平安夢柔話

いらっしゃいませ(^^)
管理人えりかの趣味のページ。歴史・平安文学・旅行記・音楽、日常などについて書いています。

出発 ~晩秋の京都へ1

2007-11-30 09:29:59 | 旅の記録
 11月になり、「そろそろ京都に行きたいな…」と思い始めていました。なぜならば、風俗博物館の2007年下半期展示は11月いっぱいだし、紅葉のシーズンだし…。そんな風に色々思いを巡らせ、何とか11月中に行きたいと予定を調節、3連休の2日目の11月24日に行けることになりました。新幹線の切符も何とか取れ、わくわくしながらその日を待ちました。

 さて、旅行の前の日は眠れない…というのが私のパターンなのですが、今回も夜中の1時頃に目が覚め、そのまま眠れなくなってしまいました。いつもなら朝まで眠れないところなのですが、病院から処方されている「交感神経を抑える薬」が効いたらしく、3時頃に再び眠ることができたようです。病院に感謝です。

 そのようなわけで6時に起きたときは多少眠かったものの、頭はわりとすっきりしているし、体調もまあまあ、身支度をして荷物を確認します。今回は日帰りなので、静岡に出かけるときと持ち物はほとんど同じでいいので楽です。

 7時20分に家を出発、下りの電車で掛川まで行き、8時14分のこだまに乗りました。朝食を食べてこなかったのでおなかがすいていたため、こだまの車内で駅で買った昆布入りのおにぎりを食べました。ところが、「昆布」と表示されていたのに中身はツナマヨネーズだったのです。私は、ご飯にマヨネーズというのが苦手なので、半分ほど残してしまいました。そうこうしているうちに浜松に到着、ここでひかり号に乗り換えます。

 ひかり号に乗り換えてしまうと京都までは直通です。旅行の10日前に指定席の切符を購入したためか、私たちの座席は一番後の16号車、しかも3人がけの窓側二つでした。でも、これだけ込んでいて座席が取れただけでも感謝です。ひかり号の中では、お茶を飲みながらさけのおにぎりを食べました。こちらもまたツナマヨネーズが入っていたらどうしようと少々心配でしたが、しっかりさけが入っていたので一安心、おいしく食べることができました。(^^)

 浜松→京都はひかり号では約1時間ちょっとです。便利になりました。京都はすばらしい晴天、でも、空気はひんやりしていました。ハーフコートを着てきて良かった~。

 さて、今回の旅行は、隣のおばちゃん葉つきみかんさんとご一緒することになっており、10時に風俗博物館で待ち合わせをしていました。それで、「タクシーで風俗博物館に直行すれば間に合うよね。」とだんなさんと話していたのですが……、何と、タクシー乗り場には100人以上もの列が…。3連休の2日目である上紅葉のシーズンなので、込んでいることは覚悟していたのですが、これには驚きました。仕方なく予定変更、バスを利用することにしました。バス乗り場に到着したときにはすでに10時を2~3分回っていましたので、「少し遅れます」とみかんさんにメールをしたのですが、あわてていて操作を間違ったらしく、送信エラーになっていたことにあとで気がつきました。それでも何とかバスに乗り、西本願寺前で下車、歩いて井筒南店ビルに到着しました。そして、エレベーターで5階の風俗博物館へ。なつかしいお香のにおいがしてわくわくです。

 風俗博物館の受付の方、私のことを覚えていて下さっていたようで、「久しぶりですね」と言われました。嬉しかったです。おばちゃんもみかんさんもすでに到着されていて再会を喜び合いました。今日1日、よろしくお願いします。

 さて、風俗博物館の今回の展示も見どころ満載、早速、六条院の庭の白砂を携帯で撮ってみました。この白砂、本当によくできているのですよね~。

        

 では、次回は今回の展示の様子をご紹介しますね。

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京都に行って来ました♪

2007-11-25 13:03:43 | えりかの平安な日々 04~09
 昨日は久しぶりに京都に行ったのでちょっと疲れましたが、昨夜はぐっすりとよく眠れましたので、おかげさまで疲れがとれました。では、昨日の日記を…。

 昨日の京都旅行に関しては、「旅の記録」で連載したいと思っていますので、本日は行った場所と簡単な感想を書くことにしますね。

 なお、5月の京都旅行記に関してですが、旅行の直後にだんなさんが体調を崩し、目も悪くしてしまいましたので写真の整理やUPができず、未だにUPできないでいます。旅行から月日が経ち、記憶もあやふやになっていますので旅行記作成のめども立っていません。すみません…。ただ、mixiの方で簡単な旅行記を書いていますので、それをこちらに持ってきてもいいなとも思っているのですが、もうしばらくお待ち下さい。そのようなわけで、昨日の旅行記のUPの方が先になると思います。

 さて昨日は、「隣のおばちゃん 成逸女性会」の隣のおばちゃんさんと、「月桜」の葉つきみかんさんと京都をご一緒しました。まず風俗博物館でお二人と待ち合わせ、展示を見たり装束を着たりしました。

 そのあと近くのレストランでランチを食べ、隣のおばちゃんお薦めの紅葉の穴場、枳殻邸に行きました。紅葉と庭がすばらしかったです。あまりうまく撮れませんでしたが、後日写真を旅行記に載せますね。
 そして、枳殻邸で思いがけない方との出会いがありました。
 枳殻邸では、NHKの「クローズアップ現代」の収録ロケが行われていたのです。もちろん、クローズアップ現代のメインキャスターの国谷裕子さんも見えられていました。この番組、時々見ているのでこれには驚きました。収録が終わったのを見計らい、ミーハーな私は、だんなさんと一緒に国谷さんの所へ…。握手をしてもらい、写真も一緒に撮っていただきました。国谷さんはスタイルも抜群、知的でとても明るい方でした。良い思い出ができました。

 この収録の模様は明日26日の午後7時半から、NHK総合で放映されます。詳しくはこちらのページでご覧下さいませ。収録のその場にいた私、ぜひ番組を拝見させていただこうと思っています。

 さて、枳殻邸をあとにした私たち、タクシーで西陣に向かいました。西陣の古い町並みを歩き、紫野斎院御所跡へ…。選子内親王や尊子内親王の過ごしたこの場所、前から来てみたかったので感激でした。このようにちょっと駆け足でしたが、楽しい時間を過ごすことができて良かったです。ご一緒しました隣のおばちゃん、葉つきみかんさん、改めましてどうもありがとうございました。

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不機嫌な恋人

2007-11-21 10:04:20 | 図書室3
 今回は、田辺聖子さんの王朝恋愛小説を紹介いたします。

☆不機嫌な恋人
内容(「BOOK」データベースより)
三条油小路に住む小侍従は、宮廷きっての美女、という噂。香を調合したり、染め物をしたり、ちょっとした縫物をしたり、というのがとても上手。蓄財の才に長け、女一人で生き抜くのにもそつはない。今、年下の恋人・二条の少将に首ったけ。男と恋が楽しみなのだ。少将は名うてのプレーボーイ。恋の冒険に明けても暮れてもうつつを抜かして倦むことを知らない。ほんの遊び心でかいま見た女は、暗い妖しい情趣と愛らしい少女の零囲気を合わせもつ子持ちの未亡人だったが…。恋、背信、心がわり。―揺れる大人の恋を美しい季節の移ろいとともに描く、王朝の長編恋愛小説。

*なお、この本は昭和63年に角川書店から単行本として出版され、その後同社より文庫化されましたが、現在では共に絶版のようです。ちなみに上の写真は私が所持している単行本です。

 そこで、他の形で出版されている本はないかと検索をかけてみたところ、以下の本が見つかりました。お値段は高めですが現在でも入手可能のようです。

☆田辺聖子全集4 隼別王子の叛乱 不機嫌な恋人
 発行=集英社 価格=4515円


 この本の舞台は平安京、時代設定は平安時代だと思われますが、東国武士らしい人物も出てきますし、和泉式部が「昔の人」と表現されています。なので、時代設定は平安末期頃ということになるかもしれません。

