江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

8月25日 のげシャーレ

2012-08-31 17:46:52 | 日記
江戸糸あやつり人形にとって横浜にぎわい座(のげシャーレ)初の単独公演、
しかも2月にやったものの再演
「私たちだけではお客さんは呼べないですよ、無名ですから」
企画を寄せられたとき、そうお答えしたのだが、
舞台と客席を近づけた密な空間でお客さんに見て欲しいし、
こういう企画をこれからにぎわい座として取り組んでいきたい
と説得され、引き受けた・・・

8月9日の段階でチケットは20枚しか売れていないという。
私のところに来る葉書や電話は、皆行けないというものばかり。
私たちは淋しい客席を覚悟した。
いざ蓋を開けてみると
流石に満席というわけにはいかなかったが、
秋田から駆けつけてくれた母子もいて、70名ほどの人で埋まり、
舞台から見ると、それはなかなか立派なもの。
しかも反応が良かった。
ロビーに出てお見送りしたとき、
お客さんの顔の良いこと。
来年に繋がるかどうか分からないけれども、
にぎわい座の皆さんも喜んでくれた。

知名度や認知度は急に上がるものではない。
今までどおりコツコツと
またこれが、私たちには似合っている。
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喜之助フェスティバル そして 愛生園

2012-08-30 23:34:23 | 日記
昨年は会場に辿り着くことはできたのだが、
何もできぬまま翌朝には帰京してしまった、
そんなことをしてしまったのだから、もう二度と声はかからないだろうと思っていた。
ところが声を掛けていただいたのだから、これほど嬉しいことはない。

私たちは古典と思われているところもあって、
いままではそんなに一杯になる感じではなかったのだが、
今年は違っていた。
初日の午後の部に少し余裕があっただけで、
後は本当に驚くほど多くの人が集まった。
見づらかった人も多かっただろうと思う。申し訳なかった。

そして今年の特徴は、
大人が多かったこと。
ここも少子化の影響があるという。
このフェスティバルの前に喜之助人形展を開いたそうで、
昨年よりグッと入場者を増やしたのだそうだ。

月曜日は愛生園へ。
昨年のドタキャンで受け入れてもらえないかと思いきや、
ここも快く受け入れてくれた。
しかも以前より入場者は増えているし、
何人からは「腰の調子はどうね」と声を掛けられた。
また別の人からは「去年待っとんたのよ」とまで言われてしまった。
これは嬉しいことだ。
そしてもっと嬉しいことに、
いままで見たことない弾けるような笑顔に包まれたことだ。
皆よく笑ってくれた。
「また来年も待っているからね」
懇意にしている入所者に
「いつも同じものですみません」というと
「なぁに、忘れているから大丈夫だよ」
入所者の平均年齢は、優に80歳を越えてしまっている。

来年もまた元気な笑顔に出会いたいと思う。
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怒濤の如し、この夏

2012-08-29 17:07:29 | 日記
稽古を必要とする芝居を3本、それに加えて昨日は6時間半に及ぶビデオ収録。
怒濤のようなこの夏を、昨日やっと乗り越えることができた。
芝居ものをやると、何かと必要なものが出て来たりお付き合いがあったりで、
気が付くと赤字になっていたりするのだが、
このご時世、忙しいことは何よりだ。

昨日は動画サイトに流すものを収録したのだが、
「かっぽれ」「酔いどれ」「獅子舞」にもう1体加えて
それぞれその振りを想定して全く新しく作曲された音楽に合わせて
人形を遣うというもの。

企画は若い人で、現場にはインターネットを通じて知り合ったという人たちが
10数人手伝いに集まっていて、
それは私には初めての経験だった。
考えてみると私のパソコン経験は、全てが知人・友人のお陰で
そのお陰がまた一つ増えた感じだ。
彼らのメールのやり取りを見ていると、それがなかなかの熱気で
また出会ってみると皆気持ちの良い人ばかり、
日本はまだまだ大丈夫と思う。

