平安夢柔話

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吉川弘文館の「人物叢書」のこと

2011-06-11 21:15:47 | 読書日記
 吉川弘文館から刊行されている「人物叢書」、阿仏尼が出ていたのですね。

人物叢書 阿仏尼 田淵句美子 アマゾンでの紹介ページ

 阿仏尼は鎌倉時代の女流歌人、最初、守貞親王(のちの後高倉院)の皇女邦子内親王(安嘉門院)に仕えて「安嘉門院四条」と呼ばれていました。若い頃失恋して衝動的に出家、その後、御所に戻ったり寺に入ったりしたようです。
 建長五年(1253)頃、藤原為家(定家の子)の後妻となります。夫の死後、前妻の子と所領のことで訴訟となり、その旨を鎌倉幕府に訴えるために鎌倉に下りました。そして、京から鎌倉に下向したときの旅日記「十六夜日記」を著しました。訴訟が決着するのを見ずに鎌倉で病死したようです。

 そんな彼女の波乱の人生に、私は以前から興味を持っていたので、今週、静岡に行く用事があったので本屋に立ち寄ってこの本を購入しました。読むのが楽しみです。

 ところでこの「人物叢書」は、専門の先生が史料に基づいて書かれた歴史上の人物たちの伝記で、特に人物に関心がある私には注目のシリーズです。在原業平や徽子女王、宇多天皇、藤原彰子などが出ないかなあと、密かに期待しています。

 ちなみに、現在私の本棚に並んでいる人物叢書は↓の通りです。

 「紀 貫之」「藤原純友」「藤原佐理」「源 頼光」
 「清少納言」「紫式部」「藤原行成」「和泉式部」
 「一条天皇」「藤原忠実」「藤原頼長」「後白河上皇」
 「源 通親」「大江広元」「藤原定家」「阿仏尼」

 このうち、実は紫式部だけ2冊あります。
 というのは、8年前、こちらに引っ越してきたとき、「紫式部」が入れてあった箱の中になぜか消毒用アルコールの瓶を入れてしまったのです。そして、運んでいる途中にふたがゆるんでアルコールが漏れ、本がぬれて曲がってしまったのでした。それで、パソコンでの音声解析も困難になってしまったので、新しく買い直しました。

 そんな私の失敗談はともかく、
 私が持っている16冊のうち、3分の1くらいがまだ未読、あるいは拾い読み程度だったりします。早くしっかりと読まなくては…。
 すでに読んだ本のうち、個人的には「源 頼光」「紫式部」「清少納言」「藤原忠実」が特にわかりやすくて、興味深く読むことが出来ました。こちらもまた再読してみたいです。

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なりひらの恋 在原業平ものがたり

2011-06-06 22:03:11 | 図書室3
 前回に紹介した「業平ものがたり」に引き続き、伊勢物語関連の本の紹介、今回は、業平を主人公にした小説を紹介します。

☆なりひらの恋 在原業平ものがたり
 著者=三田誠広 発行=PHP研究所 価格=1470円

☆本の内容
 美男子なのに後ろ向き、高貴な出なのにマイペース…それでもみんなに愛された「なりひら」の恋物語。

☆目次
 春の章  起きているのか寝てるのか
 夏の章  わけもなく物想いにふける
 秋の章  これがほんとうの恋なんだね
 冬の章  都鳥さん教ぇておくれ
 あとがき “
主要登場人物・略系図

 「伊勢物語」の主人公のモデルとされる、在原業平の恋と生涯を、軽いタッチで描いた小説です。

 巻末の著者によるあとがきによると、この小説の業平は、史実の業平ではなく、「伊勢物語」のむかし男の業平、だから、「業平」ではなく、「なりひら」という表記になっっているのだそうです。

 確かに、史実的には「あれ?」と思う場面がありました。例えば、小説のラストの方に、業平が光孝天皇のお供をして狩に出かけるエピソードがあります。
 この話は、「伊勢物語」114段に掲載されている話ですが、光孝天皇が即位した当時、業平はすでに世を去っているので、この話は兄の行平のエピソードではないかと言われています。
 それで、なぜこのようなエピソードを業平のエピソードとして収録したかについて、あとがきによると、仁明天皇の皇子でも、皇位からはほど遠く、世の中から忘れられていた存在だったのに突然帝になった光孝天皇と、平城天皇の嫡流である業平は同じ境遇だからということでした。皇位から遠ざけられ、忘れられた皇族というのが共通点ということでしょうか。
 つまりこのエピソードは、もし、業平が同じ境遇だった光孝天皇が即位するまで生きていたら、どのような想いで光孝天皇を見ていたのかという、歴史フィクションと言えるかもしれません。これはこれで良いのではないかと思いました。

