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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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ボルベール<帰郷>(映画)女だけで観るべし

2007-07-11 | 映画
あのペドロ・アルモドバルの作品ですからね。
しかもタンゴの名曲「Volver」(カルロス・ガルデル)を題材にしたというのですから、バックミュージックもどんなにいいだろうと期待でいっぱいにして観てしまったわけで・・・
だって、映画「トーク・トゥ・ハー」の音楽はもう、それだけでも大満足でしたから・・・

で、期待しすぎて結局、いまひとつの感はぬぐいきれず
先に★の数を言ってしまえば ★★★☆
いやいや、女性の立場からなら ★★★★ かな~
最後の、もしかしてこれで終わる?と思ったときに、
「どうかもうひとひねり頼む!」
と拝みそうになってしまったもんなー
やっぱり、★★★☆


これは、男性にとっては我慢ならない内容だと思います。
その意味では、「舞妓Haaaan!!!」の逆?

きっと女性が法律をつくった世界なら、こんなことがふつうになるだろうと思われます。
正直、同じ女性としては、小気味いいのです。
なんせ、娘に迫った父親を、または隣の女性と不倫した夫をあっさり殺してしまうのですから・・・
で、
それがまったく本題にならずに、もっぱら女同士の生き方の問題に終始するのですから。

その意味、ペドロさんよくぞやってくれたって気持ちは、ある。

けっして、彼氏といっしょに見に行かないこと。
でないと、このひそかな喜びは半減する・・・にちがいない。

ペネロペ・クルスの多才な美しさにうっとりです。



ダイ・ハード4.0(映画)アクションに感動!

2007-07-10 | 映画
「おおっ!」とか、「すごい!」とか
おもわず声を上げながら観てしまいました。
それほど、アクションがすばらしい。
こんなパターンあったのかと感動してしまいます。

それに悪役がめっぽう強気、そしてそのメンバーたちは運動神経抜群!
アクロバティックな動きは一見の価値あり。

CG映像もあるんだろうけど、それを無理やり見せ付けることはいっさいなし。
やっぱ額に汗してつくった映像は感動の度合いが違います。
ブルース・ウィリスがとにかく頼もしい。

それにしてもこのサイバー・テロ
現実味があるんだよね。だからすごく怖い。

いざというときは、やっぱりアナログですね。

アナログ時代の象徴みたいなCCRのロックが、
ブルース・ウィリスの運転する車の中で流れるシーンが
最後にきて、心にずしっと残る。

思い切って満点★★★★★


舞妓Haaaan!!!(映画)男のわがまま

2007-06-29 | 映画
けっこう面白いんだ、これが・・・

しかし、よ~く考えてみよう。
この舞妓好きの男を、
それだけを生きる原動力としているような男を、

女としてはうっかり許しちゃいけないと思うんだ。

まさにこれは男のわがまま。

だって、
これが逆だったらどうなる??? エッ?
たとえば・・・

「私、ホストしか興味ないから・・・」
(※ホストと舞妓が同じ分野かどうかは私の中では不明。あくまでたとえ話)
なんて言われたカレシは、どんなに惨めな思いをするだろう。

ホストの店に通うために仕事をがんばり、
カレシを捨て、
競争相手の女のまねをして無理をする・・・
そんな女を誰が相手にするだろう。

最後は、言い訳のように彼女に間接的に愛を打ち明けてたみたいだけど

そんなことにだまされて、ほろっとしてはいけない。


面白くて危うく、★いっぱいつけそうになったけど

★★★☆に抑えておきたい!

監督 水田伸生
脚本 宮藤官九郎
出演 阿部サダヲ 堤真一 柴咲コウ 小出早織 伊東四朗

舞妓 Haaaan!!! - goo 映画

しゃべれどもしゃべれども(映画)

2007-06-12 | 映画
佐藤多佳子の原作は、登場人物の一瞬のしぐさや表情がとても繊細にしかも「わかるわかる」って感じで表現されていたので、これを映像ではどんな演技で見せてくれるんだろうとやや期待しすぎたせいか、正直、前半はちょっとギクシャクしてたかなあ。
落語ってすごく難しい。ましてやこれを「下手」に演技するなんてもっと難しそう。だから演ずる俳優たちが実際下手なのか、わざとそう演じているのかわからなくてハラハラしどおし。

