実は「バトルシップ」初見が塚口のマサラ上映だったわけですが、今回の「ロボット」「ロボット2.0」も今回のマサラが所見となります。
さて今回は知名度のせいなのか席の埋まりは今ひとつで、プロメアやバーフバリなどのときと比べると待合室の人数も少なかったので、「今回はおとなしめかな?」と思っていたわたくしは、その認識の甘さを思い知ることになるのです……。
結論から言うといつもどおりでした(後述)。
さて恒例の待合室はこんな感じ。
ちなみに真ん中のチッティは銃を回して遊べます。さらに光ります。
サンサン劇場の待合室の展示は毎回こんな調子なのですげーなあ。
さて、それでは映画本編スタートです。
まずは「ロボット完全版」。
ロボット工学者のバシー博士は、自分そっくりの容姿を持つアンドロイド「チッティ」を作り上げます。
チッティはその力と頭脳で、バシーの婚約者であるサナを数々のトラブルから救います。
校舎の外から試験中のサナに試験の答えを通信で教えているところに通りかかった教師に、バカ正直にカンニングのことを話してしまったりといったようなロボットもののお約束ギャグはしっかり押さえてあります。
お約束と言えば、久しぶりに映画で「アシモフの3原則」って言葉を聞いた気がする。
あと2019年にもなって「足の裏の車輪で走行するロボット」を目にしようとはこの海のリハクの目を持ってしても見抜けなんだわ。
というかそれ以前に2019年にもなって「自分の頭を外すロボット」を拝むとか想像もしてませんでした。インド映画はどれもこれも予想外すぎる。
あと今作では、チッティは感情に目覚めたことでサナに恋をしてしまい生みの親であるバシー博士と対立するわけですが、サナの方は一貫してチッティには恋愛感情を持ってないのがなんだか独特な感じがしました。
また、本作は基本的には「ロボットが感情を得て暴走する」という王道のSFアクションなわけですが、所々にインドの死生観や宗教観、倫理観が見て取れるのが面白かったですね。
例えばチッティ火事になった建物から入浴中の女性を助けるものの、女性の裸を衆目に晒してしまったことで女性はそこから逃げようと走り出し、事故にあって死んでしまいます。
このシーン、どちらかというと事故で命を失ってしまうことよりも女性の裸を衆目に晒してしまったことのほうがより大きな過ちであるという見せ方をしていました。
その次にチッティが評価を上げるシーンとして、難産の子どもの出産を助けるというシーンがあるんですが、このシーンで赤ん坊を取り上げたチッティが「よく来た」って言ってるのが印象的。
また、インド映画特有のダンスシーンの歌詞にも、インドの文化とSF要素が融合したような語句があって印象的でした。
中盤まではこんな感じでけっこうシリアスな展開も多かったんですが、後半のバトルはもうまさに「荒唐無稽」という言葉がふさわしいトンデモ展開が待っています。
ボディを修復したものの破壊プログラムをインストールされてしまったチッティは、自分のレプリカを大量に作り上げて恋敵であるバシー博士を亡き者にしようとします。
軍に包囲されながらも抵抗を続ける大量のチッティ軍団がとった驚くべき戦法とは!?
これ男塾で見た。あとドッジ弾平でも見た。あと葛飾北斎が描いてた。
この辺の荒唐無稽さはまさにインド映画の面目躍如ってところでしょうか。
球体から平面、壁、さらにはドリルや巨大な蛇、そして巨人に変幻自在の姿を見せるチッティ軍団の戦いは圧倒的エンターテイメントでした。
そこからのラストがまた物悲しくてよかった。
前述の「自分の頭を外す」というコミカルなアクションが、ラストシーンでは自己分解として用いられるのがまたなんとも……。
本作を見る前はノリと勢い優先の某アンツィオみたいな映画だと思ってましたが、蓋を開けてみればインド文化とロボットSF要素がうまく融合したかなりの傑作だったと思います。
ところでひとつ突っ込みたいんですが、ポスターにデカデカと載ってる女の子ってロボとかじゃなくてダンスシーンのコスチュームの1つだったんかい!!
後半に続く!