江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

区長さんの話

2024-07-08 23:54:18 | 日記
区長さんの話では、震災にあって避難所に移っても
2か月はただボーッとしていたと言う。

震災はすさまじかった。
乗光寺で食事をとったところは
天井から幾つも裸電球が下がっている。
実はフードがかぶっていたけれども
揺れで跳ね上がり、
天井にぶつかってことごとく割れてしまったのだという。

区長さんの処では、2か月を過ぎた頃に建築家がやってきて、
この家は大丈夫という診断が下され、
やっとみな家の片付けをしようという気になったのだという。

2か月、それを聞いた私は、質問する、
空き巣の被害は大丈夫だったのですか。

区長さんはちょっとムッとして、
何を持ちだしたらよいか、なんて、考えられないんだよ。

備えを整えて置け
と、人は言うけれども
跳ね上がる大地になすすべなく
身一つで逃げるのが精いっぱいだったのだろう、
もしかしたら余震で崩れるかもしれない家に戻れるだろうか
しかも家のなかはぐちゃぐちゃ
探し出すなんて無理だろう。
ところが悔しいことに空き巣は鼻が利く。

この避難所は、1階が炊き出しと独り者の避難者用の部屋
2階は個室になっているので家族が使うようにした。
1階にはいろんな人が集まる。
酒もある。
外からもやってきて酒を飲む。
そうすると、うわさ話や人の悪口が出るようになる。
人間関係がぎすぎすするようになったという。
そこで区長さんは、1階での飲酒を禁止した。
そうして人間関係を取り戻したそうだ。

そういえば福島に2度慰問に行った仮設住宅があった。
1度目の時はひょうきんで場を盛り上げていた人が、
2度目の時はとても暗く、気になったのだが、
もしかしたら、そんな人間関係があったのかもしれない。

いろいろ考えさせられる区長さんの話だった。
コメント
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