原寛子(以上、父は藤原頼通)
 藤原信長 藤原生子 藤原歓子(以上 父は藤原教通
 藤原俊家 藤原能長(藤原能信養子) 藤原延子(以上 父は藤原頼宗)
 藤原道家 藤原忠家(以上 父は藤原長家)

 禎子内親王(母は藤原妍子
 章子内親王 馨子内親王(以上、母は藤原威子)
 後冷泉天皇(母は藤原嬉子)
 敦元親王 環子内親王(実際の字はぎょくへんではなくにんべんだそうです)(以上 母は藤原寛子)
 源 俊房 源 顕房 源 麗子(以上 母は藤原尊子)


☆兄弟姉妹とおい・めい

兄弟(○は同母兄弟 *は異母兄弟)
 ○後一条天皇 *敦康親王

姉妹(○は同母姉妹 *は異母姉妹)
 *脩子内親王 *(女美)子内親王

めい
 (女原)子女王(父は敦康親王 後に藤原頼通の養女となり藤原(女原)子と名乗る)
 章子内親王 馨子内親王(以上 父は後一条天皇)


☆后妃と子供たち

 藤原嬉子(藤原道長女) → 親仁親王(後冷泉天皇)

 禎子内親王(三条天皇皇女 陽明門院) → 尊仁親王(後三条天皇) 良子内親王 娟子内親王

 藤原(女原)子(敦康親王女 藤原頼通養女) → 祐子内親王 (示某)子内親王

 藤原生子(藤原教通女)

 藤原延子(藤原頼宗女) → 正子内親王


☆末裔たち

 後朱雀天皇のあとは第一皇子の親仁親王が即位、後冷泉天皇となります。頼通や教通は、藤原摂関家の血を引くこの天皇に何とか皇子を…と考え、それぞれ娘を入内させますが、皇子はついに生まれませんでした。そのため皇位は東宮であった後冷泉天皇の弟、尊仁親王が後三条天皇として即位したあとはこちらの系統に移っていきます。また、藤原摂関家を外戚としない後三条天皇の即位に伴い、摂関家の力も少しずつ衰えていくことになるのです。


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お祭り真っ最中

2007-10-13 16:55:52 | えりかの平安な日々 04~09
 3週間前から処方されている「交感神経を抑える薬」を朝から夜にかえてもらったところ、すごく調子がいいです。この薬を朝飲んでいたときには、昼間眠くてたまらず、夜になると目が冴えてしまう…という状態だったのですよね。
 それが夜飲むようになってからは、昼間眠くなることもあまりなくなり…というか、眠くなったとしても30分ほどうとうとすれば頭がすっきりしますし、夜はぐっすり眠れます。おかげで睡眠のリズムも正確になって助かっています。

 さてさて、話は変わって、現在、私の住んでいる町では3年に1回のお祭りが行われていてにぎやかです。家にいても笛や太鼓の音がよく聞こえます。それで、気分もわくわくしてきます。
このお祭り、「島田帯祭」は、何と元祿時代から始まったという伝統のあるお祭りで、大名行列も行われます。詳しいことは、帯祭のホームページをご覧下さいませ。

 それで本日、だんなさんと一緒にお祭りを少し見てきました。ちょうど大名行列をやっていてラッキーでした。着物を着た人や馬を見ていると、江戸時代にタイムスリップしているようでわくわくです。

 それから、お店もたくさん出ていて、色々買ってしまいました。その一つが、上の写真、「帯祭キティちゃん」、奴さんの服を着ています。やっぱりキティちゃんは何を着てもかわいいです♪

 もちろん焼きそばやお好み焼きなども買ってしまいました。今週は温泉から帰ってきたあとはずっと摂生していましたのでいいかなと思って…。夕食の時に食べるのが楽しみです。

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週末のお出かけ

2007-10-08 11:40:52 | えりかの平安な日々 04~09
 掲示板にも書きましたように、6日・7日は泊まりがけで出かけてきました。ちょっと疲れたけれど楽しかったです。

