江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

語り物

2018-08-14 00:45:42 | 日本の文化について
今日京王線に乗っていると、小田急線遅延のテロップが流れていた。

「××駅構内で人身事故のため遅延・・・」

何か違和感を覚える。

「駅構内で起こった人身事故のため」

ならわかる。
もしくは

「駅構内での人身事故のため」

これでもよい。

最近テレビや新聞を見ていて、こういう違和感を覚える使い方が
目につくようになってきた。

私は、明治維新の最大の失敗は“国語”教育にあると
思うようになってきた。
日本語を西洋式の文法でとらえることばかりに気を取られ
言葉を相手に伝える教育が全くなされていない。
戦後早々までは義太夫や浪曲と言った語り物が流行し、
それを聞くことで
言葉を相手に伝える技術が自然と身についた。

その語り物が全く見向きもされないようになって
微妙な言葉の感覚が失われてきたと気付いたのだ。

ある会社は、社内の連絡をメールではなくツイッターに替えたと
報道された。
メールだと、ちゃんと書いたものを
校正しなければならなかったけれども、
ツイッターだと気にしなくて良いから会話が弾んで
効率が良くなったと、社員は胸を張っていた。
私はこの会社を信じない。

江戸時代、太平記読みという大道芸人がいた。
随分人気があったようで、
江戸の庶民はそれを聞くことで
日本の歴史や故事を覚えるだけでなく、中国のそれも覚えた。
世代を超えた”常識”が作られるきっかけになったというのだ。

今の大道芸人を見ていると、
マイクに頼っているだけで、
言葉が伝わっていかない芸人が多いように思う。

これも仕方のないことか。
総理や副総理の言葉が全然国民に届かないのだから。
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