江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

問題ある判決

2012-07-31 23:54:11 | 日記
姉を殺害したアスペルガー症候群という発達障害を持った男性に対して、
懲役16年の求刑を超える懲役20年の判決が出た。
その理由が、母親らが被告との同居を断り、
被告の障害に対応できる受け皿が社会にないとして、
「再犯の恐れがあり、許される限り長期間内省を深めさせることが
社会秩序のためになる」
とされた。(毎日新聞による)

母親は、事件当時施設に入っていたそうで、
同居を断ったことを単純に非難することはできないようだ。
男性は、引きこもりになった原因が姉のせいだと思い、
恨みを募らせて犯行に及んだとされる。

何が問題かというと、
社会に受け皿がなく再犯の恐れがあるから、刑務所に閉じ込めておけ
という内容。
この発想は、精神病患者を鉄格子の中に閉じ込めたり、
ハンセン病患者を隔離した歴史とダブって見えてしまう、とても危険なものだ。
刑を重くする前に、社会に受け皿を作るよう働きかけるべきであり、
このままでは発達障害者に対して、差別を助長させるものになってしまう。
こんな判決が出るとは、とても信じられなかった。
裁判所から、基本的人権の意識が消えてしまったのか。

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8月のスケジュール

2012-07-29 23:46:34 | スケジュール
ここには一般の方がご覧になれるものを、案内しています。

8月3日(金)~5日(日) いいだ人形劇フェスタ
 3日(金) 飯田市公民館ホール
   開演:18時半
   料金:1000円
   演目:「牡丹灯籠(浪曲との共演)」「都鳥」ほか
 4日(土) アップルタウン伝馬町2(善勝寺研修ホール)
   開演:13時
   料金:ワッペン公演
 4日(土) アップルタウン銀座3 大道芸
   開演:15時
 5日(日) 名古熊神社   
   開演:11時
 問合せ:0265-23-3552(いいだ人形劇フェスタ実行委員会)


8月6日(月)~7日(火) 喜多方発21世紀シアター
 6日(月) れんが
   開演:18時半
   演目:「ショ・ジョ・ジ」「都鳥」ほか
 7日(火) れんが
   開演:10時
   演目:前日と同じ
 問合せ:0241-24-4611(喜多方プラザ文化センター)


8月18日(土)~19日(日) 喜之助フェスティバル
 会場:瀬戸内市中央公民館隣接のコミュニティ・大広間
 開演:18日(土) 10:55~
           15:25~
    19日(日) 10:00~
           13:45~
 演目:「ショ・ジョ・ジ」「都鳥」ほか
 問合せ:090-8247-4680(喜之助フェスティバル市民実行委員会)


8月20日(月) 国立療養所 長島愛生園
 会場:講堂
 開演:13時半
 演目:「ショ・ジョ・ジ」「都鳥」ほか
 問合せ:0869-22-3761(瀬戸内市中央公民館)


8月25日(土)横浜にぎわい座八月興行 のげシャーレ公演
 江戸糸あやつり人形公演 「品川心中?」
 開演:14時
 料金:3000円
 演目:「品川心中?」「都鳥」ほか
 予約・問い合わせ:045-231-2515(横浜にぎわい座)

 2月向島百花園で公演したものの再演。
 出演者が大上こうじに代わり、より深く、より面白くなっています。
 
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菊の会

2012-07-27 23:27:07 | 劇評・他
日本の踊りとは何か、常に思っている。

糸あやつりに伝わっている踊りは、三番叟と獅子舞を除けば
義太夫舞踊ばかりだ。
そこに糸あやつりの歴史が現れていると思う。

その話題は横に置いて、
今までこれぞ日舞と感じたのは、
私の日舞の師匠・花柳昌三郎師の、花柳流に伝わるものを踊られたときと、
鳴り物の田中3兄弟の会で、ゲストに出た若い舞踊家が踊った「浦島」
それぐらいだった。
観る機会があると、いつも最初の疑問が浮かんでくる。

