A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

塚口サンサン劇場「パーム・スプリングス」見てきました!

2021-06-30 16:53:44 | 映画感想

 はい、今日も今日とて塚口です。
 今回見てきたのはこれ。

 例によって例のごとく、本作も塚口での上映がきっかけで知った作品。
 内容は、知人の結婚式に参加していた主人公・サラが、やたら脳天気な男・マイルズと知り合ったことをきっかけに、同じ1日を繰り返すことになるというタイムループもの。
 タイムループはもうすっかり1ジャンルとなっていますが、本作で新しいのはタイムループの先客がいること。
 マイルズはサラより先にタイムループに陥っており、パンフレットによれば40年近くループ状態を経験しているとのこと。
 そういや冒頭ではマイルズは、結婚式で踊ってる人の動きを完全にトレースしたり酔いつぶれた人が倒れるタイミングでイスを差し出したりといった明らかにおかしい行動をとってましたね。
 「まるでこれから起こることをあらかじめ知っているような行動」は、タイムループものやタイムトラベルものではお約束ではありますが、マイルズの脳天気な行動はすべてループからの脱出を諦めた諦観からくるものだとわかると、こうした行動も空々しく感じます。
 そこに今までいなかった存在であるサラが現れ、二人は永久に続くバカンスを楽しみます。
 この辺は本当に能天気にやってて実際楽しそうなんですが、この作品のテーマである「すべてが無意味な世界でなにに価値を置くのか」と言う疑問から自分を遠ざけるための逃避行動なんですよね。
 すでに諦めてしまっているマイルズとは対象的に、サラはループから脱出しようと試行錯誤しますが結局自暴自棄な行動に走ってしまいます。
 この辺のすれ違いからの二人の心が再び交わるまでの過程はとてもよかった。
 一つのタイムループの中に異なる経験を持つ人物が二人いるという特色をうまく使った展開だと思います。
 また、このタイムループの中にはもうひとり、マイルズを個人的な恨みから付け狙うロイという老人が登場しますが、このロイはサラとはまた異なる形でマイルズに関わる重要なキャラクター……というよりむしろ、こうなれるかもしれなかったマイルズの姿だったんじゃなかろうかとも思います。
 諦観からループの中での生活を受け入れることを余儀なくされたマイルズとは異なり、ロイは妻や子供に囲まれた1日を穏やかに過ごしています。
 最終的にサラとマイルズはループからの脱出に成功しますが、ロイはループの中に残っています。
 そしてエンドロールにて「自分を知らないマイルズ」に出会い、ロイはマイルズがタイムループからの脱出に成功したことを悟り、笑顔を浮かべます。
 前述の通り、「ループの中に複数の人物を配置する」というのが本作の最大の特徴なわけですが、その特徴がいちばん効いてたのがこのラストショットだったと思います。
 サラという「一緒にループを脱出してくれる存在」だけでなく、ロイという「ループから脱出したことを見届ける存在」がいることで、本作のラストは非常に感動的なものになっていたと感じました。
 

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第18回例大祭戦利品レビューその3「異世界ニートさん」(さばーい出版)

2021-06-29 23:49:55 | 同人誌感想

 はい、完全に書くのを忘れてた29日の日記です。

・異世界ニートさん(さばーい出版)
 毎度おなじみサイレントコメディ、今回はやはりの異世界召喚!
 しかし召喚されたのがパチュリーだったのが運の尽きと言った感じでしたが、お約束のチート能力でパラメータ大幅アップし、脳筋パチュリーさんというレアキャラが誕生!
 このサークルさんの作品はもうかなり長いこと読んでますが、このサークルさんのパチュリーさんは本当に芸達者だなあ……。
 旅の仲間となったどっかで見た面々も面白いですがプリースト霊夢の違和感よ。
 そしてパチュリーさん、魔王チルノに敗北するも核ミサイルで魔王城吹っ飛ばすという斜め上の手段で世界を救います。いいのかそれ……。
 案の定というかなんというか、勇者の遺産を巡って世界は世紀末に!
 次回、世紀末覇者伝説・美鈴の拳が始まるのかどうかは知りませんが、始まった場合の配役が気になります。

