A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

「夕暮れの楽園と赤く染まる天使たち」プレイしました!

2024-01-14 22:58:36 | STG
 言うまでもなくシューターにとって新作STGの購入は必要経費であり医療措置なので保険適用されるべき。
 というわけで、今回は先日12日にsteamにて配信されたあきら小屋さんの待望の新作「夕暮れの楽園と赤く染まる天使たち」の感想を書いていこうと思います。
 
 あきら小屋さんのSTGは一見してド派手かつアクが強い見た目でやたらと骨や内臓が出るのでそれだけで引いてしまう人もいるかもしれません。あとPVで何言ってるのかひとつもわからん。
 しかし、これまでのあきら小屋さんの作品はそうした見た目に反して「いかにして初心者と上級者がともに楽しめるSTGを作るか」という点に腐心して作られていました。本作はそのコンセプトの究極完成形と言えるでしょう。
 まず言及しておきたいのはなんといってもチュートリアル。いまだかつてこの地球上に決定ボタンとキャンセルボタンを設定しただけでこれだけ褒めてくれるゲームが存在しただろうか。いやない。(反語)
 そしてチュートリアルも移動とショットを習得しただけで異常なまでに褒めてくれるので自己肯定感爆上がり。世にチュートリアル数あれど、これだけ「褒め」に特化したチュートリアルなんか生まれて初めて見ました。あと頻発する「ゲーム戦士」というワードに隠しようもないファミコンロッキー臭を感じます。
 しかもこのチュートリアル、本作のシステム紹介のみならず、本当にSTGの基本的な遊び方からやってくれるんですよね。移動、ショット、偶数弾と奇数弾の違いなど、まさにSTGの基本から説明してくれるので、STG初心者の方はもちろんのこと、熟練者でも基本を見直す意味でチュートリアルはすべて目を通してみることをおすすめします。特に現代社会に疲れた諸氏は、このチュートリアルで自己肯定感を爆上げしましょう。
 そしてゲーム本編も、エログロな見た目に反してとても優しい仕様となっています。まずチュートリアルでも説明されているとおりミスのペナルティが非常に軽い。敵を攻撃すると出現するアイテムでライフがモリモリ回復するのでミスしてもそこから残機を連続して失ってゲームオーバー……といったことがありません。しかもライフ回復アイテムは敵に接近すればするほど大量に出るので、必然的に本作のプレイスタイルは「ガンガン敵に接近してバリバリ撃ち込んで速攻撃破! 多少のミスは気にするな!」となります。
 これがどういうことかというと、弾幕系STGの忌み嫌われる点である「画面下でチマチマ動いて敵弾を避けるプレイを強いられない」ということなんですね。個人的に弾幕STG……というかSTGというジャンルが初心者に敬遠される要因としては、「STGに慣れていなければいないほどミスったときのモチベーション低下が大きい」「画面端でのチマチマ避けを強いられる」の2点がツートップだと思うんですよね。そこを本作は「ミスのペナルティを軽くする」「ミスしても積極的に攻めるプレイを行うことでそれを簡単に取り返せる」という大胆なシステムを構築することで回避しています。これは相当な度胸が要ったんじゃなかろうか。
 こうした「ゲームシステムによってプレイヤーのプレイを自然に誘導する」って口で言うほど簡単なことじゃないと思うんですよね。ゲームシステムによってはゲーム内容と噛み合わない死に要素になってしまったり、プレイヤーに特定のプレイ(主に稼ぎ)を強要するようになってしまったりというのはよくあるパターン。
 しかし本作は前述の「ガンガン敵に接近してバリバリ撃ち込んで速攻撃破! 多少のミスは気にするな!」というコンセプトに沿ったプレイを自然とするように誘導してくれるので、プレイしているうちにだんだん縦STGというジャンルを楽しめるようになることでしょう。
 また、本作の特徴的なシステムであるチャージショットでの弾消しもなかなか革新的。チャージショットがあるSTGは数あれど、「敵の弾幕に直接干渉する」というのは新しいんじゃないでしょうか。本作のチャージショットはごく短時間でチャージでき、敵弾を消すことができます。これによってプレイヤーは敵弾に対し、「敵の弾幕に穴を開けて安全地帯を確保する」というアクションが可能となります。今まで数々の弾幕系STGが敵弾に対して「避ける」以外の手段を取れるシステムを搭載してきましたが、本作は「避ける」以外の手段でなおかつ「攻めるスタイル」を確立しているのが、コンセプトが一貫してて素晴らしい。敵弾に対して「攻撃的な手段」で対処できるSTGって実はかなり少ないのでは。
 敵弾もただ一方的に消されるわけでは有りません。弾の種類によっては消えずに押しのけられるだけだったり、その場にとどまったりします。このプレイヤー側が必ずしも一方的に有利な訳ではないバランスがまた巧い。
 こうしたシステムがもっとも輝くのがボス戦です。本作では敵は雑魚からボスまで攻撃に必ず予兆があるんですが、そこにタイミングよくチャージショットを叩き込み、弾幕を消した隙にふところに飛び込んで指が折れるまでショットを叩き込むというボクシングにも似た殴り合い宇宙(そら)が実に熱い!
 弾幕STGのボス戦は、ともすれば避けることにばかり意識が行ってSTGの楽しみのひとつである「撃ち込み感」が味わえないこともよくあるものですが、本作では「避けて撃つ」というSTGの楽しみが常に失われることがありません。
 steamでは初心者に向けたSTGはたくさん販売されていますが、本作はその中でも見た目に反して非常におすすめの小心者向けSTGと言えるでしょう。
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