 では、小説の内容と感想に移りますね。

 京に上ってきた武蔵の長者が、七条の荒れた邸に住む故大納言の夫人に懸想し、困り果てた夫人の侍女浅茅がいとこにあたる知兼に助けを求めるところからこの物語が始まります。そして、知兼の主人が二条の少将…、本の紹介文にもありますように、少将には小侍従という恋人がおり、二人は恋に夢中になっていました。この一見関係ないと思われる二つの出来事が一本の線につながり、物語が展開していきます。

 つまり、プレイボーイの少将は七条の未亡人に興味を持ち、「こっそりかいま見させてくれ」と知兼に頼むのです。それで少将は、夫人の清水寺詣での斎、隣に部屋を取り、こっそり夫人をかいま見し、その魅力にすっかり夢中になってしまったのでした。聡明な小侍従はすぐに少将の新しい恋に気づき、次第に悩むようになります。果たして少将と小侍従の恋の行方は?そして不思議な魅力を持った七条の夫人には隠された過去があったのでした…。物語は主上やその弟の東洞院の宮も絡み、思わぬ方向へと向かっていきます。

 この小説の特長は、物語のあちらこちらに装束や香道のことが出てきて、平安時代の雰囲気を感じられることです。特に、女性たちのファッションについての描写が詳しいです。物語のはじめの方で、七条の夫人の侍女浅茅と女童撫子が七条の邸から二条の少将の邸まで歩くシーンがあるのですが、彼女たちは壺装束を着ていたということが文章からわかって楽しかったです。また、平安京の地名や通りの名前も出てきます。このあたり、平安時代に興味のある方にはたまらないのではないでしょうか。

 しかし何と言ってもストーリーが面白いです。思わぬ展開にははらはらしますし、人物描写が生き生きしているので一人一人に感情移入もできると思います。大人になりきれないお坊ちゃんの少将、自立した大人の女性の小侍従、頼りがいのある従者だが実は優柔不断な知兼、そして、心の奥深くにそれぞれ哀しみを秘めている七条の夫人と浅茅…。どの登場人物も魅力的ですが、悩みながら自分の進むべき道をしっかりと見いだしていく小侍従の生き方には感動しました。

 そして物語を読み終えたとき、失ってしまった物の大きさをひしひしと感じ、ちょっと切ない気分にもなります。こんな風に少し切ないお話ですが、田辺さんらしくさわやかに描いていますのでそれほど暗さや惨めさを感じず、さらっと読めるのではないでしょうか。平安時代の雰囲気を感じられる小説ですが、完全なフィクションですので、特に平安好きでなくても楽しく読めると思います。お薦めです。

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昼食会 ー11月18日

2007-11-19 10:13:50 | えりかの平安な日々 04~09
 昨日18日は、だんなさんの元教え子の方4人との昼食会に行って来ました。昔、家に遊びに来たことのある生徒さんばかりなので、私も仲間に入れてもらいました。静岡市内のホテルの1室を借り切ったのですが、お食事をしながら色々お話しをして楽しい時間を過ごすことができました。

 それで、お食事のメニューの写真を撮ってみました。これにご飯とみそ汁がついたのですが、メニューの説明を書いておきますね。(^^)

上の段、左から

☆海藻サラダ
 ホタテの入った海藻サラダです。ほんのりとわさびの味がしました。だんなさんはホタテが苦手なので、二人分もらってしまいました。

☆桜エビのおろしあえ
 桜エビやしらすを大根おろしであえたもの。さっぱりとした味でした。

☆お造り
 マグロや鯛のお刺身が入っていました。お刺身は大好きなので幸せ♪

下の段 左から

☆天ぷら
 なす・シシトウ・桜エビのかき揚げの天ぷら。天つゆに入れていただきました。さすが静岡だけあって、桜エビのかき揚げが特においしかったです。

☆前菜
 サツマイモの煮物、ビーフなどが入っていました。
 特に、チーズをスモークサーモンで巻いたもの(オレンジ色で丸く見えるものです)がおいしかったです。私はこういうもの好きなのですよね。