 今日はここまで。

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同人誌レビュー「にゃことはかせ」(なまこ屋)

2021-06-28 22:30:37 | 同人誌感想

 はい、今日のレビューは以前twitterで見かけて気になっていた作品です。

・にゃことはかせ(なまこ屋)
 前述の通りtwitterがきっかけで知った作品です。同人誌の形でまとめられていることを知ったので入手しました。
 内容は、天才科学者である「はかせ」と彼女が作った猫耳メイド「にゃこ」のほのぼのオリジナルマンガ。
 にゃこの設計図(?)や彼女の容姿を見る限り、はかせはなかなかけっこうなカルマをお持ちでいらっしゃる様子。
 本作はとにかくにゃこがかわいい。特に泣き顔。第1話の時点で死人が出るレベル。いいシュミしてるなあはかせ……。
 しかしただ単にかわいいだけではありません。
 手足や顔に体毛がある、複乳、ネコと同じ構造を爪を持つといったかなりケモ度の高いデザインに博士のこだわりを感じますね。とてもいいと思います。(ろくろを回しながら)
 またわたくし背景までびっしり描き込まれてるマンガ大好き侍なわけですが、本作の背景にはなんか色々得体のしれないオブジェクトが多数あり読んでて楽しいですね。

 今日はここまで。

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塚口サンサン劇場「キングコング対ゴジラ」「ゴジラVSデストロイア」見てきました!

2021-06-27 22:12:48 | 映画感想

 はい、今日も今日とて塚口です。
 今日見てきたのは「キングコング対コジラ」「ゴジラVSデストロイア」の2本。
 ではさっそく感想を。

 VSシリーズはけっこう見てましたが本作は初見なので楽しみ。
 ポスターにある通り、1962年ということで古い作品でしたがなかなか面白かったですね。
 この時点ですでに特撮と着ぐるみはかなり完成してると感じました。
 しかしいちばん楽しめたのは実は、昭和37年の日本文化でしょうか。
 パソコンが1台もないオフィス、トランジスタラジオなどなどといったもう完全に過去のものとなっている文化が逆に新鮮でした。
 あと昭和感あふるる町並みや調度品とかなあ……。「視聴率」ではなく「聴視率」って言葉を使ってたり、まだ「疎開」って言葉が当たり前に使われてるところとか。
 などと血中ノスタルジー濃度が上昇しジジイモードになってしまいそうになったのでコングVSゴジラのバトルに注目します。
 本作のコングVSゴジラのバトルはどこかコミカルというか、プロレス的な印象を受けました。
 そもそも本作は力道山対ルー・テーズに起因するものであることを考えるとさもありなんと言った感じ。
 本作は初見だったので決着がどうなるのか楽しみでしたが、まあこうなるよなあ。
 そういや今度公開される「ゴジラVSコング」はどうなるんだろうなあ。「どちらかが勝ってどちらかが負ける」ってことは明言されてるようだけど。
 次、ゴジラシリーズ一応の最終作ポジションの「ゴジラVSデストロイア」。

 「キングコング対ゴジラ」に続いて本作も、オフィスや研究室にあるのがCRTモニタ、携帯電話がでかいなどなどの平成7年の世界に血中ノスタルジー濃度が急上昇。
 いやーしかし本作、初代ゴジラとのつなげ方がいかにも完結編という趣で非常に美しい。
 「キングコング対ゴジラ」ではまだどこかのんきというか牧歌的というかアイドル的な雰囲気でしたが、本作のバーニングゴジラはもうまさに「怪獣の姿をした暴威」そのものといった威容。
 デストロイアの出自を考えると、本作はある意味初代のリベンジマッチとも言えるでしょうか。
 本作はもう何回も見ている作品ですが、何回見てもメルトダウンするゴジラの姿は美しい……。
 そういや本作のゴジラは「燃え尽きた」のに対し、シン・ゴジラでは「凍結した」という対比がありますね。
 「ゴジラVSコング」も塚口でやってくれるので、ぜひ見に行きたいですね。

