敵 2011-04-22 21:09:35 | 本 『敵』 筒井康隆 ☆☆☆☆☆ ハードカバーで再読。円熟味溢れる傑作だ。 本書のテーマは「老い」である。といっても老いの辛さや悲しさだけでなく、老いの愉しみや醍醐味までが確信犯的に描かれているのが筒井康隆らしい。これはある意味、理想的な晩年の姿を描いた小説でもあるのかも知れない。もちろんそれは世間的に安楽で幸福な老後といわれるようなものではなく、厳しい孤独や死の恐怖を突き抜けたところに現 . . . 本文を読む