漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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しゃべれどもしゃべれども(映画)

2007-06-12 | 映画
佐藤多佳子の原作は、登場人物の一瞬のしぐさや表情がとても繊細にしかも「わかるわかる」って感じで表現されていたので、これを映像ではどんな演技で見せてくれるんだろうとやや期待しすぎたせいか、正直、前半はちょっとギクシャクしてたかなあ。
落語ってすごく難しい。ましてやこれを「下手」に演技するなんてもっと難しそう。だから演ずる俳優たちが実際下手なのか、わざとそう演じているのかわからなくてハラハラしどおし。

がしかし、後半の見事な話しっぷりと気迫のこもった表情は圧巻でした。
もう本気で笑ったし、古典落語をよくぞここまで!と感動して涙ぐんでしまいました。もう泣き笑い状態!
桂枝雀の「まんじゅうこわい」を話した関西弁の子役の演技は、桂枝雀の現役の姿を彷彿とさせてくれました。

頑なでなつこうとしない真っ黒な野良猫みたいな五月役の香里奈さんは結構雰囲気ぴったりだったね。
ばあさん役の八千草薫が文句なしに上手い。いまいち馴染まない若手の中でどっしり落ち着いて締めてました。

おっと、この物語の本題は、落語が上手くなることじゃなくて
気持ちのキャッチボールができない人たち、本気になれない人たちが、出会い、ぶつかりあうことで、素直に思いを表現できるようになるということ。

素直に気持ちを表現するってとてもステキなことだね。

浅草や隅田川、都電沿線などのなつかしい下町東京の景色が随所に映って、現実味のあるさわやかなドラマでした。


佐藤多佳子「しゃべれどもしゃべれども」覚書

★★★★

監督 : 平山秀幸
出演 : 松重豊 伊東四朗 八千草薫 国分太一 香里奈 森永悠希





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2 コメント

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こんばんわ (YOSHIYU機)
2008-01-29 23:19:13
コメントありがとうございました。

香里奈は、そんなに好きじゃないのですが
この映画の香里奈は、良かったです。
八千草さん、上手かったですよね~。

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YOSHIKIさんいらっしゃいませ (やく)
2008-01-30 09:32:46
そう、八千草さん、さすがって感じでした。
どんな役でもそれらしくさらっとこなしてしまう。
これからもどんどん映画で活躍してほしいですね。
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