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うーんまとまらない……

2021-06-26 23:44:17 | それさえも平穏な日々

 何の話かと言うと、その1を書いてからずーっと放置状態のシン・エヴァ初見感想ですよ。
 先日TOHOシネマズ梅田に行ったのでシン・エヴァは通算3回見たわけですが、最初に見たのはもう3月なので正直初見時の感覚を思い出すのはなかなか大変。
 見れば見るほどいろんな考察が頭の中に湧いて出るのでどれが初見時の感想だったか思い出すのが難しい。
 でもまあ、作品が作品だけに初見時の感想はなんとしても書き残しておきたいので、なんとかして書いていきます。

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TOHOシネマズ梅田「クワイエット・プレイス破られた沈黙」「シン・エヴァンゲリオン劇場版:3.0+1.01」見てきました!

2021-06-25 21:20:37 | 映画感想

 家にずっと引きこもってるのもなかなか辛いので、久しぶりに行ってきましたTOHOシネマズ梅田。
 今日見てきたのは、「クワイエット・プレイス破られた沈黙」「シン・エヴァンゲリオン劇場版:3.0+1.01」です。
 今回はネタバレ反転はなしで行きます。

 それではまずは「クワイエット・プレイス破られた沈黙」の感想を。
 結論から言うと……正直あんまり。CMなんかでかなり持ち上げられてたのでちょっと期待値を上げすぎてたかなーと言った感じ。
 内容は、例の怪物が出現した「1日目」のシーンが冒頭部分となっていますが、本筋は前作の本当に直後から始まります。
 以前の家を脱出したアボット一家は、その先で夫の友人であったエメットに再会するのですが……。
 今回は完全にシチュエーションに比重が偏ってて、ストーリー性はほぼゼロだったのがかなり物足りなかったです。映画というよりアトラクションと言った感じでしょうか。
 前作では母親であるイヴリンがメインで戦ってましたが、本作では彼女の子供であるリーガンとマーカスが戦うことを余儀なくされます。
 続編は前作との差別化が課題となると思いますが、本作は前作でほとんど姿を見せなかった怪物の姿がはっきり見える、1体しか姿を見せなかった怪物が大量に襲ってくるといった前作との違いが概ねマイナス方向に働いてしまってるんですよね。つまり「謎」「不明瞭」が魅力として機能していない。
 そのため、本作のキモである「音を立てたら怪物が襲ってきて即死」という要素が前作よりもかなり薄くなってしまってます。「音を立てたら即死」という独自の緊張感が「怪物に見つかったら即死」というありふれたレベルにまで下がってしまってるので、本作独自の緊張感は初回である前作より小さくなってました。
 また、前作ではアボット一家以外の生存者が描写されていなかったことによる孤立無援感も緊張感の増強に一役買っていたんですが、今回は彼女ら以外の生存者がたくさん出てきたせいで、やはり中盤から後半にかけてはありふれたモンスターパニックになってしまってました。
 ただ、やはり音の演出は素晴らしい。
 聾者であるリーガンにスポットが当たるシーンでは音もこもった感じになったり、聴覚が異様に発達した怪物にスポットが当たったときは流水の音で周りの音がかき消されたりと、演出面では本作独自の要素がきちんと打ち出されていました。
 また、別れ別れになったリーガンとマーカスが離れていても同様の行動をとってそれぞれ怪物を撃退する流れは良かったと思います。
 ヒット作の2作目はなかなか難しいものですが、本作はちょっとパワーダウンしてしまってた感じですかね。
 次、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:3.0+1.01」。

 本作は公開版にカット単位の細かい修正を加えたものとのことでしたが、一見しただけではどこが修正されているのかわかりませんでした。
 終映まではまだすこし時間があるようなので、もう何回かは見ておきたいところ。
 あと初見感想もさっさと上げろよ俺……。
 そしてむしろこっちが目的だったと言っても過言でも華厳でもない入場者特典「EVA EXTRA EXTRA」。
 内容に関してはここでは詳細には言及しませんが、ガッツリ本編の補完になってるので配布されてるうちに劇場へ急ぐんだまにあわなくなってもしらんぞーっ!!(ベジータ)

