平安夢柔話

いらっしゃいませ(^^)
管理人えりかの趣味のページ。歴史・平安文学・旅行記・音楽、日常などについて書いています。

新しい年号と、最近読んだ「万葉集」に関する本

2019-04-14 12:12:08 | 読書日記
 新しい年号が「令和」と発表されましたね。
 しかも万葉集からの引用。古代史好き、古典好きとしては嬉しい限りです。

 天平二年正月十三日、大宰帥・大伴旅人が山上憶良ら官人たちを自邸に招き、皆で梅の花を愛で和歌を詠んだ「梅花の宴」が行われました。
 「令和」は、「万葉集」巻き五に収められた、梅花の歌三十二首并序。詞書きにある「初春令月、氣淑風和」から引用されたものだそうです。平穏な時代になることを祈りたいと思います。 

 私と「万葉集」との出会いは中学校の国語の授業でした。使われている言葉は難しいけれど、伝えようとしていることはとてもわかりやすく身近で、特に額田王の歌に惹かれ、それ以来、大好きな古典の一つになっています。でもあまり詳しくないんですけれどね。なので、これを機に「万葉集」を勉強してみたいと思いました。
 それで2冊の本を読了

☆万葉集からみる「世界 井上 さやか 著 新典社新書
 amazonのページはこちら

 梅花の宴について触れられているということで手に取りました。万葉集のお薦めの歌の紹介、歌に詠まれた土地など、万葉集周辺の情報など、とても興味深かったです。
 特にお薦めの歌、くしゃみが出る=恋人が来る全長とおもわれていたなんて。
 いっそ酒樽になってしまいたいと詠んだ大伴旅人さん、よほど酒好きだったのか、嫌なことがたくさんあったのか。
 恋人に会えなくて涙が止まらず涙の海におぼれてしまいそうと詠んだ駿河釆女など。万葉人がとても身近に感じました。そして想像力が豊かだなあと。

☆古代史がわかる「万葉集」の読み方 松尾 光 編 新人物文庫
 amazonのページはこちら

 20年ほど前に出版された「万葉集101の謎」を再編集した本だそうです。「万葉集101の謎」は読んだことがあり、とても面白かったので手に取ってみました。
 この本は、専門の先生方が万葉集に収められた歌の謎、、歌人たちの実像、人々の日常生活などの謎に迫り、わかりやすく解説されています。
 歴史上の人物に興味津々の私、歌人たちの実像の部分は特に興味を持って読んだのですが、それとは別に、当時の発音についての部分、目からうろこでした。
 当時は「母」は「ふぁふぁ」あるいはぱぱ」と発音していたようなのですよね。
 母音も現在のような「あいうえお」の5通りではなく、他に3通りあったとか。
 いったいどのように発音したのでしょう?録音機も資料もないのでわからないとのことですが。知りたいなあ。

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EYEサポートニュースに記事が掲載されました

2018-12-09 16:02:46 | 読書日記
 静岡県視覚障害者情報支援センターから、各月1回発行されている情報誌「EYEサポートニュース」、センターのイベント情報や、点字・録音図書の新刊案内などが掲載されているのですが、その中に、「私の一冊」という、お薦めの本を紹介するコーナーがあります。
 このたび、依頼を受けて「私の一冊」に寄稿させていただき、2018年12月号に記事を掲載して頂きました。

 そんなわけで。

 依頼を受けたときは正直びっくりしました。こちらのコーナーに寄稿されているのは支援センターの職員さんや障害者団体の役員さん、本の著者の方などが多いと記憶していましたので。え、私のような無職療養中の人でもいいの?って感じでした。
 でもせっかく頼まれたのですから、頑張ってみようかなと。

 まず本を一冊にしぼらなければならないのですが、主に視覚障害者の方が読まれるということで、点薬、・音訳されている図書というのが第一の条件になります。
 それから、あまりにもマニアックな本はNGということで。
 歴史なら戦国時代などメジャーな時代の歴史小説、古典なら一般向けの現代語訳やエッセー。それに、子供時代からの愛読書など。

