「夢現理論の臨界点」のレビュー完了には時間がかかりそうなので、というかかかるので、その11を飛ばしてその12を先に書いてしまいましょう。
・ヨイヤミビスケット体験版(以絵会友、tripper_room)
全国415874854人のルーミアスキー待望のヨイヤミシリーズ第3弾「ヨイヤミビスケット」、体験版がついに登場!
画面固定ACT、リズムゲー+アクションと来て次は何が来たかというと、今回はいわゆるヴァンサバライクなツインスティックシューター。
主人公はもちろんルーミア。そして今回はさまざまなお菓子を武器としてステージをクリアしていく方式となっています。
まず言及しておきたいのがコンフィグ周りの丁寧さ。
コンシューマーゲームとPCゲーム・同人ゲームの違いはたくさんありますが、その中の大きな違いの一つが「プレイする人によって異なるコントローラーを使う」でしょう。
今やさまざまなコンシューマーのコントローラーがPCで使えるようになってますが、それだけに特定のコントローラーがうまく動かなかったりコンフィグに不具合が出たりするもの。
その点本作は、起動直後のコンフィグ画面にて使用しているコントローラーごとにわかりやすく動作確認ができるようになっています。
個人的にキーコンフィグですごくいいなと思ったのがコンフィグ画面でゲーム中ののボタン・キー表記が選べるという点。
前述の通りPCゲームや同人ゲームではそれぞれが異なるコントローラーを使用していることが多いので、ゲーム画面ではABXYだけとコントローラーは◯×△□といったようにゲームでのボタン・キー表記と使用しているコントローラーのボタン・キーが食い違うということがしばしばあるんですよね。
これがあるとコントローラー自体は問題なく動いててもゲームプレイがスムーズにいかないことが多いんですよね。しかるに本作ではゲーム中のアイコン表記がPS系、360系、switch系の3種類用意されているのでネジコンとかよっぽど特殊なコントローラーを使ってない限りキーコンフィグで不便を感じることはないでしょう。体験版の段階でここの完成度が高いというところから期待が持てます。
ゲーム内容については、画面写真を見たときは上記の通りヴァンサバライクだったのでゲーム内容もそれに準拠したものだと思っていましたがさにあらず。
ベース部分は確かにヴァンサバなんですが、そのフォロワーにとどまることなくショップやステージ分岐といったさまざまな要素を盛り込んでて、きちんとフォロー元をリスペクトしつつ差別化しているのが分かります。
特にステージが分岐するだけでなく、その間にさまざまなイベントが挟まっているのが好き。さらにイベントが発生するだけでなくそのイベントでの選択肢によってステータスが上下したり特殊なショップが出現したりするのが楽しいです。プレイしてて往年のゲームブックを読んでる気分になりました。
ゲームシステムも最初の体験版とは思えないくらい複雑かつ重層的に組み込んであります。特に武器であるお菓子を「食べる」ことによってステータスを向上させる+デメリットとして「ねむけ」が増えるというのは斬新なシステムだと思いました。
これだけたくさんの要素を盛り込むと重量オーバーになったり混乱したりしてゲームが破綻してしまいそうなものですが、これらのシステムがしっかりまとまっているのはさすがと言ったところ。
そして一番すごいのが、これらのシステムはすべて「ルーミアが主人公だから」というところにしっかり根ざしているという点。ただ単にルーミアを主人公にしたというだけでなく、ルーミアだからこそこのシステムがある!というのがはっきりしているのがいい。
また本作、ヴァンサバライクではあるもののエイムとショットの概念がある、緊急回避のドッジロールがあるといったように、ヴァンサバに比べて「積極的に動いて攻めるアクションゲーム」としての比重をかなり大きくしているのが感じられました。
この時点でこれだけ完成度が高いなら、あとは実質細かいバランス調整だけなんじゃないの?と思ってしまうくらい遊べる体験版でした。