 とか言ってたらもう来月にはゴジラVSコングなんだよなあ。
 週1回とかじゃもう足りなくなってくるのは確実なので、今のうちにもろもろのもろもろを終わらせなくては。

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第18回例大祭戦利品レビューその2「Hello! Everybody! おなかがすいたろ?」(小豆粥)

2021-06-24 23:00:00 | 同人誌感想

 はい、進めていきますよ同人誌レビュー。

・Hello! Everybody! おなかがすいたろ?(小豆粥)
 東方二次創作界隈でいちばん美味しそうな料理を描く本サークルさん、今回のメニューは牛丼です。
 観光地の名物料理や各地の名産品のイメージが強かっただけに、今回のチョイスはけっこう意外。
 ○野屋は今ではそれほど利用する機会はないんですが、個人的には紅生姜を山盛りにするのが好き。
 牛丼はオプションパーツを追加することでさまざまな局面に対応できるフレキシブルなメニューなわけですが、本作ではそれぞれのキャラがそれぞれの個性が出た食べ方をしてるので見てて楽しいですね。
 この辺、キャラ設定だけでなく弾幕でキャラを表現している東方原作に通じるものを感じます。
 しかし味噌汁に紅生姜入れるってのは初めて聞いたな……。
 そして毎回いろんなパロを入れてくる本サークルさん、今回は当然というかなんというか鬼滅です。突然煉獄さんになる霊夢。
 ラストでしっかりゆからんノルマを達成してくるあたりもさすがです。
 しかしなんですね、このサークルさんの作品はけっこう長いこと読んでますが、閉店したお店なんかはあるとしても取り上げられるメニューはすべて現実に存在し、実際に食べることのできるものばかり。しかも、今回の牛丼のように読んでる側が実際に食べたことがある料理も数多くあります。
 本サークルさんの作品を読んでると、誰もが行う「食事」という行為を通じて、この世ならぬ幻想郷の世界に半歩踏み込んだような気分になれますね。

 今日はここまで。

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塚口サンサン劇場「JUNK HEAD」「ビバリウム」見てきました!

2021-06-23 23:31:29 | 映画感想

 営業再開から一気に全速力のスケジュールを展開する我らがサンサン劇場、今日は「JUNK HEAD」「ビバリウム」の2本を見てきました。
 ではさっそく感想を。

 いやーもうこういうの大好き。
 気色悪いクリーチャー、薄暗い世界観、キモカワイイキャラクター、魅力的ながジェットなどなど、ある特定の嗜好を持つ人にとっては性癖に刺さりまくりの一作となってます。つまりバロッカーは見ろ。
 本作のノリは分かる人には分かる言い方で言うとプレステもしくはサターン初期の奇ゲー(ディスク4枚組)といった感じです。分かれ。
 まずキャラデザなんですがいい感じに気色悪くて好き。
 お気に入りなのはちょこちょこ歩きがキュートなドラゴンクリッターとトロちゃんです。
 世界観はみんな大好きポストアポカリプスな感じなんですが、地獄の3鬼神こと3バカをはじめ、全体的なノリはけっこうすっとぼけた感じです。
 そのへん、従来の世界が壊滅した後も人類や人工生命体マリガンたちはそれなりに日々の暮らしを暮らしていってるバイタリティを感じますね。
 そして本作、その遠大な世界観を一人で、しかもストップモーションアニメで作っているというとんでもない作品。
 パンフレットに掲載されている制作風景を見ると、セットの精巧さはもちろんのこと、そのサイズに驚かされます。
 こんなに小さいセットが、本編ではとんでもない巨大感と遠大さを伴って表現されているのがすごい。
 分かる人なら例外なく「BLAME!」を想起したことでしょう。
 本作はどうやら3部作の最初の作品のようなので、残りもぜひ制作してほしいですね。

