平安夢柔話

いらっしゃいませ(^^)
管理人えりかの趣味のページ。歴史・平安文学・旅行記・音楽、日常などについて書いています。

満開の桜 ~京都1泊旅行2006年春3

2006-04-18 11:43:54 | 旅の記録
 風俗博物館の最寄りのバス停、西本願寺前から下鴨神社までの直通のバスは走っていないため、途中、今出川というところでバスを乗り換えることになりました。それにしても、相変わらず京都のバスは混んでいます。

 おなかもすいてきていましたので、乗り換え場所の近くのおそば屋さんに入って昼食を食べることにしました。私が注文したのは、具だくさんのおそば(名前を失念してしまいました。)。でもとてもおいしかったです。京都のおそばって薄味だけど、昆布だしがきいていてコクがあるのですよね。それに今回食べたおそばは具もたくさん入っていて、食べごたえがありました。しょうゆとみりんで煮込んだと思われる大きなしいたけも入っていました。このしいたけが特においしかったです。そして何よりも、大勢でおしゃべりしながら食べたのでよけいにおいしかったです。

 昼食を食べたあと、再びバスに乗り、目的地の下鴨神社に向かいました。10分くらいで到着。バスを降りるともうそこは人里離れた神聖な場所という雰囲気でした。

 バス停から下鴨神社の研修道場までは思いのほか距離がありました。でも天気が良くて風が心地よく、散歩をしているような雰囲気で良かったです。そして途中の土手にはきれいな桜が咲いていました。しかも満開です。京都で満開の桜を見たのは初めてでしたので大感激。早速だんなさんに頼んで写真を撮ってもらいました。今回の写真はその時の桜です。ね、きれいでしょう!?

 下鴨神社の研修道場の入り口で穴瀬さんとお会いしました。穴瀬さんとも初対面ですが、1年以上前からネット上でよくお話しをさせていただいていましたので初めてという気がしません。穴瀬さんは先日、こちらの研修道場を訪れていますので、撮影スポットもしっかりチェックなさっていらっしゃるとのこと、心強いです。
 
 さて、次はいよいよ平安の姫君に返信です。わくわくします。

源氏成分解析

2006-04-16 13:01:41 | 歴史雑記帳
 小池笑芭さんのサイト「源氏の部屋」で紹介されていた「源氏成分解析」というものを私もやってみました。

 この「成分解析」は現在ネット上で大変流行しているようで、私もやってみたかったのですが、ソフトをダウンロードしなければならないようでできないでいたのです。何しろ私のパソコンは旧式ですから、ソフトをダウンロードするとパソコンが動かなくなってしまう可能性がありますから…。でもこの「成分解析」、ネット上でも公開されていたのですね。しかも色々なバージョンがある……ということで、「源氏物語」大好きな私は早速「源氏成分解析」に挑戦してみました。

 まず、私のHNの「えりか」から。

源氏成分解析機によるえりかの解析結果
えりかの54%は雲居雁で出来ています
えりかの31%は藤の丸紋の指貫で出来ています
えりかの7%は櫛と簪で出来ています
えりかの7%は朧月夜で出来ています
えりかの1%は右大臣で出来ています

 「えー!」という感じです。でも雲居雁ちゃんは好きなので良いとしましょう。それにしても、「紫の丸紋の指貫」とか、「櫛と簪」というのは面白いですね。

 次に、私の本名でやってみた結果です。

63%ー王命婦
21%ー櫛と簪
7%ー右大臣
7%ー左大臣
2%ー玉鬘

 あらあら、こちらも「櫛と簪」出てきてしまいました。そして63%の王命婦って、源氏と藤壺の密通の手引きをするあの御方ですよね。脇役ですけれど「源氏物語」では重要人物です。

 そして、私のブログタイトル「平安夢柔話」の結果です。

平安夢柔話の74%は尼君で出来ています
平安夢柔話の23%は朧月夜で出来ています
平安夢柔話の2%は桐壺更衣で出来ています
平安夢柔話の1%は右大臣で出来ています