がしかし、後半の見事な話しっぷりと気迫のこもった表情は圧巻でした。
もう本気で笑ったし、古典落語をよくぞここまで!と感動して涙ぐんでしまいました。もう泣き笑い状態!
桂枝雀の「まんじゅうこわい」を話した関西弁の子役の演技は、桂枝雀の現役の姿を彷彿とさせてくれました。

頑なでなつこうとしない真っ黒な野良猫みたいな五月役の香里奈さんは結構雰囲気ぴったりだったね。
ばあさん役の八千草薫が文句なしに上手い。いまいち馴染まない若手の中でどっしり落ち着いて締めてました。

おっと、この物語の本題は、落語が上手くなることじゃなくて
気持ちのキャッチボールができない人たち、本気になれない人たちが、出会い、ぶつかりあうことで、素直に思いを表現できるようになるということ。

素直に気持ちを表現するってとてもステキなことだね。

浅草や隅田川、都電沿線などのなつかしい下町東京の景色が随所に映って、現実味のあるさわやかなドラマでした。


佐藤多佳子「しゃべれどもしゃべれども」覚書

★★★★

監督 : 平山秀幸
出演 : 松重豊 伊東四朗 八千草薫 国分太一 香里奈 森永悠希




あるスキャンダルの覚え書き(映画)女の醜さ極まれり

2007-06-11 | 映画
なんせ演じているのがこのメンバーですから、じっくり見入ってしまうのですが・・・

大まかなストーリーを明かしてしまえば、中学校の、美しき女教師は生徒と関係を持ってしまい、老教師は親切な友人と見せかけて、弱みをつかんだ勢いでじっくりこの女教師を自分の囲い物にしようと・・・
というおぞましい世界で、
ちょっとでも演出を間違えれば分野の違う映画となりかねない内容です。

それにしても、ジュディ・ディンチは最近、惜しげもなく、女としての老いと性格の醜さをこれでもかとさらけ出してくれます。

それはさすがというべきですが、
映画の終わりごろには、吐き気に似たいや~な感情がのどの下あたりにつっかえて・・・

同じ女性としては、そこまで見せ付けられると逃げる余地がないって感じでした。

私は映画に夢をみたい主義なので、この映画に関しての点数はこれくらいが精一杯。
★★★

監督 リチャード・エアー

出演 ジュディ・デンチ  ケイト・ブランシェット ビル・ナイ

あるスキャンダルの覚え書き - goo 映画

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド(映画)なんでもありの世界観

2007-06-05 | 映画
ワールド・エンドという副題から、とうとうこれが最終編かと思ったらとんでもない!こりゃ連続ドラマの中盤ってところですよ、きっと。
というか、もっと続いて欲しいと思ってしまいました。

それにしても、海賊たちの中では、生きるも死ぬも必死ですね。
この世のすぐ裏側にあの世があって、しかもなおその間の世界もあるらしい。
でもって、あの世にとってはこの世の人間がおばけ?ってことになるらしい。
そんな世界観がすごい。

前作で死んだと思われたジャック・スパロウは、実はそんな不思議な世界にとらわれていて、もがいているかと思えば、なんともシュールに暮らしており、この映像世界もすごく粋だと思うよね。

前1作、2作のメンバーが勢ぞろいで、復習をしっかりやっておくことが必須。おまけにストーリーの展開が2,3シーン同時進行で進むので復習をしておけば、楽しさ倍増でしょう。
今回、映画館で小さなリーフが渡され、これをじっくり読めば結構思い出されてきて助かりました。

牢に閉じ込められたジャックが「ウィルのように考える」って念仏のようにつぶやきながら脱出方法を考えるシーン。ほんの短いシーンだけれど、ジャックらしいセリフだと思った。そして小賢しいウィルをよく表現している。


そして因果はめぐって、ウィル・ターナーとエリザベス・スワンの壮大な関係。
あの子供は、上映の始まりに登場した子供と同一人物?
だとしたら、また物語はさらに続くのではないかしら?
それにジャックはまたしても船を奪われちゃってるしね。

たぶん上映時間は3時間くらいあったと思うけど、展開は相当忙しくてあくびをしている暇もなく充実していて、3作の中では一番のお気に入り。

★★★★☆


監督 : ゴア・ヴァービンスキー
出演 : ジョニー・デップ 、 オーランド・ブルーム 、 キーラ・ナイトレイ 、 チョウ・ユンファ 、 ジェフリー・ラッシュ 


スパイダーマン3(映画)顔が変わる!