 次、「ビバリウム」。
 これも例によってサンサン劇場で上映されるということで知った作品。
 怪しい不動産屋に立ち寄ったトムとジェマの二人は、案内されるままに同じデザインの住宅が立ち並ぶ街「ヨンダー」に向かいます。
 しかし二人は、同じ空、同じ家が延々と続く脱出不能の空間に閉じ込められ、ダンボールで運ばれてきた赤ん坊を育てるという異常な生活を強制される、というお話。
 いやーもうこういう不条理系SFスリラー大好き。清く正しいP・K・ディック系SFですね。
 まず印象的だったのはジョナサン・アリス演じる不動産販売員マーティン。
 もうぴったり七三分けにした髪型からパカッと口を開けた笑顔から全体的に胡散臭い。こんな胡散臭いキャラ初めて見たレベル。
 そしてトムとジェマが育てることになった子供は急激に成長していき、わずか3ヶ月で10歳程度にまで成長してしまいます。
 この子供がもう不気味なことこの上ない。
 恐らくエフェクトを掛けてるんだと思いますが、明らかに子供の声ではない……というか、明らかに人間ではないなにかが人間のマネをしているという声でとてつもなく不気味。
 今まで映画で見てきた子供の中でいちばん不気味だったかも。
 脱出不能の住宅街・ヨンダーの正体は、作中では明言されないものの地球外生命体が人間を観察および利用して自分たちの幼体を育てさせるためのものなわけですが、結局作中ではその地球外生命体は直接姿を表すことはありません。
 しかし、パンフレットに記載されている本作の解説を読む限り、ある側面ではヨンダーは誇張されているだけで現代社会そのもので、脱出不能の画一的な住まいが無限に並ぶ住宅街に二人を閉じ込め人間社会を侵略しようとしているのは「人間社会が自ら生み出した画一化され形骸化した幸福のイメージ」だと感じました。すでに侵略は完了しているという……。
 あれです、本作はかの名作「ゼイリブ」と同系統の作品だわ。
 あとパンフレットの最後に脱出不能地獄すごろくがあって笑った。
 こういう作品を知ることができるのも塚口の良いところですね。

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第18回例大祭戦利品レビューその1「れみりやるでい」(泥舟海運)

2021-06-22 23:21:19 | それさえも平穏な日々

 はい、ようやく再開しました同人誌レビュー。
 ちなみに去年の紅楼夢のレビューも実は全部終わってません。まあ気長に待っててください。

・れみりやるでい(泥舟海運)
 こうばワールドでは人里にちょくちょく顔出してるおぜうですが、今回は人里の蕎麦屋でお財布忘れて職業体験!
 こうばワールド紅魔館におけるおぜうのカリスマはそりゃもう目も当てられないひどいものですが、人里の一般庶民はカリスマに対する作法を心得ておりおぜう大満足の巻。
 すっかりみんなのアイドルと化したおぜうですが、人里の人々に囲まれたおぜうがちんまりしててたいへんかわいらしい。
 そしてどこに出しても恥ずかしくない不憫キャラと化した小傘ちゃん、やる気を出した直後に夢想封印されてるのがたいへんかわいらしい。
 全体的に癒やされる本作ですが、その裏で店主のプライドが粉々に破壊されているあたりが実にこうばワールド。
 世の中には常に表と裏、光と闇があるのだということを思い知らされる新刊でした。

 今日はここまで。

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梅田ブルク7「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」見てきました!

2021-06-21 23:11:48 | 映画感想

 いやー、エヴァ完結とともに「ついに現実のものとなったか……」といった感慨を覚えますね。
 閃ハサ、ついに映像化が実現しましたね。
 というわけで「機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ」、見てきました!

