A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

夏コミ原稿締め切りまであと2日……

2023-07-31 23:04:08 | それさえも平穏な日々
 正確には今日を含めてあと2日とちょっとです。最終締切は8/2の15:00。
 気になる原稿の進み具合ですが、あと2パート+表紙で完成といったところ。
 書くべきことはすでに決まっているのであとは書いて、明日と明後日で最終確認する予定です。
 昨日の日記に書いた通り、最近不足しがちだったボリュームはなんとか確保しているのでそれに関してはひとまず安心。
 実際、ここ最近は創作活動に対するモチベーションがすっかり低減してしまってましたが、創作のモチベーションは創作をすることでしか上がらないんだよな……ということを痛感するものであります。
 あとがきもすでに書き終わってるので、今回もなんとか新刊をお届けすることができるかと思います。
 というか心配なのは当日の暑さ、そしてコロナの状況ですよ。
 今回は1日目はサークル参加、2日目はアーリー入場チケットで入場できるものの、連日猛暑が続いてますし会場内はどうなることやら。
 そしてコロナの方もまた広がり始めたようなので、コミケ後の打ち上げはまだまだ難しいかもしれません。マスクのあるなしについても不安はつきまといます。
 この辺に関してはもう自衛するしかないので十分に対策を整えた上で参加しようと思います。
 まあまずは原稿を完成させねば。
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夏コミ原稿最終締め切りまであと3日……

2023-07-30 23:52:46 | それさえも平穏な日々
 まあ全てはタイトル通りなんですが。
 原稿の方はなんとかかんとか進んでますのでまあ終わるんじゃないですかね知らんけど。
 以前の日記で書いた通り、今回はなんとかボリュームは確保できてるのでその点は心配ない。……んですが、例によって例のごとく書きたいポイントがちゃんと書けてるのか、そして見せたいポイントでちゃんと落とせるのかがやはり心配。
 しかしまあ今回は一つの課題だった「見せたい部分を見せるために構成をシンプルにする」という課題はクリアできてると思うのでそこはいいかなと。
 それでは締め切りまでに詰めていこうと思うので、人形使い先生とコミケで握手!
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「Horizon Zero Dawn」やってます。

2023-07-29 22:38:30 | ゲームな話
 もはや新しくゲームを買うまでもないくらい積みゲーが溜まっているわたくしです。
 今回プレイしているのは「Horizon Zero Dawn」。機械の獣が跋扈するポストアポカリプス世界で生き抜くアクションRPGです。
 本作はコロナ禍真っ只中の2年くらい前に「Playstation Home」として期間限定で無料配信されていたゲームのうちの一本。このときに配信されてたゲームは「Subnautica」「The Witness」などどれもこれも大ボリュームなゲームばっかりで一気にDLするにはPS4の容量が足りなかったので、ほんのさわりの部分だけプレイして後回しにしてました。
 そんな状況でしたが、コンプしたゲームをアンインストールしていくとなんとか容量が足りてDLできたのでプレイを再開。
 まずはやはり世界観がいいですね。もうポストアポカリプスって時点で100点。なおポストアポカリプスとディストピアを混同する悪い子は放課後に職員室に来るように。
 そしてエネミーデザインがまたいい。ゲームの良し悪し、特にアクションRPGの良し悪しはエネミーデザインに大きく左右されるという持論を持っているわたくしですが、本作のエネミーデザインは素晴らしい。
 前述の通り本作の敵は機械の獣なんですが、ただ単に機械というだけでなく、習性や徘徊コースが設定されているのがまさに「獣」といった感じで良い。設定だけじゃなく実際のアクション、ひいてはゲームプレイに反映されてるのがいい。
 そして、世界観を反映した社会風俗がしっかり表現されてるのがいい。敵から剥ぎ取ったパーツを利用して武器を作ったり、装甲板の破片が通貨として機能してたりそういうの大好き。
 こういう「プレイすることでその世界観を味わうことができるゲーム」って実はなかなかないので、じっくり楽しんでいこうと思います。
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大阪ステーションシティシネマ「イノセンツ」見てきました!