渡された曲は8分足らず。
ところが「かっぽれ」部分の曲が、やたらと速い。
また全体にきっかけが細かくある。
ともかく何度も聞いて曲に慣れ、イメージを創って現場に向かう。

ところが実際に収録に入ると、
曲のテンポの速さに焦りが出て、手が追いつかない。
これも初体験。
私のリズム感は悪いほうではないと思うのだが、
ともかく速すぎて、人形がグズグズになってしまう。
手数を少なくして、曲に慣れるまで何度も人形を遣う。

絵コンテはカメラマンの頭にあるという。
カメラ位置を次々に変えて、またそこで何度も遣う。
良いものを作りたいという熱意が、ひしひしと伝わってくる。
結局休憩は昼食の30分だけ。
私もひたすら人形を遣い続けたのだが、
帰りの車を運転していて、
突然疲労感が押し寄せてきた。
そして10時半には、崩れるように眠りこんでいた。
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9月のスケジュール

2012-08-27 23:09:38 | スケジュール
数日前からコオロギが鳴き始めました。
どんなに残暑が厳しくとも、昆虫たちには秋が来ているのですね。

9月のスケジュールを、ご案内いたします。
ここには一般の方がご覧になれるものに限っています。

9月9日(日) 立川子ども劇場
 場所:立川市女性総合センターアイムホール
    (立川市曙町2-36-2)
 開演:14時 (開場は30分前)
 問合せ:042-526-0731(立川子ども劇場)

9月15日(土) 吉田屋商店・大道芸 ヘブンアーティスト
 場所:上野桜木交差点角
 時間:13時~15時

9月17日(月) 東京健康ランドまねきの湯
 住所:江戸川区船堀1丁目2-1
 電話:03-3878-4126
 時間:14時~、18時~

9月20~27日 浅草21世紀
 場所:浅草木馬亭
 時間:13時~ (全日程)
    16時~ (21,22,23日のみあり)
 料金:前売り 2,000円
    当日  2,500円
 問合せ:03-3844-2130

9月29日(土) 下町風俗資料館・大道芸
 時間:12時~14時
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泣き出した女性

2012-08-16 19:05:43 | 日記
明日、朝早く瀬戸内に。
随分髪が伸びたので、整髪に行く。

私の目の前の鏡の裏側に、若い女性が坐った。
高校1年生で、部活の規定から長い髪を切らなければならないと言う。
確かに長い真っ直ぐな髪が足元に落ちていくのが見える。
最後のドライヤーが掛けられているとき、
彼女は突然泣き出してしまった。
何事かと、それまで冗談ばかり言っていたおじさん二人は
―もちろん私と、私の担当の美容師―
黙りこくってしまった。

私には良く事情が飲み込めなかったのだが、
後で聞いた話しでは、
その娘は、小さいときからストレートパーマをかけて
ずっと髪を伸ばし続けてきていたとのこと、
美容院に来たとき、既に不安な顔をしていたそうで、
そういうときは大体こういう結果になると見越して
少し長めにカットするのだそうだが、
部活で規定されているからそれもできず、
担当していた、私たちより若いけれどやはりおじさんは
グッタリと疲れ切っていた。

子どものときからずっと髪を伸ばし続けてきた女性には、
考え方が凝り固まっている人が多いという。
男性と違って女性は、いろんな髪型が出来るのでたのしいだろうに
と思うのだが、
そうではない女性がいるとは、知らなかった。

人類は多様である。
と同時に個人も多様で、様々な可能性を秘めていると、私は思う。
髪型で自分の意識を固定化してしまうほどもったいない話しはなく、
若いうちは特に
素直な自分を知ることも、新たな自分を知ることも
とても大切なのだ。

帰って行く彼女を見たら、なかなか良い髪型をしていた。
きっと仲間たちに褒められて、納得するのだろうと
おじさんたちは見送っていた。
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