 「尼君」っていったい誰なのでしょう?…「源氏物語」は出家する女性が多いですけれど、最初から尼君だったというと紫の上のおばあさんの尼君と、明石の尼君くらいですよね。その尼君が「平安夢柔話」の約4分の3というのはどういうわけなのでしょうね(笑)。

 最後に、うちの愛猫「エリカ」でやってみました。

エリカの85%は葵の上で出来ています
エリカの7%は一条御息所で出来ています
エリカの3%は右大臣で出来ています
エリカの3%は紫の上で出来ています
エリカの2%は左大臣で出来ています

 何と、「エリカ」の85%が、夕霧を出産したあと若くしてはかなく亡くなってしまう葵の上だというのは驚きです。でも、大好きな紫の上がやっと出てきました。

 ちなみに、どの名前でやっても「右大臣」が出てきたのは面白かったです。右大臣というと弘徽殿の大后の父親で源氏の政敵。「源氏物語」の悪役の一人です。でも、物語をじっくり読むとこの右大臣、なかなか憎めないキャラクターなのですよね。もし右大臣が「源氏物語」に登場していなかったら、物語の面白さはかなり減少してしまったのではないでしょうか。

 …といろいろ遊んでみましたが、とても楽しかったです。「源氏物語」の好きな皆様、ぜひいかがでしょう?


☆リンク追加のお知らせ
 ブログ「おばあちゃんの日々好日」の管理人さんで、今回の旅行で京都を案内していただいた穴瀬さん@隣のおばちゃんのサイト、「隣のおばちゃん 成逸女性会」をブックマークのリンクに加えさせていただきました。
 写真の豊富な「京都の隠れた史跡」の紹介は見応えがあります。また、京都のお祭りの紹介、旅行記、地域の女性会の活動などもUPされています。京都の好きな方には絶対にお薦めです。
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 関連リンク
源氏の部屋源氏成分解析機
 笑芭さんが作成なさったとのことです。皆様もぜひどうぞ。

風俗博物館 ~京都1泊旅行2006年春2

2006-04-13 11:56:23 | 旅の記録
 今回の風俗博物館の展示は、
女三の宮六條院降嫁『若菜上』より
女三の宮と紫の上の対面『若菜上』より
女楽『若菜下』より
入道の宮『幻』より
というように、まさに女三の宮の生涯をたどる展示となっていました。そして今回の展示は「紫の上の好きな人にとっては見るのが辛いかも…」ということをうかがっていましたので、紫の上が好きな私もちょっと覚悟をして見に来たというわけです。

 では、展示の内容をお話しする前に、女三の宮の人生を簡単にまとめてみますね。

 今回の展示の主人公、女三の宮は、光源氏の兄、朱雀院を父に、式部卿の宮や藤壺の宮の異母妹の藤壺女御を母に産まれました。女三の宮は早く母を失ったことなどから、朱雀院から一番可愛がられて成長することとなります。

 女三の宮が14歳くらいになった頃、父朱雀院は健康上の理由などから出家を決意します。しかし気がかりだったのはこの女三の宮の行く末でした。
 その頃、女三の宮には、光源氏のかつての親友、頭中将の息子の柏木など、求婚者が何人がいました。しかし朱雀院は、「どれも若すぎて頼りにならぬ。」と、結婚を許そうとしませんでした。
 そして朱雀院は色々考えた末、光源氏に女三の宮を託そうと決心します。光源氏の地位と経済力に賭けたわけです。光源氏は最初は断ったのですが、女三の宮が初恋の人藤壺の宮の姪であることを理由に、女三の宮との結婚を承諾します。「藤壺と似ているかもしれない。」とでも思ったのでしょうね。こんな所にも、藤壺の与えた影響の大きさを感じてしまいます。

 その翌年の2月、女三の宮はまるで入内するような華やかさで六條院に降嫁してきます。光源氏の最愛の女性だった紫の上は、心中穏やかならぬものがあるのを隠し、女三の宮降嫁の準備に協力したのでした。
 さて、こうして六條院に降嫁してきた女三の宮ですが、年よりもずっと幼く、他愛ない感じでしたので、源氏との仲はどうもしっくり行きません。その噂を聞いた柏木は、「源氏に何かあったら私が女三の宮をもらい受けよう。」というとんでもないことを考えていたのでした。