☆キンメダイの煮物
 キンメダイの他、ゴボウなども入っていました。こちらもおいしかったです。

 …というわけで、おいしい物をたくさん食べて幸せでした。

 ところが帰りに大ハプニング、電車が事故で30分遅れ、最寄りの駅に着いたときはすでに真っ暗でした。おまけに寒くて寒くて…。こんなに寒いと思わなかったので、私の服装、セーターに薄いカーディガンを着ているだけだったのですよね。コートを着てくれば良かったと後悔しました。幸い、同じ市内在住のTさんとタクシーに同乗することができたので、寒い中を家まで歩かずにすんだので良かったです。

 そして家に帰ってみると、16日にネット注文した「紫式部伝」が届いていました。目次を見ると、紫式部の生涯のこと、周りの人々のこと、源氏物語のことなど内容盛りだくさんでわくわくです。読むのが楽しみです。

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病院診察の日 ー11月17日

2007-11-19 10:07:16 | えりかの平安な日々 04~09
 この日は4週間ぶりの病院診察の日。土曜日だけあって込んでいました。30分近く待ってやっと私の名前が呼ばれ診察室へ…。

 それで、気になっていた白血球が多いことについて聞いてみました。すると、「○○(えりかの本名)さんは色々なことに過敏になってしまう性格だから、白血球の数もたまたま増えてしまったのだと思いますよ。いつも多いわけではないから心配いらないです。」とのことでした。先生からこう言ってもらえるとすごく安心するのよね。と言うか、先生の「心配ないですよ。」という言葉が聞きたかったのかも…。

 それから、脂肪とコレステロールの値が正常値ぎりぎりだということも気になっていたので、そちらについても聞いてみました。すると、検査のたびに下がってきているので心配ないとのことでした。よって高脂血症の薬も今のところ必要ないとのこと、ただ、復活の可能性もないとは言えないそうです。トホホ…。

 それと血圧は相変わらず高かったです。薬を飲んできたのに150ありました。なので、血圧を下げる薬と交感神経を抑える薬は引き続き飲み続けることになりました。次の診察はまた4週間後です。

 病院の帰りに、16日の日記でも書いたように書店により、「虚けの舞 織田信雄と北条氏規」を買ってきました。書店ではクリスマスソングが流れていてちょっとびっくり。今年のクリスマスにもディナーを食べに行く予定があるのでわくわくです。そして、今年もあと1ヶ月半なのね。時の経つのは早いです。

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注文してしまった~

2007-11-16 22:02:39 | 読書日記
 本日の午後、静岡の大きな書店に1週間前に注文した「虚けの舞 織田信雄と北条氏規(伊藤 潤 著・彩流社)」が入ってきたと連絡がありました。明日は病院診察の日なので、病院が終わったら書店に行って購入してきます。楽しみです。

 それで、なぜこの本を注文したかといいますと…。

 先日ブログで紹介した「姫の戦国」のラストの方に、助五郎という少年が登場します。彼は北条氏政の弟で、駿河と相模の同盟の際、人質として今川家に送られてきたのでした。それで、なかなかお茶目な少年に描かれていてかわいらしかったです。そして、ちょうど同じ時期に人質として今川家にいたのが松平竹千代、つまり後の徳川家康でした。小説では二人の親しい交流が描かれていましたが、実際にこの二人は後々まで大きな関わりを持つことになるのです。

 助五郎は元服後は北条氏規と名乗り、北条家の軍師のような役をすることになるのです。当然、家康との交渉も行っていたと考えられますよね。そして、氏政・氏直が秀吉との徹底抗戦を主張したのに対し、彼は秀吉との和睦を主張したようです。結局、氏規の主張は聞き入れられず、北条家は小田原城に籠城、秀吉に敗北することとなります。