 色々と迷ったのですが、30年前に初めて読み、和歌や平安文学、歴史の楽しさを存分に堪能でき、今でも愛読書のこの本、「田辺聖子の小倉百人一首」に決めました。結局、平安時代を啓蒙することになりました。 

 実はこの本、ブログを開設して間もない頃にこちらのページで紹介したことがあります。字数制限の関係もあり、今回、EYEサポートニュースのために全面的に書き直しました。
 ブログ記事では、最初に読んだときに興味を惹かれた天徳内裏歌合わせでの平兼盛と壬生忠見の歌のエピソードについて書きましたが、今回は思い入れのある光孝天皇の歌について書かせていただきました。

 支援センターさんから許可も頂いたので、記事全文を以下に転載します。

■私の一冊

『田辺聖子の小倉百人一首』 田辺 聖子 著

君がため 春の野に出でて 若菜つむ
わが衣手に 雪は降りつつ

百人一首の中でも好きな歌の一つです。
この歌の作者、光孝天皇は、平安時代初期の仁明天皇の第三皇子で、名を時康親王と言いました。
しかし、皇位は第一皇子の道康親王(文徳天皇)からその子、孫へと受け継がれ、時康親王は皇位とは無縁の学問好きな一親王として平凡な生涯を終えるはずでした。
ところが、親王が55歳の時、時の帝、陽成天皇が権力者藤原基経と対立して退位し、思いがけなく皇位が転がり込んできたのでした。
このように、平安時代は皇位継承にも複雑な事情があったことに大変、興味を惹かれました。
この、「田辺聖子の小倉百人一首」は、そんな百人一首の歌人たちの興味深いエピソードが満載です。
百人一首は、飛鳥時代から鎌倉時代初期の百人の和歌が収められているので、500年の歴史の流れも感じられるし、それぞれの和歌が詠まれた背景や一人一人の人生も、この本の中でわかりやすく解説されています。
また、和歌の訳は散文詩のようになっているので親しみやすいのではないでしょうか。
試しに、最初に書いた光孝天皇の歌の訳を引用させて頂きます。

あなたにと思って
まだ寒い早春の野に
私は出て
やっと生いそめた
みどりの若菜をつみました
その私の袖に
雪がちらちら

情景がすうっと浮かんでくるような訳だと思います。ちなみに若菜とは春の七草のこと、愛する人の長寿を願い、若菜をつんでいるという、光孝天皇の優しさが伝わってくるようで私はこの歌が大好きなのです。
と、色々書いてきましたが、更にもう一つ、本文中に時折登場する、熊八中年と与太郎青年と著者の、「ぼけ」と「つっこみ」も、この本の楽しさを増してくれています。
ぜひこの1冊で、楽しく、面白く、興味深く、百人一首に入門してみませんか。


 最後になりましたが、このような機会を与えて下さった静岡県視覚障害者情報支援センターさんにお礼申し上げます。ありがとうございました。

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ミネルヴァ日本評伝選より藤原氏関連の本2冊

2017-03-17 16:22:49 | 読書日記
 本日は1ヶ月くらい前に出た本の情報です。ご存じの方も多いかもしれませんが。

 昔、こちらで紹介した吉川弘文館の人物叢書(その時の記事はこちら)と同じく、専門の先生が正確な史料に基づいて執筆されている人物伝シリーズ「ミネルヴァ日本評伝線(ミネルヴァ書房)」、私も8冊ほど所持しています。
 その、ミネルヴァ日本評伝線から先月、平安時代関連、しかも藤原氏の人物の評伝が2冊出たので、簡単に紹介させていただきます。

☆藤原伊周・隆家:禍福は糾へる纏のごとし(ミネルヴァ日本評伝選) 倉本一宏著 
 amazonでの紹介ページはこちら

 私はこの本のことをtwitterで知りました。
 「枕草子」にも登場する中関白家の兄弟の人物伝、ぜひ読んでみたいと思いました。
 特に弟の隆家さんには昔から興味があって。若い頃にはだいぶやんちゃをやったけれど、色々な経験をして立派な公卿になった彼の小説風人物伝を書くのが夢だったりします。って、何年も言っているのでいつ実現するやら…ですけれど。
 もちろん、兄の伊周さんも気になる人物の1人です。
 なので早速amazonで購入。(^^)