2023-07-28 22:34:53 | 映画感想
 ようやく体調が回復してきましたが、日中の暑さがなんかもう災害級とか言われてて外出するのに命の危険すら覚える昨今、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
 昼から夕方にかけてが特に暑いので、夕方から夜にかけての時間帯に出かけることにしました。
 というわけで今日見てきたのはこれ!
 
 
 ふとしたことから超能力を身に着けた子どもたちが、次第にその能力をエスカレートさせていくというお話。
 ポスターの上下逆さまのインパクトと、トレーラーの不穏な雰囲気が気になって視聴。
 子ども、団地、超能力とくれば言うまでもなく大友克洋の「童夢」なわけですが、本作は爆発ドカーン衝撃波ドドーンな超能力バトルはなし。
 どちらかと言うと「子ども」という存在に秘められた残酷性を「超能力」というガワを着せて表現しているように思えました。
 作中では主人公イーダ、その姉で自閉症のアナ、団地に住んでいるアイシャ、ベンの4人の子どもが登場します。これらの子どもたちは別にどこにでもいそうな子どもたちであり、特別トラウマを抱えていたり残虐性を秘めていたりするわけではありません。
 彼らの家庭はそれぞれに問題を抱えているものの、それらの問題は普遍的なものでいわゆるフィクション的に誇張された「いかにもなにか起きそうな家庭」ってほどでもないのがミソ。
 この「問題を抱えてはいるもののどこにでもいる家庭と子どもたち」がふとしたきっかけから超能力での加害行為をエスカレートさせていくからこそ怖い、というのが本作の根底にある怖さの正体だと思います。
 そもそも加害行為をエスカレートさせていくベンの抱える残酷性はすでに作品冒頭で猫を殺すシーンで明示されており、しかもその残酷性は実は超能力とは直接結びついてはいません。ベンの残酷性は、善悪の区別が十分についていない子どもなら誰もが抱えているものでしょう。
 個人的には、本作に登場する子どもたちが本当に超能力を身に着けていたかどうかについて懐疑的なんですよね。
 あれ、子供特有の万能感や全能感、現実と空想の区別のついてなさ、あるいは他者と自分の思考の区別の曖昧さを誇張して表現したものなんじゃなかろうかと思ってます。
 子どもたちが超能力を発揮するシーンは基本的に周りにはだれもいないし、彼らの超能力を第三者が明確に目撃・認識するシーンもあんまりありません。なので、本作における超能力は実際にそうした能力を持っていると言うよりも「そうしたい」「そうしてやりたい」という自身の中に鬱積した願望の現れだと思ってます。
 例外となるのはベンが料理中のキッチンの鍋を動かすというシーンですが、あれも自身の中に蓄積された加害願望や母親に対する反抗心の現れなんじゃないでしょうかね。4人の中で明確に自身の親に対して明確に強い加害意識を持ってたのはベンだけでしたし。
 自閉症のアナと心や思考を共有しているアイシャに関しても、彼女の初登場シーンの人形遊びと同じようなごっこ遊びに過ぎないんじゃないでしょうか。
 このように考えると、本作における「超能力」って「一種の共感、あるいは感情的感染」なんじゃなかろうかと思います。特別感や自身の願望、加害衝動が4人の中で共有、反響していくのが本作の流れだと思います。
 しかし、最終的に悪意に染まったベン、おそらくは精神的な負担から錯乱した母親に殺されてしまったアイシャに対し、イーダとアナは生き残ります。そしてアナが愛用しているお絵かきボードの落書きが消されて空白になったシーンがラストカットになっていることから考えると、イーダは一連の事件を通していわゆる幼年期の終りを迎え、アナは元の状態に戻ったということのように思えます。一種のイニシエーションの話だったのかな。
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「ニーアレプリカント」残りトロフィー3つ!

