江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

もらった人形

2024-04-24 01:09:49 | 人形について


静岡の公演後、子供たちが作った人形をプレゼントされた。
写真ではなかなか伝わらないのだろうが、
面白いのだ。
胴とカシラを輪ゴムが貫き
上の割りばしで作った手板につながっている。
手はちょっと幅のある綿紐が通っている。

これも操り人形なのだろうか。

上下にゆすると、不規則に人形が動く。
カシラもしかり。
それがおかしいし、かわいい。
でも、簡単でも芝居ができるかというと
できない。
だから操り人形とは言えないだろう。
まあ、こんな七面倒な話はやめて、
この人形を楽しもう。
ほれ、遊んでいるうちゴムが外れてしまった。
私なりに修正を加える。

なんってったって発想が自由だ。
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宮本寺

2024-02-20 17:16:29 | 人形について
佐渡での会場の宮本寺は、人形寺とも呼ばれている。
先代のご住職が人形を製作していたところから
そう呼ばれるようになったという。



人形の頭が良い。



佐渡には「説教人形」「のろま人形」「文弥人形」と3種もある。
大方ある人形に人気が出ると、ほかの人形たちは駆逐されることが多く
何故3種も併存してきたのか不思議でたまらなかった。
打ち上げの食事会で私は、根掘り葉掘りと尋ねてみた。
「説教人形」は高齢化でもう活動を停止しているそうだが、
「文弥人形」は文弥節の語りで人形を遣い、
「のろま人形」は人形遣いが佐渡弁丸出しでしゃべり
ちょうど能における狂言と同じような立場だとのこと。
なるほどと思う。
ただ「説教人形」と「文弥人形」の併存については
分からなかった。

私たちと一緒に上演した「文弥人形」の「虫紋座(むしもんざ)」は
若い人が多く、なんでこんなにも若い人が多いのか、これまた不思議だった。



私の知る人形劇の世界では高齢化が進み
フェスティバルなどで会う人形劇団の構成員に
若い人はほとんどいない。
羨ましさもあって尋ねると、
若い人がいるのは「虫紋座」だけですよ、とのこと。
えっ、なぜ?
どうやら若い人を引き付ける磁力が
この辺りにはあるらしい。
私の知り合いの大道芸人も、この辺りに移住してしまった。
実は私たちも、はまりつつある。

「虫紋座」の公演は、面白かった。
初めて文弥節を聞いたのだが、これが意外とわかりやすかった。
文弥節はいくつかの節回しを組み合わせるだけとのことだったが、
決して単調にならず、飽きることがなかった。
「虫紋座」のむしもんは佐渡弁で、
お前はむしもんだ、
などと使うらしい。
なんとなくニュアンスはわかったのだが、
私から説明することはやめたほうが良いのだろう。
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ワークショップ 三条

2024-02-16 01:16:09 | 人形について
三条に行ったことはなかった。
でも夏、いいだ人形劇フェスタの後喜多方に回る時
三条を通過するのが夜の7時頃だったら
車の前にポーンと花火が揚がる。
これが実に綺麗なのだ。

会場には大人が50人以上、子供が20人以上集まり
満席の状態。
階段席の前に親子のための特別席を設け、
と言っても特別に何かしたわけではなく、
ただ床に座ってもらっただけなのだが、
これがかぶりつきになって
この距離の近さが良かったのか
人形が動き始めた途端子どもたちは
コロコロ、ケラケラと笑い出し
会場全体がリラックスしていく。
これがワークショップにつながっていく。

蝶は47個しか残っていない。
子どもたちには全員好きな色のを取ってもらったので、
残りを子どもの親以外の大人に取ってもらう。
でも全員には行き亘らない。
こればかりは仕方がない。

蝶の遣い方を簡単に教え、自由に遣ってもらうと、
大人は大人でいくつか塊になってワイワイ、
子どもたちはあちこちと動き回って
やれ自分の糸が絡まったとか、2人の蝶が絡まったとか
これはこれでワイワイ。
蝶に飽きて、手を放してしまう子がいない。
こんなにも盛り上がるとは思ってもいなかった。

