江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

挨拶

2009-06-27 12:39:48 | 日本の文化について
「日本人は何故『さようなら』と別れるか」(ちくま新書)を読んだ。
読み終えるのに時間がかかってしまったので、ここに内容をまとめるのは
かなり難しい。
『さようなら』と言う言葉に込められた日本人の意識を追及した哲学書に
なっている。この言葉は、「そうならなければならないならば」と言う
必然と、未来へつながる思いと不可避を受け止める諦念を併せ持つと言う。

私はこの本を読みながら、「お早う」「こんにちは」「こんばんは」と言う
日本の挨拶の言葉が離れなかった。
何年も前になるが、私はこれら挨拶の言葉が翻訳されてできた言葉だと
思ったことがある。中国語や朝鮮語にない言葉だからだ。
でも考えてみると、これら挨拶の言葉のあとに省略されている言葉がある
ことが判る。
「お早いお出でで」
「こんにちは生憎の雨模様で」 などなど・・・
つまり、時候の挨拶の省略なのだと思った。
日本人は無自覚のうちに、どんなに偶然の出会いであっても時候の挨拶に
始まって、必然の別れの挨拶をしていることになるのだろうか。
これは手紙と同じなのではないか。
手紙と同じならば、「こんにちは」と「さようなら」の間に何かの展開が
ある。
展開とは会話の場合、相手を思いやる事なのかもしれない。

「さようなら」と言う言葉から、ついこんなことを考えてしまった。
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