2007-05-05 | 映画
善人から悪人へ、悪人から善人へ。
さすがハリウッドの役者は、表情の変化がすごい!
トビーはもちろん、なんといってもジェームズ・フランコ 。

最近の記憶を失って、ピーター・パーカーと仲良しの記憶しかない状態になったときの、あの人のよさそうな顔!
あまりのギャップとイケ面ぶりにドキッとしてしまった。

相変わらず、アメリカコミックらしさ満載ですっかりアメリカ人になった気分だけど、

さすがに3度目となると、新鮮味に欠け、
しかも、
大学で成績が一番で、MJよりかなりすてきな女性とのキスを見せ付けるパーカーなんて、面白くもなく、

で、その後の展開もいまいち感動がなかったかな~。

トビーは、カッコつける役がぜんぜん似合ってなくて
なのに無理やり踊ったり、女性にやらしい視線を送ったりするものだから、
観てる方が、なんだかしらけた気分になってしまうよね。

★★★

監督
サム・ライミ

出演
トビー・マグワイア
キルスティン・ダンスト
ジェームズ・フランコ
トーマス・ヘイデン・チャーチ
トファー・グレイス
ローズマリー・ハリス

追伸:
このところのアメリカ映画は、まるで連続ドラマ状態で、2匹目、3匹目のドジョウを狙った作品ばかり。これでいいのか!
そんな中で、やっぱり「ホリデイ」は古典っぽいけど小気味よかったよね。


バベル(映画)意思の疎通ができない人間たち

2007-04-30 | 映画
この物語は、誰がどうしてどうなったと話の筋を追って結果を求めるのではなく、モロッコ、日本、メキシコで起こった現実をそのまま飲み込んで、個々に感じればいいんじゃないかと思う。

個人的には
モロッコの幼い兄弟の心の中に絶えず競う気持ちがあって、それが反発心となり、その危うい関係がどんどん最悪な結果を招いていく展開がどうにもたまりませんでした。

そして、
チエコの父親へのイライラした関係、アメリカ人夫婦リチャードとスーザンの踏み込まない関係、メキシコ人とアメリカ警察との泥沼的な結末・・・

違う言語で通じないだけじゃなくて、逃げて伝えようとしない、伝えているのに聞き入れようとしない・・・

地球上にこんなに多くの人々がうごめいていて、こんなに近くに押し合うように生活していて、なんでこんなに意思の疎通ができないんだろう。

最後の、東京の高層マンション群の夜景は、むなしくバベルの塔が林立しているような光景で、その最上階での菊池凛子と役所広司のシーンは塔にポツリと取り残されたようにも見えた。

映像のリアルさが抜群。
渋谷の景色の異様さ。
いつもならこの景色にあまり感じることはなかったけれど、
この映像を見たら、
日本人はどうしてこんな不思議な街をつくっちゃったんだろうと妙な気分になってしまった。

まだ、気持ちの中でこの映画は未消化で、★の数は決まらないけど
★★★★ ってとこかなあ・・・

監督
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

出演
ブラッド・ピット
ケイト・ブランシェット
ガエル・ガルシア・ベルナル
役所広司
菊地凛子
アドリアナ・バラッザ

ホリデイ(映画)映画ファンにとっては名作です

2007-04-24 | 映画
前回の映画「ブラッド・ダイアモンド」がレオナルド・ディカプリオときたら
やっぱり次は、ケイト・ウィンスレットかな~(「タイタニック」のジャックとローズだもの)なんて思って「ホリデイ」観てしまいました。

で、
二組のカップルのラブコメディーではありますが、なかなか現代の映画界の問題をえぐったある意味「名作」でもありました。

近所に住む高齢の脚本家アーサー(イーライ・ウォラック)が言ってくれます。
いまや新作映画は毎週いくつも上映され、その成績ははじめの一週間できまるという。 それがじっくり育つ名作映画を潰してしまう原因となっている と。