蝶は、その重さを感じながら、
糸を遊ばせ過ぎないようにゆすって飛んでいるように見せ、
しかも2匹を遣うのだからその関係性を考えて物語を作り
その上で獅子と関係を作る。
獅子が飛び掛かる時の逃げる間が大切だし、
私は、
糸あやつりの基本は、
蝶に始まって蝶に終わると思っている。

蝶を作るのに、丸1日かかっても10組できるかどうか
大変だったけれどもやる甲斐はあると思った。
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ワークショップ 佐渡

2024-02-15 01:39:16 | 人形について
これほど盛り上がるとは思わなかった。

佐渡には伝統人形芝居が3種もある。
「文弥人形」「のろま人形」「説教人形」
この狭い島の中で「文弥人形」は9座ぐらい
「のろま人形」は3座、「説教人形」は活動を停止しているとか
しかしこれだけの人形が残っていること自体凄いことだが、
逆になぜこれだけの人形が残ったのか、不思議だった。
その話はまたの機会にすることにして
言い方は悪いかもしれないが、
これだけの伝統があるのなら、気位は高いだろう 
と、思われた。
そこに乗り込むのだ。
私は鈍いのか、それほどには思っていなかったが、
企画を立てた柳さんは、ちょっと気合が入っていたようだ。

客席はリラックスしている。
40人ぐらいは入っているであろうか。
子どもたちは10人ほど。
人形を遣い始めると、子供も大人も良く観ている。
質問コーナーに入ると、いろんな質問が出てくる。
それだけ興味を持ってもらったと、嬉しくなる。
そして体験コーナーに。
9色の蝶をざっと舞台に広げる。
まずは子どもたち全員に取ってもらい、
残ったのを希望する大人たちに。
糸の延ばし方、そして糸の持ち方の基本を教えるが、
大人でも難しいようで、強要はしない。
蝶の重さを、糸を通して感じてもらいたいと話す。
良きところで蝶の片付け方を教える。

その後、実際に私たちの人形を遣ってもらう。

ぽつぽつ帰り支度をする人が出てきた。
獅子で頭を噛んで回る。
もちろんここには門付の獅子舞があるのだが
人形の獅子は、また大きな獅子とは一味違うのだろう
会場が一段と華やかになる。

ここでお時間となる。
打ち上げでは、人形談議に花が咲く。
ここは宮本寺。
通称人形寺という。
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利き手

2024-01-22 17:26:55 | 人形について
テレビで右利きと左利きの話をしていた。
途中から見たので
初めにどんな会話がされていたのか分からないが、
人間の大腿骨は左のほうが右より長くできていて、
軸足になるようになっているのだとか。
だから陸上のトラックは反時計回りに回るのだそうだ。
左足を軸足にして、右足で蹴るから。

また顔の表情は、右のほうが豊かなのだという。
なんだか人間は右利きに生まれてくるように思えるけれども、
左利きは、どの民族であろうが大体1割いるのだそうだ。
ではなぜ左利きが生まれるのか、
それはわからないという。
人類の存続に必要なのかもしれない、とは私の感想。

そんな話を聞いていて、
ふと思いついたことがある。
もし左利きの人がそれなりに稽古して(何も左利きでなくても良いのだが)
手板を右・左同程度に遣えるようになったとしたら
そうすると右で遣った時と左で遣った時で
人形の性格は変わったように見えるのだろうかと。
同じ人形を2体、それに手板を右用と左用を用意して遣い比べると、
違いがはっきりと見えるのだろうか。

現代ジャズピアノに多大な影響を与えたのは
ビル・エヴァンスとマッコイ・タイナー
この二人に共通するのは左利きなのだそうだ。
ビートルズがあれだけの楽曲を残すことができたのは、
ポール・マッカートニーという左利きがいたから?

日本では長いこと左利きは右に直されていた。
古典は今もそうだが、
確かに長唄で5丁5枚(三味線に5人、唄に5人のこと)と並んで
一人だけ三味線を逆に持ったら、様にならないだろう。
日本の場合、右利きを前提に構成されているということか。
その点糸操りはまだ自由が利く。
やってみたいものだ。
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