 まず、6日の土曜日は朝8時前の電車に乗って静岡へ。私の病院診察の日だったので駅から歩いて病院に行きました。

 新しい薬のおかげで先々週は絶好調だったのですが、先週の中頃からまた、胸が苦しいという症状が…。だんなさんの体調もあまり良くなかったので精神的にも不安定でした。そのことを先生に話したところ、もう2週間、薬が延長になりました。
 でも、「この薬を飲むとすごく眠くなるんです~。夜飲んでもいいですか?」と言ったら許可して下さいました。良かった、これからは昼間ものすごく眠くなる…ということがなくなります。それに、今回は血圧があまり高くなかったので助かりました。

 それともう一つ、今回は血液検査をすることになっていたので、朝食抜きで診察を受けました。それで、診察室から血液検査をやるお部屋に移動しようとしていすから立ち上がったときふらっとめまいが…。「私、よっぽどおなかがすいているのね」と言ったらみんなに笑われました。本当、えりかは色気より食い気なのですよね~。
 とにかく、血液の状態が前回より良くなっていることを願うばかりです。

 診察が終わったあとはだんなさんと一緒に再び電車に10分ほど乗り、清水駅で降りました。そして、駅前のファーストフードの店に入って遅い朝食をとりました。おなかがすいていたので幸せ。ここで友人と待ち合わせ、清水区沖津というところにある駿河健康ランドという温泉施設に向かいました。ここは温泉と食堂とホテルが一緒になっている施設で、なかなか人気があるのだそうです。私も2回ほど訪れたことがありますが、温泉とホテルを利用するのは今回が初めてでした。特にだんなさんは、「温泉に入れば疲れがとれるしゆっくりできる」と、楽しみにしていたようです。

 さて、到着するとまず、みんなで温水プールに入りました。友人の子供さん(4歳)はプールに大喜び。気持ちはわかります。私も小さい頃はプールが大好きでしたから…。

 プールということで、ただ歩くだけではもったいない…と思い、20年ぷりに水泳をやってみました。でも、すぐ疲れてしまって長くは泳げません。それに、水の中に入っているうちにだんだん息苦しくもなってきました。やっぱり運動不足ですね。プールのあとにお風呂に行ったのですが、10分もお湯につかっているとのぼせてしまいました。お風呂には翌日の朝にも行ったのですが、結果は同じでした。お湯に入ってすぐは気持ちがいいのですけれどね…。やっぱり私、お風呂に長くつかっているのは苦手みたいです。そのようなわけで、お風呂から出たあとはお部屋で爆睡してしまいました。

 それよりも、「色気より食い気」の私(笑)、おいしい物をたくさん食べることができた方が嬉しかったかもしれません。6日のお昼はラーメンと餃子のセット、夜は焼きそばと手羽先の唐揚げとキュウリの漬け物を食べました。特に、焼きそばと手羽先の唐揚げは久しぶりに食べたのでとてもおいしかったです。幸せ♪

 翌日の朝はコンビニで買ったおにぎりですませたのですが、お昼にはカツ丼を食べました。こちらも久しぶりに食べたのでおいしかったです。味つけもちょうど良かったし、カツと卵がよくマッチしていて何とも言えないのですよね。

というわけで、食事制限をしている私がこれだけ食べてしまっていいのかというくらい、油ものと肉料理をたくさん食べてしまいました。でも、血を抜かれたあとだから大丈夫、今度の血液検査は早くても来月の末だし、帰ってからまた摂生すればいいよね…と思いながら楽しく食べることができました。このように、ゆっくりと楽しく過ごすことができた二日間でした。まだはっきり決まっていませんが、もしかすると今月の末にもう一度行くかもしれません。