まったくです。
今でもミニシアターあたりではじわじわと口コミが広がってロングランになることがありますが、シネコンでは代謝が早くてもう一度観ようと考えているうちに過ぎ去ってしまう感じです。
DVDが発売になるのも早いけど、やっぱりスクリーンで観るのとはずいぶん違ってしまいます。

そこで、この二人のカップル。
DVDショップで映画話に花を咲かせるのですが、ジャック・ブラックの映画音楽へのオタクぶりが、映画ファンの心を大いにくすぐってくれ、しかもたった1秒くらいですが、ダスティ・ホフマンが登場してくれたりするのです。

ロンドン郊外の田舎に育った気取らない感じのケイトがいいですね。
(ケイト演ずるアマンダが住む家が「ローズガーデンヒル」ていうのもた「タイタニック」を意識したんでしょうかね?)

そしていつもなら狂気に満ちたジャック・ブラックのまっすぐ見つめるつぶらな瞳が、ジュード・ロウに負けないくらい「グッドルッキングガイ」に見えて、ドキドキしてしまいました~

もちろん、
ジュード・ロウの瞳には文句なしでメロメロで、キャメロンの愛くるしさは歳をとっても最高で、彼女が雪道をハイヒールで全速疾走する足の運びは、さすがチャーリーズエンジェルと感動する美しさでした。


★★★★☆

監督:ナンシー・マイヤーズ
キャメロン・ディアス ケイト・ウィンスレット ジュード・ロウ ジャック・ブラック

追)ケイト・ウィンスレットの出演した作品では、ジュディ・ディンチが主演ではありますが、「アイリス」が印象に残っています。
じわじわと認知症が進んでいくさまを描いたものですが、たまらない気持ちになりました。




ブラッド ダイアモンド(映画)ダイアモンドなんか買ってはいけない

2007-04-16 | 映画
実は、レオさまファンなのです。

正直、久々のレオさまにちょっと(というかかなりかな
デレっとしました。

ところどころ、「タイタニック」を彷彿とさせるしぐさもあり、
(何回も観た自分には、ほとんどのシーンが目の奥に焼きついている)

そして一段とたくましくなり、相変わらず演技力は冴えていて
(ほとんど、冷静に観ることができていない状態かも・・・
知らぬ間に、このハードなテーマの映画が、
レオ様中心の映画と化していましたね。
それがいいのか悪いのか・・・

やっぱり、個性が強く出すぎるんだろうな・・・


さてさて、
なんと皮肉な現実なんだろう。
アフリカの紛争と何百万人もの難民を生み出しているのは、
ダイヤモンドをより高く売ろうとする先進国にある
ダイアモンド会社の貪欲の結果だったとは・・・

あまりにも残酷な事実だ。
アフリカでは、手当たり次第に銃やナタで殺戮を繰り返し、
奪った少年たちを殺人ゲリラに仕立て上げる。

ほとんど原住民たちには、悲惨な結果以外
なにももたらされていない。

得をしているのは、ほとんどダイアモンド会社のみ。

そしてその背景には、
むやみにダイアモンドを欲しがる女性が大勢いる
という現実があるのだ。

ダイアモンドなど、けっして欲しがってはいけない。
たとえ小さなダイアモンドでも、その向こうには、
たくさんの目を覆うような悲劇があるのだ。

でも、やっぱりほしい・・・
一生買わないなんて、無理かな~~~
しかし、その金額の高さには相当疑問をもったほうがいいのは確かだ。
めいっぱい値切ろう!