 で、この本を買った人へのお薦めで出てきたのがこちらの本。

 ☆藤原良房・基経:藤氏のはじめて摂政・関白したまう (ミネルヴァ日本評伝選) 瀧浪貞子著
 amazonでの紹介ページはこちら

 この本、「藤原伊周・隆家」と同日に出ていたのですね。こちらもとても気になりましたが、伊周・隆家本と比べてお値段高いし、私は紙の本はパソコンを使って読むために読書のスピードが遅いのでいつ読めるかわからないし。ということで来月の半ばに収入があるのでそのあとに買うことにしたのでした。
 でも、良房さんと基経さんの時代もとても興味があるので。それに、だんなさんがいつも、「欲しい本はどんどん買ってしまわないとなくなっちゃうぞ」と言っていたのを思い出し、先週、外出したときに思い切って買ってきました。

 それで、時系列順ということで、「藤原良房・基経」から読み始めました。
 彼らの周辺人物にも触れているようで目次を見ただけでわくわく。北家の祖、房前から話が始まっているのも嬉しかったです。房前の子、永手・八束・千尋三兄弟にも興味津々。
 やっぱり私って、古代~平安の歴史人物研究が好きなのだなと再認識しています。

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最近読んだ本&今読んでいる本

2017-02-19 15:47:10 | 読書日記
 twitterでつぶやいたことに加筆しました。

 日本史、平安文学関連ではありませんがまず、最近読んだ本2冊。

☆アニメで読む世界史
 藤川隆男 編集 山川出版社

 世界名作劇場で放映されたアニメのうち、9作品を取り上げ、あらすじや時代背景を解説した本。興味深く読みました。

 特に目からうろこだったのが「小公女セーラ」です。
 原作を読んだときもアニメを見たときも、セーラがかわいそうでたまらなかったし、ミンチン先生が憎らしくてたまらなかったのですが、視点を変えると新しい発見があるのですね。

 セーラの優しさは、自分は大金持ちのお嬢さんであり、そこから来る、身分の低い物への哀れみから来る優しさ。貧しい少女にパンを恵んであげる心がけは立派ですが、「この人は自分より下」という考えが常にあったのでしょうね。
そして、セーラの父親は娘のために莫大な財産をつぎ込む浪費家。
 一方、ミンチン先生は中産階級出身で、父親が財産を失い、働かなくては食べていけないような環境になってしまった。そこで妹と一緒に学校を作り、教育者として一生を捧げる覚悟をした。ある意味ではやり手でたくましい女性なのですよね。
 そんなミンチン先生にとって、セーラの父親はパトロンだったとのこと。その父親が財産をなくしたのですから、学校の経営にとっては一大事。セーラを小間使いにしてこき使ったのは仕方がなかったのかもしれません。なぜミンチン先生が意地悪かがわかってすっきりしました。
 そして思いました。ミンチン先生の波瀾万丈の半生を描いた「異聞小公女」なんてあったら読んでみたいなと。

 その他にも、
 ハイジのおじいさんは若いころ傭兵(雇われ兵隊」で、ミラノでイタリア統一のために戦っていた。
 ネロが生き延びたとしても、有名な画家になるのは難しい。
とか、興味深い話が満載でした。