 写真は、宿泊したお部屋から見た駿河湾です。波も穏やかできれいです。

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王朝序曲

2007-10-05 11:26:07 | 図書室3
 10年来の愛読書であるこの本を最近再読しました。やっぱり面白かったです。まだこちらで紹介していませんでしたので紹介させていただきますね。

☆王朝序曲 上 永井 路子 著
  1997 \504 角川書店・角川文庫

[要旨]
長岡京への遷都、蝦夷出兵と大胆な政治を押し進める帝王桓武。しかし、蝦夷攻略は
失敗、相次ぐ妃の死、大水害に見舞われ、かつて自らが宮廷から追放した早良親王ら
の怨霊に惑わされ、再び遷都を決意した。亡き母親への憧憬拭いがたい安殿は、後宮
入りした娘の母・藤原薬子の身体にのめり込み、その関係を咎める桓武帝と相剋を深
める。平安遷都七九四年、官等をめざして縺れあう藤原真夏、冬嗣兄弟の愛憎、皇太
子・安殿との骨肉の相剋に命をすりへらしていく帝王桓武を描く、長編歴史大河小説
の大作。


☆王朝序曲 下 永井 路子 著
1997 \504 角川書店・角川文庫

[要旨]
六十の齢に達し、病床の身にあった桓武帝は、いよいよ安殿に譲位した。平城帝が誕
生し、ひとつの時代が終りを告げた。新帝は、一度は遠ざけられた藤原薬子を近任さ
せ、薬子は宮廷での権力を強めた。出世に背を向けた冬嗣は、鷹揚な皇子・賀美能に
仕えるが、計らずも平城は、賀美能を皇太子に指名し、冬嗣もまた、政治抗争の中央
へ引き出されていく…。桓武から平城、そして嵯峨へ。権力と愛欲の葛藤がくりかえ
され、平和がくる。野望と挫折、長編歴史大河小説の力作。


☆永井路子歴史小説全集 4 王朝序曲 永井 路子 著
1995 \3,466 中央公論新社

[要旨]
平安時代は、薬子の変後の嵯峨朝に始まる。王朝の推進者藤原冬嗣、真夏兄弟を軸に
、桓武・平城・嵯峨の三代に亘る波瀾の時代を描く。


 なお、写真は私が所持している1994年発行の初版の単行本ですが、こちらはすでに絶版です。上記の2タイトルが現在でも入手可能のようです。

 この本は、「この世をば」「望みしは何ぞ」に先立つ、永井路子さんの「王朝三部作」の1冊です。本の紹介文にもありますように、桓武から平城、嵯峨天皇にわたる激動の時代を、主に藤原北家の内麻呂を父とする真夏・冬嗣兄弟の目を通して描いた歴史小説です。

 桓武天皇を父とする安殿親王、権力者藤原百川を父とする藤原緒嗣と同年代でありながら、父の官位が低かったためほとんど世間から注目されなかった真夏と冬嗣、しかし、運命は二人を政治の中枢へと導いていきます。まず、兄の真夏が皇太子となった安殿親王の側近となったことから官界にデビューすることになります。そして、父が少しずつ出世したことから、冬嗣も休廷に出仕、しかし冬嗣は出世に背を向け、帝位とは縁のないと思われた安殿の弟、賀美能親王に仕えることになるのですが、賀美能が平城天皇となった安殿の皇太子となり、やがて嵯峨天皇として即位したことから、彼もまた政治の中枢へと引き出されていきます。すなわち、平城太上天皇と嵯峨天皇が対立し、大同五年(810)、薬子の乱が勃発。しかしこの乱は、実際は平城太上天皇の寵姫である藤原薬子と、嵯峨天皇側近の冬嗣の戦いだった…と、この小説では描かれていました。

 この小説の特長は、永井さんの他の作品に見られるものと同じく、史実を忠実に、しかも面白くわかりやすく小説化していること、そして、登場人物が個性的で生き生きしていることでしょうか。桓武天皇、安殿親王、賀美能親王をはじめ、冬嗣の異父弟の良岑安世、冬嗣の妻の美都子、美都子の弟の三守、みんな魅力的ですが、一番心ひかれたのはやっぱり冬嗣です。