★★★★

監督
エドワード・ズウィック

出演
レオナルド・ディカプリオ
ジェニファー・コネリー
ジャイモン・フンスー
マイケル・シーン
アーノルド・ボスロー

アルゼンチンババア(映画)

2007-03-26 | 映画
妻の死を前に、そのことを受け入れられずに
失踪してしまった父親

母の苦しそうな死に際に遭遇して、
「早く死んだほうがいい」と思ってしまった娘


考えてみれば、
あの世へ行く人は、
この世から新しい世界へ、
おそらく後腐れなく生まれて行くのだろうけど

この世に取り残されたものたちは、
激変した現実の中を再び生きるために、
自分の気持ちを整理しなおさなければならない
その「もがき」を描いた作品でしょう。


アルゼンチンババアの言葉の中で
明るく軽く「だいじょうぶ」と
言ってくれるのがなんだかほっとしてよかった。

役所広司は、この父親役にはちょっとかっこよすぎかな~
もっとどうしようもなく頼りなくて情けない感じだとよかったかな。


このメンバーが脇を固めて、やっぱり上手い。
胡散臭いけど、ごくごく庶民的な、
感情的でミーハーな反応を示してくれて
がっちり共感してしまう。

ちょっと面白いという程度で★★★☆

監督・脚本  長尾直樹
原作 よしもとばなな
出演 役所広司 鈴木京香 堀北真希 森下愛子 小林裕吉
手塚理美 田中直樹 きたろう 岸部一徳

ドリームガールズ(映画)唄で泣く

2007-03-05 | 映画
見た、見た。ドリームガールズ。

さすがに昨日の日曜日は、アカデミー賞発表があった
ばかりで、いつになく映画館は込んでましたね。

オープニングから、パワー全開の唄のコンテストで
大盛り上がり。
日本人とは遺伝子が違う。
そのことを徹底的に、思い知らされます。

明らかにこの人たちは、唄うように、リズムを刻む
ように、体ができていると思われ、
とても太刀打ちできないと羨望の思いに・・・

そんな彼らによるミュージカルだ。
すごいに決まってる。


彼女がむちゃくちゃ、チャーミング。

「ワル」にならなきゃ渡っていけない
ショービジネスの世界。
唄の実力よりも、ショー栄えするかどうかが
優先されてしまう

白人受けする音楽と見栄えで、デトロイトから
ラスベガスへ進出。

そのショーの美しさといったら・・・
見てるだけで、
行かずして気分はどっぷりラスベガス。


だけど、心の叫び(ソウル)を唄いたい

その熱い思いが、唄になって爆発するときのど迫力。
素直に涙が流れました。

よくあるミュージカルでは、台詞を無理やり唄で
言う、みたいなところが鼻につき、道でも台所でも
どこでも歌っちゃって、ちょっと、ちょっと・・・て
引いちゃうところがあるけど、

この映画では、
がっちり重い台詞がパワフルな優れた唄となって
しかもちゃんと歌い手にぴったりなステージが用意
されているので、しっかり聞きほれてしまうのだ。

あ~できることなら
(って、到底無理だけど)
あんなふうに唄ってみたい・・・

いつも、口だけは休まることが無いエディマーフィは
今回脇にまわったけれど、あのヘアスタイルとちょっと
くたびれた親父ぶりはさすがでした。

★★★★☆

監督 ビル・コンドン

出演 
ビヨンセ・ノウルズ
ジェイミー・フォックス
エディ・マーフィ
ジェニファー・ハドソン
アニカ・ノニ・ローズ
ダニー・グローバー

幸福な食卓(映画):家族の自由度アップ

2007-02-09 | 映画
どこでボタンを掛け違えちゃったのか・・・

だけどそのままうやむやにすれば、きっとつまらない
家族生活になってしまうんだろう。
だから、いろんな事件で、膿を出すべきだ。

そういう意味では、自殺しようとした父、家を出た母、
農業に方向転換した兄、さらに「父さんをやめる」という父、
それぞれとても行動的だと思った。
自殺は困るけど、こんな風に素直に行動を起こせたらいいなって思った。
それを家族みんなに伝えることができる場面が朝の食卓だ。

ドキッとする台詞が、いいタイミングで出てくる。
覚えておこうと思ったのに、映画が終わればすっかり
思い出せない、情けなさ・・・

うろ覚えだけど、書いておこう。


『どうして・・・』母
風呂場で手首を切り倒れている夫を前に、そう言うだけで動かない妻。
思いっきり裏切られた気がするよね。
今までの私たちはなんだったの? 
だから、
家を出る気持ち、痛いほどわかる。そしてそう行動したのはすごい。

『父親のようにならないために・・・』兄
子供なら一度は思うこと。親っていつも反面教師なのかもしれない。
親に疑いを持ち、気持ちが離れていく始まりでもあるんだろうと思う。
だけど新たな行動を起こした父を観て、また彼は学んでいた。