☆マーチ家の父 もうひとつの若草物語
 ジェラルディン・ブルックス (著), 高山 真由美 (翻訳) 武田ランダムハウスジャパン

 若草物語(こちらも世界名作劇場で取り上げられたことありましたね)ではほんのちょっとしか登場しない四姉妹の父・マーチ牧師を主人公にした小説。実在の人物も登場するので、歴史小説という色も濃いです。
 この小説では、マーチ牧師が従軍した南北戦争の悲惨な戦いや黒人奴隷たちの惨めさがこれでもかというくらい描かれています。
 そして、合間合間にマーチ牧師の若いころ、行商人として訪れたバージニアの農園で出会った黒人奴隷グレイスのことや、後に四姉妹の母親となる女性との出会いと結婚、更に、どうして貧しくなったのか、どうして若くもないのに南北戦争に従軍することになったのかが語られます。 
 そしてもちろん、「若草物語」の中でも描かれている、危篤となったマーチ牧師のもとにマーチ夫人が駆けつける話も。
 初めの方でも書きましたが、内容はかなりシビアです。一筋縄ではいかない人たちも出てくるし、登場人物もたくさん死んでしまいます。
 マーチ牧師もマーチ夫人も成人君主のような人間には描かれていません。マーチ牧師は地に足がついていない理想主義者で、戦争によって心も病んでしまいますし、一時は家族を捨てようとします。マーチ夫人もすさまじい。ヒステリーを起こしたり焼き餅を焼いたり。でもそこがとても人間的で、そんな四姉妹の両親にとても親しみが持てた1冊でした。「若草物語」も再読してみたいです。

 そして、現在読んでいる本

☆四千万歩の男
 井上ひさし 著 講談社文庫

 江戸時代後期に「日本沿海輿地全図」を作成した伊能忠敬の測量事業を描いた小説。5冊もあるので、読むのに時間がかかるかもしれません。
 現在2巻の途中ですが、とても面白いです。こういう、全国あちらこちらを巡って様々な人々と出会い、事件に巻き込まれて…みたいな小説、大好きなので。
 江戸時代にはくわしくないのですが、当時の時代背景や実在の人物も出てきて、なかなか興味深いです。先を読むのが楽しみです。

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アンの思い出の日々

2013-11-25 09:34:59 | 読書日記
 赤毛のアンシリーズの最終巻「アンの思い出の日々」を先日、読了しました。

 赤毛のアンシリーズについては、「こちら」と「こちら」で書きましたが、「アンの娘リラ」で完結だとずっと思っていたので、続きの巻が出ていたとは驚きでした。

 実はこの巻の原稿は、作者L・M・モンゴメリが亡くなった当日(1942年4月24日)に何者かによって出版社に持ち込まれたものだそうです。しかし、そのままの形で出版されることは長い間ありませんでした。
 どうしてそうなったかと言いますと、この原稿は反戦の色が強く、第2次世界大戦のまっただ中だった当時としては差し支えあったとのこと。その後、何らかの理由によって埋もれてしまったのでしょうね。
 そして4年前、ようやくモンゴメリが望んだ形で本国カナダで出版され、昨年、アンを初めて日本語に翻訳した村岡花子さんのお孫さんの村岡美枝さんによル邦訳で日本でも新潮文庫から刊行されました。購入しようかとも思ったのですが、「もう少し待てばサピエ図書館(視覚障害者用のネット図書館)にUPされるかもしれないので少し待ってみよう」と思って待っていたのですが、2週間ほど前にUPされているのに気がついたのでようやく読むことが出来たわけです。

 それで本の内容なのですが、15編の短編と、アンやアンの息子で第1次世界大戦で戦死したウォルターによる詩、それとブライス家の人たちの語らいで構成されています。

 短編はアンの住んでいるグレンセントメアリ村周辺の人たちのエピソードが中心で、アンやアンの家族たちは脇役か噂話で登場する程度です。でも、アンの世界と設定は同じなので、親しみ深く読むことが出来ました。思いがけない展開の話が多かったですが、幼い頃、心を病んだ伯母と庭を散歩したときに出会った生年を忘れられずにいる妄想いっぱいの女性が主人公の「思い出の庭」と、両親と死に別れ、親戚をたらい回しにされる愛情に飢えた少年が主人公の「パットはどこへ行く」が特に好きです。
 特に「パットはどこへ行く」は、「こんな偶然な話ってあるのかしら」という展開のようにも思えますが、運命に引き寄せられるとか、偶然とか、最近そのような体験をしたばかりの私なので、「こういう事もあり得るかも」と思いながら読みました。

 アンやウォルターの詩やブライス家の人たちの語らいの部分では、アンの家族たちの新たな一面が発見出来ます。「アンの娘リラのリラとケネスは無事に結婚したんだ~」とか…。
 それと同時に、ウォルターの戦死がブライス家の人たちに与えた影の大きさも感じました。特に、ウォルターが詩を書くことを批判的に見ていた家政婦のスーザンが、彼の死後、そのことを後悔するくだりが印象的でした。