2023-07-27 20:26:48 | ゲームな話
 夏コミ原稿の息抜きにあくまでも息抜きにプレイしてます「ニーアレプリカント」、「光速ファイター」のトロフィーを取得しました!
 これで残りトロフィーは3つ、うち1つはプラチナトロフィーなので実質残りトロフィーは2つです。
 今回取得したトロフィーは「15時間以内にクリア」というもので、難易度は関係ないのでイージーでサブクエとムービー全部飛ばしていけば特に難しくもない、「やってればとれる」系のトロフィーではあるものの、Aルートをまるまるやり直さないといけないのでプレイする精神的ハードルがちょっと高くてけっこう大変でした。
 まあ戦闘は基本ボタン連打でどうにかなりますし、メインストーリーのみ進めていけばいいので制限時間に関しては十分な余裕を持って、10時間未満で完了できました。
 さて残りトロフィーは「全武器を最大強化」と「Dルート真ラスボスを210秒以内に倒す」のふたつ。あとトロフィーには関係しませんが、できればワードも100%にしたい。
 このゲームは素材集めがけっこう面倒なので、最後に残るのは「全武器を最大強化」のような気がする。素材集めに関してはダンジョン周回するよりルート周回したほうが効率いいような気がしてきた。
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夏コミ原稿を進めました。

2023-07-26 23:41:24 | 小説の書き方
 もう7月の終りが見えてきた昨今、みなさんいかがお過ごしでしょうか。わたくし人形使いは毎回毎回締め切り前に徹夜するのを防ぐために夏コミ原稿に励んでいます。
 今回はとにかく書けそうなところから先に書いていってあとで整理しつつ並べ替えていくようにしてるんですが、今日はとりあえず全体を整理した後に続きを書いていってます。
 小説の書き方はたくさんあってたったひとつの正解というものはありませんが、自分には書きながら考えていくのが合ってるような気がします。締め切り間近にプロット練ってる場合じゃねえだろというのもありますが……。
 それにまあ、執筆が進んでるとやはり精神的安定度が違ってくるんですよね。精神的安定度が高いと執筆も進むという正の循環が生まれるのでメンタルは大切。
 最終締切は8月の頭なのでちまちま進めていきたいと思います。
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TOHOシネマズ梅田「Pearl-パール-」見てきました!

2023-07-25 22:10:34 | 映画感想
 体調もなんとか回復してきたので上映が終わらないうちに見たい映画を見ておこうということで、今日はTOHOシネマズに。
 今日見てきたのはこれ!
 