 私は、この小説を読んで、すっかり冬嗣のファンになってしまいました。人柄が穏やかで一見平凡で頼りなさそうですが、いざというときは力を発揮する、そんな人物に描かれているのです。そこがとても格好良いです。今回再読した理由も、「冬嗣さんにお会いしたい!」という単純な理由だったのですが、冬嗣さんは期待通りでした。(^^)

 また、今回の再読ではお兄さんの真夏さんにも注目してみました。冬嗣とは逆に、感情を表に出すことの多い人物ですが、安殿親王への忠誠心は一途で、すごく素直な人だなという印象を受けます。真夏は薬子の乱で失脚してしまうのですが、「何とか官界に戻れるように力を尽くしますから」と言う冬嗣に、「俺は安殿さまと同じ年だ。最後まで安殿さまと運命を共にする」と言って、剃髪した平城太上天皇のいる奈良の旧都に戻っていきます。この場面はさわやかで感動的でした。

 冬嗣は薬子の乱のあと出世をし、ついに左大臣に上り詰めます。彼の娘の順子は嵯峨天皇の皇子である後の仁明天皇に入内して皇子を生み、その皇子は文徳天皇となります。冬嗣の息子の良房は人臣初の摂政となり、藤原北家は天皇の外戚として絶大な権力を持ち、約150年後には道長が登場して全盛期を迎えることになりますが、政治面・文化面ともにその基礎を築いたのは冬嗣と嵯峨天皇ではなかったかと、この小説を読んで強く感じました。

 一方、真夏お兄さんの血統もしっかり続いています。彼の子孫には歌人の伊勢、藤原兼家側近の藤原在国(有国)、浄土真宗を開いた親鸞などがいます。足利将軍の御台所を何人か出している日野家も彼の子孫です。系譜の面白いところですね。

☆なお、藤原有国については「平惟仲と藤原在国 ー平安時代のライバル」もご覧下さいませ。

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ようやく…

2007-10-01 11:26:50 | えりかの平安な日々 04~09
 10月になりましたね。それに合わせるかのように、このところすっかり涼しくなりました。暑い夏もようやく終わったようです。

 さて、掲示板にも書きましたが、先週の月曜日、私のパソコンの調子が急に悪くなりました。早く言えば起動しなくなってしまったのですよね。
 それで、修理に出そうと思ったのですが、修理代がものすごくかかるようなので、だんなさんの薦めもあって新しいパソコンを購入することになりました。実は私のパソコン、少し古い機種のようで、ウイルスソフトがうまく起動していなかったようなのですよね。その他にも、画面が時々消えてしまうなど、色々問題があったのですが…。

 そこで週末に新しいノートパソコンを購入したわけなのですが、これがなかなか手に負えないパソコンでして…。私は視力に障害がある関係で、特殊なキー操作で文字を入力するのですが、購入したパソコンではそのキー操作ができなかったのですよね。仕方がないので外付けのキーボードを利用することにしたのですが、一度パソコンを消してしまうと外付けキーボードの操作が全く効かなくなるのです。
 そこで、パソコンを起動させるたびにキーボードの線の取り外しをするようにしたところ、キー操作ができたのでやっと落ち着きました。そのようなわけでようやく、自分のパソコンを使えるようになりました。ほっとしています。

 ところで、自分のパソコンが使えない間、私は予備パソコン(ウインドーズがMEなのでネットにはつないでいません)で読書を楽しんでいました。読んだ本は平安小説で10年来の愛読書、やっぱり面白い。現在3分の2ほどを読み終えました。こちらではまだ紹介していない本なので、読み終えたら記事にまとめたいと思っています。そのようなわけでぼちぼちと復活しますので、これからもよろしくお願いします。

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