 女三の宮が六條院に降嫁をして1年ほど経った春のある日、六條院の庭では蹴鞠の催し物が行われていました。女三の宮も御簾ごしに蹴鞠を見物していたのですが、猫のいたずらによってすだれが上がってしまい、立ち姿があらわになってしまいます。そしてその姿を柏木が見てしまったのでした。かねてから女三の宮を恋い慕っていた柏木は、その可憐な姿にすっかり心を奪われ、ぼーっとなってしまったのでした。

 それから5年の年月が流れました。光源氏は朱雀院を招いて女楽を催します。そしてその翌日、紫の上が病で倒れてしまいます。紫の上は少女時代を過ごしたなつかしい二条院に移ることとなり、源氏も看病のために紫の上につきっきりとなり、六條院を留守にすることが多くなったのでした。

 そして光源氏の留守中、柏木は女三の宮の女房、小侍従の手引きで彼女の許にしのんでしまいます。その結果女三の宮は、柏木の子供を身ごもってしまいます。
 そのうえ女三の宮は、柏木からもらった手紙を光源氏に見つけられてしまいます。源氏に責められた女三の宮は悩み苦しみ、その中で男児(薫)を出産、やがて出家をすることになります。そして柏木も、罪の意識にさいなまれながら病死してしまいます。
 他人の子を自分の子として抱かなければならなくなった光源氏も、自分が若い頃、父の妻であった藤壺の宮と密通して子供を産ませたことを思い出し、「これも因果応報なのだ。」と感じるのでした。
 女三の宮は、我が子薫の成長だけを楽しみに念仏三昧の日を送ることになります。しかし、相変わらず幼くて他愛なく、いつまでも若々しかったようです。何もわからないまま源氏の妻になり、その源氏からはあまり愛されず、自分の意志に反して柏木と密通して子供を産み、悩んで出家をする……。考えてみると気の毒な人生です。

 今回の展示は、そんな女三の宮の哀れ深い生涯を人形と調度品の模型で展示してありました。

 まず博物館に入って真っ先に目に飛び込んで来たのは、女三の宮降嫁の華やかな風景でした。豪華な調度品と食事、牛車などは見ただけでため息が出そうです。そして壮観なのは正装をした女三の宮の女房たちの華やかな行列です。これだけ豪華な婚姻風景を見せられた紫の上の心情を思うと、切なくなってきます。

 それとは対照的なのは、奥の方で展示されていた「入道の宮」の場面です。
 紫の上亡きあとの春の日、光源氏は出家をした女三の宮を訪ねます。源氏は、「春が好きな人がいなくなってしまって寂しい。」とか、「花を植えた人がもうこの世にいないことも知らず、今年も美しい花が咲いた。」ということを切々と女三の宮に向かって語りかけます。
 しかし女三の宮の返事は「谷には春も」というそっけないものでした。これは古歌から引用した文句ですが、「花が咲こうと春が来ようと、私には関係ないわ。」という意味です。案外この「谷には春も」が、晩年の女三の宮の心情を表しているのかもしれません。あれだけ辛く悲しい思いをして出家した女三の宮です。このようなそっけない言葉しか返せないのは仕方がないかもしれませんよね。

 入道の宮」の場面の展示は哀愁が漂っていました。世の中への執着を捨てた女三の宮と、紫の上を失った寂しい源氏の姿がよく表現されていました。そして、その寂しさの中に小さな子供が2人、そう、女三の宮の息子の薫と、光源氏の孫の三の宮(後の匂宮)、「宇治十帖」の主人公となる2人の幼い日の無邪気な姿がありました。