 この「アンの思い出の日々」は、第2次世界大戦勃発の時期、つまりアンの孫の世代までの時代の出来事が語られます。喜びや夢といった明るい部分だけでなく、復讐や死や裏切りなど、人生の闇の部分、戦争が人に与える悲しみなど、思い部分もありましたが、読むことが出来て良かったと思います。やっぱりアンシリーズは私の永遠の愛読書です。

アンの思い出の日々(上・下)
 ルーシー・モード・モンゴメリ 村岡美枝・訳 新潮文庫 各778円


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吉川弘文館の「人物叢書」のこと

2011-06-11 21:15:47 | 読書日記
 吉川弘文館から刊行されている「人物叢書」、阿仏尼が出ていたのですね。

人物叢書 阿仏尼 田淵句美子 アマゾンでの紹介ページ

 阿仏尼は鎌倉時代の女流歌人、最初、守貞親王(のちの後高倉院)の皇女邦子内親王(安嘉門院)に仕えて「安嘉門院四条」と呼ばれていました。若い頃失恋して衝動的に出家、その後、御所に戻ったり寺に入ったりしたようです。
 建長五年(1253)頃、藤原為家(定家の子)の後妻となります。夫の死後、前妻の子と所領のことで訴訟となり、その旨を鎌倉幕府に訴えるために鎌倉に下りました。そして、京から鎌倉に下向したときの旅日記「十六夜日記」を著しました。訴訟が決着するのを見ずに鎌倉で病死したようです。

 そんな彼女の波乱の人生に、私は以前から興味を持っていたので、今週、静岡に行く用事があったので本屋に立ち寄ってこの本を購入しました。読むのが楽しみです。

 ところでこの「人物叢書」は、専門の先生が史料に基づいて書かれた歴史上の人物たちの伝記で、特に人物に関心がある私には注目のシリーズです。在原業平や徽子女王、宇多天皇、藤原彰子などが出ないかなあと、密かに期待しています。

 ちなみに、現在私の本棚に並んでいる人物叢書は↓の通りです。

 「紀 貫之」「藤原純友」「藤原佐理」「源 頼光」
 「清少納言」「紫式部」「藤原行成」「和泉式部」
 「一条天皇」「藤原忠実」「藤原頼長」「後白河上皇」
 「源 通親」「大江広元」「藤原定家」「阿仏尼」

 このうち、実は紫式部だけ2冊あります。
 というのは、8年前、こちらに引っ越してきたとき、「紫式部」が入れてあった箱の中になぜか消毒用アルコールの瓶を入れてしまったのです。そして、運んでいる途中にふたがゆるんでアルコールが漏れ、本がぬれて曲がってしまったのでした。それで、パソコンでの音声解析も困難になってしまったので、新しく買い直しました。

 そんな私の失敗談はともかく、
 私が持っている16冊のうち、3分の1くらいがまだ未読、あるいは拾い読み程度だったりします。早くしっかりと読まなくては…。
 すでに読んだ本のうち、個人的には「源 頼光」「紫式部」「清少納言」「藤原忠実」が特にわかりやすくて、興味深く読むことが出来ました。こちらもまた再読してみたいです。

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最近、購入した本

2010-04-17 22:53:35 | 読書日記
 今月の1日、静岡駅前に3年がかりで建設されていた葵タワーが完成しました。25階建ての大きな建物に、食料品店やオフィス、結婚式場、レストランなどが入っています。

 そして長いこと、縮小移転していた大きな書店も、建物の地下1階から地上2階まで、店舗を構えることになったので、開店した翌日に行ってみました。古典のコーナーには源氏物語関連の本がたくさんあってみているだけでわくわくです。平安時代関連の本も充実していました。

 そこで、amazonのマイストア(今までにamazonから購入した本をもとに、お薦めの本を表示してくれるサービスです)で見つけた本

『平安朝の父と子 ー貴族と庶民の家と養育』 服藤早苗 中公新書
『天平の三姉妹 ー聖武皇女の矜持と悲劇』 遠山美都男 中公新書
『王朝摂関期の「妻」たち ー平安貴族の愛と結婚』 園 明美 新典社選書