 まあネタバレに関しては別に隠す必要も無かろうということでネタバレ反転はしません。
 さっそく感想をば。

 原作小説の方は恐らくちゃんと通しで読んだことはないような気がする。
 ラストのオチについては知ってます。
 全体のストーリーの方は大まかには知ってる状態ですかね。
 ゲームなどではちょくちょく出てきた閃ハサですが、本格的に映像化したのは今回が初めてなので、キャラクターのデザインが明確化したのは今回が初めてと言っていいでしょう。
 ハサウェイとケネスに関してはおおむねイメージ通りと言った感じ。
 しかしハサウェイも大人になったもんだなあ……。
 非常に印象的だったのが本作のヒロインであるギギ・アンダルシア。
 彼女の印象がすごく不安定なんですよね。
 恐らくこの不安定さは意図して造形された不安定さだと思うんですが、ときには成熟した女性に、ときには幼い少女のように見える彼女の造形は、なんだか視聴者=神の視点・第三者目線で描写されているというよりも、ハサウェイの彼女に対する印象が色濃く反映されているようにも感じられました。
 不安定と言えばハサウェイも不安定なんですよね。作中ではマフティー・ナビーユ・エリンという偽名を名乗っており、2つの身分を持っているせいもあるのに加えて、確固たる信念を持っているように見えたり、ただ単にマフティーの活動や信念に盲目的にのめり込んだりしてるだけのようにも見えました。
 本作のキャッチコピーの一つが「シャアの理想とアムロの情熱 2人の意志を継ぐ者」とありますが、ともすれば本作のハサウェイはシャアとアムロの不完全なデッドコピーに見える気もします。
 このへんのキャラ造形は非常に印象的でしたし、非常にトミノ的でした。
 次、MS戦について。
 わたくし、全ガンダム作品の中でもっとも印象に残っているシーンをひとつだけ上げろと言われたら、F91の冒頭でGキャノンの空薬莢が一般市民に激突するシーンを上げるくらいあのシーンが印象に残ってるんですが、本作における市街地での戦闘は完全にそれのアップグレード版として感じられました。
 本作におけるMS戦は、足元で逃げ惑うハサウェイとギギの視点から描写されていることが多いのも相まって、ロボット同士の戦闘というよりは怪獣映画の文法で描写されていると感じました。
 流れ弾どころかそばでMSが動いてるだけで周りは壊滅状態になるということが、偏執的なまでに描写されていたと思います。
 ビームライフルの粒子があたりに飛び散れば茂みは炎上し、バーニアを吹かせば建造物は吹っ飛ぶというあの描写は、完全に怪獣同士の戦いの足元では人間は逃げ惑うしかないという文法でしたね。
 この描写によって、ガンダム世界において市街地でMSを行うことがどれほどの悪行であるかということの解像度が一気に向上したでしょうね。
 もうひとつ、人間目線からのMSの恐ろしさを感じたのが、陸戦用ジェガンA型マンハンター仕様。
 「ビーム兵装をすべて廃して対人機銃を装備」「人間目線で最も目立つ脚部部分のみリペイント」というコンセプトの時点でもうエグい。
 解説によれば対人機銃は威圧目的とか書いてますが、威圧で済ませてるわけないよなあ……。
 このように今回の閃ハサは、ミリタリー色を強調した08小隊とはまたことなる方向でMSを徹底的に兵器として、言葉を変えるなら「殺しの道具」として描いているという印象を受けました。
 ただ、例外的だったのが本作の主役MSであるクスィーガンダムとペーネロペー。
 特にペーネロペーは、飛行音からして完全にメッサーやグスタフ・カールといったMSとは明確に差別化、というかもう明らかに怪獣として描写されてますよね。
 そして両者デザインもまたガンダムタイプの形状から大きく逸脱したまさに異形のデザインになっていて、善玉、悪役といった分類ではなく「まっとうでないガンダム」といった趣き。
 特にクスィーガンダムの方はかなりの悪人面になってるよな。
 また、戦闘シーンは全体的にヒロイックさを廃した描写になっているように強く感じました。
 本作は3部作ということで、話としてはまだまだ冒頭部分と言ったところですが、続きが楽しみです。いつになるのかな……。
 あと本作が映像化されたことで、ガンダム・センチネルとガイア・ギアの映像化の可能性が上がったと思いたい。

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