今日は幼稚園での公演。
地唄舞の「黒髪」は子どもたちには難しいかなと思われがちだし
自分でもそう思っていたところがあったが、
今日は敢えて見せることに。
理由は、ただ単に見せたいと思っただけ。
「難しいかもしれない」と言ったからか、始めのうちちょっと声が聞こえたが、
じきに静かになって
最後は心地よい緊張感の中で終えることができた。
大人はよく、子供には難しい、と言うが、
実は大人の思い込みなのではないかと思っている。
もっといろんなものを子どもには見せるべきだと思う。
大人になって劇場に足を運ぶ人は、減っていくばかりのようだ。
この原因に、子どものときに経験した鑑賞会で、
やれ大人しく見なさい、声を出してはいけない、ものを食べてはいけない、
何はダメ、かにはいけない、あれもいけない・・・・
「いけない」尽くしで、窮屈な思いをしながら育ったのではないか。
劇場では観客が観客を演じている
とは、以前言われた事で前にも書いたのだが、
これこそ子どものときに刷り込まれた事なのではないかと思っている。
今日の子どもたちは、実にのびのびしていた。
人形の一挙手一投足に声を出して反応し、
質問コーナーを設ければ私を質問攻めにし、
人形を目の前に出せば、全員グッと近寄ってくる。
このまま育ってくれればと願うばかりである。