の3冊を購入。
 どの本も、今年の2月頃に発売された本ですが、色々なことがありすぎてチェックを怠っており、書店に行く前日にこれらの本のことを知りました。ちょうど初版が売り切れたらしく、中にはamazonでは品切れになっている本もありました。
 そこで、「ひょっとして、新装開店したばかりのこちらの書店には置いてあるかも」という期待通り、3冊とも置いてあったので大感激でした。

 更に、歴史コーナーでだんなさんが見つけてくれた、『継体天皇と王統譜(前田晴人 同成社)』という本も購入。この時代の本は読めば読むほどわからなくなってしまうのですが、やはり継体天皇という人物や古代の天皇家の系譜には興味があります。こうして歴史・古典関連の本を4冊も購入でき、幸せです。

 ちょうどその頃、読んでいた本が2冊あり、しかも出かける用事も多く、なかなかそれらの本が読み終わらなかったため、2日ほど前からやっと、『王朝摂関期の「妻」たち』を読み始めました。

 この本は、平安時代の貴族の妻たちの立場について解説した本なので、平安時代の女性たちに興味のある私にはたまらない内容です。

 特に、藤原師輔が妻に迎えた3人の内親王たちの立場に触れてあるところが嬉しかったです。
 師輔には、兼家や安子たちを生んだ藤原盛子という妻があったのですが、彼女は受領階級、当然、内親王たちが正妻としてあつかわれるのが自然なのですが、どうやらそうではなかったらしい、いやいや、やはり内親王たちが正妻だったなど、色々な説があるようで、はっきりわからないとか。

 でも、子供を何人も産んだ正妻格の妻がいながら、師輔と結婚した内親王たち、特に、相思相愛の恋人だった藤原敦忠と引き離されて斎王となり、斎王を退下したあとに師輔の妻となった雅子内親王の気持ちはどうだったのか、すごく気になります。
 この本によると、師輔と雅子内親王は同居していた時期もあり、彼女は正妻格だった…という説もあるようです。雅子内親王は意外と師輔に大切にされていたのかもしれませんね。雅子内親王の人物伝、いつか書けるといいなあ。

 まだ手をつけていない他の3冊もとても気になっているので、少しずつ読み進めていこうと思います。

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最近購入した本&今読んでいる本

2009-12-08 21:40:43 | 読書日記
 久しぶりにamazonでお買い物。

 「伊勢斎宮の歴史と文化」 榎村寛之 塙書房
 「平家の群像 ー物語から史実へ」 高橋昌明 岩波新書
 「謎の旅人 曽良」 村松友次 大修館書店

の3冊を先週末に注文、昨日、手元に届きました。本が入っている箱を開けるとき、更に、買ったばかりの本を開くときはわくわくします。(^^)

 このうち、「謎の旅人 曽良」は、「奥の細道」の旅で松尾芭蕉に随行した曽良の人物評伝です。以前に読んだことがあり、最近、もう一度読みたいと思って家の1階にある書庫を探してみたのですが、何度探しても見つからないので、思い切って買うことにしました。
 私にとって、「奥の細道」は、芭蕉が仙台や金沢のような外様藩の領地に長く滞在していることや、病気療養のために山中温泉で芭蕉と別れた曽良がなぜか、大垣で芭蕉を出迎えているところなど、謎だらけの古典です。この本を読む前に、「奥の細道」も読み返してみなくては。

☆現在、読んでいる本

 「斎宮女御徽子女王 ー歌と生涯」 山中智恵子 大和書房

 私が最も興味のある斎王、徽子女王の人物評伝。彼女の歌や、当時の時代背景をもとに、その生涯に迫っています。当時の史料や彼女の歌が原文のまま引用されていますが、現代語訳はほとんどついていないので難解な箇所もありますが、「徽子女王についてもっともっと知りたい」という強い気持ちがあるせいか、わりとすらすらと読めています。
 現在、娘の規子内親王の斎王卜定の手前あたりです。いよいよ徽子女王の二度目の伊勢下向の場面が近づいてきました。楽しみです。