 その時、氏規は家康との縁で命を助けられて高野山に幽閉されるのですが、後に許されて河内狭山城主になったそうです。

 私は「姫の戦国」を読んで氏規に興味を持ち、ネットで検索をかけたところこの本が見つかりました。こんなマイナーな武将を扱った本があったのにはびっくりしましたが、同時に嬉しくなり即注文してしまいました。読むのが楽しみです。

 さらにもう1冊……、以前から読みたかった「紫式部伝 その生涯と源氏物語(角田文衞 著・法蔵館)」を本日、思い切って注文してしまいました。何と9200円の本です。「平安時代史事典」以来の高い買い物かも…。でも、紫式部についてもっともっと知りたいという気持ちには勝てませんでした。
 こちらはネット注文なので2~3日で届くようです。600ページ以上の厚い本なので読むのに時間がかかりそうですが、やっぱり楽しみ。読書の秋を思いっきり楽しみますね。

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スパゲッティミートソース

2007-11-13 21:00:06 | えりかの平安な日々 04~09
 久しぶりに料理レポートを書きます。

 写真は、本日の我が家の夕食、スパゲッティミートソースです。

 まず、合い挽き肉150グラムとにんじん1本、玉ねぎ1個をみじん切りにしたものを炒めます。玉ねぎをみじん切りしていると目が痛くなるのでちょっと辛いです…。なのでみじん切りが終わって炒める作業に入るとほっとします。

 これを、水400ccとコンソメスープの素少々、それにトマトケチャップを入れた汁でアクを取りながら煮込みました。トマトケチャップの量は適当ですが、味見をして気持ち濃いなという程度の方がおいしくできます。汁気が少なくなってきたら小麦粉少々を入れてとろみをつけ、塩・こしょうで味を調えました。これでミートソース完成です。

 こうして出来上がったミートソースを、ゆでたスパゲッティにかけていただきました。ほんのりと甘酸っぱくておいしかったです。歯触りも最高!家でおいしい物を食べるのも幸せです。スパゲッティもミートソースも少し余ったので、明日の昼食のたしにします。楽しみ楽しみ♪

☆現在読んでいる本

 「不機嫌な恋人」田辺聖子著、王朝の恋愛小説です。再々読ですが面白くてはまっています。読み終わりましたらまた、「図書室3」で紹介したいです。

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姫の戦国

2007-11-11 10:49:13 | 図書室3
 今回は、珍しく戦国時代を舞台にした小説の紹介です。

☆姫の戦国 上・下 (文庫版) 永井 路子 著
1997 \各520 文藝春秋

内容
 京の公家の娘悠姫は、駿河の今川氏親のもとに嫁ぐ。武家と公家の違い、激動する戦国の世にとまどいながらも、今川義元の母として時代を生き抜く女を描く、歴史長篇。

☆永井路子歴史小説全集 12 永井 路子 著
1995 \3,873 中央公論新社

内容
 史上ただ一人という女戦国大名は公家の姫君で今川義元の母―歴史の中に埋もれた人物に光をあて、今川氏のイメージを一新した作品。

 なお、上の写真は私が所持している日本経済新聞社発行の単行本ですが、こちらは絶版となっています。文庫版と全集に関しましては、「books」のサイトでは検索に引っかかるので絶版にはなっていないと思いますが、書店によっては品切れの所もあるようですので古書店か図書館を当たってみた方がよいかもしれません。

 この小説は、京都の公家、中御門宣胤の娘で、駿河の戦国大名、今川氏親に嫁いだ女性、つまり今川義元の母である寿桂尼(1490年頃~1568年)を主人公にした小説です。

 ところで、小説では触れられていないのですが、中御門家は藤原氏勧修寺流、つまり紫式部のだんなさん、藤原宣孝の子孫に当たります。詳しくは当ブログ内の「今川義元の祖先」をご覧下さいませ。寿桂尼や今川義元が藤原宣孝とつながっていると思うと、いっそう親しみがわいてくるのではないかと思います。