今日、菊の会アトリエ公演の初日を迎えた。
期待せずに観たのだが、
これが良かった。
第2部は歌謡舞踊(と言って良いのだろうか)
先代が振付けた、歌謡曲に添った踊りなのだが、
いわゆる新舞踊とは、まるで違う。
扇をちらちら振り回したりする小手先の踊りでは、決してなく
歌謡曲それぞれの特徴を掴んだ振り付けがしっかりついていて、
曲を深く理解し、心を作って踊っているから、面白い。
明日、あさってと都合4回公演があるので、
興味を持たれた方は、是非見て欲しい。

蛇足だが、高校生かと思える人も含め若い男の人たちがいきいきと踊っていて、
驚きと共に、とても好感が持てた。
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信州・まつもと大歌舞伎 その2

2012-07-21 00:56:44 | 劇評・他
松本市は人口20万人ほどだそうだ。
都市部には13万人ほど
それ程しかいないのに、1300人ほどの会場で9回もの公演、
その都市部の1割ほどの人を集めるのだから、
歌舞伎は凄い
と言うより、
この松本という町が凄いと思う。
15日は11時からお練があって、人、人、人




折角の機会だから、都合の丁度良い16日に観た。

以前義太夫のことを書いたが、ここのところ古典と付き合って、
その語りの内容や芝居の中身を全く考えずに、
今まではこうだったと言う弁解しか言わず、
何も考えようとしない世界に辟易していた。
そんな時に頭に浮かんだのは「歌舞伎」で、
しかも串田和美さんが演出なら、何か考えているだろうと期待があった。

面白かった。
確かにまだまだの面もあった。
でも最後の立ち回りの場面なんか、時間を掛けたと聞いていたが
それだけに見応えは充分だった。
従来の歌舞伎の立ち回りとは違っていた。
意識的に変えたのだろう。

そして歌舞伎俳優に混じって新劇の俳優も入っていたのだが、
申し訳ないが、肉体の見せ方で歌舞伎俳優にはるか劣るものだった。
若くても、芝居として(言い方が悪いが)へただとしても、
芝居の中で肉体が踊っているには、歌舞伎俳優だった。
最近の俳優は筋トレやダンスをやっているのだろう、
でも見せる肉体を作っていない。
その意識が希薄すぎる。
もちろんマッチョになればよいという話しではない。

また決定的なのが、空間を掴む感覚、意識。

歌舞伎はまだまだ残っていくだろう、
そんな可能性を感じさせてくれた。
それだけの訓練と厳しさを持っている。

そして、翻って自分は・・・と考える。
勉強になった。
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信州 まつもと大歌舞伎 その1

2012-07-19 19:21:44 | 大道芸
12日からの松本を無事終えて、帰宅。
詳細は現場について初めて知ったのだが、
今年で3回目になる信州・まつもと大歌舞伎
今回初めてみやげ物店を一画に集め、浅草の奥山風景のように
江戸の町並みのようにし、
公演の始まる前や休憩時間中、そして終演後にお客さんに立ち寄ってもらうよう
にぎやかしとして、
また江戸の雰囲気を出すため私たちが呼ばれたと分かった。
だから1日2~3回と人形を遣わなければならない。
なんと歌舞伎公演だけでも9回、
私は18回も遣うことに。
でも雰囲気が良いからまったく飽きることがなく、
楽しんで人形を遣うことができた。





写真は入り口の風景。
この左側で大道芸を展開。
お客さんを呼び込む。
芸人は、傘回しの石さん、不動金縛りの角さん、南京玉簾の鈴南さん、
そして私たち、初日だけ江戸太神楽の仙翁社中、





この写真は中の風景、
この奥にちょっとしたスペースがあって、
ここでも大道芸。
会場内に、劇場の隣にある深志神社のお囃子が流れていて、
これがまたゆったりとしている上、子どもたちの囃す声が心地良く、
実にいい雰囲気を作っていた。

大道芸は松本の人々に評判がよく、今後恒例になるだろうとのこと。
歌舞伎公演は2年に1度。
次回は再来年
果たして私たちのことを忘れずにいるか・・・

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