『家族の責任を放棄している・・・』兄。
そうそう、しっかり放棄してました。
だけど、家族の中での自分の存在がわからなくなったとき、
自分を見つめなおすために、離れてみるのも必要なのかも。
まるで他人のただの友達みたいに・・・

『育てたものをおいしくいただくって大切なことなんだよ』

『他人じゃなきゃ見えないことがある』

『気づかないところでいろいろ守られてる』

『家族ってどんなことがあっても家族だから』

淡々と物語が進みながらも、じわじわと感動が増す。
家族って、頼りあい縛りあうだけじゃなく、
こんなに自由な関係なんだと気持ちが軽くなった。

登場人物全員が、いい雰囲気をかもし出してとてもいいバランス。
熱くなくちょっとクールな演技、それが返って熱い気持ちを共感させる。

そして食事をする相手がいるってとても幸せなことなんだ。
心地よい幸福感が自然に最後を満たした。
エンディングの曲もステキ。

★★★★☆

監督:小松隆志

原作:瀬尾まいこ

音楽:小林武史

出演:北乃きい 勝地涼 平岡祐太 羽場裕一 石田ゆり子

幸せのちから(映画)幸せってなに?

2007-02-06 | 映画
人生思うようにいかないものです。
「余裕」なんてもんが、ほんのちょっともないんです。
もうぎりぎり・・・
都会で生活していくのって大変です。

だけど、チャンスをつかもうと彼は
必死に走ってましたね。
必死にもがいてました。

あきらめない。

その力強さは、学ぶべきかもしれないけれど

この題名の「幸せ」ってなんだろう。

その「ちから」ってどんなことなんだろう。

一流の企業に就職が決まったところでエンディングを迎えてしまって、
「それで終わりなの~っ」て感じです。

ニューヨークへ去ってしまった彼女はどうすんだ。
子供にとって、それでいいのか。
問題まだまだ山積で~す。

★★★

監督:ガブリエレ・ムッチーノ

出演:ウィル・スミス   
   ジェイデン・クリストファー・サイア・スミス
   タンディ・ニュートン
   ブライアン・ハウ

敬愛なるベートーヴェン(映画):神の声が聞こえたような

2007-01-15 | 映画
題名がかなり地味で損してると思います。
でも、観終わるとやっぱり「敬愛なる」ですね。
音楽に感動できる内容です。

作曲家が書きなぐる楽譜を正確に音楽的に誤りなく
写譜する係りがいるそうで、
ベートーヴェンが音楽学校に、最も成績のよい生徒を
よこすよう依頼してやってきたのが、うら若き女性
アンナ・ホルツだった。

耳が聞こえにくくなった上に気性の荒いベートーヴェン、
お世辞が大嫌い、よくないものは徹底的にけなす。
アンナが「敬愛なるベートー・・・」と言い掛けた言葉を
頭ごなしに怒鳴りつける。

耳が聞こえないゆえに、「神の声」を聞こうと必死になる
ベートーヴェン
その葛藤のものすごさ。

アンナと ベートーヴェンは、しだいに運命共同体のように
共鳴しあう。
それは、恋愛感情とはすれすれのところで確かに異なっている。
この微妙な感じが絶妙。

   
第九の初演で、指揮をしなければならないベートーヴェン。
しかし耳が聞こえないため、曲の入りのタイミングがとれない。
これを助けるために、オーケストラの中にしゃがみこんで隠れ、
ベートーヴェンと向かい合って合図をおくるアンナ・ホルツ。

ここが最高の見所。

上手く指揮できるんだろうかと二人を緊張しながら観ていると、
曲の中盤から
彼と彼女のリズムはぴったりと一体化し、うっとり愛撫をうけて
いるようだけど
おそらく二人は神の声を聞きあっていたんだろうと思う。
というより、確かに聞こえてきたような感覚に陥る。

久々のエド・ハリス、なかなかベートーヴェンが似合ってました。

★★★☆

監督
アニエスカ・ホランド

出演
エド・ハリス
ダイアン・クルーガー
マシュー・グード
ラルフ・ライアック
ジョー・アンダーソン
ビル・スチュワート