 さて、本の内容と私の感想に移りますね。

 この小説の最初の方では、寿桂尼は「悠姫」という名前で登場します。時は応仁の乱から約30年…、都はまだ混乱していました。中御門家にも盗賊が進入し、悠姫も危うく命をねらわれそうになるという始末。そんなとき持ち上がったのが、駿河の大名、今川氏親との縁談でした。

 「都は混乱しているから、姫は駿河に嫁がせた方が安全かもしれない。それに今川家は足利将軍家の一族で、莫大な財産を持っているらしい」と両親もこの縁談に賛成し、悠姫も、「今川家に嫁ぐことで運を開くのだ」と前向きな気持ちで縁談を承諾、駿河に下ることとなります。そんなわけで悠姫からは、政略結婚とか、田舎に下る悲哀とかは全く感じられません。

 こうして今川家に嫁いだ悠姫ですが、幸い夫となった氏親は優しい男で、悠姫もそれなりに幸せな毎日を送ることとなるのですが、武家と公家のしきたりの違いに戸惑ったり、度重なる戦乱に恐れをなしたりします。
 そのうち、夫がよその女との間に子供をもうけていた事実が発覚したり、姑との確執…、様々なことで悠姫は悩むようになります。そんな折り、氏親は病気になり、政務を見ることが困難になってしまいます。そこで悠姫は、まだ幼い息子、氏輝を助け、夫に変わって政務を見ることになったのでした。有名な「今川仮名目録」の作成にも、悠姫が関わっていたと言われています。

 氏親の死後、髪を下ろして寿桂尼となった悠姫ですが、相変わらず氏輝を助けて領国経営に当たります。この頃から彼女は、立派な女戦国大名になっていったのです。しかし、そんな彼女を大きな不幸が襲います。氏輝と、その弟の彦五郎を続いて亡くしてしまうのです。しかし彼女には泣いている暇はなく、出家をしていたもう一人の息子承芳を還俗させて今川義元と名乗らせ、家督を相続させます。そして、その義元のよき相談役で軍師だった人が太原雪斎です。このように寿桂尼・義元・雪斎の3人は一致団結して、駿河の領国経営や隣国の相模・甲斐との外交を行うこととなるのでした。しかしその後、今川家を待ち受けていたものは…。

 この小説を読んでの感想はまず、今川家に対するイメージが変わったということでしょうか。

 今川家は私の地元の戦国大名ですが、はっきり言って地元でも人気がありません。それはやはり、桶狭間での義元の敗戦に原因があるのでしょうけれど、どうしてどうして、義元はなかなか優れた人物だったようなのです。この小説でも強調されていますが、領国の近代化を進めるために善政を行っていました。頭も良く武術にも優れています。そしてその義元をしっかりと補佐していたのが、先にも書いたように寿桂尼と雪斎だったのです。このように義元は側近にも家臣にも恵まれていました。

 義元だけでなく、氏親や氏輝も立派な人物だと思いました。特に、永井さんの描いた氏親は魅力的です。悠姫を悩ませるところもありますけれど、当時は一夫多妻が当たり前ですから、それは大目に見てあげなくては…と思います。エンディング近くで、氏親が寿桂尼の心に語りかける場面がありますが、彼の優しさがあふれていて感動的です。

 しかし、この小説で一番強烈なのはやはり、寿桂尼という女性の生き様です。今川家の女あるじとして見事に生きた彼女のことは、もっと注目してあげてもいいと思いました。何しろ彼女が生きている間はあの武田家も、駿河を攻めることはできなかったのですから…。小説のエンディングで寿桂尼に使えていた侍女が、「尼御台様は、そこにおいでになるだけでご当家の支えになっていらっしゃいました。」とつぶやくのですが、この言葉が彼女の生き方を象徴しているように思えました。