 
 同じくタイ・ウェスト監督の「X-エックス-」の直接の前日譚となる本作。
 前作に登場した恐るべき殺人老婆「パール」の若かりし頃を描いています。
 本作も前作と同じく、ホラー映画ではあるものの超常的な存在や怪物は一切登場しません。だからこそ主人公パールの抱える心の歪みが身近なものに感じられる、「怖い映画」というよりは「厭な映画」といういつものA24映画といった感じでした。いやー実にイヤ~な気分になれた。
 前作「X」が、舞台となる農場に外部から入り込んできたポルノ映画制作チームが主眼になっていたのに対し、その前日譚となる本作はカメラは基本的に農場、映画館、劇場という限られたロケーションから出ません。
 この非常に限定されたロケーションは、そのままパールの閉塞的な人生そのものだと言えるでしょう。ただ単に田舎育ちと言うだけでなく、人生の選択肢そのものが非常に制限されているという印象を感じました。
 そもそもこれらのロケーションって、農場を除いて物理的に狭いんですよね。本作の画角は非常に広いのに対して、パールは基本的に狭い場所にいることがほとんど。これがまた彼女の抱える閉塞感を画面全体で表現しているようで、「画角は広いのに狭苦しい」という奇妙な感覚を強いられます。
 パールの日常もまた閉塞感に満ちたものにとなっています。厳格な母親に支配された日常生活、毎日繰り返す単調な農作業の毎日。唯一の楽しみで希望でもある「ダンサーになる」という夢を叶えるために自分を着飾るドレスさえも、母親のお下がりを借りなくてはいけないというのが実に悲しい。
 個人的にはこうした「家庭を支配する存在」はやはり家父長制的なイメージが先行して父親の印象が強いんですが、本作ではパールの父は病気で植物状態。必然的に家庭を、ひいてはパールを支配しているのは母親という構図になってるんですが、この母親のパールに対する働きかけが実に家族という名の呪いといった感じ。
 この「母による娘の支配」というのが、自分と同じように考え、感じる自分の分身を作ろうという方向性ではなく、明らかに「自分にできなかったことは娘にもやらせない」なのがまたおぞましい。母親のバックボーンはあまり掘り下げられませんが、1910年という本作の時代を考えるとやはり女性として抑圧的な人生を歩まされてきたであろうことは想像に難くありません。対してパールはいつかこの農場を出てダンサーとして成功することを夢見ることができる「若さ」を持っている。この母親のパールに対する過剰な支配的言動は、「女性としての若さへの嫉妬」があったんじゃないでしょうか。そしてこの「女性としての若さへの嫉妬」という要素は、「X」における老女となったパールにもそのまま、というかむしろ増幅されて受け継がれているという……。
 また、本作のひとつのクライマックスとも言えるオーディションの場面がまた辛い。
 本作は「X」の前日譚なので、見てる方はすでにパールがオーディションには合格できずダンサーにもなれなかったことを知っています。それだけにパールがこれまでの全てから自分を吹っ切るようにダンスに夢中になる姿が逆説的に悲劇的に見えるわけです。
 そしてパールはあえなくその場で不合格を告げられるわけですが、このシーンでは挫折ではなく断絶を感じました。パールは基本的に農場とその周辺の世界しか知らず、ダンスのレッスンを受けているわけでもありません。そんな中で自分の中で成功妄想だけを肥大化させていったパールと、そんなことは関係ない外部の人間とのあいだの埋めることが出来ない溝を感じたシーンでした。
 そして不合格を告げられたパール思わず口にした言葉が、オーディションのやり直しを要求するとかではなく「誰か助けて!」なのがまた辛い。パールにとってこのオーディションは、彼女の閉塞しきった世界から脱出するための唯一の方法だったんだよな……。
 映像に関しても印象的な部分がありましたね。本作は冒頭のテロップのフォントやその出方、画面の色味や明るさの感じ、画角などが徹底して80年代海外ドラマみたいな古臭い演出が意図的に使われていました。それがラストショットまで続くのが本作の大きな特徴です。
 そしてそのラストショット、実質的に本作の中核、主人公パールの内面の歪みをもっとも如実に映し出していると思いました。ミア・ゴスすげーな……。
 「The End」のテロップが現れてからそのままエンドロールに入るんですが、その間ずーっとスクリーンに映し出されているパールの表情の変化に、折り重なる彼女のさまざまな狂気、悲しみ、鬱屈、恨みといった感情を垣間見ました。
 こうした鬱屈した一般人の狂気が爆発するタイプのホラー映画は主人公が一線超えて殺戮に走るシーンがある意味最大のカタルシスとなるわけですが、本作ではその殺戮を行ってなおパールが自身の内に抱えた澱を消化しきれなかったことが確定しているという、ある意味非常に悲劇的なホラー映画なんじゃなかろうかと思います。結局パールも「X」で母親と同じように若さへの嫉妬と後悔を引きずり続けた怪物になってしまったわけだしな……。
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オリジナル同人誌レビュー「Chocolate in Time」ほか

2023-07-24 23:55:33 | 同人誌感想
※この日記は26日日早朝に書かれていますが気にしてはいけない。
 
 なんとかかんとか溜まってた未レビューの同人誌も減ってきました。具体的にはあと6作品。うち3冊はまだ読み終わってないとか口が裂けても言えない。
 しかしふと気づいたんですがboothでダウンロード販売されてた同人誌のレビューをすっかり忘れていました。
 なのでこっちも少しずつ終わらせていこうと思います。夏コミまでに終わらせたい。
 