 でも、今回の展示で私が最も心を引かれたのは、女三の宮と紫の上の対面の場面です。この場面の写真を上に載せてみました。

 女三の宮が降嫁して数ヶ月経った夏のある日、紫の上は女三の宮の許を訪ねていきます。ちょうどこの頃、懐妊の兆候があった明石の女御が宮中を退出して六條院に里帰りをしてきます。明石の女御は紫の上の養女であり、幼いときから世話をしてきた大切な姫でした。そのため紫の上は一日も早く明石の女御に会いたかったのですが、すぐ隣にいる女三の宮にも挨拶に行かなくては、六條院の秩序が保てないと感じ、二人の対面は実現したのでした。
 こうして女三の宮と対面した紫の上ですが、女三の宮が年よりも幼くて子供子供しているのを見て、かえって気安く思えたのでした。そして、「私たちはいとこ同士ですものね。」など、優しく話しかけたのでした。女三の宮も紫の上のことを「若々しくて優しい方」と思い、心を開いていきます。こうして、六條院の秩序も保たれることとなります。

 二人の対面の場面の展示で注目すべきなのが装束です。
 この時代は普通、身分の高い人の所を身分の低い人が訪ねていくというのが習わしでした。この場面も、正室であり内親王である女三の宮の方が身分が上ですから、女三の宮の許を紫の上が訪ねていくというのは当然のことです。
 そして装束も普通、身分の高い人は普段着、身分の低い人が正装というのが習わしでした。つまり、女三の宮は普段着の裳袿、紫の上は裳唐衣ということになります。
 しかし写真を見ておわかりだと思いますが、二人とも裳唐衣です。確かにもし、女三の宮が裳袿だったら、紫の上があまりにも可哀想ですよね。
 なのでこの場面の展示を見て、何かほっとしました。このように感じてしまう私は、やっぱり紫の上びいきなのですね。

 風俗博物館を訪れるのは約1年半ぶりでしたが、今回も楽しませていただきました。「源氏物語」の世界を忠実に、立体的に再現してくれる風俗博物館の展示にはいつも感動させられます。今回も素晴らしい展示をありがとうございました。

 風俗博物館をあとにし、次の目的地、下鴨神社の研修道場に向かいます。
 関連リンク
「源氏の部屋」「風俗博物館を10倍楽しむ!」
 今回の展示の詳しいレポートがあります。ぜひ御覧になってみて下さい。

久しぶりのカラオケ

2006-04-10 21:32:13 | えりかの平安な日々 04~09
 掲示板のNo1250でも書きましたが、今日は友人と久しぶりにカラオケに行って来ました。

 私は元々声が高く(今も高い方なのですが)、昔は高いキーの歌を歌うのが好きでした。高校時代の音楽の授業はおもに合唱だったのですが、私はいつもソプラノかメゾソプラノでした。

 ところが、年齢と供に高い音が出なくなってしまい、その代わり低い音が出るようになりました。年齢を感じてしまうのはちょっとがっかりですが、大好きなユーミンの曲を歌えるようになったのは嬉しいです。また、最近のカラオケの伴奏は、キーの高い曲は少し下げて演奏されるので助かります。

 今日もまた、ユーミンからアイドルの曲、アニメ主題歌まで20曲ほどを歌ってきました。最後の方ではmisiaの「包み込むように」を熱唱、とても気持ちが良かったです。
 そしてラストソングはユーミンの「中央フリーウェイ」(現在、携帯電話の着メロに使っています。)。今日は楽しかったし、ストレスの発散にもなりました。やっぱりカラオケが大好きです。

☆一緒に行った友人へ。誘ってくれてありがとう。また一緒に行こうね。
 。

出発 ~京都1泊旅行2006年春1

2006-04-09 15:49:32 | 旅の記録

 「春になったら京都に行きたい」と思っていた矢先、ふいに飛び込んできたのが「京都を御一緒しましょう。」という「平安奏華」の里江さんからのメールでした。早速「ぜひ御一緒させて下さい。」とお返事をしました。
 そしてその後、「私も御一緒させて下さい。」という「花橘亭 ~なぎの旅行記~」のなぎさんからの嬉しいお電話がかかってきました。京都在住の「隣のおばちゃん 成逸地域女性会」の穴瀬さんにご案内をお願いしたし、里江さんのだんなさまやご友人、「京都陰陽道楽」のくたくたさんもいらっしゃるとのことで、今回はにぎやかな楽しい旅になりそう……と、胸をわくわくさせて当日4月6日の朝を迎えたのでした。