 そして、様々な困難に遭いながらいつも前向きで、明るい寿桂尼からは、私もたくさん学ぶことがありそうです。この小説はかなり波瀾万丈で、描き方によってはかなり暗く惨めな小説になってしまうところなのですが、寿桂尼の明るさがそれを救っているように思えます。そのようなわけでさらっと気楽に読めますのでお薦めです。

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地元が舞台の歴史小説

2007-11-07 19:26:51 | 読書日記
 最近、またちょっと太ってしまったかもしれないな…と気になっています。やっぱり薬を一つ減らしてもらったせいかな?それに最近、一人で夕食を食べるのがおっくうで、だんなさんが帰ってきてから一緒に食べる、つまり止められている10時半の夕食を食べることもしばしばです。まずいですね。体の調子は悪くないのですけれど…。でも、この前の血液検査で脂肪とコレステロールが正常値ぎりぎりだったり、白血球がやや多かったりと気になることも多いので、来週の診察の時に先生に色々聞いてみようかなとも思っています。

 それでも、上で書いたように体の調子は悪くなく、動き回っても前ほど疲れなくなりましたし、何よりも本を読む意欲がわいてきたのが嬉しいです。次は田辺聖子さんの「新源氏物語」と「霧深き宇治の巻」を通して読みたいなとか、久しぶりに如水さんにお会いしたいとか、色々考えてわくわくしています。こんな風に思えるようになったことも元気になった証拠なのかな。

 それで今読んでいる本、「姫の戦国(永井路子著)」、あと4分の1くらいです。実は以前一度図書館から借りて読んだことがあったのですが、今回また急に読みたくなり、「日本の古本屋」を通して購入しました。一度読んだはずなのにほとんど覚えていなくて、今回初めて読む本のように楽しんでいます。

 さて、この本は、京都の公家の娘で、20歳くらいの時に駿河の戦国大名、今川氏親に嫁いできた女性、つまり今川義元の母、寿桂尼を主人公にした歴史小説です。現在放映中の大河ドラマ「風林火山」にも登場する寿桂尼ですが、この本でも、権力を持った、しっかり者の女性に描かれていて頼もしいです。

 しかもこの小説、私の地元が主な舞台になっているところが嬉しかったりします。江尻の港(清水港)とか、富士、焼津、、浜名湖……、「みな私の知っている世界だわ~」とわくわくです。

 そして、寿桂尼が住んでいた今川館、実は今の駿府城のすぐ近くなのだそうです。私は、平成7年1月から約2年半の間、駿府城の外堀のそばに住んでいましたので、ひょっとしたら寿桂尼と同じ地面を踏みしめたことがあったかもしれません。それで、読んでいると寿桂尼に親しみを感じます。いつか今川家ゆかりの史跡巡りをしてみたいです。読み終えたら、「図書室3」でレビューを書けるといいなと思ってもいます。

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祝・中日ドラゴンズ日本一!!

2007-11-01 21:38:07 | えりかの平安な日々 04~09
 この日を待っていました~。中日ドラゴンズ、日本一です!(^^)!20年近く、中日ドラゴンズファンをやっていて本当に良かったです~。

 それにしても今日の試合、1-0とはいかにも中日らしかったです。守り抜いて勝つというのが中日の伝統ですもの。しかも山井ー岩瀬のリレーでパーフェクトです。実は私、先発が山井くんと聞いて少々心配だったのですよね。でもどうしてどうして、8回までパーフェクト、一人もランナーを出さなかったなんてすごく格好良かったです。最後は岩瀬くんがぴしっと押さえてゲームセットになったとき、信じられなくて涙が出てきましたよ。…というか、まだ信じられない気分です。

 と言うわけで、今夜は優勝気分に浸りたいと思います。これからニュース番組で中日優勝のニュースを報道するでしょうから、各局のニュースをはしごします。そして、今夜はいい夢が見られそうです。中日ドラゴンズの選手の皆様、本当にありがとう。そしておめでとう!