・Chocolate in Time JK小噺まよいご ぱっつんかまいたち(Teaminazuma)
 このサークルさんの作品は東方本メインで読んでいますが、単発のオリジナル本も好きなので読んでいます。
 boothにてコミティアなどで発行された本がダウンロード販売されていたので、以前一気に入手しました。けっこう数があるのでいくつかに分けてレビューして行きたいと思います。
 「Chocolate in Time」、バレンタインデーを舞台にしたお話。
 意中の相手にチョコを渡そうと思ったらすでに誰かからチョコ受け取ってた! ならバレンタインデーに戻ればいいじゃない! 天才だからタイムマシンも1コマで作れる!
 実はチョコ渡してたのは未来から来た自分だったというオチをラストではなく中盤に持ってくる構成が上手い。突拍子もなく世界が滅んでるあたりが実にこのサークルさんの味が出てて好き。
 「JK小噺まよいご」、以前発行されてたオリジナル同人誌に登場してたJK三人娘のお話。
 のっけから「トイレで産んできたんか?」ときたもんだ。
 このサークルさんの特徴として「テンポのいい会話劇」があると思ってるんですが、本作みたいにメインキャラが複数いる構成だとその特徴が大きく発揮されてる気がします。
 迷子の男の子に手を振られた三人娘の三者三様の反応に個性が出てて好き。
 「ぱっつんかまいたち」、名前の通り前髪をぱっつんにしてしまう恐るべきかまいたちのお話。
 このサークルさんの特徴として「唐突に登場する謎生物」があると思ってるんですが、本作のぱっつんかまいたちにもその係累を感じます。
 主人公の女の子はぱっつんモードもノーマルモードも好き。というかこのサークルさんが描かれる女の子が好き。
 あとこのサークルさん描かれるところのゆかいな動物も好き。
 
 今日はここまで。
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「Ann」コンプしました!

2023-07-23 23:13:49 | 居合
 アーマードコアのまさかの新作の発売も来月に控えてるなか、ぢっと己の積みゲーライブラリを見るなどする昨今いかがお過ごしでしょうか。
 積みゲーの山に埋もれているのはこのブログでたびたび触れてきたとおりなんですが、ビッグタイトルばかりでなく小さめのゲームも消化していこうということで今回コンプしたのは「Ann」。
 本作はsteamで無料配信されている一作で、RPGツクールにて製作のホラーゲーム。
 アート系専門学校に通う主人公・アンは、作業中にうっかりうたた寝してしまったことで「午後9時以降は校内に残っていてはいけない」というルールを破ってしまいます。教室の外に出たアンを待っていたのは不気味に変貌した校内。アンは助けに来てくれた警備員とともに校内からの脱出を図るのですが……。
 まずマイナスな点から先に言うと、本作のゲームプレイの大部分を占めるのが「高速で動くオブジェクトを避けながらゴールまで辿り着く」「高速で追いかけてくるキャラとの追いかけっこ」であるという点。
 このゲームをDLした人で、上記のゲームプレイを期待した人はまあいないんじゃないでしょうか。それに正直、上記のような部分は決してプレイしてて面白い部分でもありません。
 これらのオブジェクトや追いかけてくるキャラの速度は非常に早く、特に追いかけっこの場合コース取りをミスするとほぼ100%追いつかれてしまいます。そうした場面がゲームのほとんどを占めるので、プレイヤーは延々とオブジェクトよけと追いかけっこをやり直しさせられることに。
 つまり、本作のゲームプレイのほとんどは「別に面白くもないしやりたくもないやたら難しい追いかけっこを延々やらされる」となってしまっています。
 そのため、後述する本作が持っているホラーゲームとしての演出力の高さやストーリー性が完全に潰されてしまっているのが非常に残念。
 いっそのこと前述のような部分は全部カットして演出とストーリーに全振りしたほうが良かったのでは、と思わずにはいられません。
 反面、演出とストーリーは非常に良かった。カットシーンを多用した演出、複数のエンディングなど無料のゲームとは思えない演出が多くあって物語への没入感を高めてくれますし、ストーリーもオーソドックスでありながらストーリーテリングがしっかりしてるので悪い意味で謎の残る終わり方にはなってませんし、真エンドの展開も好き。
 なので、余計前述のゲームプレイ部分がノイズになってしまってるのが残念です。
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塚口サンサン劇場「ソフト/クワイエット」見てきました!