 ところが……、
 「旅行の前日は眠れない。」というのがいつもの私なのですが、今回も例によって3時間しか眠ることができませんでした。ああ、やっぱり眠い…。ぼーっとしている頭にむち打って荷物を確認します。そうそう、携帯電話の充電機を入れなくては。
 今までの1泊旅行では、私は携帯電話を使うことはほとんどなかったので、充電機は必要ありませんでした。しかし、今回は違います。御一緒する皆様との連絡や、私の掲示板チェックのため、当然携帯電話を使うことが多くなります。なので今回は充電機が必要なのです。
 そこで、充電機をコンセントから外したのですが、電線が絡まっているではありませんか。そこで、充電用の台を外してから電線の絡みを直そうと思い、台と電線を切り離そうとしたとたん、「カリッ」という変な音がして、台に穴があいてしまったのでした。つまり、充電機が壊れてしまったのでした…。「どうしてこんな時に…」と思うと泣きたい気持ちになるし、だんなさんからは「お前は乱暴だ。」と叱られるし…。旅行前に何かが起こるというのが私の運命なのかもしれません。

 そんなハプニングもあったのですが、7時過ぎに無事に家を出発することができました。まず、普通電車に乗って掛川へ。掛川駅では新幹線の待ち合わせが25分ほどあったので、待合室で、駅で買ったサンドイッチとおにぎりを食べました。
 掛川駅で新幹線のこだま号に乗り、次の浜松駅でひかり号に乗り換えます。そして浜松から京都までは約1時間です。本当に便利になりました。新幹線の運賃がもっと安いと助かるのですが…。

 そんなこんなで、9時40分頃に京都に着いた私たち、ところが、間違って八条口に出てしまいました。あわてて引き返し烏丸口へ。今夜泊まるホテルが烏丸口から歩いて3分くらいの所にあるので、荷物を預かってもらおうと思ったのです。無事にホテルに到着してフロントに荷物を預け、小さなショルダーバック一つになって一安心。待ち合わせ場所の風俗博物館まで歩いていくことにしました。

 久しぶりに見る京都の町並みはとてもなつかしく感じました。空気がひんやりとしていて身が引き締まる思いです。

 風俗博物館のある井筒南店ビルの5階にエレベーターで到着すると、お香の良い匂いがしました。心がはずみます。皆様すでに到着しておられました。
 まず、なぎさんと握手。なぎさんとお会いするのは平成15年の仁和寺での日本文化フォーラム以来3年ぶりです。でも、ネット上でよくお話しをしていますので久しぶりという気がしません。続いて里江さんに挨拶しました。里江さんとは初対面ですが、何度かお電話でお話ししているので初めてという気がしませんでした。そして、里江さんのだんなさまと、ご友人のニテコ池の河童さんにもご挨拶をさせていただきました。

 こうして、楽しみにしていた風俗博物館の今回の展示を見ることから、私たちの「平安を感じる旅」が始まったのでした。
  

☆今回より「旅の記録」にて、先日の旅行記の連載が始まります。かなり長い連載になると思いますが、どうかおつき合い下さいますよう、よろしくお願いいたします。週に2~3回のペースで更新できたら良いなと思っていますが、我が家の写真係の都合で時々更新が滞ることもあるかもしれません。その点はどうかご了承下さいませ。

☆今回も、お食事の献立の写真を撮り忘れました。お料理の説明は文章のみとなります。申し訳ございません…。

☆カテゴリー欄の「旅の記録」をクリックすると、旅行記を一括表示します。今回の「京都1泊旅行2006年春」はこの記事から上に表示されます。上に行くほど新しい記事となります。下の記事からご覧下さい。
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関連リンク
平安奏華
花橘亭 ~なぎの旅行記~
隣のおばちゃん 成逸女性会
京都陰陽道楽
風俗博物館  ~よみがえる源氏物語の世界

買い物に行く途中で会った子猫

2006-04-04 14:26:57 | 猫のお部屋
今日は暖かくて良い天気ですね。私たちが旅行に出かける6日・7日もこんな天気だと良いのですが…。天気予報によると、どうやら雨は降らないようなのでちょっと安心しています。

