江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

彼の国 その2

2022-03-24 00:35:44 | 日記
北方領土墓参団に付いた通訳陣は、強力だった。
私の公演中の通訳は、サハリン生まれの日本人―ロシア人とのハーフ。
ネイティブなロシア語が話せるからと
通訳陣のリーダーが敢えてつけてくれた。
子どもがいるとのことだったが、実にきれいな女性だった。

択捉島の文化担当長官宅に伺った時は、
ロシア演劇に精通した人が付いてくれた。
これもリーダーの手配だった。
お陰で相当突っ込んだ話ができ、
その報告と将来への展望をレポートにまとめたら、
日本政府の関係者に回ったと聞いた。

それから数か月後、
墓参団の通訳が、ロシアに逮捕されたと新聞記事にあった。
大金を隠し持っていたとのこと。
その人の名前を見てびっくり、
ロシア演劇に精通したその人だった。
大金を隠し持っていたなんて、あり得なかった。
すぐにリーダーに連絡を取ると
心配しなくてよいだろうとのこと、
確かに2週間しないうちに解放された。
何故通訳者は、でっち上げまでされて逮捕されたのだろうか。
当時の日本の首相は、2島が返還されるとはしゃいでいた。
そのことに冷水を浴びせられた形になったが、
首相の誤った外交のお陰で逮捕されたのでは
通訳者は堪ったものではなかったろう。
ロシアにしてみれば、
語学が堪能なだけに、逮捕しやすかったのかもしれない。

ロシアは、でっち上げが日常茶飯事だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

彼の国のこと

2022-03-23 00:19:05 | 日記
私は彼の国に2度行ったことがある。

1度目はまだ修業中、1990年のゴルバチョフの時だった。
物がなく、パンを買うのに行列ができるほど、
しかし手に入れられる人は多くはなかった。

先ずレニングラード(現在のぺテルスブルグ)で入国審査を受けたが、
手荷物検査がとても厳しい雰囲気で、
この私ですら緊張を覚えた。
しかも節電のためか、通路の奥から段々と消灯され、
遂には私たちしか残っていないX線検査機のところだけ
何ともさびしい明かりがともっているだけの状態になり
緊張感も最高潮に達してしまった。
シーンと静まり返った中で、
検査機のモーター音だけが鳴り響いている。
バスに乗ったときは、正直ホッとした。
幹線道路と思しき幅の広い道を一路ホテルへいざ出発!
しばらく行くと踏切があって、遮断機が下りてきた。
ゆっくり貨物列車が入ってきた。
何両位繋がっているのだろうと興味津々で見ていたら
なんと途中で道路を塞ぐように止まってしまった。
すぐに動くかと思いきや、動かない。
なんという国に来てしまったのだろう。

彼の国の人は取っ付きにくいと言われる。
ところがいざ相手の人柄が分かると
これでもか、というくらい尽してくれる。
舞台の仕込みに通訳としてついてくれた
日本語科の学生3人もそうだった。
余りに良くしてくれたので、
持っていた文庫版の日本の童話集を3冊をあげたら、
わざわざ空港まで見送りに来て、
彼の国のロックのレコード25枚、私に贈ってくれた。
えーっ、どうやって持って帰るの?
私は劇団の荷物担当だった。

日本に帰って聴いてみると、
稚拙だけれどもエネルギーがはじけるような感じがした。
彼らミュージシャンは、
当局の目を盗んで地下のスタジオで録音していた。
戦後の日本は、例えば成毛滋らが
ライトゲージやウルトラライトゲージを知らず、
チョーキングをするのに指を鍛えなければならないと考え、
一生懸命指立て伏せをしたという話を聞いたことがあったが、
きっと彼らもラジオから聞いた音を
必死に真似しようとしたのだろうと思えた。
それがゴルバチョフの時代になって爆発したのだろうと
容易に想像できた。

2度目は6年前、
北方領土墓参団の文化担当として択捉島に行った時だった。
島内の移動は個人が所有する自家用車に分乗してする。
私たちの運転手は若い人で、
多少英語が話せるということで
お互い片言の英語でいろいろ話したのだが、
ゴルバチョフは彼の国の経済をダメにしたから駄目だ、
プーチンは経済を再生したから支持する
と言っていた。
彼の国の経済をダメにしたのは
共産党の経済政策の失敗と一党独裁が招いた腐敗のためであって
決してゴルバチョフ個人のせいではないと思うのだが、
国内のプロパガンダのせいで、こうなっているのだろう。
(これは日本も他人ごとではないのだ!)
だからプーチンの支持率は高い。
しかしここ数日彼の口から出てくる言葉は、
丸で共産党一党支配に逆戻りするかのよう。
国民は、当局の目を盗んで地下のスタジオで録音するようなことを
望むだろうか。
早く気付いてほしい。
国内から立ち上がらなければ
プーチンの妄想や”狂”気は止められないのだ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続・3月のスケジュール

2022-03-08 01:10:05 | スケジュール
府中郷土の森博物館の梅まつり期間の
延長が決定しました。
そして大道芸の出演を依頼されましたので、
以下の日程に出ます。

3月12日(土)、19日(土)、20日(日)
21日(月・祭)

今年は晴れの日が多いようですが、
雨天は中止、曇天で極端に寒い日も中止します。

梅が見ごろです。
お近くの方はぜひ遊びに来て下さい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホッと落ち着ける

2022-03-06 00:00:40 | 大道芸
今日の府中郷土の森博物館は、やっと”梅が咲いている”状態に。
でもまだ満開ではない。
今日の風は春一番だったそうで、
時折花びらが桜のように舞いあがって、
それは見事だった。

私たちの遣う所は、ハケとハケに挟まれた窪地で、
風の影響が少ない。
今日のこの風の中でも、飛ばされることなく
人形が遣えた。
と言っても糸は流され、
上手く糸を取ることができず、
四苦八苦したのだから、
良い出来栄えとは言えまい。

そんな中で、それでも人は集まって観てくれる。

今年は子供が良く見ている。
たびたび親御さんから
「この子がこんなに集中してみるなんて、初めて」
そんな声が聞こえた。

不思議な空間が生まれる。
ひとしきり人形を遣い終えた後、
子どもたちと人形が、
ほっこりとして落ち着いた時間を創りだすことが多い。
間近で見つめ合い、時に触れあい、
たまに人形に抱き着かれる。
子どもたちの笑顔がはじける。
中には「3回目観に来た」という子もいる。

大人たちも
2回目観に来ました
今日は友達を連れてきました、
旦那を連れてきました
と言う人が、意外に多い。

こんな時代である。
気持の落ち着かない日々を送っている人は
多いのではないだろうか。
子どもも大人も、ホッと落ち着ける空間を
意識、無意識に関わらず、求めているのかもしれない。
つくづく大道芸をやっていて良かったと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする