江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

8月30日 雨

2009-08-30 23:02:58 | 日記
今日のような天気は、頭を悩ませてしまう。
今日は結構早くから雨が降り出したので、決断は早かったのだが、
予報では雨で、確かに暗く曇っていて風は強いけれども、雨は降っていない
と言うときは、ヘブンアーティストの場合予約しているだけに、判断に
困ってしまう。
断った後晴れ間が出たりすると、申し訳ない思いから気持ちが重くなる。
でも、私たちから見れば、すっきり晴れていないと大道芸の面白さは出ない。
太陽が出ているかどうかで、お客さんの雰囲気は全然違ってくるのだ。
人間はお天気に左右されているのが、肌で感じる。

今日は用事で外に出たのだが、天気だけでなく選挙の影響もあるのか、
繁華街は静かだった。
そう、人間は政治にも左右される。
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8月29日 下町風俗資料館

2009-08-29 22:54:19 | 日記
一度秋の空気を体が覚えると、なかなか夏には戻れない。
今日は1回目で汗を出し切ったかと思えるほど、ずぶ濡れになってしまった。
ともかく暑かった。

資料館の前に大きな木があって、木蔭をたっぷりと作っている。
お客さんに涼しく見てもらおうと、私たちは不忍池を背にする。
背中にカンカンと日差し。
この時期の日差しは真夏とも違って、何かまとわりつくような暑さだ。
人形を遣っていて、なんだか煽られているような感じがして落ち着かない。
3回目のときにやっと雲がかかるようになり、また涼しい風が少し吹くように
なってやっと落ち着いた人形を遣えるようになったが、なんだか変な1日だった。

不忍池は、ハスの花が見事だ。
花が大きすぎて重いからか、みんなハスに傾いている。

今日のお客さんに綺麗な人が多かった。
かみさんもそう思ったそうだが、
「だから落ち着かなかったんじゃないの」
まだまだ修行が足りない。
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見て覚えろ

2009-08-28 23:19:16 | 人形について
修行に入ったとき、真っ先に言われたのが「見て覚えろ」
ところが、何を見て、何を覚えるべきなのか分からない。
しばらくすると、「教えてもらわなければ覚えられない」と言う声も
周りから聞こえてくる。
私は、それでも見た。
「恐い顔をしている」と言われた事もある。
何を覚えるべきか分からないから、ともかく見えるものは何でも頭に
入れておこうと、見た。

9年目ぐらいから師匠に人形を直接教えてもらえるようになった。
「こうやって、こうするだろう」
見せてもらったとおりに遣おうとする。
「そうじゃない、こうやって・・・・お前、どこ見てんだ!」
そうなのだ、人形を見るべきか、左手を見るべきか、右手を見るべきか
それが分からないのだ。
今私は、師匠と同じことを言っている。
見ることができないんだな、とよく分かる。

片山九郎右衛門という能楽シテ方で人間国宝の方の言葉が新聞に載っていた。
若い人に向かって
「芸を盗めるように自分を鍛えないけません」
と言っているそうだ。

私は時々師匠や先輩たちの人形を思い出す。
あの時こう遣っていたから、人形はああ動いていたのか、と
気付くこともある。
今やっと、見て覚えられる力を付けてきたのかもしれない。
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9月のスケジュール

2009-08-27 23:49:40 | 日記
ここには一般の方がご覧になれるものをお知らせしています。

9月5日(土)、6日(日) 第9回さっぽろ だい・どん・でん
 5日 13:50~ ドン・キホーテ前  15:50~ 四丁目交差点
 6日 14:00~ PIVOT前    16:00~ ケンタッキー前
4日には前夜祭があるそうです。詳細は未定。

9月13日(日) 上野公園・すり鉢山 大道芸
 14時~16時

9月27日(日) 明治神宮
 主催:日本文化藝術財団
 詳細は未定です。

他に声の掛っている日もありますが、決定しましたらお知らせします。
また空いている週末・祭日で柴又帝釈天に出る日もあります。
その時も改めてお知らせします。
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漁師の手

2009-08-26 23:16:31 | 日記
70歳になる漁師が我が家に遊びに来た。
彼は中学を卒業してマグロ船に乗っていたが、大病を患い九死に一生を得てから
マグロ船を下り、今は一人船に乗って漁をしている。
彼は名人らしい。
他の人が不漁でも、彼だけは豊漁ってことは良くあるらしい。
またその地域では彼だけが引き継いでいる伝統漁と言うのもある。
だから結構新聞やテレビの取材を受けている。

彼はともかく漁のことしか考えていない。
船に乗っていれば、それだけで幸せなのだと言う。
だから上京するのは嫌だったらしい。
朝一番の飛行機を迎えに行ったとき、さてこれからどこへ行こうかと悩んで
しまった。
車を走らせながらあれこれ考え、「海ほたる」に行く事にした。
これが正解。私も初めて。
東京湾を一望に見渡す事ができ、しかも海底トンネルを通ってきた事に
いたく感激。
そして海風が潮を含まないのか、全くべたべたしない事に驚く。

彼の手は、節々がごつごつしていてまるで岩のようだ。
指の腹がこんもりと膨れ上がっている。
特に親指が凄く、私の親指を並べると、まるで大人と赤子の違いほどある。
私の手も、それなりにごつごつしてきたと思うのだが、まるで白魚のように
見えるから、並べ比べる事が恥ずかしくなる。

手は、その人の労働で作られる。
その人の人生が詰まっていると言うか、勲章といっても良いかもしれない。
今後20年で、私の手はどのように変わっていくのだろうか。

いつか近い将来、彼の船に乗せてもらう約束をした。
足手まといにならないように、彼の仕事ップリをたっぷり見て来たいと思う。
すると隣にいた釣り好きが一言。
必ず酔い止めは飲むように、
と薬の名前まで教えてくれた。
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