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塚口サンサン劇場「ブリンダーヴァナム恋の輪舞」「ザ・フェイス」ほか見てきました!

2024-05-06 23:34:11 | 映画感想
 皆さんゴールデンウィーク最終日はどのようにお過ごしでしょうか。なんかtwitter(頑なにXとは呼ばない)ではすでに怨嗟の叫びがネットの海を満たしている感じですが泣かないで。
 さてわたくし人形使いは今日も今日とてサンサン劇場で久々に朝から3連続視聴してきました。
 まず1本目はこれ!
 
 
 2本めである「ザ・フェイス」といっしょに見ようと思ってましたが、朝イチなのでなかなかタイミングが取れずに見てませんでしたが今回ようやく見ることに。
 本作はかの名作「RRR」にてビームを演じるNTR・ジュニア氏が主演を務めるファミリームービー。
 主人公・クリシュはある日恋人のインドゥから頼み事をされます。その頼み事とは、粗暴な従兄弟と結婚させられそうな友人・ブーミを助けるために彼女の恋人役を演じてほしいというものでした。快く引き受けたクリシュですが、事態はだんだん大事になっていき……。
 本作の感想を一言で言うと胃が痛い。わたくし人形使いは物事が予定通りにいかなかったり雪だるま式に取り返しのつかないことになってしまうのが非常に苦手なので、本作の後半で事態が加速度的にえらいことになってしまうのを見てて胃がキリキリしてました。
 当然というかお約束というか、最初こそ恋人のふりをするだけだったブーミは本気でクリシュのことを好きになってしまい、じゃあインドゥはどうするの?という展開に。
 しかし本作ではクリシュ、インドゥ、ブーミの三角関係以上に、クリシュが分裂状態だったブーミの家族を再び結びつけていく様子に比重を寄せて描かれていたと感じます。
 完全なよそ者であるクリシュの介入によって兄弟が別々の村に住むほどの分裂状態だったブーミの家族が次第に絆を取り戻していくさまは感動的であると同時に、逆説的に家族というコミュニティの負の強固さを描いていると言えるんじゃないでしょうか。
 ブーミの家族間の確執は祖父世代から続いており、その確執は家族間のみでなく村人たちにも波及しており、完全にそういうものとして定着しています。続く「ザ・フェイス」でも同じことを感じましたが、両作ともに「そういうものとして定着している空気を打破する物語」だったなあと思いますね。
 とは言え本作、クリシュの活躍によってブーミの家族の問題が解消されればされるほど、クリシュがブーミの家族に信頼されればされるほど状況が泥沼になっていくのが面白いやら胃が痛いやら。
 これまで見てきたインド映画はかなりシリアスなものが多かったんですが、本作はシリアスなシーンも織り交ぜつつコメディに比重をおいた作風となっており、エンディングでもNG集があるなど楽しい気持ちで見られる作品でした。
 
 間を置かず2本目、今度は同じくみんな大好き「RRR」にてラーマ役を演じたラーム・チャラン氏主演のこの作品!
 
 
 この作品も公開からけっこう間が空いてしまいましたがようやく見てきました。
 恋人であるディープティとの結婚を目前に控えている主人公・サティヤ。しかし、ディープティはギャングのボスであるヴィールに目をつけられていました。そしてついにヴィールは手下に命じて二人の乗るバスに火を点けるという強硬手段に出ます。ディープティを守ろうとするサティヤですが、ディープティは殺害されてしまい、サティヤも顔の半分を失うほどの大火傷を負ってしまいます。
 しかしサティヤは整形手術でまったく別人の顔を手に入れ、ラームと名を変えて恋人を殺したヴィールとその手下への復讐を始めるのでした。
 これまで見てきたインド映画のパターンだと、重症を負ったサティヤが復活するまでにかなりの尺を取ってそうですが、本作はそこまでは冒頭部分であっさり終わらせて、前半はサティヤの復讐劇、後半はサティヤの新しい顔の元の持ち主であるチャランの過去パートとなっています。
 そう、本作では顔を変えたあとのラーム・チャラン氏演じるサティヤの偽名がラーム、そして元の顔の持ち主がチャランなんですよね。ちなみに整形前のサティヤを演じるのはラーム・チャラン氏のいとこにあたるアッル・アルジュン氏なんだとか。
 さて本作なんですが、まあラーム・チャラン氏の非常に整った顔面が大スクリーンでゲップが出るまで楽しめます。ラーム・チャラン氏といえばやはり「RRR」のラーマ役の印象が強いのでクールなイメージですが、本作ではコミカルなところもたくさん見られたので氏の魅力がさらに深まった気がします。
 ただなあ……話の構成としてはちょっと、といった感じ。前述の通り本作は前半が整形後のサティヤことラームのパート、後半が顔の持ち主であるチャランのパートなんですが、インターミッションを挟んでチャランのパートに入ってからかなりの時間ラームのパートが続くので、その間まさに佳境に入ったところのラームのパートがずっと止まってしまうので、止まったラームのパートが気になってあんまりチャランのパートが頭に入ってこなかったというか楽しめな方というか。両パートは単独で見るとたしかに面白いんですが、なんというか映画を見てるときに途中で別の映画が横入りしてきた感が強くてちょっと構成としてはどうか、といった感じ。
 また本作、復讐譚なので総合的な空気はシリアスで重いんですが、たびたびコミカルなギャグシーンもあります。しかし、そのギャグシーンの多くがシリアスなシーンの直後にいきなり挿入されるのでシリアスな空気が寸断されてしまってた印象。これもまたギャグ自体はほのぼのとしてて笑えるんですが、「そこでやるか?」といったタイミングなのが多かったのでちょっともったいなかったですね。
 
 そして腹ごしらえをしてから3本目!
 
 
 本作は以前、まさかの虚淵監督参加の応援上映が行われた作品でm日本・台湾共同制作によるテレビ人形劇。
 台湾の伝統芸能である木製の手足に袋状の胴体を持つ人形を操作する「布袋劇」を現代風にアレンジしたユニークな作品となっています。
 もはや「人形劇」というジャンル自体ほとんど見ることがなくなった現代ですが、改めて「人形」というアイテムの奥深さを感じました。
 本作のキャラクターは全て人形として造形されているので、動きはするものの表情を直接的に変えることは出来ません。しかし、BGMや動作、光や影の当たり方、そして声優陣の声によって驚くほど多彩な表情を見せてくれます。特に釘宮ボイスのドS少女こと皇女・嘲風の表情と動作は人形とは思えないほどでした。主人公・浪巫謠を「私の鶯」と呼びしなだれかかるところとかすごかった。
 あと個人的にすごいなと思ったのがアクションシーン。本作は冒険活劇なのでキャラがバンバン動くんですが、前述の通り本作の人形は下から操者が手を入れて操る形式。なのでアクションシーンでは操者が映らないようにしないといけないんですがこれがうまく隠してあって職人芸といった感じ。
 また、エンドロールで見られるメイキングによると踏み込んだり走ったりするシーンでは足元の部分だけを作っててそれに手を入れて動かしていてなるほどなーと思いました。こういう作品は制作現場の裏側を見るのも楽しいんですよね。雑魚敵が吹っ飛ぶシーンで本当に人形をダイレクトに投げてて笑った。
 あと前回も思いましたが自分の息子が朝起きていきなり西川貴教ボイスになってたら誰でもビビると思います。
 
 ……というわけで、ゴールデンウィーク最終日、久々の3連続視聴でした。いやー面白かった映画充できた。
 しかし塚口のスケジュールはまだまだ予断を許さない状況なので俺たちの戦いはこれからだ!
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