A Day in The Life

主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

なんばパークスシネマ「オッペンハイマー」見てきました!

2024-05-05 23:39:07 | 映画感想
 今日は先日開催された博麗神社例大祭の新刊を手に入れるべく久しぶりになんばに。
 なのでこれまた久しぶりになんばパークスシネマに行ってきました。ここ数年は塚口と梅田周辺ばっかり行ってたので本当に久しぶり。
 というわけで今日見てきたのはこれ!
 
 
 ある意味今年最大の話題作といえる本作、なんだかんだでまだ見てなかったのでそろそろ見に行かないと上映終了してしまうということで調べてたところ、ちょうどなんばパークスシネマでまだ上映してたので見に行くことにしました。
 なんば自体行くのが久しぶりだったんですが、明日は朝から塚口なので今日はメロンブックスと映画のみにしておくことに。
 さて映画の感想……と行きたいんですが、久々に隣に上映中にスマホ点灯ジジイが出現するという嫌なイベント発生。ここ最近行ってた塚口や梅田周辺の映画館ではまったくそういう類の迷惑客には遭遇してなかったんですが、やはり大型連休ともなるとこういうのが出るのが困りもの。
 過去の経験から、土日や連休の早い時間にはスタッフさん(もちろん若い女性のみ)に絡んでたりいびきかいて爆睡してたりする◯◯◯(任意の罵倒語)がいることが多かったので避けてましたが、やはり大型連休にはこういうのとの遭遇率が上がってしまいがち。はーやれやれ。
 しかも今回の「オッペンハイマー」は3時間の長尺作品であるのに加えて時系列が頻繁に入れ替わる作風なので頭を使うというのにイライラが先に来て途中から作品に集中できなくなってしまいました。
 なので今回の感想はちょっと焦点が定まらない感じの内容になってしまうかもしれませんが俺は悪くねえ。
 
 というわけで延々愚痴ってての仕方ないので感想に行きましょうか。
 まず本作はテーマがテーマなのでヒロシマ・ナガサキがどういう扱いなのかというのが日本人にとっては大きな注目ポイントのひとつだったと思います。この点に関してどうだったかはすでにtwitter(頑なにXとは呼ばない)で漏れ聞こえてたので知ってましたが、もちろん言及はされていたもののそちらのほうに積極的にカメラを向けることはありませんでした。これはけっこう革新的と言うか、いわゆる「原爆をテーマにした作品」(迂闊に『原爆モノ』とは言うまい)というジャンルが変わってきたのを感じました。
 わたくし人形使いも昭和生まれのオッサンなので義務教育の中で原爆についてはさまざまな形で遭遇してきましたが、今考えるとそれらは概して「とにかく戦争と原爆を否定する」という方向性、もっと言えば大人たちからの「とにかく戦争と原爆を否定しろ」という命令と期待に彼らが望む反応を返すための教育であって、「戦争や原爆がどういうものであったか、なぜ落とされたのか」もっと言えば「アメリカ側から見た原爆投下という行為はどういうものであったか」というところに踏み込むことはなかったと思います。然るに本作はまさにそこに3時間ずっとカメラを向け続けた作品でした。
 で、そこに何を見出したかと言うとこれがなかなか言語化が難しい。メインのストーリーラインは「原爆の父」ことロバート・オッペンハイマーを主人公に、彼の宇宙物理学の研究が原爆の製造に繋がり、そして原爆が実際に投下されるまでを描くというシンプルと言うか表題そのままの直球な内容なんですが、ノーラン監督お得意の時系列まぜこぜに加えてカラーとモノクロを使い分けた画面、そして要所で非常に雄弁に物語りを彩る音響からは……なんというか、ある種の恐怖を感じました。「怖い」映画なんですよね本作。
 オッペンハイマーは確かに先進的な研究に携わる優秀な研究者なんですが、明らかに自分が生み出したものをコントロールできていないし、彼ひとりがいたところで歴史は変わることはない。本作が「史実」であることも相まって、主人公たるオッペンハイマーは主人公でありながらストーリー=歴史に対して介入やコントロールが出来ず、ただその濁流に飲まれていくだけ。
 彼自身は自分の研究がもたらす壊滅的な破壊や世界を文字通り大きく変えてしまうことを正確に理解しているので、それがさらに原爆というプロメテウスの火をコントロールできていないことをことさらに強調していて怖かった。
 特に怖かったのが、終盤のオッペンハイマーが観衆の大歓声の中で登壇するシーン。まさに熱狂といった大歓声の中に、明らかに悲鳴のような声が混じってるんですよね。そしてさらに、歓声の中でオッペンハイマーは当然というべきか、全てを破壊する原爆の閃光と皮膚がケロイド状になっていく恋人の姿を幻視するという……。
 今年に入ってなんの因果か、「ゴジラ-1.0」やドラマ版「Fallout」、「Fallout3」といった原爆が大きく関与する作品に立て続けに触れてきましたが、直接・間接問わず本作の原爆描写がいちばん怖かった気がします。それはなぜかと考えると、やはり本作ではロバート・オッペンハイマーといういち個人の立場から原爆というあまりに強大な力を見ていたからだと言えるでしょう。
 印象的だったのがラストで明かされるオッペンハイマーとアインシュタインの会話。なんというべきか……「世界を一歩先に進めてしまったという罪」のあまりの大きさを改めて感じさせられた気分になりました。
 「人類にはコントロールできない強大な力」という点では、本作はある意味テクノロジー・クライシスを描いた作品と言えるかもしれません。
 不勉強でオッペンハイマーの周辺の人間関係などがあまりわからなかったので、今度は事前に勉強して2回目を見たいものです。
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