今年いちばん楽しみにしてた映画、「ブレードランナー2049」を塚口サンサン劇場にて見てきました。
前作のファイナルカット版及び前日譚に当たる短編3つを見て予習も十分!
そしてまあ感想なんですが……。
はっきり言ってぜーんぜん咀嚼できてません。感想書けるレベルまではとてもとても。
2時間43分というとんでもない長尺の中に情報がぎっちり詰まってて、その情報がサンサン劇場でおなじみのとんでもない音響で叩きつけてくるので、なんというか延々とご飯と味噌汁とおかずと漬物を口の中に詰め込まれ続ける感じの映画でした。
またネタバレ厳禁の映画であることはもはや明白なわけですが、上記の通りネタバレ日記になるほど内容を噛み砕けてないので今回の日記はネタバレの心配はナシということで。
あと2回くらいは見に行きたい……。
まずサンサン劇場ということで音響です。
と言っても本作は、派手なアクションシーンメインの映画というわけではありません。
もちろんアクションシーンでは重い銃撃音、打撃音が楽しめますが、本作ではむしろそれらの音響は「静」のシーンを強調する方向に働いているように思えました。
中盤から終盤にかけての激しいアクションシーンとは対象的なラスト付近のシーンの静寂は特に印象的でした。
そしてキャラクター。
ライアン・ゴズリング演じる今回の主人公「K」ですが、最初は感情や動揺をおもてにほとんど表さなかった彼が、少しずつ感情を出していく見せ方はラストのネタバレと謎にうまくつながっている気がします。
ハリソン・フォード演じるリック・デッカードに関してはもうなんというか完全に「年老いたデッカードそのもの」で、見てて溜息がこぼれてしまいました。
すべての言動が前作を経たデッカードのそれで、セリフにいちいち感動してしまうくらい。
で、そのデッカードが出てくるということは、本作には前作と密接に繋がる要素があるんですが、宣伝以外の前情報を完全に遮断していたわたくし映画館でブッ倒れそうになりました。
これに関しては本作トップクラスのネタバレなので、是非とも君の目でたしかみてみろ!
新キャラも非常に魅力的。
特にKといっしょに暮らしてる(という設定の)VRキャラクター、ジョイは、その存在そのものが本作のコンセプトを表現している気がします。
というかアナ・デ・アルマス演じるこのジョイがえらく可愛いんだわ。
日本人受けする可愛さ。
そしてジョイは作中でもっとも献身的で、深い愛情を持っている――「ように見えるように機能している」。
彼女がどれほど一緒に暮らしているKを愛しているように見えても、それはあくまで「機能」でしかなく、どこからどう見てもそこにいるようにしか見えない彼女はしかし、生身の体を持ってはおらず、追加インターフェイスがなくては部屋の外にも出られず、スイッチひとつでその姿を消してしまう。
ジョイがon/offされるシーンで、そのメーカーであるウォレス社の企業ロゴがいちいち表示されるあたりは、「これだけ人間的に(最新型レプリカント以上に!)見える彼女も、やはり所詮作り物に過ぎない」ことを繰り返し認識させられる演出でした。
反面中盤の例のシーンは、そうした存在である彼女でしか出来ない演出で、本作屈指の名シーンだったと思います。
本作中の謎に関してはまあ概ね理解出来はしましたが、肝心なところ、明確な回答はぼかしてあるのは前作同様と言った感じ。
このへんは前作の回答を出すのではなく、それはそのままでさらに新しい謎をかぶせてきた構図です。
このあたりは非常にディック的。エヴァ的とも言える。
というわけで今はこれが精一杯。
ともあれネタバレ解禁したので、これから感想やらなにやら読み漁ろうと思います。