はい、9月もラストということで行ってきましたサンサン劇場。
今日見てきたのはこの2本。
そして忘れてはいけない待合室。
塚口のファッションリーダーこと秋山殿は水の呼吸を会得してるわファンアートは飾ってあるわ塚口無限列車があるわでもういつもながらすごいことに。
特に塚口無限列車は藤の花とセットになってるあたりが完全に「わかってる」仕業で素晴らしい。
見よう見ようとタイミングを伺ってたんですが、あれよあれよという間に上映終了日になってしまったのでこのタイミングで参戦。
モルカーについてはモルカーボール持ち込み可ということで、なるべく客席が埋まっているタイミングで見ようと思って席の埋まり具合をチェックしてたんですが、出発直前まで15:00からの回が1席しか埋まってなかったので、ワンマンプイプイもしくはサイレントプイプイも覚悟しつつ劇場入り。
入った時点では観客は自分ひとりしかいなかったので、やっぱりもう少し早いタイミングで見とけばよかったなあ……と後悔しつつ、仕方がないのでむなしく一人で悲しみのプイプイしていると、後ろの方からそれに応えるようにプイプイが!
よかった! 僕はひとりじゃないんだね! プイプイが増えるよやったね俺!
などとポストアポカリプス系の作品で自分以外の生き残りを見つけたみたいなテンションになりつつ上映開始!
1話3分というテンポでどんどん進んでいくので、やはりモルカーは安心して見られます。
そして画面のプイプイに合わせて客席からはプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイプイ。
ここは塚口、言うまでもなく客席からプイプイしているのは応援上映ガチ勢の皆さんです。
OP、幕間のジングルにピッタリ合っているのはもちろんのこと、スクリーンの中のモルカーたちのアクションに合わせて絶妙なタイミングでプイプイしているので、なんかだんだん今後ろを振り向いたら自分以外のお客さんは全員モルカーになってるんじゃなかろうかという妄想すら湧き上がってきます。
あっという間に40分の上映は終了。もちろんエンドロールでは感謝のプイプイが鳴り響きます。
いやーこの作品はぜひとも塚口の応援上映ガチ勢の皆さんと一緒にプイプイしたかったので、本当に楽しい時間を過ごせました。一緒にプイプイしてくれた名も知らぬ同志たちに感謝のプイプイ。
そしてしばらく時間をおいて、今度はまさに映画業界の柱となった鬼滅の刃。
作品自体はすでに公開当時梅田ブルク7で鑑賞済みなんですが、塚口でやるとなれば見に行かないわけがありません。
今回はスクリーン4での通常音響上映となってますがサンサン劇場の言う「通常」は酔っ払いが言う「酔ってない」と同じなので信用度ゼロ。
なので言うまでもなくアクションシーンの轟音はまさにその場にいるかのような大迫力。
画面の圧倒的な映像美と相まって、まさにうねる炎のごとくその魅力を増しています。
しかし本作、本当によくできた作品だと思います。言うまでもなく新しい時代の作品ではあるものの、見方によっては「列車もの」というジャンルとして見ることができると思います。
列車に乗るところから始まり、列車が停まるところで終わる。夜から始まり、朝日で終わる。このへんの構造がシンプルかつしっかり守られているため、作品としての強度が非常に高い。
そもそも列車という乗り物が、出発地点から到着地点までまっすぐに進行し、後戻りができないもの。
「マッドマックス怒りのデスロード」は「行きて帰る物語」でしたが、本作は「行きて帰れない物語」とも言えるでしょう。
そして列車という一度発車したら目的地に着くまで走り続けなければならない「列車」というこの舞台設定は、そのまま本作の真の主人公とも言える煉獄さんの生き様にそのまま対応していると言えるでしょう。
「俺の責務を全うする」との言葉通り、己の責務を全うし、己がたどり着くべき終着駅にたどり着いた煉獄さんの姿は、この「列車」という舞台設定の上でもっとも輝くものとなったことでしょう。
また、W・ギブスン的表記をするなら出発(デパーチャ)と到着(アライヴァル)、夜と朝、闇と光、先輩と後輩といった相互関係が随所に配置されている本作ですが、ラストバトルである煉獄さんVS猗窩座にもその関係が配置されていることに気づきました。
煉獄さんに対して鬼という存在の永続性と完璧性を語る猗窩座。実際、どれほどのダメージを追っても瞬時に再生してしまう猗窩座に対し、人の身である煉獄さんは次第に追い詰められて行きます。
しかし、夜の闇が去り、朝日が登った途端に今まで猗窩座が語っていた鬼という存在の永続性と完璧性はあまりにも脆く崩れ去る。
この「一見完璧で永遠の存在である鬼」と「一見脆く儚い存在である人間」の対比の反転と描き方の見事さよ。
そしてエンドロールの最後、煉獄さんの折れた日輪刀は否応なく、煉獄杏寿郎という男の生き様、そして死に様がどんなものだったかを否応なく見るものの心に呼び起こすわけです。
もうラストバトルのあたりは言うまでもなくそこらじゅうからすすり泣きの気配が……。そりゃ泣くわこんなの見せられたら……。
いやー上映最終日に滑り込みでしたが、この作品を塚口で見ることができて本当に良かったと思います。