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源氏物語享受の歴史の本

2009-10-22 21:08:06 | 読書日記
 このところ、文章がなかなか書けなくて、歴史記事の更新をお休みさせて頂いているような状態になっています。それどころか、最近は週に1回、しかも木曜日の夜にばかり更新していますね。毎日ご覧下さっていらっしゃる方がおられましたら、本当にごめんなさい…。

 実は、インターネットをつないでも、歴史以外のサイト(政治関連やスポーツなど)のサイトを見たり、動画サイトで音楽を聞くことも多くなってしまっています。でも、源氏物語関連の本は読み続けています。今日はそんなお話を…。

 最近、『源氏物語ものがたり(島内景二 新潮新書)』という本を読みました。
 この本は、源氏物語を校訂した藤原定家、「河海抄」を著した四辻善成など、『源氏物語』に魅せられた9人の男性を取り上げ、彼らと『源氏物語』との関わりを書いたものでした。青表紙本と河内本の違いとか、『河海抄』『花鳥余情』『湖月抄』とはどういう本なのかなど解説されていて、とても勉強になりました。

 それと同時に、この本を読んで『源氏物語』がどのように享受されていったかにもとても興味を持ち、『記憶の中の源氏物語(三田村雅子 新潮社)』をとても読みたくなってしまったのです。

 この『記憶の中の源氏物語』は、平安中期から近代まで、源氏物語がどのように読み継がれていったのか、つまり源氏物語享受の歴史の本で、昨年から気になっていた本で、mixiの友人からも、「えりかさんのように色々な時代に興味のある人は絶対にはまりますよ」と薦められた本でもあったので、少しお値段は高めでしたが、今年の5月に購入しました。でも、サイズが普通の単行本より少し大きめのA五判の上、500ページ以上もある厚い本だったので、読書のスピードの遅い私は、「これでは他の本をなかなか読めない」→「ブログの図書室の更新が遅れる」などと考えて、読むのを躊躇してしまったのですよね…。
 それでも、『源氏物語』がどのように読み継がれていったのかに興味を持っている今、読んでみたいと思い、読み始めたところ、これが面白い。「なるほど、そうなんだ~」とわくわくするような記述がたくさん書いてあります。

 例えば、『源氏物語』の『紅葉賀』に描かれた光源氏の青海波の舞いは、平安後期~鎌倉時代に天皇や院の五十の賀などで再現されていますが、ただの華やかな行事ではなく、しばしば政治に利用されていたようなのです。後醍醐天皇などは、青海葉を再現することによって、鎌倉幕府打倒計画をほのめかしていたようで、これにはびっくりしました。

 また、『源氏物語』をしばしば引用して書かれた『とはずがたり』の作者、後深草院二条について触れられた項目もあって、興味深く読みました。『源氏物語』を校訂した定家のお母さん、美福門院加賀は、「源氏供養」の目的で源氏物語の本を焼いていたというくだりも面白かったです。

 今は足利義満の部分を読んでいますが、このあと、戦国武将も『源氏物語』を政治的に利用していたという話も出てくるようなので、読むのが楽しみです。何しろまだ300ページ以上残っているので、いつ読み終わるかはわかりませんが、読み終わりましたら、「図書室」で紹介したいと思っています。

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サイン本プレゼントに当選

2009-07-28 09:54:43 | 読書日記
 久しぶりに「読書日記」の記事を書きます。

 「光源氏になった皇子たち」を読み終わったあと、角川ソフィア文庫の「うつほ物語 ービギナーズクラシックス 日本の古典」を読み始めました。
 日本最古の長編小説と言われ、伝奇的要素と世俗的要素を兼ね備えた「うつほ物語」の大まかなストーリーがわかるようになっている本で、とても面白かったのですが、読んでいる途中で体調を崩したりしてなかなか気持ちが本に向かわず、読み終わるまでかなり日にちがかかってしまいました。でも、面白かったので後日、「図書室2」で紹介したいです。早速下書きに取りかからなくては。