2023-07-22 23:41:07 | 映画感想
 なんとかかんとか体調が回復してきたのでようやく外出してきました。もちろん行く先は映画館。
 というかむしろ外出せずに閉じこもってたから体調が回復しなかったような気もするぞ。
 さておき、今日見てきたのはこれ!
 
 
 例によって例のごとく、本作も塚口での上映で初めて知った作品。
 個人的にブラムハウス作品は当たり外れが大きい感じですが、本作はポスターの時点でイヤ~な気分になれそうな作品のかほりがしたので見ることにしました。
 本作は90分ワンカットのスリラー。文化多様性に反対する差別主義的な白人女性のグループが、アジア人女性と口論になったことへの報復を企てるのですが、事態はどんどん悪化していき……というお話。
 そもそも映画に限らずフィクションというものは現実を誇張するもの。では本作に登場する差別主義的な白人最上思想はフィクション的に誇張されたものかというと、残念ながらというべきか誇張されたものではなく、現実にこのレベルの差別的言動はいたるところで行われています。
 それを映画館という外界から遮断された環境で、しかもカメラが犯行を行う白人女性グループに常に向けられているワンカットで見せつけられるのは、公式サイトにおけるベス・デ・アラウージョ監督の言葉を借りるなら「安心」を奪われる体験でした。
 本作で主人公・エミリーをはじめとする白人女性グループは、有色人種への嫌悪感や憎悪を募らせて、最終的にアクシデントとは言え殺人にまで手を染めてしまいます。
 では彼女らは凶悪な殺人集団かというとそうではない。彼女らは差別的な思想を持っているとは言えそれぞれの生活や家庭を持つあくまで普通の女性たち。しかし、あるいはだからこそタガが外れてしまったあとの後先考えない行動がわかりやすい殺人鬼なんかよりもよっぽど怖い。
 しかも、前述の通り本作は全編ワンカットなので観客は彼女らの犯行を最初から最後まで見せつけられるので、差別的思想を持ってるってだけで人間はここまで狂ってしまうのか……と慄然となりました。
 また、事態がどんどん悪化していることもあってこの狂気がこんな長時間に渡って持続しているというのも怖い。実際、行動がエスカレートしていく中で何度も正気に戻るチャンスはあったはずなんですよね。にも関わらず彼女らは最終的に湖に死体を投棄するところまで行ってしまうというのは、自分たちのタガの外れた行動によってさらにタガの外れた行動に追い立てられてしまっているからなんでしょう。
 そしてこれは差別的思想も同じで、タガの外れた思想に染まっていくと芋づる式にその思想や行動は過激化していくと言えるのではないでしょうか。そうやって過激化していく思想は、一線を超えてしまうと取り返しのつかないことになってしまう。
 本作では最終的に、殺されたと思われたアジア人女性2人のうち1人は実は生きてて、湖に投棄されたあとに息を吹き返す――というシーンで幕を閉じるわけですが、これはいわゆるヘイトクライムによる犯罪行為や加害行為、ひいては差別的思想それ自体は決して多い隠し切れるものではない、ということだと感じました。
 ある映画を見るタイミングというのは人それぞれだと思うんですが、サンサン劇場では明確な意図やタイミングがあって各種の作品を上映しています。本作もやはり、ヘイトクライムやSNSにおける差別的思想の過激化が進んでいる今このタイミングで見ることに意味がある作品だったと言えるでしょう。
 
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