 そんな暖かい気候の中、スーパーに買い物に行く途中にかわいい子猫ちゃんに会いました。私が近づいていくとかわいい声で「ニャー、ニャー」と鳴きました。心がいやされました。よく見ると、エリカに出会う前にほんの少しだけ我が家にいたティナ(2005年5月15日の記事を参照して下さいね)に似ています。思わず写真を撮ってしまいました。

 本日の写真はその子猫ちゃんです。携帯のカメラなので少し見にくいですが、本当にかわいかったです。飼い猫のようなので飼い主さんにいっぱい愛情をもらっているのでしょうね。どうか健やかに大きくなりますように。

桓武天皇 平安の覇王

2006-04-03 23:59:59 | 図書室3
 本日は、つい2日前に読み終えた歴史小説を紹介いたします。

 約350ページのこの本を、私は1週間で読み終えました。私は「管理人からのご挨拶」をお読みいただくとわかると思いますが、パソコンの音声ソフトを使用して本を読むため、普通の方と比べると読書のスピードが大変遅いです。それに、1日中読書をしているわけにもいきませんし…。なので1週間で1冊の本を読み終えるというのは私にとっては速い方なのです。それだけ夢中になってしまったということでしょうか。
 …と、前置きが長くなってしまいました。本題に行きますね。


☆桓武天皇 平安の覇王
 著者・三田誠広 発行・作品社 価格・1680円

本の紹介文
 渡来人を母に、末端の皇族を父に持ちながら図らずも皇位に就き、仲麻呂や道鏡、藤原四家や大伴家持等旧貴族との政争を戦い抜いて平安京に遷都し、京都千年の文化の礎を築いた波瀾多き驚異の生涯。


 タイトルや紹介文でおわかりのように、平安遷都を行った桓武天皇の生涯を描いた小説です。

 桓武天皇は、天智天皇の孫の白壁王と、百済系の渡来人の血を引く高野新笠の間に産まれ、最初は「山部王」と名乗っていました。父の白壁王は皇位から最も遠い末端皇族であり、しかも政争に巻き込まれないよう、目立たないようにととにかくおとなしくしていたという人です。従って将来、山部王が天皇になるなどと予想した人は誰一人いなかったようです。
 山部王が16歳の時、有名な東大寺の大仏開眼供養が行われます。その時も山部王は末席で、孝謙女帝や藤原仲麻呂の姿を遠くから見ていた……という状態でした。

 この小説では、そんな末端皇族の山部王が様々な偶然によって親王宣下され、皇太子に立てられ、皇位につくといった思いがけない運命を、多様な人物と絡ませながら描いていきます。彼と関わる人物は、同じく渡来人の血を引く女性を母に持つ藤原種継と藤原小黒麻呂、孝謙女帝の病を治したことから朝廷で権力を持つこととなる道鏡、学者でありながらのちに右大臣にまで昇進する吉備真備、旧貴族の長老で、何を考えているかよくわからない大伴家持と言ったところでしょうか。

 また、道鏡を失脚させる原因を作った宇佐八幡の信託をもたらすこととなる和気清麻呂も、重要な人物の一人として描かれています。彼は一時流刑になるのですがのちに許されて、桓武天皇の側近の一人となるのです。この小説では、清麻呂が亡くなったあとの桓武天皇が、何か難しい問題がおこったときいつも心の中で清麻呂に語りかけている姿が描かれるのですが、その部分はとても印象的でした。

 これといった活躍はしないのですが、桓武天皇のいとこに当たる壱志濃王と神王もなかなか個性的な人物に描かれています。2人とも桓武天皇を終生、公私ともに支えていくのですが、桓武天皇を加えた3人が集うシーンはなぜかほのぼのとしてほっとさせられました。
 最後の方でちらっと登場するだけなのですが、天皇に対してもため口で物を言う空海も面白かったです。