 さて、前置きはこのくらいにして、タイトルの話題に移りますね。

集英社文庫の新完訳「赤毛のアンシリーズ」の訳者で、作家の松本侑子さんのホームページにて、毎月、松本さんの著書や訳書のサイン本を読者にプレゼントするという企画が行われています。
 松本侑子さんというと、こちらの記事でも書きましたが、昨年12月13日に講演会を拝聴させていただきました。そして、ご本人とも直接お話しでき、舞い上がってしまったこと、「誰も知らない赤毛のアン」の本にサインをしていただいたことは、今でも昨日のように思い出されます。

 それで、ホームページで行われているサイン本プレゼント企画についても、ずっと以前から知っていましたが、私はくじ運も悪いし、当たるわけがない…と思って応募したことはありませんでした。

 ところが、今年6月のプレゼントが「アメリカ・カナダ物語紀行(amazonでの紹介ページはこちら)」だと知り、心が動いてしまったのでした。

 この「アメリカ・カナダ物語紀行」は、最近、幻冬社文庫から出版された松本侑子さんの新刊本で、「赤毛のアンシリーズ」や「若草物語」、「大草原の小さな家シリーズ」の舞台を紹介した本とのこと、ぜひ読んでみたいと思っていました。なぜなら私は、「赤毛のアンシリーズ」は以前から何回も書いていますようにもちろん大好きですが、「若草物語」や「大草原の小さな家」も好きなのです。

 特に「若草物語」は、「赤毛のアン」と並んで、中学・高校時代の私の愛読書でした。しかも最近、角川文庫からシリーズ全4巻が復刊されたことを知り、5月にamazonから購入し、読んだばかりだったのです。

 「若草物語」というと、南北戦争に行った父親が留守の間の1年間の出来事と、四人姉妹の成長を綴った第一部が有名だと思いますが、実は姉妹が成長して結婚し、その子供達が大きくなるまで物語が続き、第4部で完結しているのです。
 しかし私は、第一部は完訳版を読んだことがありますが、第2部と第3部は児童向けの抄訳版しか読んだことがなかったのです。第四部に至っては読んだことがありません。それが角川文庫から復刊されたことを聞き、飛びついてしまったのです。角川文庫なら、省略はほとんどないでしょうから…。5月の終わりから6月にかけて、平安関係の更新が少なかったのはこんなところにも理由があったのでした。

 それで「若草物語シリーズ」全四巻を読んだ感想は、「完訳が読めて大感激」でした。今まで知らなかった四姉妹のエピソード、特に長女メグの結婚生活の様子や、姉妹の子供たちや次女ジョーの開いた学校の生徒たちのエピソード、更に彼らが大人になってからどうなったかも知ることができて嬉しかったです。

 …と、ちょっと話が横道にそれてしまいましたが…、「大草原の小さな家シリーズ」は、中学生の時に全巻読了しました。それ以来、読み返したことはないのですが、とてもなつかしいです。

 こんな風に、大好きな物語、なつかしい物語の舞台を紹介した「アメリカ・カナダ物語紀行」が読者プレゼントになっているなんてすごい。これは応募するしかない…と思い、早速応募フォームから応募してみたのでした。

 そして7月の始め、「アメリカ・カナダ物語紀行のプレゼントに当選されました」というメールを受け取りました。嬉しかったです。そこで、松本さんのホームページの「サイン本プレゼント」をクリックし、当選者25人の中に自分の名前を確認してさらにわくわく…。

 プレゼントの品が手元に届いたのは7月21日、本のオビには、「アン、ローラの故郷へようこそ!」と書かれていてわくわく。更にとびらには松本侑子さんのサインがアルファベットで書かれています。本当にプレゼントに当選したのだなと実感しました。そして、現在、読んでいるところなのですが、舞台になった土地の紹介はもちろん、物語の解説も書かれていて面白いです。

 ところで、私は先日、サマージャンボ宝くじを買ったのですが、この夏はサイン本プレゼントに当選したことでくじ運を使い果たしてしまったかもしれませんね。3000円でもいいから当たるといいのですが、ちょっと欲張りかな。

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