 前置きが長くなってしまいましたね。では、小説の内容と感想に移ります。

 この小説は、業平自身が自分のことを「なりひら」と呼んで、その生涯を語るというスタイルで書かれています。なので、業平の心の動きがストレートに伝わってきました。

 内容は、「伊勢物語」に収められているエピソードの他、作者によるフィクションもかなり織り込まれています。その例をいくつか挙げてみます。

・業平が高子の実父長良と酒を飲む場面がある。
・業平がふとしたことから菅家廊下に出入りするようになり、菅原道真から学問についての教えを受ける。逆に、業平が道真に和歌の手ほどきをする場面もある。
・伊勢物語23段(筒井筒の段)に登場する、「高安の女」の兄という設定の奈良麻呂というオリキャラが登場し、重要な役を演じる。

などです。

 また、この小説の大きなテーマは業平と高子の恋愛なので、「伊勢物語」に収められた2人の逃避行の話ももちろん出てきます。
 しかし、「伊勢物語」とはちょっとストーリーが違っていて、業平は高子を、母、伊登内親王の住む旧長岡京に連れて行き、2人は数日間、ここで一緒に生活しています。結局、「伊勢物語」と同じく、高子は兄たちによって平安京に連れ戻されてしまうのですが、業平と高子が短い間ながら、一緒に暮らすことが出来たという話は、何となく夢があっていいなあと思いました。

 あと面白かったのは、業平が他の歌人たちについて辛口の批評をしているところです。
 百人一首に収められた行平の歌や光孝天皇の歌などは、「つまらない歌」と切り捨てられています。僧正遍昭のことも、「歌が技巧に走りすぎていてけしからん」と言っていますし…。でも、「業平さん、あなたの歌も同じくらい、技巧に走りすぎていませんか?」とちょっとつっこみたくなってしまいました。

 この「なりひらの恋」は、以前に紹介した「異文・業平東国密行記」で描かれたようなかっこいい業平を期待するとかなり裏切られますし、史実とはかけ離れているかもしれませんが、エンターテインメントとして楽しむことが出来た1冊でした。さらっと気軽に読めるので、「伊勢物語」や業平にそれほど詳しくなくても楽しめると思います。


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近況&楽しみなこと

2011-06-03 21:27:24 | えりかの平安な日々 10~18
 半月以上、更新をさぼってしまいました。すみません。そこで今日は、久しぶりに日記を書いて更新することにします。

 では、まず近況から…。

 掲示板でも書きましたが、この前、「図書室」を更新した頃から、体調を崩していました。

 具体的に言うと、膀胱炎の症状がまた強く出てしまったのです。おまけに、何か悪い物を食べたのか、食あたりのようになってしまい、おなかが痛くなってしまいました。その間も、用事で出かけることが何度かあったのですが、帰宅するとぐったりしてしまい、パソコンを開く気力もありませんでした。
 それでも幸い、薬が効いて、1週間くらいで症状が軽くなり、今ではやっと本調子に戻ったという感じです。

 そう言えば、昨年の今頃も、風邪をひいておなかの調子が悪くなったのですよね…。ちょうど、暑くなったり寒くなったりする時期ですし、この時期は要注意かもしれません。来年は体調を崩さないように気をつけなくては。

 そんなわけで、ブログの新しい記事、次回は平安小説の紹介を予定しているのですが、下書きが書きかけのまま、全く進んでいません。でも、そろそろ下書きを再開したいです。更新、もう少しお待ち下さいませ。

 では、次の話題に行きますね。

 今月から8月にかけて、楽しみなことが多くて、生活に張り合いが出てきそうです。

 今月中旬は、ある会の定期総会に出席します。かなり多きな会なので、何を着ていこうかと思案中。一緒に出席するだんなさんは背広で行くので、私もブレザーを着ていかないとみっともないけれど、6月中旬というと暑いなあ。当日が涼しいといいのですが。

 その1週間後は、だんなさんとお義母さんと一緒に、隣町で開かれるお食事とお茶の会に出席します。こちらはそれほど堅苦しい会ではないので、半袖でも大丈夫だと思いますが、おしゃれをして行きたいです。食事もとっても楽しみです。

 7月中旬は、例年通り、同窓会に出席します。今年も、昨年と同じ会場で開催されます。浜名湖の近くなので、写真を撮れるといいなあ。良い写真が撮れたら、こちらにUPしますね。
 それから今年は、よく一緒にカラオケや食事に行く仲の良い友人も参加するので心強いです。楽しんできます。

 8月上旬には、2泊3日でかなり遠方に旅行に行きます。どちらに行くかは、まだ秘密ですが、京都より遠くに行くのは10年ぶりくらいなのでは。それから、生まれて初めて、新幹線ののぞみに乗ります。平家ゆかりのある史跡にも行けるので、すごく楽しみです。帰宅したら旅行記も書いてみたいです。

 そんなわけで、今年の夏は楽しみなことが目白押しです。楽しむためには、とにかく体調を崩さないようにしなくては。今から少しずつ、体力をつけないといけませんよね。

 そうそう、1週間くらい前だったでしょうか。階下にあるルームウォーカーで、早歩きを10分間やったら、疲れてぐったりしてしまったのですよね…。これではいけませんよね。そんなわけでこの夏は、ルームウォーカーをフル活用して運動しようと思っています。

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