 このように個性的な人物が多数登場するこの小説ですが、やはり桓武天皇が大変魅力的な人物に描かれています。常に前向きで、新しいことを実行しようとする反面、悩んだり苦しんだり、後悔したりと人間的な部分も多いです。
 初恋の人である百済王明信のことを、終生思い続けたというロマンチストな部分もあります。若き日の山部王は明信の祖父を通じて彼女に求婚するのですが、「明信は藤原南家に嫁がせる。」とあっさり断られてしまうのです。その時山部王は、「自分にもっと力があったら明信を妻にできたかもしれない。」と思ったのでした。しかし山部王と明信はのちに……。でも2人が最後にどうなるかは、まだ読んでいらっしゃらない方の楽しみのために書かないことにします。
 とにかく、桓武天皇というと政敵を何人も倒し、自分の思い通りに政治を行ったイメージが強かったのですが、この小説を読んでイメージが変わりました。

 ただちょっと残念だったのは、井上皇后の廃后と他戸親王の廃太子の事件がかなりあっさりと流されていたことです。あまりにも簡単に桓武天皇(その頃は山部親王ですが)が皇太子になってしまったので少し拍子抜けがしました。でも、それを差し引いても私にとっては大変面白い小説でした。

 この小説では、桓武天皇という一人の覇王の人生をたどると同時に、激動の奈良後期~平安前期を堪能できると思います。この時代に興味のある方にはお薦めの1冊です。


平家物語を知る事典

2006-04-01 17:22:56 | 図書室2
 ここしばらく「図書室2」では「源氏物語」に関する本を紹介してきましたが、本日は「平家物語」に関する本を紹介させていただきます。この本には昨年、大河ドラマ「義経」の感想を書く上で大変お世話になりました。


☆平家物語を知る事典
著者・日下力 鈴木彰 出口久徳 発行・東京堂出版
税込価格・2,940円

[出版社商品紹介]
文学作品でありながら、源平争乱を描いた歴史書『平家物語』を、「あらすじ」「名場面」「登場人物」などに分けて平易に解説。

 では、目次と内容を紹介いたします。なお、各項目の☆以降はえりかによる紹介文です。

1 『平家物語』を知るために
☆『平家物語』の主題や作者について、物語が成立した当時の時代背景、様々な写本、さらには物語全体の簡単なあらすじを紹介。

2 『平家物語』巻別あらすじ・名場面20
☆『平家物語』各巻のあらすじをわかりやすく解説してあります。20の名場面も紹介されています。『平家物語』をまだ読んだことのない方には予習が、すでに読んだことのある方は復習ができるのではないでしょうか。
 各巻のあらすじの冒頭には主要登場人物の年齢も掲載されていて便利です。

3 『平家物語』の主要登場人物(有王;安徳天皇 ほか)
☆『平家物語』に登場する人物52人を紹介。
 清盛、義仲、義経といった主役級の人物はもちろん、有王や藤原実定・藤原邦綱といった脇役(これが結構嬉しかったりします)、巴や小宰相、祇王や祇園女御など女性達も取り上げられています。各人物達の『平家物語』での動向と、史実が対応して書かれています。「『平家物語』ではこんな活躍をしているのだけど、この人物は実際にはどんな人物だったのかしら?」という疑問に答えてくれます。
 また、各人物に関する史跡の写真も掲載されています。
*私の好きな平家の公達ベスト3の教経、重衡、知盛も取り上げられていました。大感激です!

4 『平家物語』をさらに知るために(物語の性格;享受と展開 ほか)
☆1の「『平家物語』を知るために」をさらに発展させ、詳しく解説してあります。

付録(鎧・装束等図;人物関係略系図 ほか)
 年表や、『平家物語』と源平時代に関する本の紹介コーナーもあります。


 文字通り、『平家物語』をより深く、より楽しく味わうための本です。この本1冊で、『平家物語』のあらすじや登場人物、時代背景、最新の『平家物語』研究の成果がわかると思います。『平家物語』や源平時代に興味のある方には絶対にお薦めです。

 なおこの本には今井検校による平家琵琶『横笛』のCDもついています。平家琵琶を聞きながらゆっくりと『平家物語』の世界に浸ってみるのも良いものです。


☆携帯電話のカメラから写真をUPする簡単な方法をようやくマスターできました。今後の「図書室」の更新は、私の手許にある本の表紙の写真は、できる限りUPしたいと思っています。